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2001年07月〜12月まで。
こちらのページには2001年07〜12月までの「小説を読んでみました」を移しました。75冊分くらい。読んでない本もたまってきちゃって困っています。買う時には読む気があるンだけどな。なんか意欲が削がれちゃったりして。あと、ここに文章を構築していない本の山もできてきてしまって部屋がどんどんと混沌としていってます。ああ。人様に見せられねぇ。


2001年12月07日
新ロードス島戦記3 水野 良 角川スニーカー文庫
C やっぱりいいなぇ。ロードス島は。
まー、今回、殴り合い中心で1、2巻にあったマーモを良くしていこうってお話しがなかったんで残念ではありましたな。
個人的にはリーフが不憫で不憫で仕方がないのですが。がんばれー。

A君(17)の戦争1 豪屋大介 富士見ファンタジア文庫
B 豪屋大介先生は気分悪く思われるかもしれませんが、私の第一印象は、
主人公A君は佐藤大輔先生の「皇国の守護者」は新城直衛に似ているかなぁ。
って感じでした。これでも、最大限に誉めているつもりです。

楽しい作品でした。個人的に大ヒットです。魔王の田中さんは私にダブるところもあるので、ちょっとイタいキャラクターでしたが。(笑)
これ、1巻なンですねー。続きが楽しみです。
えーと。イラストは伊東岳彦? わからんかった。いや、次に見てもわからんかも。特定キャラクターには特徴が出ているンだけどな。(苦笑)

どかどかどかん3 瀧川武司 富士見ファンタジア文庫
C 主人公エンジ君。どんどん弱くなっていく気がするのは気のせいですか?(笑)
今回、物語の根幹に関わる方々が出ませんでしたな。八方武人の一人だったらしいから....あと6人ですか。長いシリーズになりそうですな。
で、ライバルらしき剣士も出てきていい感じです。錆のお嬢さんもレギュラー化するかなぁ。女性陣が寂しい作品ですからな。一人、欲しいところです。
ミチルちゃんのボケっぷりもパワー不足な感じがしましたンで....次巻に期待。

ゴールデンドーン 爲我井 徹 スーパーダッシュ文庫
C 錬金術師と人造生命体の物語。ガチガチの錬金術師組合が存在する世界を全面に押し出してお話しはスタートするが、掟破りの規格外品な人造少女とそのマスターが、錬金術師組合側に立って活躍しちゃうという不思議な展開。掟破りを黙認されているように見えるのだけれど、キビシイ規則が存在することをアピールしすぎているので...ヘンな感じ。ストーリーを云々するよりもそういった骨格が気になってしまいました。
文章は読みやすかったので......次回作に期待しております。

トゥインクル☆スターシップ2 庄司 卓 ファミ通文庫
ホルスマスター12 嬉野秋彦 ファミ通文庫

イリヤの空、UFOの夏 その2 秋山瑞人 電撃文庫
B 2ケ月連続で発売〜! いい。たまりません。加奈ちゃんの登場が少ないのは残念でしたが、本編ラストシーン良かったです。最高。
そういえば。
うわ。
うわですようわ。うわって言葉ってこんなにも強力だったのですね!うわ。

私は加奈ちゃんファンなので他はどうでもいいのですが。夕子ちゃんも晶穂ちゃんも可愛いし、男どももイイ奴ばかりだし。この作品、大好きです〜!

そういえばいえば。
矛盾点もいっぱいあるしお話しが破綻している気もしますし、散々なことを言われている作品ですが。「E.Gコンバット」、好きなんです。☆よしみる先生にも関係があるのかもしれませんが。秋山瑞人先生。期待しております。がんばってください。

進撃!戦略航空軍3 青山智樹 学研・歴史群像新書
B 泣きました。架空戦記を読んでいて初めて....かな? だと思います。
インパール作戦は太平洋戦争における数々の作戦ミスの中でも最たるものです。ただ、私も全般からみたインパール作戦、牟田口廉也がどれほどの無能・畜生指揮官だったか物語、第64戦隊の戦記を中心とした航空隊ものしか読んだ覚えがないのですな。陸戦がどれほど悲惨だったかはこれらでもある程度わかりますが、実際に参加した陸軍将兵の苦労はこれらの本からは想像するしかありません。
で、この作品です。
そりゃあ架空戦記です。インパール作戦が成功しちゃう物語です。それでも。
「牛馬の如くこき使われて死んだ。」
って。
物語中でも愛されていた人物が死んじゃうんです。

