●「海のなみだ」編
ちょうど、好きな漫画家さんが描いた人魚姫(これはオーソドックスなものでした)を読んだ時に、私だったらこんな人魚姫にするのになぁ、と思ったのがきっかけで書いてみたものです。
人間との恋を成就できずに海の泡となった人魚もいれば、きっとティアのように自分だけを愛してくれる人を探して何度も人間になったりした人魚もいたのではないかと思います
(人魚に惚れられたばかりに、命を亡くした人達には申し訳ないのですが(^^;))。
ラストのシャラと魔法使いのやりとりは、今回付け足したものです。
以前書いた時は枚数制限のために削った部分なのですが、妹のために苦労した姉をちょっと救おうかな、と思って(笑)。
ティアがあんな性格だから、シャラはかなり苦労したんでしょうねぇ。ティアが恋に破れたといっては、自分の髪と交換に魔法の剣を手に入れて、渡していたのですから。
でも、まあ、そのシャラも魔法使いと一緒になったので、よしということで。
一番気に入っているセリフは、前半の「片手では数えられないけれど、両手ならおさまる数」という部分です。はっきりと数を表していなくて曖昧だけれど、なんとなくわかる表現で気に入っています。
今回これは、本当に好きになった人とハッピーエンドになって終わっていますが、ティアはこれからの方が大変です。なにせリーフはいいとこの御子息で、しかも婚約者までいるのですから、まわりに反対されるのは必至です。でも前向きな性格のティアですから、この先もどうにかなるでしょう。
ハッピーエンドの人魚を書きたかったので、この続きは書くことはありませんが、ティアがどんな苦労をしてそして幸福になっていくかは、ご想像におまかせします。
ということで、しーの版人魚姫『海のなみだ』でした。
|