コンクのサント・フォア聖堂

南フランスのトゥールーズから北東に約150kmの山の中にある、コンクのサント・フォア聖堂を1999年夏に訪問したときの写真です。パリのノートル・ダム寺院のような巨大なゴシック建築ができる前の、こぢんまりとしたロマネスク様式(ロマネスクという言葉は英語で、フランス語では単にromanと言い、11世紀前半までの様式のことを指します)の寺院です。コンクは、ヨーロッパ各地から、スペインのサン・チャゴ・デ・コンポステラに向かう中世の巡礼路上にあり、サント・フォア聖堂は、最も有名なロマネスク寺院の一つです。この教会正面扉の上の浮き彫り(タンパンと呼ばれています)は特に有名です。残念ながら、コントラストが強すぎて写真は失敗してしまいましたので、その下に、『写真集、フランスの歴史と文学』(稲生永著、大修館書店)から、タンパンの部分をコピーさせていただきました。

下の写真のキリスト像の下の部分が、最後の審判を表しているそうです。Guide Bleuという旅行案内書によれば、この部分はかつては彩色されており、制作者のかなり個人的な解釈が含まれているそうです。また、この教会にあり、9世紀の作と伝えられている、殉教の聖女サント・フォアの聖遺物入れ座像も、代表的なロマネスク美術の作品とみなされているようです。そのため、この教会は中世には重要な聖地の一つであったそうです。

下は、教会のわきから、川の方に降りていく小道です。

コンクは人口366人のごく小さな村です。

(2003年6月22日)。
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