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2002年01月〜09月まで。
こちらのページには2002年01〜9月半ばまでの「小説を読んでみました」を移しました。56冊分くらい。
なんかイロイロとサボリまくってたコロ。また体中が痛くて死にそうだったころのもの。
今思うに(2004/05)、資料性もなくなんだこりゃ状態だが。容量が許す限りここに残します。
2002年09月09日
アウトニア王国再興録2 でたまか 天地鳴動篇 鷹見一幸 スニーカー文庫
C ネオ・アウトニアを防衛するためにまた、戦いが始まりました。三年間、雌伏していた割には行き当たりばったりになってしまったような? 喧嘩を吹っかけたのはアウトニア側だったのに、始まってすぐに死ぬほどの劣勢なのがマヌケで納得いかなかったり。
ライバルである無能悪人一直線だったアリクレスト皇帝がそれなりに有能に変身してしまってビックリ。ついでに最強の切り札であるヴァル君を押さえ込みにかかってきたあたりに工夫が、というより苦労が伺えます。マリリン姉御もお金没収されてンじゃねーよ。って感じ? 軌道修正が大変だ。
適当に読んでりゃそれほど気になりませんが、「アウトニア王国奮戦記」から比べて物語の構築そのものが「でたまか」に感じてしまうのは気のせいでしょうか?鷹見一幸先生の作品は好きなだけにこの展開にはちょっとがっかりしていたり。いや、続きは楽しみに待ちますが。はい。
戦国の覇者2 坂上天陽 学研・歴史群像新書
C 大勢力のない、混沌とした物語2巻。上杉謙信の上洛、武田勝頼の基盤強化が今回の焦点か。
綴られる歴史は全く違うものの、登場する武将達はそれぞれの役割を演じている点が面白い。光秀、穴山信君は裏切り、長可は鬼武蔵の異名と取りつつも中入りから敗死。信康も切腹。このあたりが架空戦記の醍醐味といいましょうかなんともうしましょうか。最高ですね。細川藤孝と津田信澄が明智勢についたのも印象的かな。
現在のところ運命を全く違えてしまったのが榊原康政。壮烈なる戦死。今後も徳川勢には不運が付きまとうようなカンジ。
信長がどのように関わってくるかに興味は引かれるが、とりあえず勝頼と流浪中の秀吉が主軸か。謙信は勢いがあるから光秀を破りそうだが、やはり病死してしまいそう。景勝はとにかく与六は若すぎるしどうなるかが楽しみ。信忠についた一党と勝家の去就も気になる。秀吉の逃亡先も興味深い。やはり山陽方面で孝高などの秀吉一派を配下に収めるのであろうか。坂上天陽先生の筆に期待する。
2002年08月06日
高天原なリアル 霜越かほる スーパーダッシュ文庫
A おもしろかった!おもしろかったよ!!
何かのパロディのようでもあり、そうでなさそうでもあり。主人公のかれんちゃんは可愛かったしお気に入りイラストレーターの木場智士の絵もよかった。物語に大きくからむコンピューターっつーかゲーム用語の一部には少々古い表現があって気にちゃったり、都合のいい改変も散見されたけど、テンポの良いストーリーは読んでいて心地が良かった。万人向けではないとは思うけど、ギャルゲーが好きで、しかしゲーム業界の裏をあまり詳しく知らない人にはお薦めしてもよさそう。
デビュー作、「双色の瞳」が中途で止められてしまったところで発表された作品がこのイロモノっぽい外見の作品だったので少々心配しておりましたが、霜越かほる先生らしい素敵な作りに安堵しております。次回作も期待しております。
重要な登場人物の一人が「かほり」さんなわけですが、霜越かほる先生のお名前と似ていてナニです。これも一種のオマージュなのでしょうか。ちょっと邪推してみたり。
波動大戦5 橋本 純 コスミックインターナショナル
C 2式大艇強い。初陣はもっと損害が少なくてもいい気がするけどどうだろう。
ドイツ回航中の武蔵の戦果は圧倒的。当然ともいえる帰結なわけだが太平洋で同じことができないのん? 護衛艦と戦艦を組み合わせればフィリピンくらいはどうにかなりそうなもンだけど如何に。まぁ簡単にできないからこそ、別な方向からのアプローチとしての陸戦強化ってことになったということなのだろうけど。お話的にもアレだし。しかしマッカーサー君は貧乏くじですな。損な役回りが多い彼ですが今回のは飛び切り悪役。(笑)
足並みのそろわない時空転移組。今後も期待。
荒鷲の大戦1 中里融司 歴史群像新書
B 先ごろ完結した戦国覇王伝の続編。
やー。やられましたね。戦国物からWW2物への継投。架空の歴史を歩んだ日本の上に作られた更に架空のWW2戦記、逆に架空の現代日本を書いた上でその土台となった戦国時代を綴った作品という手法は、今までに数多く出版された方法で特に目新しいものではない。が、戦国物の長編架空戦記という独立した物語を完結させた上での、WW2物続編というのは知りうる限りこの作品が初めてである。素晴らしい。
徳川幕府ではなく、豊臣・伊達の連立政権から誕生したこの物語の海軍・陸軍は非常に興味深い。凄くよく似た設定の作品が現在も別の作者の手によって刊行されているが、数行で語られる過去の戦国史と、同じ表現であるにもかかわらず10数冊という広大なバックグラウンドが控えるこの作品とでは深みが違ってくる。なかなかに心憎い。
また、近作の目玉として美少女がある。陸奥王国の王女、伊達桜子アリーチェだ。「ロリコン架空戦記いずみちゃんの艦隊」という作品を執筆する野望を持っていた中里融司先生の快心のキャラクターである。「軍艦越後の生涯」でも越後ちゃんを剥いていたが今回もサービス満点。今後の活躍に期待するものである。
A君(17)の戦争3 豪屋大介 富士見ファンタジア文庫
B 悲惨。そこまでしますか。
A君の肥しになって死んでいく人々。って言い方悪いですけど大変。スフィアの今後の運命によっては読んでられなくなるかも。キビシイ。
2巻であったウジウジは一応、勢力を縮小して展開。多少説明的なお話も増えたけど相変わらず楽しい。連月での発行となったので次は開いてしまうのだろうか。テンポのいい執筆を期待しています。って。この作品、人気あるのかなぁ。本屋でザッと眼を通すDORAGON MAGAZINを見ても広告は少ないし特集も見ないし。どうなのだろう?
