Katsuragawa, Jun's Web Site

■ 桂川潤(かつらがわ じゅん)プロフィール

装丁家、イラストレーター。1958年東京生まれ。立教大学大学院文学研究科修士課程修了。キリスト教系NGOや研究所の勤務を経て、1995年からブックデザイン(装丁)の仕事をはじめる。『吉村昭歴史小説集成』(岩波書店)の装丁で第44回(2010年)造本装幀コンクール日本書籍出版協会理事長賞(事典・全集部門)を受賞。「世界でもっとも美しい本」(於:ライプチヒ)等で展示される。

著書に『本は物(モノ)である──装丁という仕事』(新曜社/2010年)、共著書に『本は、これから』(池澤夏樹=編/岩波新書/2010年)、『人権とキリスト教』(明治学院大学キリスト教研究所=編/教文館/1993年)、共訳書に『民衆神学を語る』(安炳茂=著/新教出版社/1992年)等。

「装丁」をひとことで説明しようとすれば、私の頭には、“interface=境界面”という言葉が浮かびます。
 装丁は、著者と読者の接点であり、双方向に開かれていながら、あくまでも両者の“inter-=〜の間”に位置します。と同時に、装丁は、“face=本の「顏」”でもあります。本を手にする瞬間、書名や著者名とともに、テキストを包みこむ色や素材、図像が記憶されます。この顔は、しかし、恣意的に作られるものではありません。結局のところ、装丁は、テキストへの「共感」でありつつ、また「批評」とならざるを得ないでしょう。
 これまで1800冊ほどの装丁を手がけてきましたが、テキストに「かたち」を与えていく作業のむずかしさと、テキストを「書物=物」として結晶化する瞬間の不思議な興奮を、いつも感じています。

*ブックデザインと装丁。同義で使うことも多いけれど、微妙に語感が異なります。
「装丁」というと、「ジャケット、表紙、本扉、帯」のいわゆる外まわりのデザインを指すのがふつう。一方「ブックデザイン」は、外まわりのデザインに加え、本文フォーマットを含めたトータルデザインの語感を持っています。実際には、外回りだけの仕事、本文まで手がけた仕事が混在するため、「装丁」とひとくくりにすることも多いのですが、肩書きについては、ちょっといかめしい「装丁家」より、「ブックデザイナー」の方が、馴染むように感じられます。


Top page