Japanese Page only

このページはデモです.ページ内の様々なことは実際には機能していないところがあります.ただし情報は本物です.

もしご覧になってご意見を持たれた方はお気軽にメールをお送りください.


オリジナル作曲オルゴール箱

  1993実施中学2年対象 (音楽科との合科授業)    

ある音楽の教員が楽器店で自分で作曲できるオルゴールを見つけたのがこの課題を導入したきっかけです.当初は小さな代理店の中国からの直輸入品で,数を揃えるのも一苦労でしたし,箱の材質も粗悪なものでした.オルゴールは紙のテープに五線が印刷されておりそれにパンチ穴を開けてオルゴールの機械に差し込みハンドルを回すと自分の入れた曲が奏でられるものでした.

 このオルゴールの木箱に彫刻刀でレリーフを施すのが美術の課題.音楽の授業では作曲の授業の最後に紙テープに生徒各自がパンチ穴を開けオリジナルのオルゴールが完成します.お仕着せの部分がなくすべて自作ということで生徒の反応は上々でした.ただし木箱の材質が最初のサンプルよりは多少ましになったものの彫刻には技術的に困難な部分がありました.現在はこのオルゴール,業者がこれはいけると思ったのか,彫刻しやすい箱とのセットで美術教材としてカタログに載っているのを昨年見つけました.

カタログ1996年度 (今手元にカタログがないので,本当に興味がある方はメールくだされば出校したときに探してお教えします.) 参考作品


音はどのような色・形をしているだろう

1994実施中学2年対象

 この課題は縁あって日本文教出版社の来期改訂時の新教材の候補として実施の依頼のあった課題の一つです.ただし教科書には採用がされないので指導書には,との話を聞きましたので,もしかすると次期の指導書には送った参考作品を含めて参考課題として掲載されるかも知れません.

目に見えないものを絵画的表現をさせるといった試みです.さすがに直接何かの音を聞かせてそれを絵にするというのはあまりにも抽象的すぎて,音の波形らしき線がのたうちまわるものばかり数百も持ってこられても面白くないので手がかりを2つのステップに分けて提示しました.

 1つめは音楽を絵にまたは映像にしたものを見本として見せる.ディズニーのファンタジアというアニメーションの抽象的なところを拾って見せてみました.(キャラクターの出てこないところを:))この辺で同じ曲について自分ならこうする,という作品を自由に描かせました.

 2つめは音や音楽が連想させる具体的なものに象徴させていこうというのも一つの表現だが今回はその方法にばかり縛られていても広がりがないのでモダンテクニック(マーブリングやスパッタリングなど)を導入.アクションペインティングさながらのことを音を聞きながらやらせました.(これは下層の生徒が想像できなくなり手が出なくなってしまうのを防ぐ目的もある.これらの生徒は最終的には本来の目的から多少離れてしまっても許容した.楽しく授業に参加する方が大事である)

 こうして最終的には モダンテクニックを導入するかどうかは個人に任せて,用意した鐘や音の出るもの,生徒の持ってきたものから出る音を聞いて感じた”こんなかんじ”を絵にした.最初は準備しようと思ったのだが,なまじ事前にクレーや抽象の画家の作品そのものを提示しない方がよいと思われる.最後の作品のでき上がったときあわせて紹介するのなどはなかなか面白いのでは.

参考作品


オカリナ作り

1991-1995実施 高等学校音楽科生徒対象

 もともとはイタリアはフィレンツェ生まれの大衆楽器.語意は鵝鳥(ガチョウ)のイタリア語,形から連想してこの名がついたとの記述あり.小学生が楽焼きで作る土鈴やはと笛と教材の程度は変わりはしないが,気の持たせ方でこの作品の持つ価値は変わる.いつもは自分の声や高価な完成された楽器を奏でる音楽科の生徒達が対象.音楽を奏でる道具を自分の手で作りながら美術(工芸)を通じ,自分達の専門の音楽についていつもとは違った側面からアプローチしてもらうのが目的.音の質や穴の開け方による微妙な音程の調整,美的側面から見ると必ずしもいいものができる訳ではないが粘土の塊に素手で触れ,そこから楽器を作り出す過程は,彼らにとってものをつくるということを体感するのにも非常に塩梅が良かったと思う.

 技術的工夫:以前日本の陶芸が現代の素材になりづらいという理由として外国人作家が書いていた素焼き後の仕上げの工程の難しさを参考に仕上げを考え,釉薬や楽焼きの彩色をやめ表面はブランクーシのように磨きあげてラッカーで仕上げた.艶と重みのあるこの楽器は成功作はなかなかのものだった.(重みがあるのは笛の中のくり抜きが足りないせいもあるとは思うが...)

参考作品


作業の流れについて

学校校務分掌利用法例

表紙・作品展示に戻る



作者へのE-mail