2002年07月30日
吸血鬼のおしごと2 鈴木 鈴 電撃文庫
C 吸血鬼いっぱい。昨今じゃめずらしいことじゃないけど....吸血鬼いっぱい。
語り手からツキさんが抜けてしまったのは残念。起承転結を詰め込んでそれ一冊で楽しませようという1巻と比べて、このあとの数冊分の刊行を視野にいれてお話構築を行っているこの巻はちょっとまったり。全体的には嫌いじゃないンだけどな。がんばってほしい一作。
ちょー戦争と平和 野梨原花南 コバルト文庫
C 佳境に入ってまいりました。やっと。でもまだ、数冊かかっちゃったりするかも。
宝珠ちゃんのイラストが多いのは良かったです。表紙はリブロ女王かな?旗持ってるのはなんだかわからんけど。物語的には今更初登場の人物が多々あってナニ。ダイヤとジオが出てこないのが伏線というところか。オバールの登場はもうないかもしれない。残念。相変わらず可愛くてよかった。
レベリオン 楽園に紅き翼の詩を 三雲岳斗 電撃文庫
C 5冊完結。主人公が戦力的にイマイチ強くならずに終わりました。登場人物順にランクをつけたら5位よりも下にいきますよ? こういうのもいいかも。物足りないと思わないでもないですが。
三雲岳斗先生の作品の完結というものを初めて読んだことになるのですが、他の続刊中の各作品のエンディングがちょっと心配になっちゃいました。綺麗な終わり方ではあったもののハッピーエンドと呼ぶにはナニな終わり方だったもので。素敵な終わり方も主人公たちは選べた状況だったのに、彼らはああいった道を選んだ。ただ流されるだけのクソみたいな人生を送っている自分には選べない道筋。苦難を乗り越えてラブラブな終わり方というのを期待している自分になんか嫌気がさしたりして。とりあえず、彼らの未来に幸あらんことを。
風の聖痕2 山門敬弘 富士見ファンタジア文庫
C 綾乃ちゃん燃え。どこにでもいそうなキャラクターに成り下がってしまっているのが残念ではあったけど。対して今回のヒロイン?、操さんはどうなのだろー。あとがきには作者お気に入りということなのでお薦めなのでしょうが、あまり萌えないです。そんなにイイですか? 八神和麻の視点から見ればいいところもありますが、その他の魅力的な要素が描かれてないように見受けられるのですが。「お兄様のかたき〜」だけではちょっと足りない。
今回は悪役弱すぎ。主人公が最強属性の人なので難しいのでしょうけど。
でも問答無用で強いのはいいことですよ。悪に容赦しない、悪が容赦しないっていうのは好きです。どの作品とは言いませんが敵の前で気を失ったりする主人公最悪。その主人公を殺さない敵はもっと萎え。次巻も期待しております。
EME BLUE1 瀧川武司 富士見ファンタジア文庫
C 並列作品であるEME BLACKより好き。3年経つと同じ主人公がこうまで変わってしまうのか。すごい。
そもそもこのお話、デビュー作であり現在も続刊中の「どかどかどかん」とどこが違うのん? って感じ。舞台が現代になっただけでやっていることが非常に似ている。特に敵の特殊能力者たち。困ったね。隠密組織だった気もするが大分派手にやっていて首を傾げたり。
とりあえずヒロインたちが魅力的なのは良い。尾崎弘宜のイラストも可愛い。あ。今回の裏ネタ?っつーかパロディらしいところは良くわからないモノ盛りだくさん。そのなかで週間漫画雑誌まわりのネタは減点。主人公が各々の雑誌を評価しているという形をとっているが、否定的な表現が多すぎて主人公はもとより、それを書いた作者の品性を疑ってしまう。あまり気持ちよくないです。大減点。
豚に名前がついた日 (ガンゴースト2) 川崎康宏 ファミ通文庫
B なんか続編出ました。前作からどれくらい経っているのん? それなりに評価があったってことかな。個人的には好きなお話でしたが。
前巻からエライ時間があいての続編なわけですが、物語的には前巻の一日後。すっげー違和感。ヒロインのゾルダは出番がなく、完全な完璧な脇役だと思っていたカザフ・キルマー君は台頭する。前作の悪役はオマケ扱いでコメディアンに成り下がっている。なんとも不思議な感覚。
