ブルターニュの小さな街の朝



1978年の正月に、フランスの西の端のブルターニュ半島を横断したときに、たまたま通った、ラ・ロッシュ・ベルナールです(La Roche-Bernard、人口約1,000人、下の地図を参照)。ガイドブックで調べてみると、15―16世紀の民家が残っていることと、ヴィレーヌ川をまたぐ吊り橋がある以外にはあまり見るところのない町のようです。しかし、いかにもフランスのいなかという感じがする、きれいな町でした。車の中からこっちをみているのはかみさんです。この近くから、川の方を見たのが、次の写真です。





フランス語のブルターニュ(Bretagne)は英語で言えばBritainに当たることばで、英語のGreat Britainはフランス語では、Grande Bretagneと言います(ただし、フランスのブルターニュ地方のことを英語では、Brittanyと言います)。ブルターニュはそういうわけで、英国との結びつきが強く、アイルランドと同様に、ケルト民族の伝統が残っている地域です。さらに、ケルト民族より前にこの地域に住んでいた民族が、紀元前1500―3000年というはるか昔に作ったのが、巨石群(Alignement)です。下の巨石群はカルナックの巨石群で長さは約4kmで、2,935個の巨石(Menhir)が何本かの平行な列になっていました。この辺が列石の端で、最も大きな石が並んでいる地域です。最近、行った人の話によると、この辺はもう立ち入り禁止になっているそうです。



カルナックのすぐ近くに、キブロン半島という小さな半島がありますが、その半島の付け根の辺りを朝7時頃に走っていると、海岸線から少なくとも500mは離れたところからはるか遠くまで、無数の人が見えました。



何をしているのかわかりませんでしたので、革靴のまま、どろどろの水際までいってみました。その結果、真冬の潮干狩りであることが分かりました。日本の潮干狩りとは、まったく異なり、結構重装備で、長い棒の先にフォークのようなものが付いた道具で、立ったまま、貝を掘り起こしているようでした。



(99年1月4日)
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