史実のインパール作戦においては、このような綺麗な文章で表されないほどヒドイ状態であったのでしょう。架空戦記を引き合いに出して論じることはできないのかもしれません。
それでも。たとえ虚構の物語であっても。
私は泣きました。
どうして泣いたのか、その本当の意味はわかりません。単なる憐憫だったのかもしれないし、クソ野郎である自分の、ここには書けないような倫理に反する感情だったのかもしれません。
青山智樹先生。素敵な作品をどうもありがとうございます。

さて。
飛燕と5式戦モドキの飛燕改が大活躍。私は飛燕という戦闘機は重戦闘機的なイメージがあったのだけれど、このお話しを読むとどうにも軽戦闘機的イメージが強い。戦記物で鐘馗と一緒にB29迎撃に参加しているせいかな? もう一度、確認してみようと思います。
さてさて。
物語完結。短かったですな。戦争は終わりそうにありません。もともとの計画でしょうか。打ち切りでしょうか。中途半端と思わなくもないですが、とりあえず、綺麗な終わり方でした。
生き残った方々、行方不明な方。語られぬ物語世界において。どうか。生き抜いてください。

鉄槌5 橋本 純 学研・歴史群像新書
C 血みどろの本土決戦物語、完結。
あとがきで橋本純先生も書いておられまが、今回、今までと作風が全く違います。視点がアメリカ中心になったせいもありますが、今までの登場人物の大半が出てまいりません。生き残っていてもらいたいものです。
壮絶なお話しでした。イロイロと凄い物語でした。死にまくりです。後半に行けばいくほど描写が減っていきましたが、数字で表わすしかない程の死にようでした。今まで読ませていただいた橋本純先生の楽しい戦記?とは、ちょっと違った作品でした。
目的を達成できたせいでしょうか。不思議と清々しい?感じが読後にしました。倫理的なお話しを持ち出さないのであれば。こういった作品も良いのではないかと思います。素晴らしい作品を、どうもありがとうございました。

戦国大乱1 津野田幸作 学研・歴史群像新書
C 戦国ものの新シリーズです。今のところ良い感じ。
関ケ原直前。表だっての主役は直江兼続率いる上杉。題材的には比較的見ることのあるお話。
結城秀康は思いきりましたな。どの作家でもやりそうだけれども結局、やらないことが多いし。あとは伊達が敵にあるって状態。政宗はずっと敵役かなぁ?登場させてももらえないからな。おもしろい。
前田慶次郎は利太になっている。最近では珍しい。年齢も壮年とされているがどうだろう? 他の豪傑達が若いからなぁ。バランスだろうか。
今後が楽しみな作品である。

軍艦越後の生涯3 中里融司学研・歴史群像新書

波動大戦2 橋本 純 コスミックインターナショナル
C 走り出したら止まらないぜ!って感じ。
架空戦記において、どうやって終戦を迎えるかっていうのは大事な要素だ。日本が勝利したとしても軍事国家であってはいけないし、核を使った勝利とかもダメである。出版業界的に禁止されていることは山ほどあるだろう。が、一般常識という見えない厄介なモノにこのお話しは抵触していないのだろうか。
大日本帝国を強奪し、世界平和を望みつつ独裁政治に突っ走る主人公達はいったいどこにいくのだろう。楽しみである。