見所はタイトルにもなっている豚! これに尽きます。特に表紙を開いてすぐの口絵イラストのシーン。背中を向けて立ったポーズから腰を回転させて上半身だけで振り返り自分を指差して名乗りをあげる。もう最高ですね! もともと私はこういう名乗り、啖呵、見栄って好きですから、物語終盤のこのくだりは久々に腹がよじれるほど笑わせていただきました。特に胸に残ったところが「進む道に曇りなく足跡に後悔なし」ってところ。本文でも「これがやりたかったらしい」と書いてありますが、サブタイトルにもなっている豚なのです。作者自身が「これがやりたかったらしい」としか思えないのです。いいね。このノリが先生の他の作品にも欲しい。川崎康宏先生の次回作にも期待。
2002年06月12日
スターシップ・オペレーターズ3 水野 良 電撃文庫
C 第三艦橋の三人娘にスポット〜! とはいえ、アキホさんはいるだけっぽいのですが。
リオさんがどこまで行っちゃったかは気になるし。
今回、巻頭のカラーイラストがナニでしたね〜! オヤジばかり。王国の艦長さんたちはどうでもいいのでは?(笑
毎回、同じイラストもつまらないですが、戦艦アマテラス側の説明イラストがないから9人のオペレーターが誰が誰だかわからなかったり。気になって前の本、探しちゃいました。
物語的はいつも通り楽しく読ませていただきました。戦闘艦シェンロンについてはちょっと残念でしたが。あれ以外にはどうにもならなかったのかなぁ。今後は敵艦であるコンキスタドールの扱いも心配です。もうちょっと深い艦長さんだと思ってたのだけれど、今回の描写のままだとただの腐れ悪役になってしまいそう。毎回、楽しみな作品なのでがんばってほしいところです。
最強戦艦魔龍の弾道5 林 譲治 学研・歴史群像新書
C 今までで一番、大和型戦艦が出てこなかったなぁ。
ほとんどガ島での陸上戦でした。ほぼ史実通り。虫がたくさんでした。次巻はおそらく第三次ソロモン海戦風の艦隊殴り合い。金剛級ではなく主人公である大和級の出番でしょうが、夜戦で近距離砲戦ですから、この物語の一風変わった大和では米戦艦に対してたいしたアドバンテージが保てません。どういった結末を迎えるやら楽しみです。
今回、物語初盤を中心に、ガ島で日本兵が謎の失踪を遂げるシーンがあります。これは結局、ナニなのでしょう? 米陸軍のコマンドなり密林戦のエキスパートによるものっぽいのですが、現地人だったり虫やガ島独特のナニかによる現象だったりするかもしれません。種明かしがされていないのでちょっと気になります。次巻以降では触れられなさそうだしなぁ。
さて。このところ少し発刊ペースが落ちているようです。まぁ、一時期の発刊ラッシュがおかしいのでしょうが。がんばってください。林譲治先生。
A君(17)の戦争2 豪屋大介 富士見ファンタジア文庫
B 待望の第二巻です!
我らが小野寺剛士くん、ちょっとウジウジしすぎ。普通の中学生が覚悟を決めることができるわけがない!と何度も描写されるのは苦痛でした。このあたりは物語の魅力だと思いますが、同じような言い回しが使われるのはちょっといただけないかなぁ。
ま、それは置いておいて。
相変わらず楽しい。物語全般において笑わせてくれました。今回の私ヒットは「独立サーベルタイガー大隊新設」の件。いやはや。最高でした。豪屋大介先生が「皇国」を知っていらっしゃると知って一安心。あれはいい作品ですよね!
しかし。田中魔王の待遇がうらやましすぎる私でした。
チキチキのわーる烈風伝1 嬉野秋彦 ファミ通文庫
C 角川とはケンカでもしたのでしょうか? 鳳月くんを主人公にしたチキチキの新シリーズ。懐かしいキャラクターも散見できてなかなか良い。が、新ヒロインかと思いきや玲悠ちゃんはゲストキャラっぽい。残念。香恋奴さんがレギュラー化しそうだが個人的には微妙なところ。いや、外見的にはストライクなのですけどね? なんともうしましょうか。微妙なのですよ。はい。
このシリーズは見事に割り切った一話完結形式なのでホルスマスターで見せてくれた嬉野秋彦先生の継ぎ接ぎお話膨らまし能力は見られなさそう。とりあえずなんとなく読んでます。
2002年05月02日
アウトニア王国再興録1 でたまか 英雄待望篇 鷹見一幸 スニーカー文庫
C 続編出ました〜!! ぱふぱふぱふぱふ〜!!!
あの、衝撃? のエンディングから半年。思ったより早かったなぁ。何にしても続き、出てよかった......
