ゾリンジャー・エリソン症候群 ZOLLINGER-ELLISON SYNDROME

高度の胃酸分泌をともなう、急激かつ治療抵抗性の消化性潰瘍と、インシュリンを分泌しないラ氏島腫瘍の合併する症候群をいう。

ランゲルハンス氏島線腫は非β細胞性で膵臓体部、膵臓尾部に多発性に生じ、悪性で肝臓へ転移する傾向が強い。胃液の過分泌は膵腫から出るホルモンが原因で、これはガストリンではないかといわれている。

本症候群による消化性潰瘍の1/3は食道、空腸、十二指腸球部後などの普通でない部位に発生する。

夜間の胃液分泌が特徴的で、このため低ナトリウム血症低カリウム血症が起こることがある。この分泌は薬物、迷走神経切断、胃亜全摘によって影響されない。

また下痢が続くこともある。これは胃液の過分泌のため十二指腸や空腸の内容物がアルカリ性になりにくく、したがってリパーゼその他の消化酵素の活性化が妨げられることによる。

治療としては膵臓の亜全摘が行われている。

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