歯科治療と自然治癒力は関係ないと思っている人がほとんどですが歯科領域でも自然治癒力は働いています.

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自然治癒力を生かす歯科治療


自然治癒力(しぜんちゆりょく)
 ころんでケガをした、風邪をひいてしまった、などという身体の平衡(へいこう)を崩すような刺激が加わったとき、生体はそのアンバランスな状態をもとに戻すように働きます.

 この平衡を取り戻そうとする働きを自然治癒力といいます.

 むし歯でできた穴は自然にふさがらないので、歯科治療と自然治癒力は関係ないと思っている人がほとんどですが、歯科領域でもあらゆる局面で自然治癒力は働いています.


歯にも自然治癒力が働く

 むし歯や歯周病を発症したり、歯根破折がおこると、生体はその破綻がそれ以上広がらないように懸命に働きます.

 歯周病でおこる歯周組織の炎症は、血管が拡張し透過性を増すことで、細菌の侵入を防ごうとする組織の防御反応です.

 むし歯は細菌によって歯が溶かされる疾患ですが、歯が傷害を受けたことを察知したゾウゲ芽細胞は歯の神経を守るために第二ゾウゲ質を形成します.

 むし歯や歯周病に対して歯と歯周囲組織が起こすこのような変化は、自然治癒力のひとつです.

歯の動揺

 過剰な力がかかると歯は動揺しはじめますが、これも歯が過剰な力によって折れたり抜け落ちないようにするための適応現象だと考えられます.

 歯の動揺が激しいからといって簡単に歯を抜いてしまうのは、歯を残そうとして頑張っている生体の自然治癒力を無視した行為ということになります.

歯の傾斜や挺出

 歯周炎で歯周支持組織が破壊されると歯は上に延びてきたり、横に倒れたりします.

 これも歯周ポケットを浅くしようとする生体の適応現象です.

 歯が懸命に適応しようとして傾いてしまった歯を、「補綴物を入れる邪魔になる」といって抜いてしまっては、歯は何本あっても足りません.

自然治癒力を考慮した歯科治療

 生体が歯の変化に適応しようとしている状態を読み取り、異常をおこした歯が生体に適応できるように対処するのが歯科治療です.

 第二ゾウゲ質の形成を無視して簡単に神経をとってしまったり、動揺が強いから、位置異常をおこしたからといって次々と抜歯してしまうのは歯科治療ではありません.

 生体の自然治癒力を十分意識した歯科治療を行いたいものです.