メイ王女ちゃんってば相変わらず強い。最強のお願いパワー。アウトニア国民たちも聞き分けがよくていいね。がんばらなきゃだわ。
今回の主題の艦隊決戦も楽しく読ませていただきました。大艦隊同士の殴り合い。主人公サイド脇役達の大活躍。敵役のダメっぷり悪役っぷり。いいですねぇ。次巻も期待しちゃいますな。
さて。書きましたとおり物語全体の流れとしては好きなんですけど、艦隊戦の中身について少々。
慣性があるのかないのかよくわからんのはいつものこととだしどうでもよいのですが、「数」が難しい。
帝国軍100万隻のうち、我らがサーモニア艦隊は重巡1、軽巡3、装甲駆逐艦4、特務艦2の10隻。
敵役のローデス艦隊は60万隻だが、そのうち中心戦力と目されるのが白色枢機卿艦隊、黒色僧騎兵艦隊の2艦隊。これらの数は書かれていないものの、戦闘終盤において、黒色僧騎兵艦隊が50万の帝国残存艦隊に中央突破をかけて包囲殲滅しようとしたくらいだから、数万単位であろうことは想像に難くない。
戦闘初盤、そのうちの一方である白色枢機卿艦隊に10隻の小艦隊が痛撃を与える。これがまず納得がいかない。中盤においてはローデス艦隊より殉教ミサイル20万発が発射される。このあとに第二波も発射されているようだ。凄い数ですよ? 通信関係破壊に絞った小型ミサイルとはいえ、これだけの飽和攻撃が行われ、90%が撃墜されるという壮大な戦いを演じているのだ。10隻の旧式艦の攻撃である100数十発と記されている光子魚雷、小細工をして全部当たったとしても何ができるだろうとか思っちゃうわけだ。一撃必殺だったとしても200隻は沈まンよ? 好意的にみて、軽巡航艦1隻の数字が100数十発と仮定して600隻は沈まない。とはいえ、正直、こんなに被害があったとは思えない。だってこの通りだとしたら光子魚雷強すぎじゃん? 戦艦、いらねぇ。
帝国は5万隻の戦艦を抱えている。ローデスの戦艦が艦隊全艦に対して全く同じ比率で存在したとして(実際は比率的にはローデスの方が多いはず)、 3万隻の戦艦があるはず。そのうちの主力と目される艦隊に上記のような損害を与えたからって、なんで全軍のパワーバランスが崩れたことになるンだ? 腑に落ちない。
最終盤においてはF級戦艦の自爆で敵艦隊は大被害を受ける。実質被害はとにかく統制がとれないとかなんとか。 そも、どうして敵艦隊中央までいけるのん? 例の強力バリアのおかげ? そりゃあすごすぎ。
それこそ、強力バリア艦と前述の光子魚雷の組み合わせだけありゃあいい。それこそ、戦艦無用論をぶっちゃうよ?
なんか一気に書きました。支離滅裂になっています。でも。こんな感じです。
お話がおもしろく感じられればどうでもいいンですけどね。
大唐風雲記2 始皇帝と3000人の子供たち 田村登正 電撃文庫
C 斬新な解釈が楽しい物語。続き、出ましたね〜!
私自身があまり詳しくない時代設定なのであまり突っ込んで読めないキライはありますが、大雑把な知識でも非常に楽しめます。今回、徐福の扱いには大ビックリしました。こりゃあ驚き。
好きなシリーズですが、タイムスリップものでありながら歴史を引っくり返すことは出来ないタイプのお話なのでちょっと歯痒かったりします。本の帯には「歴史を変える」と書いてはありますけれど、歴史的に後から記された物語などの文章の解釈が変わっているだけで、年表のような歴史として記録されているものが覆っているわけじゃないンですよね。前巻では物語の主要メンバーである杜甫や楊貴妃などの設定まわりだけでも笑わせていただきましたが、今回はそういったところがないわけでしょう。多少、勢いが減ってしまった感じがしちゃいました。
全然関係がない話ですが、椎名高志の漫画「ジパング」が先ごろ、というか大分前に終わりました。「秀吉」が主人公の物語でしたが、言葉使いなどの問題はありますが立証できないという意味での史実との距離的に、司馬遼太郎先生の新書太閤記などと同列においてもよいくらいの物語としてはじまり、非っ常に楽しく読ませていただいていたのですが、途中から路線変更して、架空戦記とは言えないわけのわからないお話になってしまいました。PTAなどの外部圧力か椎名高志本人の心変わり、元からの予定だったのかは知るところではありませんが、無茶苦茶残念でした。この作品のように誰が見ても「お話」にしか見えない描写の物語なら何やったってイイじゃないですか。むしろNHK大河ドラマのように、「史実」と勘違いしてしまう方々が多数発生する番組の方が余程問題があると思うのですけれど。別に大河ドラマが嘘っ八だと言っているわけではなく、他のたくさんの歴史物語と同じく「お話」要素が多数含まれている番組なのだということを認識しておいて貰いたいとおもうわけです。漫画「ジパング」の方向性を歪めた原因となったであろうモノに。
まぁ、路線変更が作者本人の意向だったり、文句をつけた方々が全てをわかっている上で発言し、作品を歪めたのなら仕方がないのですけれど。
追記・田村昇正先生の経歴を伝え聞きました。当年で50歳は超えているらしい。こういったジャンルでは珍しい新人さんです。今後もがんばっていただきたいものです。
天国に涙はいらない6 狐の夜滅入り 佐藤ケイ 電撃文庫
C 今回は狐娘さんでした。でも猫耳付の真央ちゃんと違って、今回の葉子ちゃんは狐が正体の普通の女の子? なんだなぁ。減点。でも、アブデル様が仰るようなモノが原点なのであれば、それでもいいのかも知ンないけど。といっても私はそのネタは知らないのだけど。
