第12回かわさきロボット競技大会ルールQ&Aについて
第12回かわさきロボット競技大会の募集要項と試合規則が公開されました。

今回大会では、大幅な試合規則の変更が行われた結果、 その条文の解釈および運用に対して様々な疑問点が発生しました。 これら疑問点に対して、実行委員会に対して質問を送ったところ、 以下に示すような回答を得ました。

実行委員会のご厚意を得て、質問内容とその回答をここに公開します。

第12回かわさきロボット競技大会ルールQ&A
Q1
2条にあるリングの規格が公開されましたが、寸法精度はどの程度ですか? また、昨年はAタイプの丘とBタイプの丘が入れ替わっているリングが ありましたが、今年も丘の配置が入れ替わることはありますか?
A1
寸法制度は若干の誤差(2mm程度)はありますが、ほぼ寸法どおりです。 また、丘陵の配置は現時点では決まってはいませんが、各リングは同じ仕様にします。

 

Q2
3条「リング内とは、190センチ四方内をいい、リング外とはリングの 側面部分を含む場外部及びその他の場外をいう」より、 「その他場外」は「場外部」ではないと取れます。

18条には「試合は、ラウンド内に相手を倒すか、 リング場外部に相手機体を押し出した方に1本を与える」とあります。 よって、相手をリング場外に触れさせることなくその他場外に押し出 した場合は一本が取れないと考えますがそれで正しいですか?

Q3
3条の「その他場外」の具体的な例を教えてください。
A2,A3
以下のQ3のご質問と関連しますが、「リング内」「リング場外部」「リング外」 「その他の場外」の明記が分かりづらく申し訳ございません。

・「リング場外部」とは各四方の側面(8センチ)を含む外側に42.5センチの部分を言い、 ロープも含まれます。(ロープから7.5センチの余地部分を含む)
・「その他の場外」とはリング場外部より外側(審判・ドライバーが居る位置の場所等)を言います。 基本的にロープの外にはじき飛ばした場合も負けになります。

 

Q4
第4条1に「赤及び青コーナーの場外部分にスタート台を設置する」とありますが、 具体的な位置が規定されていません。教えてください。
A4
スタート台は35センチ×45センチで45センチの面を各コーナーの一番角より設置する。 http://www.kawasaki-net.ne.jp/robo/robo05/Game_stand2.jpg 参照

 

Q5
非公式な情報として「スタート台はマシンのリング入場後チームのメンバーがこれを取り除く」 というものが流れていますが、これは本当ですか?
A5
規則及び解釈に明記されていませんでした。 スタート台はロボットがリング入場後にチームのメンバーが取り除きます。

 

Q6
Q5が本当とすると、スタート台はリングに固定されていないことになりますが、 その理解で正しいですか?
A6
スタート台はリングに固定はされません。 ただし、スタートに影響を与えるような不安定な構造にはしません。

 

Q7
2条1「リングは高さ(側面)8センチメートル、一辺190センチメートルの 木製板の上に黒色の硬質ゴム(あるいは天然ゴム)を張り合わせた 正方形とし、周囲に各辺が同一幅の場外部を設ける」
3条「リング内とは、190センチ四方内をいい、リング外とはリングの 側面部分を含む場外部及びその他の場外をいう」
14条「リング内への入場とは試合開始後スタート台から機体の最後尾 が越えた時点とする」
よってスタート台は「その他場外」であると考えますが正しいですか?
A7
スタート台は「リング場外部」に設置されます。

 

Q8
18条1の「試合は、ラウンド内に相手を倒すか、 リング場外部に相手機体を押し出した方に1本を与える」の 「押し出し」の定義を教えてください。 以下のどれでしょうか?

(a) リング内を底面とする高さ無限の直方体の空間から相手機体がはみ出した時に一本
(b) 場外部に相手マシンが接触した時に一本
(c) 場外部に相手が押し出されるなどして、リング内の平面から相手マシンが浮き上がったら一本

A8
基本的には(b)になりますが補足として、 場外部及び場外部に張られているロープに接した場合も一本になります。 また、上記でもコメントしましたが、ロープの外に飛ばされた場合も同様です。 尚、(a)及び(c)は一本ではありません。

 

Q9
Q7が正しく、Q2が正しくない場合、スタート台に自ら接触すると 解釈11「自ら場外部に触れた場合も相手に一本を与えます」により、 1本をとられると考えますが、その理解で正しいですか?

