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幌加温泉/上士幌町
2003/4

ゴールデンウイークに層雲峡から三国峠を越えて、十勝三股の幌加温泉に向かう。

3軒の宿が有り、一番下の宿は崩壊して、窓から湯舟をのぞくと、温泉の湯気だけがたちのぼっていて、なんともさびしい感じだ。

宿の前の駐車場らしき砂利の広場に、目新しい「キャンプ禁止」の看板がなんとなく不つり合いである。

道路左手の2番目の宿を訪ねる、中年の無精ひげと日焼けしたまる顔のご主人が応対に出てくる。

「今日、2人だいじょうぶかい」と奥のおかみさんらしき人に声をかける。「だいじょうぶ」との二つ返事。食事つきで、???円とか。

次に一番上の「鹿の谷」を訪ねる。

なんとも上品な言葉使いのおかみさんが、「家は食事はできないんですよ」との回答、素泊まりで1人4000円、「素泊まりにしちゃちょっと高いね」「でも、なんとなくきれいで感じが良い」「露天風呂あり」ということで、こちらに決める。

スタッフの青年は虫歯が目立つインドの安宿のドミにいそうな青年。でもマインドはその辺のホテルのボーイなんかよりずっと上等で、フレンドリーでしかもフロントでたばこを吸っている人がいたらすっと窓を開けた。自分がいやだったのかもしれないけど、たばこぎらいなわたしにとっては上質のサービスでした。上品なおかみさんとのアンバランスな感じが素敵。この宿は、このおかみさんと、息子のような青年1人の2人でやりくりしているらしい。

私から5mも離れていない、駐車場の前では鹿がのんびりと食事をしている。なんとのどかな風景だろうか、「日本ではないみたいだ」(中央アジアかインドかの田舎の空気)

田舎の空気に浸っていると、突然YU君が鹿に近寄り、すぐに鹿は警戒して逃げてしまいました。

部屋は2階の玄関側の畳部屋、なんでもこの部屋はリビングで、寝室は隣の部屋らしい。2部屋も占領させてくれたのである。

明るいうちは、日帰りの客がひっきりなしに出入りしていたが、6時過ぎには泊り客だけとなり、ゆっくり露天風呂に家族3人で入ることができた。

泊まりはわが家も含めて3組だけらしい。

露天風呂は大きな湯舟が3つある男子(兼混浴)を通りぬけ、奥のドアから外に出る。

沢の高台に石で囲まれただけの畳4、5畳ほどの露天風呂、あとは、青空と沢の音と木々達と春の風だけ。リラックスできる空間。

夜には、満天の星。夜の露天風呂は星を楽しむために、足もとの最低限の明かりしかなく(私達はそう解釈した)、「ここなら、またきたいね」

露天風呂でいっしょになった2ヶ月に1度は北海道で、自転車を楽しんでいるという東京の男性は、私達以上に北海道を知り尽くしていました。来道したら2回に1回はここに宿泊しているという、自転車焼けした通のAさん(名前知りません)は、語りに語りました。おかげでいろいろわかりました。

さきほど話にでてきたスタッフの青年と露天風呂で一緒になった時知人らしき男の子に「(この風呂は)なめれるぞ、俺が毎日掃除しているんだ」といってた、スタッフの青年は、おかみさんの息子さんではなく、北見紋別からきたバイトであること。

ここのスタッフは半年に1回ぐらい変わること、旅行者がバイトしているということ、

おかみさんの子供達は、田舎がいやらしく都会にでてってしまったこと

などなど。

通のAさんも言ってましたが「食事があるところだと時間に縛られてしまうので落ち着かない。ここは自由でリラックスできるのでよく来るんです」、確かに、そうだと私達もその意見に納得した。

またまた通のAによると、紅葉の秋には混むらしいが、それ以外はすいているらしい。

いつも自分に課題を課せているストレス病のみなさん(私のこと?by miki)、こんな場所で、何もしないですごせる自分を育ててはいかがですか。もちろん携帯もファックスもインターネットも使えませんよ。

おかみさんの子ともの皆さんへ、こんな温泉がいつまでも残っていることを望みます。誰か継いで。

駐車場の前は鹿の遊び場

3種類の湯船がある、男子風呂(混浴)ここを通過しないと、露天風呂には行けません。

露天風呂

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