サンルイ島の東端

パリのノートルダム寺院のあるシテ島の東隣にあるサンルイ島の東端は、小さい公園(バリー小公園、Square Barye)になっています。私の記憶によれば、セーヌ川の観光船は、この辺りでUターンをすると思いました。サンルイ島には、岸恵子さんが数年前まで住んでいらっしゃいました。フランス人の映画監督と結婚してフランスに住んでいた時の話などをまとめたエッセイ集、「30年の物語」(講談社文庫)の最後の「ホームレスと大統領」という感動の物語の舞台となった、ベチュヌ河岸(Quai de Bethune)は、この左手です(この本はかみさんのお気に入りで、かみさんに教えてもらいました)。

写真を撮った場所の近くには、アラブ文化センターとパリ第VI, 第VII大学があり、大学の正門の前のJessieuというメトロの駅のすぐ近くにある、ローマ時代の円形競技場の遺跡(アレーヌ・ド・リュテス、Arenes de Luteces、Luteceはローマ時代のパリの名称、ルテシアのフランス語読み)が下の写真です。この競技場のことを詳しく説明してあったガイドブックをJessieuの近くにお住まいの由美さん、フレッドさんに差し上げてしまい、詳細は忘れましたが、一時完全に埋もれていたものが18世紀か19世紀に再発見されたというような話が載っていたと思います。

現在では、運動広場として利用されていて、おじさんたちが、鉄のボールを目標の小さなポールのできるだけ近くに投げるという、フランスの田舎で盛んなペタンクという遊びに興じていました。

円形競技場跡のすぐ近くに、広大な植物園と自然史博物館(下の写真の突き当たりの建物)があります。

公園部分の入場は無料で、散歩には最適な場所のようです。

公園をオーステルリッツ駅寄りの出口から出て、セーヌ川沿いに1.5kmくらい行くと、700年の歴史を持つものの、建物は1998年に完成したばかりの国立図書館(Bibliotheque Nationale de France Fr. Mitterand)があります。地図でみると、大きさは200m×100mくらいと巨大で、写真に2本写っている高さ79mの高層棟と同じ大きさのものが、撮影地点の後ろ側にも2本立っていて、パリの新しいランドマークの一つとなっています。私が2003年7月に訪問したのは、アンリ・カルチエ・ブレッソン(Henri Cartier-Bresson)の写真展がここで開かれていたためです。中庭が松林になっていて、内装にも木が多用されていました。蔵書は1000万冊以上と巨大です。

(2004年3月8日)。
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