2001年11月12日
ネクストエイジ 野島けんじ スニーカー文庫

大日本帝国第七艦隊1 鷹見一幸 学研・歴史群像新書
B 鷹見一幸先生の架空戦記。楽しかったです。最高。
いわゆる独立愚連隊系のお話しですが。今のところ卑怯な戦力一切なし。大変ですな。だからこそワクワクします。しかし.....大損害が出ている輸送船団を第七艦隊が守れば評価もあがるというものですが....ちゃんと護衛役を果たして、戦没艦も最小限になっているのだが、他に前例がない以上、第七艦隊の護衛能力は全然ダメ扱いされそうで可哀想です。もっとも、そういったレベルのお話しでは最早、なくなっているわけですが。(笑)
第二巻、待ち遠しいですなぁ。九ニ式艦攻、十三式艦攻。陸式空母。もうなんでもありです。隠し玉もあるでしょう。すごいぞ。すごいぜ。でも、この次の戦い、勝って連合艦隊にバトンタッチしたとして。なんとかなるンですか? 心配だなぁ。鷹見一幸先生のオチのつけ方って容赦がないからな。楽しみであり、心配でもあります。

最強戦艦魔龍の弾道3 林 譲治 学研・歴史群像新書
C 母艦航空隊が可哀想なんじゃよお。運命の女神も残酷なことをする。あれでは誰でも勝てない。
基地航空隊の大活躍。母艦航空隊の惨敗。別件だが2式局戦というおもしろい戦闘機の開発。今回は航空機一色です。大和型戦艦、活躍した? 信濃がごちゃごちゃとやっていたが....目立たない。
日本は戦訓を踏まえてどんどん改革されていくが、連合国側はどうでるのだろう? どちらかというとそっちの方が気になるかなぁ。近未来的には戦力がないのだもの。機材的には恵まれているはずなンだけどなぁ。B17だけでもイイ線いっているでしょう? 日本的な運用を考えればB25だって十分に使える気がするンですけどね。

デュアル・パシフイック・ウォー3 荒川佳夫 学研・歴史群像新書

聖刻群龍伝4 千葉 暁 中央公論新社
C バルーザ戦完結。そりゃあ物語中の主人公は苦悩し、仲間たちも苦労するけど、結局、問答無用に強い古操兵で一気呵成。同一世界の別作品よりも庶民的とはいえやっぱりそういった物語。なんだかな。
とりあえず主人公デュマシオンは権力を手に入れました。実態を伴わない名声だとしても。普通、こういった名声は後からついてくるものなのだけれど、成り上がり物語としては一応の成功か。続刊もとりあえず待つ。

スターシップ・オペレーターズ2 水野 良 電撃文庫
C 後半はオフィシャルサイトに発表された物語です。珍しい体系ですな。個人的には紙に印刷されていないと読みづらくていけないと思うのだが。
まー納得いかないところもあったけど楽しく読ませていただきましたー。立派なSFですよ。ええ。素晴らしい作品です。
読み始めたころ、登場人物多いからキャラクター名、忘れちゃっててなぁ。大変でした。ファーストオペレーターすら忘れてンだもの。(笑) 私、大抵の作品においてヒロインが好きなのになぁ。無念。
やっぱしこのシリーズ好きです。続きが待ち遠しいですな。
今回は第二艦橋の3人がメイン?になりましたー。水野良先生らしい手法です。次巻は第三艦橋の3人との絡みですな。


2001年11月01日
レディ・スクウォッター2 都築由浩 電撃文庫
C らっきーらっきー。って感じ。ちょっと幸運パラメーターに頼りすぎじゃない? 主人公、アルくんは長生きできないよ。つきあっているディーもかな。
ケイトリンちゃんの設定は意味不明でナニ。ちょっとデティールがなー。可愛けりゃいいンだけど.....媚びすぎてませんか?
で。1巻と同じで、あとから書き足した部分があちらこちらにあるのか文脈に不明瞭なところが気になります。お話しの前後でちょっとした矛盾が生じたりしているの。あんまりめだたないンだけどさ。数が多いからなぁ。

