I can't hate you 〜僕の語る千尋クン〜
「ほら吹雪ちゃん、俺吹雪ちゃんの為にいいものとってきたんだ♪ハイ、これ。」
「え?・・・・・ぎゃーーーーーっ!く〜〜〜〜〜〜っっ(くも〜〜っ)!!」
「あははははははははははは!!!」
「小林千尋・・あいつは一体何考えてるんだか私にはわからないねっ!!」
――そうかなぁ・・。
僕は小林大和。向日葵高校2−Aです。いきなりだけど、このクラスには「小林」が5人もいて、僕、小林大和、格好良くって優しい小林健吾クン、今僕がお話ししていた小林吹雪ちゃん、それから、話題の小林千尋クン。
今吹雪ちゃんは千尋クンが何を考えているのか分からないって言ったけど、僕はそうでもないんだ。
ちょっと意地悪で素っ気ないところがあるけど、本当はとってもいい人なん・・
「やぁ小林くん、今日可愛いもの見つけたんだ♪見せてあげるよ」
「わぁい本当?」
ねっ、いい人でしょう?へえ、・・ここを押すのかぁ・・。
ばちん☆
「痛〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
僕がそう言って一生懸命それをはずそうと必至になると、千尋クンはさも愉快そうに笑うんだ。
こういうところは僕でも流石に気付かないよっ!
でも僕は千尋クンの気持ちを知っているんだっ。きっと自分に振り向いて欲しいんだよね♪
もう、恥ずかしがり屋さんなんだからっ♪
それに吹雪ちゃんだって健吾クンだって、千尋クンのこと、絶対に嫌いじゃないし、安心していいんじゃないかなぁ?
・・・でも、千尋クンはまだ僕達に完全には気を許してはいてくれてないみたい。
いつもみんなから一線おいて世の中を見てるって言うか・・。
きっと、まだ誰も信じられないんだろうなぁ・・。
なんでなんだろう。そんなになるほどのことがあったのかなぁ?
でも、絶対絶対、いつか、ね!
千尋クンの趣味は罠をかけること。
そして罠の矛先はほとんど・・・僕。でも最近は吹雪ちゃんの方が多いかな?
こんなこと言ったら二人に怒られるだろうけど、千尋クンって吹雪ちゃんが好きなんじゃないのかなぁ?
でも健吾クンも吹雪ちゃんが好きっぽいしなぁ・・。
・・・はっ!!ということは、「三角関係」?!!!(笑)
きゃーー吹雪ちゃんってば、すごーーーい!!
「うひゃっ?!」
いきなり背中が冷たくなったと思ったら、隣に千尋クンが笑っていた。
背中から取り出すと、リンゴジュースと書いてあった。
「なーに百面相してんの?」
「・・・くれるの?」
「うん」
「ありがとうっっ!!」
ほらね、ほらね、千尋クンはとっても優しいの!
今はきっと僕が考え事してるって気付いて、これを買ってきてくれたんだよっ!
えっ、なんでわかったって?だって千尋クンの買ってきてくれたのは、僕の苦手な野菜ジュースじゃなくって、僕の大好きなリンゴジュースだったんだもん!
カコッ、プシュッ、ゴクッ
「うひぃぃぃぃぃぃ!!!!!」
苦いぃぃぃぃ!!!!!ちっ、千尋クンもしかしてこっこれは・・・、
「おや小林クン、そんなにおいしい?これは野菜ジュースのなかでも一番美味しいんだよ♪
健康にもとってもいいしね」
やっぱりぃ・・。罠ぁ・・?でも健康にいいって言ってたからちがうのぉ?
はっ、でもどっちにしてもこれは僕に好意を持ってくれているんであって・・!!
あぁぁ、僕、どうしたらいいのぉ・・?苦いなんて言っちゃあいけないよね!!
ゴクゴクゴクゴクッ
「うええぇ・・ちっ、千尋クぅぅン、ととと・・うええ、とっても美味しかったよ!!!」
「!!・・・ぶっ、くくく、そっそれはよかった・・・。」
そういって千尋クンは教室から走ってでていってしまった。
遠くで、笑い声がする。
「ぶっ・・・ひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっっっ!!!あっはははははははは!!」
ち・・千尋クンの笑い声?どうしたの?!
・・・でもこれ、よくみると(よく見なくても)ラベルに「リンゴジュース」って書いてある・・・ってことは・・罠ぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!
くっ、くそぉ、えぇぇぇぇぇぇぇん!!
こんな毎日なんだけど、やっぱり僕は千尋クンを憎めません。
なんでなんだろうね?
FIN
【可愛さんから一言】
どうも、こんにちは。可愛です。
なっなんだかとてつもなく意味のない小説ではない小説?になってしまいました。
申し訳ない・・・。一応私にしては珍しく、主人公は大和クンです!
では、読んでいただきありがとうございました!
Special Thanks!
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