4.風の熟語
思いつくままに、順不同で並べていきます。
日本人の風に託した意味が自ずとわかってくるのではないでしょうか。
以下、大辞林第二版からの検索結果です。
ふうきょう【風狂】
風雅にひたりきること。
ふうど 【風土】
土地の状態。住民の慣習や文化に影響を及ぼす、その土地の気候・地形・地質など。
ふうき 【風紀】
日常生活のうえで守るべき道徳上の規律。特に、男女の交際についての規律や節度。
かぜ 【風】
(1)空気の動き。一般に、気圧の高い方から低い方に向かう水平方向の空気の流れをいう。
(2)人に対する社会全体の態度。「世間の―は冷たい」
(3)ならわし。しきたり。風習。
(4)名詞の下について、接尾語的に用いる。
(ア)様子・態度・素振りなどの意を表す。「先輩―」「役人―」
(イ)人をある気分にさせることを表す。「臆病―に吹かれる」→かぜ(風邪)
ふうすい 【風水】
その土地の地勢や水勢を占って、住居や墓地としてよいかどうかを定めるもの。
ふうてい 【風体】
(1)(素性などがうかがわれる)人の様子や身なり。ふうたい。
(2)和歌・連歌・俳諧で、作品の様式・よみぶり。また、作品全体から生ずる情趣。「古今より後、その時々の―いささかづつかはりもてゆき/国歌八論」
(3)能楽で、表現様式のこと。芸風。「内心より―色々に出で来ればなほいよいよ面白くなる也/花鏡」
ふろ 【風呂】
湯につかったり蒸気に蒸されたりして、体を温め、また洗って清潔にしたりするための場所。また、その浴槽や設備。日本では江戸時代の半ば頃まで蒸気を満たす蒸し風呂の形式であったが、のち浴槽で入浴するようになった。
ふうらいぼう
【風来坊】
どこからともなくやって来た人。定まった居所や仕事もなくぶらぶらしている人。
風来人。
ふうし 【風刺・諷刺】
他のことにかこつけるなどして、社会や人物のあり方を批判的・嘲笑的に言い表すこと。
ふうぶつ 【風物】
(1)目にはいるながめ。風景、またそれを形作っている個々の景物。
(2)ある土地や季節の特徴を表している事物。「四季折々の―」
ふうみ 【風味】
(1)(食べ物の)おもむきのある味わい。「一種独特の―がある」「―が落ちる」
(2)おもむき。風情。「山居の―を詠じて/太平記
」
ふうぞく 【風俗】
(1)(ある時代・地域・階層に特徴的に見られる)衣食住など日常生活上のしきたり。ならわし。「下町の―」「大正時代の―」「性―」
(2)身なり。よそおい。「内輪(うちわ)同志の取繕(とりづくろ)はぬ―は/社会百面相(魯庵)」
(3)身のこなし。「生まれつき太く逞しく、―律義に/浮世草子・永代蔵
1」
ふうしん 【風疹】
風疹ウイルスの感染により起こる急性伝染病。症状は軽症の麻疹(はしか)に似る。発熱と前後して発疹が現れ、二、三日で治る。妊娠早期に罹患(りかん)すると奇形児の生まれる確率が高い。三日ばしか。
ふうりゅう
【風流】
〔古くは「ふりゅう」とも〕
(1)おちついた優雅な趣のあること。みやびやかなこと。また、そのさま。風雅。「―な茶室」
(2)詩歌・書画・茶など、俗を離れた趣のあるもの。「―の道」「―を解する」
(3)美しく飾ること。意匠をこらすこと。また、その物。「―の破子(わりご)やうのもの、ねんごろに営み出でて/徒然
54」
(4)芸能の一。→ふりゅう(風流)
(5)「風流韻事」の略。「―の初めやおくの田植うた/奥の細道」