イリヤの空、UFOの夏 その1 秋山瑞人 電撃文庫
B 寡黙少女系小説〜! それも秋山瑞人先生ですよ? 駒都えーじのイラストも可愛いし良かったです。
ちょっとおかしな女の子、伊里野可奈ちゃん。境遇は綾波っぽいけど、性格はアキハバラ電脳組のつばめちゃんに比較的近いかな? 彼女を取り囲む組織はマルチ開発スタッフみたい。可愛いっすー。ボーイミーツガールなお話しなだけに出会いも素敵。とっても可愛いっすー。可愛いったら可愛いっすー。
現代日本に近いパワレルワールド。無茶苦茶危険度の高い、どこかとの冷戦状態。もしかしたら交戦状態かも。とにかく、そういった「世界」があるらしいのだが、わざわざ説明しないところは好感がもてる。そのくせ、読者である私が理解できないほど、逸脱した世界でもない。珍しいよね? 珍しいと思うな。
今のところ一夏の物語。ハッピーエンドで終わるかな? 終わるといいなぁ。終わりそうにないけどなぁ。可愛いんだけどなぁ。


2001年10月24日
どうにもならない五里霧中? フルメタル・パニック! 賀東招ニ 富士見ファンタジア文庫
B 短編集5作目。楽しかったです。
短編集だと宗介がかなめと一緒にいる理由ってボケてくるよね。実際、別行動をとることって多いし。おかげで制約がなくなるわけですが。
で。このお話し、パロディネタが結構でてくるのだが、元ネタがわからない。いや、わかるのも少〜しあるけれど。ううむ。難しい。
お気に入りは最後のテッサのネタでした。本編における堅いお話しの中心たるミスリルの面々のなんと愛らしいことか。マデューカス副長だけが最後の砦になってしまいましたな。いやいや。おもしろかったです。


2001年10月21日
連合艦隊、ミッドウェー陽動作戦発令 高貫布士 JOY NOVELS
C 吹雪型駆逐艦は93式酸素魚雷を搭載していないよなぁ?
同じ61cm魚雷でも、吹雪型、有明型、初春型は90式魚雷しか運用できないンじゃなかったっけ? いや、これもうろ覚えだから間違ってたらスミマセン状態なんだけど。とりあえず見てみた5冊程度の駆逐艦専門書には使用魚雷について特に何も書いていないンだが....たぶん押入れの奥にある本の何冊かにはそういう記述があったような気がする。まー、次発装填装置がついている吹雪がでる小説が多い昨今だ。これくらいたいした問題ではないのかもしれないが、もし、吹雪型が酸素魚雷を使えなかった場合、本作のアラスカ湾海戦は日本の敗北となり、ついでにアラスカ侵攻も数ヶ月の遅滞が生じたであろうことは否めない。
おもしろかったンだけど。何度も同じ文脈の文章があらわれたりするのは気になるかな。ついでに舞台がアラスカでしょう? 高貫布士先生の作品としては登場頻度の高い舞台なので.....これも昔読んだような記述があったりしてちょいとナニかな。逆に新しい作品だけあって、このアラスカという土地についての考察が一段、深くなっているところがあったりして興味深い。
さて。この実業之日本社JOY NOVELSは作品のシリーズ名を付けない癖があるようだ。この作品も今後、シリーズ展開されると思われるが....ナニか識別できるようにしてもらいたいものです。

*吹雪型はやはり酸素魚雷を運用できないようです。次発用の魚雷は搭載しているみたい。専用の装填装置がないので、戦闘中に装填するわけにはいかないらしいのですが。真っ直ぐに航行して3tクレーンと人力で30分以上はかかるということです。(H13.12.17)

トゥインクル☆スターシップ1 庄司 卓 ファミ通文庫
C パソ通の頃からテキスト文章を使ってきた者としては、☆って使うのを躊躇っちゃうよね。ちゃんと出てる? 文字化けしてない?
「主人公が少年であった頃に、ある女の子と未来についてお話しをしていた」という夢から、物語は始まる。ちょっと萎え〜って感じでした。悪い手法ではないけれども、あまりに使い古されているのに多用されすぎている気がします。少なくとも、このお話しの冒頭はコレでなくてもいいと思う。ベテランである庄司卓先生であれば尚更だ。ナニか重大な伏線があるようには思えない。重大でない伏線はあるかもしれないけど。
お話しはいいです。どうでも。普通って感じ。ちゃんと読めるし。倒凶十将伝を最初に読んだときと同じ感覚だな。うん。
イラストが可愛いンだけど。綴じ込みイラストのバロータとセーラの絵ってあってる? イメージと違うンだが.....もし、名前の表記が間違っているとしたら最大のミスです。こういうミスはやったらあかんですよ。いや、あっているンだったらなんにも文句ないのですが。思ったより大分、セーラ可愛いなぁって感じで。
.....こりゃまたヒドイ文章だなぁ。もうちょっとなんとかしようよ。>私