そう。私は知らないのですよ。元ネタのゲームは一ヶ月に一時間とかいうヘンなペースでやっている最中なので、この作品でのネタバレ的な情報には困っちゃいました。まぁ、このゲームは発売から数年も経っているので、時効になっちゃっているような気もしないではないのですけど。自分は他のイロイロなパロディのネタはわかっちゃった人らしいンですが、他の読者によってはこれ以外にも本当は書いて欲しくないネタも混ざっているのかもしれません。そりゃあまずいでしょう。そう思うと、パロディっていうのは難しいものですね。
吸血鬼のおしごと 鈴木 鈴 電撃文庫
C 鈴木鈴先生は20歳? 若いなぁ。いいことだよ。うん。
猫のツキ、モザイクからの描写がなかなかに良し。とてもかわいい。巫女全盛の時代にシスターというのもなかなか。それも15歳ですよ?すげえぜ。まぁ大司教が36歳だしな。そんなに若いものなのか。そのあたりあまり知らなくて突っ込めないが。レレナって漫画的な響きはどうなのだろう。実際にいるのかな。可愛い響きだけど不思議な感じ。
血よりもどうやって生きるかというのが美徳とされる昨今の風潮。でも結局本当はノーライフキングたる吸血鬼、理性で人間らしく生きようとしてはいるが結局、たまにキレてしまう吸血鬼。題材的には掃いて捨てるほどあるが彼は主人公たりえるのか難しいところ。完全無欠なヒーローではないのだから。とりあえず今回の悪行はコメディとしては定石。もし続くならどういった完結を見せてくれるのか楽しみ。うまい具合にまとめてもらいたいものである。
2002年04月03日
捜査団は大騒ぎ! サウザンドメイジ3 佐々原史緒 ファミ通文庫
B お涙頂戴たっぷりでした。好きですけどね。
最初は経産婦で年増な若作り、アダマスというキャラクターにそれほどの愛着はなかったのですが。可愛いじゃあないですか。まぁ、それでも私はオニキスファンなのですけど。いやいや。正直に言っちゃえばルビィファンかな。(笑) 閑話休題。
綺麗にまとまりました。所詮、1000年生きるということを我々は理解できないのです。ああいうスタンスで生きつづけるエルフもいいのではないでしょうか。おもしろかったです。
そうだ。サブタイトルはちょいとチガウ気がする。捜査団はあまり関係ないような?
とりあえず完結だそうです。楽しい作品だったので残念ではありますが、だらだらと続くよりは良いのかもしれません。素敵な作品、ありがとうございました。
旭日の戦旗5 安芸一穂 学研・歴史群像新書
C 海戦山盛り物語5巻。戦術的には勝ちまくっているように見えるンだけどなぁ。すごい勢いで後退を余儀なくされております。とりあえずイタリア海軍の精強ぶりには驚きました。強いなぁ。逆にイギリス海軍は弱すぎ? まぁR級とクインエリザベス級は弾薬庫が薄いからなぁ。(違うって)
目玉艦船の伊勢と速吸は大活躍。主役級なんだから当然とはいえ、これだけ活躍されれば旧軍としてはもっと酷使して使い潰す気もするけど。今後の受難に期待。装甲艦は悲運。がんばってほしいな。キングジョーシ5世級どうしの殴り合いは途中まで。次巻で。
このお話、かなりおもしろい展開なンだけど....どうにも盛り上がりに欠ける気がするのはなんだろうね。前作「旭日旗、征く!」よりはずっと派手なンだけどな。不思議だ。
ちょー歓喜の歌 野梨原花南 コバルト文庫
C ジークフロード教室のエルス師。こぎゃるじじいとでも申しましょうか。いい感じです。お話も寄り道少なく、進んでおりますが、それでもまだまだ続いてます。それとも次あたりで決着着きますかね?微妙なところです。でもオパールの登場を待たずに終わってしまうのは残念だなぁ。
2002年03月22日
戦国大合戦記 吉本健二 学研・歴史群像新書
C 秀吉VS家康。小牧山合戦前という架空戦記としてはめずらしい設定ですな。でも幾多の物語の舞台。かなり馴染み深い時代でしたので楽しめました。意外な第三勢力という設定の親玉はちょっとストレートすぎ? まぁ秀吉、家康と張合えそうな人物ってそういないもンね。近隣の大名クラスだと意外性は低いし。今後が楽しみです。
2002年03月06日
逆襲連合艦隊 戦艦信濃2 子竜 螢 学研・歴史群像新書
C こまっちゃったな。
捷一号作戦だけで終わっちゃったよ? 信濃の後半生は語られていないわけだが....物語終了時での日本の戦力は佐藤大輔先生の「征途」とほぼ同じわけだから、お話しを膨らますことは可能だよなぁ。個人的にはやってほしくないけど。(苦笑)
栗田健男中将が物語の中心になるのは仕方がないけれど、この描写がなんともよくわからない。栗田健男中将の弁護的ないいまわしが多分に見うけられるのだが、最終章を見ると彼を史実以上に貶めているように感じてしまう。なんとも珍妙な気分。
今に始まったわけではないけれど、どうにも描写が怪しいのは気になる。時雨が12射線の酸素魚雷をうったり、初月が5インチ砲を撃っちゃったり、アメリカのアトランタ級のいない巡洋艦部隊が雷撃しようとしていたり。T字戦法が投影面積が大きいからダメだったとか言い出すし、長10センチ砲は口径を小さくても砲身をのばすことで命中率をあげたものであるとか。
カタログスペックの勘違いは別にどうでもよいのだが、あらゆるものに対する独自の解釈がなかなかに興味深い。侮れないものがある。
