錐体外路症候群 extrapyramidal syndrome

筋の緊張状態の異常と不随意運動で、手指振戦, 筋硬直, 頸・顔部のれん縮, 眼球回転発作,焦燥感

プリンペラン(メトクロプラミド)等の副作用でも生ずる。

(1)筋緊張亢進と運動減少を主とする症候群(hypertonic hypokinetic syndrome)例:パーキンソン症候群、マンガン中毒、ウイルソン病の末期、ハラーホルデン・スパッツ病

(2)筋緊張低下と運動過剰を主とする症候群(hypotonic hyperkinetic syndorome)例:舞踏病、アテトーゼ、パリスム。疾患としてはリウマチ性舞踏病(小舞踏病)、ハンチントン舞踏病、脳性麻痺、脳血管障害など

に大別される。しかし、上記の疾患を見ると実際には筋緊張低下をしめすパーキンソン病でも特有な振戦があり、緊張亢進とともに一種の不随意運動である運動過多を伴っている場合が多いので、厳密な意味では両群に大別出来ない場合もある。

その例として、捻転ジストニー変形性筋肉ジストニーの場合などは、明らかに筋緊張亢進と共に回転性の運動過多を示しており、両者の中間型といえる。

(病変)錐体外路の諸神経核やその連絡路が侵され、錐体路は異常が無いか、あっても軽度の場合で、尾状核、被殻、淡蒼球、視床、視床下核(ルクス体)、黒質、青斑赤核などが侵されると症状が現れてくる。

(運動過多ないし不随意運動の関係では)

病変が慢性、進行性の場合には、発病時に筋緊張低下・運動過多だったのが筋緊張亢進・運動減少に変化したり、舞踏病からアテトーゼに変わったりする場合が多い。

また、病変が軽度び漫性の場合に症状が現れやすく、完全に破壊されるとむしろ症状が消失してしまう傾向がある。

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