A9
正しいです。

 

Q10
Q9が正しい場合、 相手スタート台の上にいる相手マシンを攻撃中に自ら、 または16条2に規定される押しや攻撃によって相手スタート台に触れた場合でも、
解釈11「自ら場外部に触れた場合も相手に一本を与えます」により、 一本負けすると考えられますが、その解釈で正しいですか?
A10
第21条4項により基本的には取り直しになりますが、 審判の判断で試合進行にそれほど影響の無い程度でスタート台に触れた場合は流す場合もあると思います。 また、取り直しが続き判定になった場合は第20条により入場し攻撃を与えていた方を勝ちとします。

 

Q11
Q10が正しい場合、 入場後の相手マシンを捕まえて自分のスタート台に接触させることで、 スタート台から出ることなく一本勝ちが可能ですが、 この戦略は認められますか?
A11
Q10が正しくないので認められません。 加えて申しますと第16条にありますとおり「相手への攻撃はリングに入場した後に開始できるものとする」 ともあるので認められないです。

 

Q12
5条5「アーム作動面は、初期姿勢においてリング上面より20センチメートルの高さとする」
解釈6「アームの付け根がリング上面から20センチメートルであるか、 もしくは、アームの付け根から先端までの一点がリング上面から 20センチメートルを通過すること」
の「20cm」の解釈は以下の(a)と考えましたが、それは正しいですか?

(a) 転倒スタートをするタイプのマシンの場合、転倒前の姿勢で20cmを通過すればよい
(b) 転倒スタートをするタイプのマシンでも、転倒後の姿勢で20cmを通過する必要がある
(c) 転倒前・転倒後ともに20cmを通過する必要がある
(d) 転倒前か転倒後のどちらかで20cmを通過していればいい

A12
正しいです。

 

Q13
Q11で解釈が(a)の場合、 5条5は転倒マシンに対しては実質的に意味がなくなっていると考えましたが、 それで正しいですか?
A13
ご質問でQ11とありますがQ12だと思われますのでQ12として回答いたします。 当初この規則を制定した際に転倒型のロボットは想定していなかったので、 現在は意味があるかないかは別にして見直す項目ではあると思います。 ご指摘ありがとうございます。

 

Q14
11条1「試合は、試合者双方が審判員の指示に従い、 リング場外で立礼した後スタート台の上にその枠内に収まるように計測時の姿勢でロボットを置き、 次項の方法で開始される」
の「計測時の姿勢」は自由ですか? 計測時の姿勢では足がスタート台に接地していない、というマシンは認められますか?
A14
計測時の姿勢は幅25センチ、奥行き35センチの枠内に収まる姿勢であれば、 今までも転倒型のマシンは足が接していないケースもありました。 今回も同様の考えなので、計測時の姿勢でスタート台に乗っていれば問題ありません。

 

Q15
14条1「リング内への入場とは試合開始後スタート台から機体の最後尾が越えた時点とする」の解釈は以下のどちらですか?

(a) 機体の最後尾がスタート台を底面とする高さ無限の直方体の空間から抜け出した時点
(b) 機体がスタート台に接触しなくなった時点

A15
(a) です。

 

Q16
14条2に「試合開始後、入場前のロボットの展開は許可する」とあります。
スタートエリア内から転倒スタートする、 あるいは展開することによってスタートエリア内では歩行することなくリングに入場することは 認められますか?
A16
認めます。

 

Q17
16条1に「相手への攻撃はリングへ入場した後に開始できるものとする」とありますが、 「リングへ入場した」との判断は誰が行いますか?

(a) 一人の審判が二台のマシンのリング入場を判断する
(b) 二人の審判がそれぞれ一台ずつのマシンのリング入場を判断する
(c) リング入場の判断は各ドライバーに任される

A17
リングへの入場の判断はQ5にもありましたが、 チームのメンバーによりスタート台を撤去した時点で入場と判断します。 入場したかしないかの微妙な位置の判断は審判が行います。

 

Q18
Q17で解釈が(a)(b)の場合、実際にリング入場をしてから審判が攻撃許可するまでにタイムラグが発生します。 審判のリング入場の判断が遅れた場合、遅れた側には著しい不利が発生しますが、 これをどのように解消しますか?
Q19
Q17で解釈が(a)(b)の場合、高速なマシン同士の試合では、 審判がそれぞれのマシンの入場を宣言する前にマシン同士が相互に攻撃攻撃を行うケースが考えられます。 これは16条1違反になるので、審判の攻撃許可の宣言を待たねばならないという事になりますが、 この理解は正しいですか?
A18,A19
審判が各ロボットのリングへの入場を確認後、攻撃許可の合図を出し、 攻撃が可能になるわけではなく、 あくまでも攻撃のタイミングはスタート台撤去後にチーム(操縦者)が判断し行います。 スタート台を出たか出ないかでの攻撃については審判が判断します。

 

Q20
16条1に違反した場合の罰則規定がありません。 リングに入場する前に相手を攻撃した(してしまった)場合は、試合はどうなりますか? また違反したマシンに対してはどのような罰則が与えられますか? 答と論拠となるルールの条文を教えてください。
A20
第16条1項で「相手への攻撃はリングに入場した後に開始できるものとする」から、 入場前の相手への攻撃は違反になるのはご理解いただけると思います。
ただし、第16条2項の場合は許可し、 その攻撃により倒されたり場外に出された場合は第21条4項による取り直しとなります。 違反したマシンへの罰則の条文ですが、 明らかに入場前に相手に攻撃をしたと審判が判断した場合には第22条8項を適用します。

 

Q21
16条2に「自らのロボットが入場する前に相手の攻撃を受けた場合に限り、 入場するための押しや攻撃を許可する」とありますが、 この「相手の攻撃を受けた」の判断は誰が行いますか?