あと。なんかみんな「通信」しているように見えるンだけど。打電って書いてあるのをどう解釈するかは難しいのだが、そのほか、無線封鎖している艦隊を含めてどうにもみんな電波出しているようにしか見えない。電波が届かないっていうのは捷一号作戦が失敗した要な点なのだがら、もうちょっと気を使って欲しかったなぁ。。
作品の全体的な流れとしては良かったと感じた。信濃が戦艦として完成していたとしたら。という「もしも」の世界としては。
でも、捷一号作戦という小説よりも奇な史実が題材である以上、もうちょっとサービスしてくれてもよかったのではないだろうか。あの、偶然が重なって失敗した作戦。いや、偶然にも成功しそうだった作戦。物語として読むと歯痒い海戦。だからこそ。大勝利してもよかったのではないか。これではあまりに、「らしい」結末ではないか。史実とそうは変らずに敗戦に向かって一直線。娯楽作品としては如何なものだったろうか。
インフィニティ・ゼロ 有沢まみず 電撃文庫
C にのみやはじめのイラストのイメージも重なってどこかのゲームのノベライズのような印象。ヒロインのゼロちゃんも電波入っているという設定だから尚更なにかみたい。この特殊な設定のゼロちゃんに合わせるために主人公のリアくんが作られたのだろうが....結構、強引かな。非常に難しい役割を押し付けられたのだから仕様がないのだろうが、主人公の奇行?についていけない自分がいたりして。行動そのものよりも動機が納得いっていないンだな。
まぁ、それなりに楽しみました。エピローグをどう解釈して良いのか難しいところです。一番、ハッピーエンドな方向なんですかね? イメージ的にはチガウのだけれど.....そうでない場合、本当にどうやって受け入れればいいやら。次回作に期待いたします。
ドラゴンパーティ3 中里融司 電撃文庫
ダブルブリッド7 中村恵里加 電撃文庫
スターダストイレギュラーズ 飛田 甲 ファミ通文庫
フォーマイダーリン! 野村美月 ファミ通文庫
刀京始末網 森橋ビンゴ ファミ通文庫
C 謎な法律が施行された近未来東京が舞台。凶悪犯に対する逮捕・殺人権利が一般人に与えられ刀類の所持が認められたって世界。設定が凄いけどまあ、それはいい。そういう近未来もあるのだろう。
主人公である女の子っつーか女性の得物がハンマー。鍛造とかに使うやつ。ハンマー流行ってる? 生い立ちとか見ればそれもいいけど、ちょっとめずらしい。やっぱ豪快でいいよな。ハンマーは。はんま〜!!って感じ。
お話も良くできています。この不思議世界を構築した上でここで生きる人々の心理状態をも作り上げる。ある意味独壇場。一気に読ませていだだきましたが、私の望む方向のお話じゃあなかったなぁ。ジャンル的にも。
ランブルフィッシュ3 三雲岳斗 角川スニーカー文庫
C 私の理想の女の子がでてくる物語3冊目。ああっ!その上、金髪ばーじょんな子までっっ!!
水野良先生の「スターシップオペレーターズ」の戦艦と一緒で特殊な装備の強敵とそれを倒すための仕掛け作りが非常に大変そうに思われます。ただ主人公はナンでもこい!なヤンキーですので便利ですな。16ケの金属球を一瞬で.....とかなんとなく書いておりますが、ゲームセンターあらしでもないのにロボットを「操縦」してそのような芸当ができるのですから。すごいです。凄いンですよね?(笑)
なんとなく学園トーナメントでお話しは進んでいってますが、結局、革新にはたどりつくのでしょうか。ある意味、不安です。そこに辿りついたらナニか違った作品になってしまいそうで。
今後に期待するものであります。そそ。カトちゃんのイラスト、可愛すぎ。反則です。
波動大戦3 橋本 純 コスミックインターナショナル
C 1.2巻と比べると動きが鈍いかもしれない。姿千鶴首相が暴れていないのも残念。まぁ、すでに歯車は回り始めているのだけれど。
とりあえずモンタナ級戦艦。現計画どおりの艦形らしい。物語世界において43年8月にコレが存在するわけだが....アイオワはいるのだろうか。場合によっては存在しないかもしれないなぁ。単純に滅多に登場しないこの新鋭戦艦との戦いは楽しみである。
EME BLACK 1 瀧川武司 富士見ファンタジア文庫
C 新シリーズです。どかどかどかん続けてほしかったなぁ。っていうのはおいといて。イラストが尾碕弘宜なンですよ。最近良く見かけますね。イラスト買いしちゃうイラストレーターです。
富士見ファンタジアの企画によって作られた作品。新鮮味はなかったのですが、それなりに楽しめました。お話しの作り方が巧いのでしょうか、私の読み方が稚拙なせいでしょうか。いろいろとやられたぁって感じでよかったです。今後もとりあえず楽しめそうかなぁ。題材が題材だから個人的にはちょっとナニですが。
お話し中に出てきた魔術師ハウゼンって、映画の造形師、レイ・ハリー・ハウゼンのからなのでしょうな。
風の聖痕 山門敬弘 富士見ファンタタジア文庫
C おもしろかったです。よい主人公ですね。外道主人公とか言って売り出している他の様々なメディアの方々と比べても十分にヒドイヤツです。あー。でも別にそれが悪いっていっているわけじゃないンですよ。良い男だと思います。格好いいよなぁ。ちょっとピカッと光って勝つ系はいっているけれどまぁ良いか。最強の証を形として持っていたりするのはナニですが、結構楽しく読ませていただきました。
