これが北村町長の準備書面への砂川からの質問および反論である。
ところが北村町長は一言も返答および反論できなかった。



平成十二年(行ウ)第一号 公金返還請求
 
原告準備書面(一)
原告 砂 川 次 郎
被告 北 村 正 二
 
二〇〇一年一月一五日
原告 砂 川 次 郎  印
 
大津地方裁判所民事部合議A係 御中
 
原告は二〇〇〇年十一月二十七日付け被告提出の準備書面(一)について
左記のとうり反論する。
 
第一 被告の主張第一について
    原告は志賀町新庁舎の建設の必要性、並びにその経緯については争わないが、竣工式招
    待者については争う、が、後出するのでそこで反論する。
    記念品を贈ることについての決定は、
1. どうして記念品を贈ることが必要なのか、必要ないこと、の十分な議論はなされたのか疑わしい。

2. 喜びの気持ち、日ごろからの功労については
       新庁舎完成の喜びの表れ、として竣工式が行なわれそこで互いに祝意を交わすことで満たされ、日ごろから        の功労に対する感謝の意は態度、祝意などで十分ではないか。事実そのような挨拶なり会話なりが竣工式
       当日行なわれたことはほぼ推認できる。
       以上のような理由から、招待者に特段記念品を贈る必要性の根拠はない。また、これらは公金であり、この
       ような希薄な根拠によって支出されるべきではない。
 
第二 被告の主張第二について
         原告は次の項目について被告に説明を求む。
         被告は参考のため他市町村庁舎竣工式の記念品金額を参考にしたと主張しているが、
             その、他市町村はどこで、いつ(何年、何月)のものを参考にしたのか。
         記念品の選定について、被告は「趣旨にもっとも適する」として五〇〇〇円のお買物
             券(以下商品券という)をあてがわれた記念品より良いと、選定したと主張するが、
             記念品と何年何月、何があったかを記憶されるものであり、どの商品にでも変えうる
             商品券は記念品ではない。
             商品券を持参することで金額の範囲で自由に買い物が出来るということは限定的では
             あるが、貨幣と同等の役割を果たすもので、お買い物をする金券ということであり、
             とうてい記念品とはいえない。そのことは「記念品」を決定した町長自身の判断、及
             び議決とは異なるものを配布したことになり、違法な支出といわざるを得ない。
 
第三 被告の主張第三について
    原告は次の項目について被告に説明を求む。

            第一で述べている「招待者に対する日ごろからの功労」と言うが、個々の出席者につ
       いていったいどのような功労なのか。
       またその支出はどのような項目にて支出されたのか。
       被告が言う、衆参両院議員や滋賀県知事および町と関係の深い県の役職者、町と関
       係の深い県議会議員、町と密接な関係のある国の出先機関の代表、近辺の市町村の代
       表、町議会議員、町の各委員会代表、前町長・助役、町内各区の区長、町内各公的団
       体の代表、など公職にあるものは職務で行なったのであり当然といえる。
       被告が公職者が公職者に金員を税金より、お手盛りの金品と同等のものを何かにつけ
       て配りあうのが当然であるとしているのは不当である。
       公職以外のものにも第一の一で述べたように、日ごろからの功労に対する感謝の意は
       態度、祝意などで十分である。
       よって、竣工式に招待するのはともかくとして、出席者に五千円もの商品券を渡す必
       要はない。
 
            滋賀県知事は「買い物券は現金に準ずるもので受け取れない」と、原告が住民監査請
       求を出したとたんに返却している。遅かりしとはいえ、これが正当な判断というもの
       である。証拠書類甲第二号証参照
 
第四 被告の主張第四について
      職務でおこなっているものたちへ、尽力、貢献、世話になっている、という言葉によ
      り五千円ものお買物券を配っておきながら、第一に尊重すべき納税者の町民には広報
      資料配布で事足りとし、社会通念上相当な範囲、といってはばからない厚顔無恥とそ
      の差別性を持った違法を原告は主張しているのである。
 
第五 被告の主張第五について
      そもそも必要性のない支出でありいつまでもこの悪しき習慣を続けるのは許されない。
      他の市町村が八千円以下の記念品であるとの理由で、他者がやっているから適法であ
      ると主張するのは正当な判断ではない。
      現状では税金の使途が厳しく問われているとき、これら支出は当然認められるべきも 
      のではない。
    
第六 被告準備書面の「記念品費用の支出額について」
      監査請求を行なう前に原告は商品券を返却しており、滋賀県知事および側近は監査請
      求直後に返還しているので返還者が一名であるとの被告の主張ははおかしい。
      原告は次の項目について被告に説明を求む。
      監査請求以後に何名が返還しているのか。
      また現在合計何名の返還者があるのか。
      その返還者は誰なのか。
      それぞれの返還理由は何であったのか。
      何故返還を受け入れたのか。
 
第七 商品券が贈られた竣工式の時期について。
       被告は被告自身の町長選挙(一月二十五日告示、三十日投票)を目前に控えた一月十
       八日に竣工式をおこない五千円もの商品券を配った。選挙の前の時期として慎重さを
       欠いており、新庁舎竣工式をあたかも被告自身の選挙の集会として利用した,とのそ
       しりを受けても致し方ないであろう。
 
添付書類
証拠書類甲第二号証
     毎日新聞二〇〇〇年一月二十八日