LTA推進室内容紹介
まずは「LTA」の解説から始めるべきでしょうね。LTAとは「Lighter-Than-Air」の略で、 要するに「空気より軽い」、飛行船や気球の事をさします。ここでは飛行船について、 関連するサイトへのリンクや僕の持っている飛行船関係の書籍の紹介を行います。

のマークが付いているのが今回の新着です。

保有書籍の内容紹介
飛行船物語
著者:天沼春樹
発行:NTT出版株式会社
文字どおり、飛行船に関する話が書いてあります。取り上げられている範囲はツェッペリン伯爵以前 (ジファールやデュモン)から「飛行船のポストモダン」と称した現代社会と飛行船の関係まで。 ツェッペリン飛行船シリーズだけでなく、イギリス・フランス・アメリカなどの飛行船の開発の簡単な歴史や、 その頃の日本の世論、あるいは飛行船が登場するSF小説も取り上げられ、飛行船にまつわるさまざまな話を知る事ができます。 他方で、アメリカの飛行船に関して文章および図版で明らかな間違いをしている点もあり、これは少し残念です。
ともかく図が多いので飛行船の歴史がどんな感じのものかを捉えるには良い本だと思います。
飛行船の時代
著者:関根伸一郎
発行:丸善ライブラリー
この「飛行船の時代」は ツェッペリン伯爵が飛行船を開発し始めてから、 エッケナー博士が年老いて、世を去るまでのおよそ50年間です。 写真も多いのですが、 この本の特徴は飛行船の時代背景が良く取り上げられていることです。 ドイツ国家の名誉と飛行船が深く結びついていた事が良く分かります。 あのエッケナー博士をヒトラーの対立候補としてワイマール第二代の大統領に担ごうとした動きすらあったのです。 信じられます?
一方でナチスの飛行船解体指令以後の記述があまり詳しくないので、これは 残念です。 飛行船好きの人にとってツェッペリン時代の終りはあまり書きたくないものな のでしょうけれども。
SKY SHIPS
Author:Althoff, William F,
Publisher:Pacifica Press
アメリカ海軍の飛行船に関する英語の本です。 語学力が無いのでなかなか読み進めません。 と、いうか引越しの時実家に置いてきてしまいました。話の内容はドイツL49を模造しながら アメリカ海軍が「シエナンドア号」を作った1910年代から海軍が軍用飛行船を放棄する 1960年代半ばまでをカバーしています。
ヒンデンブルグ号の炎上で飛行船時代は終わったのではないかって?
そうではないという事が良く分かります。 アメリカ海軍は哨戒艇の代わりとして軟式飛行船を大量に建造し、 「飛行船艦隊」を大西洋に所有していたのです。 そして現代においても海軍飛行船計画は存在しています。 艦隊をまもる「空の見張り台」としての飛行船が現在も計画中ですが計画中のままです。
悲劇の飛行船-ヒンデンブルク号の最後-
Author:Micael Macdonald Mooney/筒井正明訳
発行:平凡社
1973年に出版されたヒンデンブルク(Hindenburg)号の 最後の飛行にまつわる本です。近くの古本屋で見つけました。 まだ読みおわってないのですが事実を基に大胆な推理を追加し、 旅客飛行船最後の飛行についての非常にスリリングな読み物に なっているようでしたがなぜか僕は挫折してしまいました。 実家においてきてあります。
多分、とっくに絶版になっているとは思いますが、 この本の内容なら、もっと手っ取り早く知る方法があります。 ユニバーサル映画、ロバート・ワイズ監督、G.C,スコット主演 「ヒンデンブルク」。 実はこの本こそ、「ヒンデンブルク」の原作なのです。
Newton 99年1月号「ツェッペリン号ふたたび空へ」
ローランド・ブルッチャー
発行:株式会社ニュートンプレス
ポピュラーサイエンスの老舗、Newtonが99年1月号でツェッペリンNTの特集を行っています。
8ページの小特集ですが、お得意のきれいで上品な写真で この新型飛行船の雰囲気と特徴を紹介してくれます。 バックナンバーがあるはずなので、ぜひとも購入しておきましょう。
日経サイエンス 2000年3月号 特集「気球新時代」
I.S.スミス&J.A.カッツ/矢島信之/薮健一郎/K.G.ハーゲンローヒャー/P.スコット
発行:日本経済新聞社
日経サイエンスもLTAの特集を組んでくれました。テーマは「気球新時代」。 NASAや文部省宇宙研究所のスーパープレッシャー気球の他、 科学技術庁と郵政省の「成層圏プラットフォーム計画」、 ツェッペリン社のNT07、地球一周に初成功した気球「ブライトリングオービター3」と 最新のLTA情報総ざらいの感があります。

スーパープレッシャー気球は「成層圏では気圧が下がる。 内圧で気球が割れないためには中に入れるガスを減らせばよい」 とした60年前のピカールに対して、「気圧差ができても気球が割れなければ大丈夫」 の古くて新しいアンチテーゼで 100日滞空気球を目指すというもの。 ついに先月(2001年3月)、オーストラリアで実験飛行が行なわれました。

飛行船関連サイト紹介
僕が学部4年で「飛行船に関する小ページ」を始めた頃、 日本で本当に飛行船について書かれていたページは片手の指に収まる程度でした。 それが今では検索エンジンで「飛行船」とやると数百のページがヒットします。 中には室内/屋外用の宣伝無人飛行船のメーカーのページもあったりします。 しかしここでは六つのサイトに絞ってご紹介します。
John Dziadeckiさんのページ@コロラド大学
コロラド大学のJohn Dziadeckiさんのページです。 ここから、ほとんどの飛行船にまつわるページに行ける、 最強の飛行船ファンサイトです。 ツェッペリンGMBHと相互リンクしているのですから、洒落になってません。 LTA推進室とは比較にならないくらいの大量の情報があります。 飛行船好きの方、必見です。英語サイト?気にしちゃダメです。
HALROP計画@郵政省通信総合研
工業技術院と、産業技術振興協会、 新交通システム研究会が進めている「高層LTAプラットフォーム」のことです。 成層圏に無人の飛行船を打ち上げて、通信、観測に 使おうということらしいです。
このページは僕がリンクをはった3年前から更新されていません。 しかし、日本での飛行船を取り巻く環境は大きく変わりました。 成層圏に飛行船を滞留させる計画が本決まりになって予算がつくようになったのです。
ツェッペリンGMBH@フリードリヒスハーフェン
冗談抜きであのツェッペリン飛行船会社のページがありました。 しかも60年ぶりに飛行船事業に手をだそうというのですから、期待も高まります。 彼らの新製品はLZ NTシリーズ。 船体の中にトラス状のフレームを置く事で飛行船を丈夫にしようという企画です。 すでに初飛行に成功。その画像が見られます。
ULDB計画@NASA
日経サイエンスにも紹介されていたULDB(Ultra-Long-Duration-Baroon) 計画のホームページです。オーストラリアでの実験飛行は1日で終了してしまった のですが、それ前日までの"Hot News"がすごく面白かったです。
矢島研究室@文部科学省宇宙科学研究所
なんでULDBにリンクしておいて、 ULDBのかぼちゃバルーンの元ネタとなったこの研究室を 取り上げなかったんでしょう。これは犯罪的裏切り行為ですね。 アットホームな実験画像と、翻訳が不要な日本語文章でお楽しみください。

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