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●シリーズ・全集

二玄社サイマルテーニアス・ワールド・イシューズ

『ヤルタ会談 世界の分割──戦後体制を決めた8日間の記録

アルチュール・コント=著/山口俊章=訳

二玄社/2009年/四六判 並製
ISBN978-4-544-05303-6 C0022 Y1900E

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 かつてサイマル出版会から刊行された名著を、二玄社がピックアップして復刊し、さらに新しい書目も加えた新シリーズ。中でもこの『ヤルタ会談 世界の分割』は印象深い一冊だ。  「三つの代表団の宿舎の割当てにはスターリン自身が当たった。宿舎の選択は戦術的な深慮にもとづくもので、英米の代表団を引き離すためであった。ソ連領での会談を取り付けることに成功した戦略上の大きな利点に、この戦術的な計算が付け加わる。スターリンは、客を招く側の有利な立場に身をおいたのだ」。
 映画を観ているかのような克明さで描かれるヤルタの一週間(1945.2.4〜2.11)。1945年2月11日、日曜日の正午。ただ一つのテーブルの周りに、これほど多くの事件や問題が集められ、関連づけられたことはかつてなかった。これほど多くの人間の運命が、これほどわずかな人間に依存したためしもなかった。歴史上最も重要な文書は、キャビアとローストビーフとグラスを押しのけて署名されたのである。
 作家であり政治家でもある著者アルチュール・コントは、事実によって事実を語らしめるという客観的記述によって、大戦とその後を見据えた国際政治のダイナミズムと、そこに登場する人物たちをみごとに浮き彫りにしている。


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