天国に涙はいらない4 佐藤ケイ 電撃文庫
C 眼鏡っ娘ですよ? それも古典的な古き良き眼鏡っ娘らしいです。なんか大変だなぁって感じ? 次はナニでしょうね? やっぱりメイドさんがいいなぁ。とか思う次第です。

魂守記 -頭蓋骨は秋空を見上げる- 渡瀬桂子 コバルト文庫
C こんな男いねぇよ。(笑)
いい子ばっかりだぁ。男の子も女の子も骸骨も。読んでいてとても気持ちのいいお話しでした。不思議な描写も多々あったけど気にしません。そういうものなのでしょう。昨年のコバルト文庫ロマン大賞入選作。いいですね。楽しかったです。


2001年10月12日
ZEONIC FRONT 機動戦士ガンダム0079 2巻 林 譲治 スニーカー文庫
C なるほど。PS2の同名ゲームのノベライズなんだね。1巻を読んだときには恐ろしいことに知らなかったんだな。うん。
今回のシリーズで登場した兵器は、今までに各種メディアにおいてバラバラに発表されてきたものを集めて既成事実化した感がありますな。例えばRX-78-6 ガンダム6号機はMSコレクションの一種で、家にある物では1991年発行の本に掲載されているものが一番古い。恐らく初出はもっと昔なのだろう。百式改などと同じ系列だ。キャノン砲はビームライフルの予備としての実体弾系らしいが....説得力が全くないからな。設定を変えたのだろう。 で、ホワイトベース級のブランリヴァルの登場もあった。本家のガンダムライドでもゲスト扱いだったが、今回もチョイ役というかヤラレ役。(笑) 
ユーコン級潜水艦のMS搭載数を2機として描かれているのは個人的に好き。TV放送を思い出そう。マッドアングラー隊を除く水陸両用MSは、どれも2機単位で行動していたよね? 最近のユーコンてば、どんどん搭載数が増えているからな。クソマニアとしては危惧していたのだ。よかったね。
2巻目である今回は、ガンダム6号機との戦いという物語に追われていてお遊びが少ない気がする。1巻で登場していた今までのガンダム世界とをつなぐ各種登場人物が全くでてこない。1巻は豪華だった。ギレン、ドズル、キシリア、ガルマ、マ・クベ、シャア、ランバ・ラル、ハモン、タチ、黒い三連星。残念だな。
ZEONIC FRONTのノベライズを作ったぜ!って感じだよなー。おもしろいンだけどさ。林譲治先生の作品のファンとしてはもうちょっと気合が欲しいなーって感じ。きっと、もっと凄い本が書けるよ!って感じ。
そそ。格闘戦の表現からは林譲治先生のスタンスを感じ取ることはできないだろうか? ヒートホークもヒート剣も出てきませんよ? 貫き手と鉈モドキですか? ううむ。難しいですな。

飛行戦艦「大和」出撃!3 青山智樹 経済界RYU NOVELS
C 空飛ぶ大和完結編。おもしろかったです。武蔵も一応飛んでますな。すげえぜ。
もー好き勝手やってますねー。いいなー。いいよなー。特に共通点があるとは何も書いてないけど、宇宙戦艦ヤマトみたいな感じもありますな。いや、初代アルカディア号もはいっているか。ま、時節柄、ホワイトハウス直撃ネタは難しいところですが。
次回作も期待。真面目なヤツも「ろ」系なヤツも。

真・連合艦隊大海戦2 和泉祐司 経済界RYU NOVELS
C 
*自分で読んでいて耐えられない程、文書がみっともなく感じましたので、削除いたしました。2001.10.21