聖刻群龍伝 亢龍の刻1 千葉 暁 C・NOVELSファンタジア
布哇大戦記4 高貫布士 RYU NOVELS
戦国大乱2 津野田幸作 学研・歴史群像新書
2002年02月01日
楽園の魔女たち 〜月と太陽のパラソル(前編)〜 樹川さとみ コバルト文庫
C 1年ぶりの新刊〜っっ! 待ちに待ったって感じ。
シリーズ15冊目です。前巻から新しい路線に入っているわけですが。
いやいや。チャレンジャーですな。可愛い魔女達は確実に成長していく。サラは22歳、マリアなんて恐ろしいことに19歳ですぜ? 普通のこういったファンタジー?系物語では考えられないような時間の経過です。人気もそれなりにあり、調和されて完成された舞台をぶち壊しながら新しい世界へ。すごいなぁ。尊敬しちゃう。格好いいぜ。
おもしろいですよ?でも手放しで喜んでいない私がここにいる。可愛い魔女達はもちろん、男共も戦っていますね。比べて読者たる私っていったい? とか脈絡もなく思っちゃってます。どうよ?>おれ
まー、後編も近々読めそうです。楽しみですな。
外法師 鵺の夜 毛利志生子 コバルト文庫
ちょー後宮からの逃走 野梨原花南 コバルト文庫
アンジュ・ガルディアン2 年見 悟富士見ファンタジア文庫
逆襲連合艦隊 戦艦信濃1 子竜 螢 学研・歴史群像新書
C 買ってから気がつきました。子竜螢先生の作品だったのかぁ。
信濃が戦艦として完成したら。比較的ありそうな「もしも」世界です。でも。登場する軍人達はありそうにない方々です。武蔵の代わりに信濃で敵の雷撃をうける? 正気でしょうか。信じられません。阿部艦長も栗田中将を含めたその他の軍人たちも。テンポだけはいいのだけれどな。がんばってほしいものです。そそ。前作と違って2巻までだそうです。安心ですな。
異戦国志3 中路さとる 学研・歴史群像新書
大日本帝国第七艦隊2 鷹見一幸 学研・歴史群像新書
真・連合艦隊大海戦3 和泉祐司 RYU NOVELS
布哇大戦記4 高貫布士 RYU NOVELS
激闘!環太平洋大攻防戦2 橋本 純 JOY NOVELS
赤城山卓球場に歌声は響く 野村美月 ファミ通文庫
C 女子大生7人組が主人公。こういうお話にしては年齢設定が上目なのが珍しい。前半の大学のサークル描写はワクワクして楽しい。後半の卓球で世界を救うところは微妙。エンディングは私の好み。
この作品のあと、続々と刊行される野村美月先生の処女作。文章は読みやすくてわかりやすいが、お話自身は突飛。まぁそのあたりも評価ではるのでしょうがあまりヘンだと着いていけないかも。
依澄れいのイラストが可愛くて良し。逆にいえばイラストが好みでなかったらアオリ的には買っていたかは微妙。
2002年01月15日
プリンス・オヴ・ウェールズ逆襲大作戦 林 譲治 JOY NOVELS
C 続編出ましたよ!! 素晴らしい。 だから。シリーズ名入れようよ。新刊でないとわからないから。>実業之日本社さん
亜細亜と改名されたプリンス・オヴ・ウェールズは捷一号作戦にて初陣を飾る。歴史的な改変はこの段階では少しだけ。マリアナ沖海戦での母艦の喪失が少ないのが目立つくらい。けれども、これがPowを引き上げたことだけ?から派生した対空能力と対潜能力の向上によっての歴史改変なわけだからたいしたものである。いい。すご〜くいい。(c)岩田裕
物語のテンポが速いのは好ましいのだが、台湾沖航空戦がどうなったかとか、特攻隊は出たのかとか、端折りすぎて気になるところが山盛り。
次巻が楽しみですな!亜細亜の次の戦いの場はどこでしょう? フィリピンでもう1度戦うか、クァム、テニアンあたりで戦うか、沖縄水上特攻にて大和を守りぬくか。
そいえばこのお話しに出てくる元々のPowは38cm砲装備なのですな。一巻のときには誤植かとも思ったが、ナニか裏側で楽しいエピソードでもあるのか今回も38cm。おもしろいですな。おもしろいです。実際にソレで戦っているわけではないですから物語的な影響はないし。
昔、横山信義先生の作品で38cm装備とされたダンケルク級が主役になって活躍する物語がありましたが、アレは気になりました。38cmだからイギリス戦艦と戦えるぞ!というのが根底にあってのお話しだったからなぁ。おもしろい題材なのに残念でした。
今回、Powは使い古しの大砲を装備しましたが、コレって他の作品でもやりませんかね? なんとなく好きな感じ。
大淀とか阿賀野の主砲は有名ですし、史上最後の戦艦、バンガードの38cm砲も無茶苦茶旧型砲です。
長門の初代の40cm砲なんてどうです?アレって砲塔全部交換ですよね? フューリアスの46cm砲じゃ数が足りないか。シャルンホルスト級の大砲はどうだろう。小粒だから使い方が難しいかも。小粒といえば赤城や加賀の20cmでもいいわけだし。おお。楽しそうだ。
死神見習い修行中! 樹川さとみ 角川ビーンズ文庫
C 「楽園の魔女たち」の続きを書いて。とか書いてみる。(笑)
でも今回のお話しは楽しく読ませていただきました。
死神さんの物語です。よくもまぁこれだけ明るい? お話しになるものです。凄いなぁ。良いです。
弟子をとったサイプレスさんの気まぐれ? だけは疑問が残るところですが、楽しく読ませていただきました。
角川ビーンズ文庫は初めてですが。今のところ方向性がよくわかりません。作家さん的にはかなり惹かれているンですけどね。どおしよお?