(a) 相手マシンとの物理的な接触があった場合、審判が「攻撃を受けた」と判断し、 スタート台内のマシンに押しや攻撃の許可を与える
(b) 相手マシンとの物理的な接触があった場合、ドライバが「攻撃を受けた」 と判断して、相手に対する押しや攻撃を開始しても良い
(c) 相手の攻撃を受けるであろうと審判が判断し、 スタート台内のマシンに押しや攻撃の許可を与える
(d) 相手の攻撃を受けるであろうとドライバが判断すれば、相手マシン が接触する前に押しや攻撃を開始しても良い

A21
Q18の解釈と同じですが、上記で言えば(b)になります。 審判が攻撃の許可の合図をだすのではないので(a)(c)は×。 (d)に関してはあくまでも予測になりますので、「攻撃を受けた場合」に限り許可します。

 

Q22
Q21の答が(a)(c)の場合、実際に攻撃を受けてから審判が判断を下すまでにタイムラグが発生します。 このタイムラグの間にスタート台から押し出されると一本負けするため、 判断の遅れは遅れた側に対する著しい不利となりますが、これをどのように解消しますか?
A22
Q21の答えが(a)(c)ではないので回答できません。

 

Q23
Q21の答が(c)(d)の場合に、 「スタートエリアでリング全域に展開するアームを伸ばさないとリング内に進入できない巨大マシン」を仮定します。 この時リング内の任意の位置にいるマシンは、 巨大マシンの入場進路妨害をしていると見なすことが出来ます。 ここで巨大マシン側が16条2を使って、リング内の任意の位置にいる相手マシンに押しや攻撃を行うことは認められますか?
A23
Q21の答えが(c)(d)ではないので無効です。 再度確認しますが、第16条2項の攻撃により相手マシンを倒したり場外部に押し出した場合も勝ちにはなりません。 取り直しになります。
また、ご質問の中で「巨大マシンの入場進路妨害をしていると見なすことが出来ます」とありますが、 進路妨害をしているとは思えないのですが、実際にロボットの動きをみないと判断がしづらいです。

 

Q24
Q23の答が「認められない」の場合、16条2を適用するマシンの範囲はどこまでですか? どこまで展開サイズを小さくすれば16条2を適用できるでしょうか?
A24
ご質問が把握できないのですがQ21の回答でご理解いただけますでしょうか?

 

Q25
21条「次の各号の場合は、試合を中止し取り直しとする」
1「双方のロボットが接触した状態で30秒間歩行・走行を停止した場合。 ただし、審判の判断により30秒より前に命じることがある」
の「審判の判断」の基準を教えてください。どのような状況の時に 審判は30秒以前に試合を中止しますか。
A25
今までも起こっていたことですが、ロボット同士が絡み合い双方動きが取れない場合を想定しています。

 

Q26
22条「試合者が第5条第1項、 第6条及び次の各項の行為を行った場合は、反則とする」とありますが、 6条の禁止事項はともかくとして、 5条は本来ロボットの規格を定義しているため、 文章のつながりがおかしくなっています。 5条1のどの部分を22条で禁止しているのかを教えてください。
A26
第5条1項の全ての部分です。

 

Q27
22条「試合者が第5条第1項、第6条及び次の各項の行為を行った場合は、反則とする」とありますが、 5条の2〜5に違反するロボットを作成した場合はどうなりますか。 反則とはならないのでしょうか?
A27
反則になります。

 

Q28
22条「試合者が第5条第1項、第6条及び次の各項の行為を行った場合は、反則とする」
4「試合中にリング場内に入ること。ただし、審判員から一本の宣告、 中止等の通告を受け当該ロボットをリング場内外に移動する場合を除く。 なお、リング場内に入るとは、試合者の身体の一部が完全にリング場内に入ること、 及びリング場内に工具等を入れてロボットを支えることをいう」
6「審判員の試合開始の通告前にロボットの動作を開始させること」

とありますが、22条4および6の反則は21条の試合中止条件に含まれていません。 22条4および6の反則では審判は試合の中止が出来ないと理解しましたが、これは正しいですか? 正しくないとしたら、どの条項を使って試合を中止しますか?

A28
ご質問の意図の回答になっているか分かりませんが、 22条の反則をした場合、審判は「試合の中止」ではなく「反則」を通告します。 1回目の反則を通知した時に「試合を中止」しなければならないと審判が判断した場合は中止の宣告をする場合があります。 2回目の反則の通知の場合は第23条4項により相手に一本を与えます。

 

Q29
この質問の送付後、質問内容およびその回答をラグオ電工HP (http://www.asahi-net.or.jp/~pg9t-ogr/)で公開しようと考えています。 許可して頂けますか?
A29
当大会ホームページでも公開しますので、問題ありません。

●以上回答させていただきましたが、 大会の基本精神に基づいていろいろなアイデアのロボット製作に取り組んでいただきたいと思います。 期待していますので頑張ってください。