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●シリーズ・全集

シリーズ…ことばのために

『僕が批評家になったわけ』

加藤典洋=著

岩波書店/2005年/四六判 並製・がんだれ・天アンカット
ISBN4-00-027105-9 C0395 Y1700E

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「この本は、岩波書店の「ことばのために」というシリーズの三作目として出された。平田オリザ『演劇のことば』、荒川洋治『詩とことば』ときて本書が入り、高橋源一郎『大人にはわからない日本文学史』、関川夏央『おじさんはなぜ時代小説が好きか』と続く。期待に胸がふくらむ。シリーズに美しい一貫性を与えているのは、桂川潤の装丁なり。
 ここでの加藤は珍しく怖くない。批評は上等な遊びであり、学問や芸術に五分五分の勝負を仕掛けられる技だとのスタンスは変わらない。ただ、批評が、強いひとから弱いひとに下される御託宣と化したり、あるいは、専門家によって書かれ素人によって崇められつつ消費されたりする、そのような現状への警戒心が生じているのだろう。加藤のスタイルは少し変わった。
 ものを読んだときに面白いと感じる、その体験がいかにして批評の酵母となってゆくのか、その原初のさまを、やさしい文章で書いている。正直なやりとり、正確な言い方、ウソのない言葉に出会うと、ひとは、いいな、愉快だなと感じる。そこに批評が生まれでる。その誕生の秘密が惜し気もなく明かされる。」

(加藤陽子氏評より/「文藝春秋」2005年9月号)


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