真田大戦記9 竹中 亮 学研・歴史群像新書
戦国群雄伝5 神宮寺 元 学研・歴史群像新書
C 史実においても秀吉と家康の駆け引きは不可思議ですが、このお話はもっとヘンです。各勢力の思惑がどうにも不安定。どうにも納得できない。
最近、学研M文庫側で改題されて発売されている同作品ですが、あちらでは前田利家が主人公というような煽り文句が使われている。このシリーズが始まった当初は違った気がするのですが気のせいですか? 最後には前田利家が天下をとるのですか? 蒲生氏郷はあのままでいいのでしょうか。
まー、確かに秀吉子飼いしか目立たない秀吉軍団よりも、信長股肱が多い北陸軍団の方がネームバリュー的に強力そうではありますが。
ちょーっと方向性が違ってきている気もします.....次回に期待。
余談ですが、2002年のNHK大河ドラマ「利家とまつ」はおもしろいです。新鮮な解釈があってステキ。勝家が暴れん坊将軍な所もナイス。秀吉中心にやって8月くらいに本能寺だから、今回は7月とか6月に本能寺しちゃうかもしれませんね。
亜欧州大戦記10 青木基行 学研・歴史群像新書
リバースド・ヘブン 彩院 忍 角川スニーカー文庫
C ううん。設定がユニークすぎる。これ、一冊で終わらないよね? いろんな意味で中途半端な感じ。
主人公の位置がはっきりしねー。ヒロインの位置もはっきりしねー。最強?な兄貴も副官もよくわからないー。
困ったな。難しいお話しですよ?
ぴかっと光って勝ちそうなお話。元々そういう不可思議な世界だし、お膳立ては出来ているからたぶんそうやって終わる。でも。とりあえずこの本ではピカッと光って負けちゃうという終わり方をしちゃった。次を読まないとダメですか。どうするー?文書的には読みやすいし、キャラクターにも魅力はあるのですがね。次、出たら読むのか? 私は。
そういえば彩院忍先生の作品を読んだのってたぶん最初じゃないと思う。何というタイトルだったかなー。
シックス・ボルト 神野オキナ 電撃文庫
C 綾波の表紙が目印! (チガウ)
三人称によってこの世界を客観的に現しているこの本の語り手ですら、何が起こっているのかわからない!!というスタンスで異星人とのルールに乗っ取った戦争が描かれる。これだけ開き直った設定も珍しいなぁ。古くは「戦闘妖精雪風」とかのイメージに近いか。でもアレは物語を描く上で種明かし的なコトをやっているしな。物語開始時の設定はとにかく、最終的に辿りつくところが大分、違うしな。
お話しとしてはおもしろい。が、訴えるモノっつーかそういったモノが感じられない。主人公がピカッと光って勝つために、理不尽なイロイロが起こっているわけだ。それはどうやら予定調和らしい。つまらなかったワケではないが、私が読みたいタイプのお話しではない。
これってシリーズ化する? いや、なんとなくそういった気がしただけ。
それゆけ!宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコopt.10
君達の知らないいくつかの出来事 庄司 卓 富士見ファンタジア文庫
C オプションシリーズ完結。
シリーズが好調なところをうけて始まったこの水増し外伝シリーズもついに終わりました。途中、本編に関わる大事なエピソードが混ざっちゃったりしてしっちゃかめっちゃかな状態でしたね。あまり美しくはなかったなぁ。今巻で終わりなわけですが、外伝本来の物語もうやむやにされてしまったようで、「そろそろ潮時かなぁ。終わらせよう。」って感じが伝わってきちゃうのはナニです。ジャンプの人気漫画よりはマシですが。
optシリーズの終わり方としては納得いくものではないのですが、単純に外伝としては楽しく読ませていただきました。いいお話しばかりです。素晴らしい。中盤、御堂ちゃんとリヒターさんの会話のネタが全てわかってしまうあたり、個人的にちょっと痛かったです。(笑)
本編ももうすぐ完結です。キレイに終わってもらいたいものですが.....期待しております。
R・O・D 5 倉田英之 スーパーダッシュ文庫
楽園 戦略拠点32098 長谷敏司 角川スニーカー文庫
C CHOCOさんのイラストがねー。可愛いっすよ。挿絵がないのは残念でしたな。
星間国家同士の殴り合い中にある不思議な惑星での物語。簡単に紹介されている各国家の性格っつーか兵器体系は個人的に楽しかったです。考えうる理想的なリサイクル。繋戦能力の維持。逆に思想的な意味での投資。
物語そのものはこういった世界で戦略拠点32098と分類される惑星で出会う少女、マリアの存在を中心に展開する。可愛いマリア。素敵なマリア。そして悲しい存在。マリア。 いいお話でした。楽しいお話ではないかもしれないけど。
主人公の一人、ヴァロアくんの最後の決断も素晴らしい。一読者としては間違った選択に思えなくもないが、マリアデンディングになった場合、物語が破綻してしまうし、現代日本が目指すべきというか倫理的にヴァロアくんの決断は崇高で正しい方向性であろう。逆にいえば悲しい選択ではあった。彼の決断が間違っていなかったことを祈る。現代日本に生きる私として。