Katsuragawa,Jun's Book Design

●シリーズ・全集

KASHIWA学術ライブラリー09

ナチス・ドイツの有機農業──「自然との共生」が生んだ「民族の絶滅」

藤原辰史=著

柏書房/2005年/A5判 上製
ISBN4-7601-2679-1 C3022 Y3800E

book image

「ナチズムによるドイツ帝国支配が、「血と土」を謳い文句にしていたことは、よく知られている。ここに言う「土」が、大地の「生命」への礼賛を通じて、当時すでに始まっていた有機農法の実践とも、結びつくものであったことを、この本は詳しく明らかにする。
 そして実際に総力戦の下では、強制収容所を舞台に、囚人をその死後まで利用し尽くしながら、完璧な循環型の有機菜園が営まれていたのである。
 自然と人間の共生を掲げた有機農業の理想が、同じ人間どうしの間での選別と抹殺に、みごとにつながってしまう。この悲惨な逆説に対して、著者は(中略)淡々としながら練れた文体で、人間には、自然界に一様の生命を育てあげることのほかに、それと時には衝突しながらも絶対に守るべき倫理があることを、さし示すのである。」

(苅部 直氏評より/読売新聞:朝刊 2005.4.24)


Top page