(6)先人が残した美風・なごり。遺風。「古きを学び新しきを賞する中にも全く―を邪(よこしま)にする事なかれ/風姿花伝」
ふうしゅう 【風習】
その地方や国で、人々が長年にわたって伝えてきた生活や行事のならわし。しきたり。風俗習慣。「珍しい―のある地方」
ふぜい 【風情】
(1)風雅な趣。味わいのある感じ。情緒。情趣。「―ある眺め」
(2)様子。ありさま。「寂しげな―」
(3)能楽で、(趣ある)所作・しぐさ。
(4)みだしなみ。「人の―とて朝毎に髪ゆはするも/浮世草子・一代男
3」
ふうけい 【風景】
〔「景」はひかりの意〕
(1)目の前にひろがるながめ。景色。「田園―」「窓からの―がすばらしい」
(2)その場のようす。情景。「練習―」「ほほえましい―」
ふうさい 【風采】
外部から見た、人の容姿や身なりなどの様子。「―が上がらない」
ふうひょう
【風評】
(よくない)うわさ。世の中の取りざた。「とかくの―がある」
ふうばいか
【風媒花】
風の媒介で受粉する花。一般に花弁は発達せず美しくない。イネ科・カヤツリグサ科・マツ科・イチョウ科などの花。
ふうが 【風雅】
(1)上品で優美な趣や味わいのあること。俗でなくみやびていること。また、そのさま。「―を解する」「―な住居」
(2)詩歌・文章の道。また、文芸・書画など芸術一般。「慈鎮和尚の―にも越えたり/太平記
1」
(3)蕉門で、俳諧。また、俳諧の本質。「詩歌連俳はともに―也/三冊子」
(4)「詩経」の六義(りくぎ)のうち、風と雅。
ふうりん 【風鈴】
風に吹かれて鳴る小さな釣り鐘形の鈴。涼感ある音を楽しむために軒などにつるす。金属・ガラス・陶器などで作り、その内側に舌を下げる。風鐸(ふうたく)。[季]夏。《―に物縫ふ瞳移しけり/清原枴童》
ふうじん 【風塵】
(1)風に吹かれて舞い上がる砂やほこり。
(2)俗世間の雑事。わずらわしい俗事。「―を避けて隠棲する」
(3)きわめて軽いもののたとえ。「命を―よりも軽くして防ぎ戦ひける程に/太平記
17」
(4)戦乱。兵乱。
ふうぼう 【風貌】
姿・態度など人の外から見た様子。風采(ふうさい)と容貌。容姿。「古武士の―」
ふうちょう
【風潮 】
(1)風によって生ずる潮の流れ。
(2)時代とともに変わる世間一般の傾向。時勢。「社会の―を反映する」
ふうそう 【風葬】
遺体を埋めないで空気に曝(さら)し、自然に風化させる葬法。曝葬(ばくそう)。
ふうそう 【風霜】
(1)風と霜。
(2)きびしい世の中の苦難。風雪。「―を乗り越える」
(3)(長い)年月。星霜。
ふうか 【風化】
(1)地表あるいは岩石が、気温・氷雪・空気・水などの物理的・化学的作用によって、次第に破壊されていくこと。また、その過程。
(2)「風解(ふうかい)」に同じ。
(3)ある出来事の生々しい記憶や印象が年月を経るに従い次第に薄れていくこと。「戦争体験が―する」
(4)徳によって人々を教化すること。「多望の幼弱子弟を―し/偽悪醜日本人(雪嶺)」
ふうこうめいび 【風光明媚】
山水の風景が清らかで美しいこと。
じゅんぷうまんぱん 【順風満帆】
物事が順調に運ぶ様子。
船が、追い風( 順風)を帆いっぱいにはらんで進むことから。
かちょうふうげつ 【花鳥風月 】
鳥や花や風や月のような自然の課材。
またそれを用いた日本画、詩歌などを理解する風雅の心。
最終更新日:2002.1.05