2003年3月 無意根山千尺高地 「元山コース」 / 札幌市南区豊羽鉱山   
このコースは札幌近郊で最も一般的なスキーツアーコースであろう。

何度もスキーでは訪れているが、ボードでは2回目。昨年は標高800mで終了した。

20年以上前に、私も冬山1年生として、ここに「スキーツアー訓練」の名目で連れて来ていただいた。その当時は、ビンディングはカンダハン、ストックは竹、シールはアザラシの毛、ヤッケは秀岳荘オリジナル青ヤッケのシングルだった。わかる人にはわかる装備である。(山の古い装備博物館のサイトも作ろうかな)

新人の私は、登るのにひーこら、ひーこらして、やっと登った。が!!下りはその2倍も時間がかかってしまったのだ。いった何回、転んだのだろうか?

100回、いやそれ以上かもしれない。

”スキーの先端が雪に刺さりこみ、靴とスキーは雪の中、足だけが雪の上”などという惨めな姿で、後ろからついて来た、小柄な女性(コーチ)は「最初はたいへんなのよ」といって、助けも出してくれなかった。帰りの車の助手席に乗った時には、疲れて一言の声さえも出せなかったのを覚えている。

いまでは、スノーボードという、なんと楽しい道具が出来なのだろう。その時この、スノーボードが有れば、どんなに素敵に楽しく滑れたであろうか。

私の山ボードもすでに7年、スキーでの滑降も、もう忘れかけている。match

私も、新人スキーヤーマッチと同じようにボードを始めた次の年から山ボードデビュー。いまなお新人のまま、いつもマッチにしごかれている。蟻地獄のような吹き溜まりにつっこもうが、数回転連続転倒ウルトラCがきまろうが、マッチに助けてもらった記憶がない。miki


今回はとても雪質が良かったのに、2パーティしか入山していなかった。しかも、われわれは最後のパーティ。おかげで、ラッセルは無いは、パウダーは残ってるはで、最高のコンディションでした。

何時ものように、たらたらと、冬の日差しに照らされながら、登ること2時間半。やっとの思いで、千尺高地に着きました。

前にここまでこれなかったミキは、やっとこれたので感激し、家族で晴天の山々を満喫独り(家族)占め、いいですね。

ここから、一気に滑降したのですが、事件は高度で100mほど降りてから起こりました。


気持ちよく、matchが滑降、みきが残ってその姿をデジカメのムービーに納めたのですが。気持ちよく滑って止まると、急に背中のYUが泣き出した。「足」「あし」と叫んでいる。

頭の中で、また「どこかの木にぶつかってしまったかな」、めったなことでは泣かないYU君が泣くということは「相当な怪我??」(--;)

慌てて背中のキャリアを下ろしてみると、「なななんと」左足が素足になってるではないか。

とっさに、いくつかの判断をした。最初に、「靴が見つからない場合に、この雪山から無事下山できるか?」「予備のオーバー手袋と、予備の靴下で何とかなるだろう」と、「その場合の作業手順を頭で確認」これはOkayだ。

次にYU君の足は凍傷にならないか。触ってみると冷たいがまだ大丈夫だ、いったい、何分ぐらい素足だったのだろうか?

一般的にこのぐらいの冬山で、手足を外にさらしていると、運動していなければ数分で足が痛くなるであろう。

まずは、一生懸命、足に息を吹きかけ、素手でさすって見る。

両手で足を保護しながら、次に考えることは、まだ降りてこないミキに「靴を探させることだ」!!

「オーイ」「オーイ」とミキを呼んだ。が!!YU君の鳴き声が激しく、返事が聞き取れない

段々声が大きくなっていく。しかし、YU君もあらん限りの声で泣きで叫んでいる。

。・°°・(>_<)・°°・。 ウエーン

YU君の泣き声と、matchの叫びを聞いたミキは、「ただならなぬ事態発生」を想像した。「大怪我」!!

(゜o゜;;サメッ!

話が通じたのか、通じなかったのか、ミキは降りてきた。「YU君は大丈夫」!!

マッチ「靴は」?みき「靴はあるけど」「目の前に落っこちてたよ」

マッチの声が超緊急事態なので心臓がばくばく。目の前に靴は落ちているけど、そんなことであんなにうろたえるだろうか?わたしがなにをいっても返事が帰ってこない。遊君も絶泣!とにかくここは冷静に下に降りなければ・・・。でも足ががくがく。下に降りて事の顛末を聞くと優君は靴がなくなっていたことより、マッチの絶叫に怯え、その泣き声に対抗してマッチの絶叫が繰り返され「ただ靴を落としちゃったでも大変事件」が「松本家緊急事態発生」になってしまったらしい。ふたりよりもただならぬ雰囲気にとっても怯えて寿命が縮んだのはわたしのような気がする。miki

結局、「ごめんね、靴の紐をちゃんと締めなくて」といって、2人でYU君を慰めた。

で事件はそれで終わったのだが、後からその時撮影したMoveを見てみると、スタートの時点ですでに靴は履げてなかったのだ。


最後には気持ちよく帰りました。登り返しが3回は辛かったな。

私達家族にとって、冬山で2時間半の登りは精神的(遊)肉体的(親2名)限界ぎりぎりのところだと思う。シーズン最後に自分達がいまできることをしぼりだした感じ。登りで疲れてしまって滑りはバテバテだったけどこんな山行でシーズンが終えられてうれしかった。miki

地図(無意根山1/25000)

千尺高地からの滑降、Miki

matchとYU

このあとに事件が起きたのだ。
Match movie(RealMedia 333KB)
ミキのMiki Movie (RealMedia 280KB)

帰りの車で、何事も無かったように、ジャガリコを食べるYU