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2003 Feb
ん〜ん!薬師温泉( ̄□ ̄;)!! ■ たぶん初めて薬師温泉を訪れて、温泉施設の建物を見てもあなたは何も驚かないでしょう。それよりも、それまでの道のりが思ったより奥深い事の方が気に成ることであろう。「すこしさびれた感じの湯治場」という印象である。 駐車場には五,六台の車が雪の中に並んでいた。私はスペースを見つけてRV車の隣に車を止めた。とたんに激しい犬の鳴き声に襲われた。犬は当然、鎖につながれていると思い、何食わぬ顔で、着替えなどを準備する。 RV車はどこかの放送局の社有車らしく、腹に派手なポスターが汚く貼ってある。題字は「闘痔」・・・「薬師温泉は効くので有名なんだな」と思いながら、玄関をビデオにおさめる。 ■ 玄関を入ると、いきなり目前に、食品工場員が使用する耳まで隠れる衛生用の白い帽子をかぶり、農作業風の服装をしたおじいちゃんが座っていた。 とてもやさしそうな、そのおじいちゃんはプラスチックの入浴札を受け取り、一瞬だけ笑みを返して、すぐにい続けていたかぼちゃのザク切作業に戻った。 彼のおぼつかない包丁さばきと固そうなカボチャは、見ていて危なっかしいばかりで、今にも指でも切りそうな手つきで、しかし、坦々と黙々とかぼちゃを切っているのである。 「だれが、あのかぼちゃを食べるのだろう」とつぶやく。「あの、おじいちゃ、味が有りすぎる」と妻がつぶやきを返す。 ■ 待合室らしき、座り長テーブルが並んだ広間を通り、奥に進むと廊下に出て、左手に「混浴」「濁り湯」も掲示が目に入り、すぐ前に、男女の脱衣所口がある。 すでに、薬のような鉄分の香りが期待感を高まらせる。妻が「中の様子を見てくるわ」と言って、女子用脱衣所ののれんをくぐった。すると、すぐに「あ!すいません」と中で妻の声、そうして、さくさくと戻ってきた。 「中に男の人が一人、入っていたの」「とっても、入れない・・・」仕方が無く、廊下を戻り奥へ進む、そこには男子の風呂、右に曲がったその先には、女子の風呂が別々にのれんを構えてあった。 女子風呂の前の休憩室で休んでいた男性は、妻の「混浴には入れない」という話を聞いて。「若い子もみんな入っているよ」「はいればいっしょ」と進めてくれたので、一転して混浴に戻ることにした。 ■ 2歳の息子と私は、男子の脱衣室から。妻は女子の脱衣室から入浴した。 浴室は20畳ほどの広さに、洗い場もない石道が二方に伸び、室内のほとんどは濁った湯をたたえる湯船で占められている。お湯の中は川底のようで、比較的大きな石が足の裏に当たる。 しかも、いわゆる立湯で深く、湯底はでこぼこが激しくて深水もあり安心できない。そうして、ところどころで、沼のようにブクブクと気泡がわいている。深さがあるので、息子は立つことが出来ず。しかも、お湯はぬるいのである。 まるで、沼地に湧き出る温泉場に、そのまま屋根を付けたような施設である。この温泉が良いと感じる我家族は、大行者の領域に達しているのかもしれないと、私は思った。 ■ 薬師温泉は古く1891年から開いている、ニセコで一番の老舗。なんでも話によると、頭にお湯をつけていたら、はげ頭に毛が生えたとか。 湧き出ているのはブクブクぐらいなのだが、湯船からあふれるお湯の量からすると、源泉の湯量はけっこうなものと察すれる。 熱くないので長湯が出来、皆、黙り込んで入浴している。湯船から出たときは寒さすら感じるが、これでなかなか体が冷えない。栗沢温泉のように、湯船から出たとたん、ダラダラと汗が止らない感じのお湯ではないが、なんでも、ブクブクによる、マッサージ効果で体が冷えないのだそうである。 今回は冬で、露天風呂には入浴できなかったが。露天風呂は、見た目は「泥沼」そのものだそうである。再訪に期待したいと思う私であった。 |
![]() 雪の深々と降る、玄関↑ 濁り湯(混浴)↓ |