旭日の戦旗4 安芸一穂 学研・歴史群像新書
B 大鑑巨砲から航空機戦、大規模潜水艦戦、護衛艦隊戦。いいねいいねー。サービス満点。アメリカと日本が同盟っていう作品もあまり多くないからね。その点も良い。アメリカは後半にボロクソにやられてバランスを保つ。強大なドイツもよしよし。
基本的に航空機の開発スピードは早まり気味なんだけど。ボーファイターとかも主力として活躍しているのがおもしろいよねー。性能について述べられている所は一切ないけど、損害とかで何気なく主張しているところが良い。
さて。4巻最後になってようやく登場した大和。史実に近い艦型の理想形。強力な対空砲と30ノット強の速力を付加してある。パナマに行くということですが.....ホーン岬まわりかぁ。ビスマルク対大和っていうのはアイオワ対大和と同じくらい語られた題材ですからな。楽しみです。リアル系架空戦記的にも戦ったことってほとんどない筈だし。H級かそれ以上なら結構あるけど。
あ、表紙がイラストリアス級とスツーカだー。めずらしい。組み合わせもだけど、敵役なのになー。これも新しい試みでは?
で。ニューヨーク摩天楼焼失。どーするー? 時期的に悪いですな。このネタ。でも今後、パロディ的な要素を期待できるか?

異・三国志2 仲路さとる 学研・歴史群像新書
C 序盤においての曹操の対張シュウ戦で、典韋の変わりの位置にいた徐晃が生き残りました。せっかくちょっと変わってきた演義が元に戻っていくぅーとか嘆いていたら、途中から死ぬほどの演義改変。びっくりしました。もー演義の面影はなくなっちゃいましたな。
いやー。ゲーム世界の小説化みたい。倭少もただのオマケかと思っていたらどうやら新規登録武将らしい。正直、今までの仲路さとる先生の枠からかなり飛び出した感じです。すごいな。すごいぜ。

太平洋、燃ゆ! 空母「幻龍」戦記2 中岡潤一郎 学研・歴史群像新書
C 幻龍はいつからか「彼」と呼ばれ、怒っていますよどうしましょー。というお話し。
今回、幻龍の怒りについてイロイロと書かれている。主題のひとつであるのだろうが.....謎も多い。
「なにか目的があって幻龍を使ったに違いない」
もおかしいが、
「歴史の彼方に葬ってしまったほうがよかったのかもしれないな」
というセリフは何ぞや? これでは幻龍がマクロスとかイデとかそういった拾物か何かのようではないですか。普通に建造された普通の艦だったと思っとったンですが。1巻を読みなおさないとダメですか?
さて。
日本陸軍の汚点、辻政信は最高に嫌な無能参謀として描かれ、見事に戦死してくださいました。いいですな。逆に牟田口廉也は大々々戒心チェックに成功。こんなに格好良い彼を見たことはありません。凄いですな。こういうのもいいかも。
日本海軍は福留繁と富岡定俊。ボロクソです。(笑) まぁ、もともと良い評価が少ない両名ではありますが、ここまで嫌な役をやらされると不憫です。辻政信と違って死に場所がないので、今後、どう扱われるかちょっと気になるところですな。でも幻龍の力があればうまく呪い殺すことはできるかもしれません。
気になるところもありますが全体的には好きなお話しです。次巻で最後? 是非、うまくまとめていただきたいですな。前作、「さらば帝国」のラストはあんまり好きな展開ではありませんでしたので。

魔導士なんて損ばかり! サウザンド・メイジ2 佐々原史緒 ファミ通文庫
C 短編を寄り合わせたような3章構成。読みやすくていい感じ。
で。オニキスちゃんの魔導の実力ってどうなんだろー? アカデミアの天才児。自称天才。まわりの魔導士がぷちぷち死ンでいるなかで生き残れる実力。強いンだろうけど....優遇されているように見えない。実際に戦う時は精神力チェック多発。むしろスポコンのノリ。ううむ。なんだろうね。
そそ。口絵イラストのルビィとセレスナイトがオニキスの一族となっているのが気になります。(笑)

ランブルフィッシュ1、2 三雲岳斗 角川スニーカー文庫

ばいおれんす★まじかる! 林トモアキ 角川スニーカー文庫
C 暴力少女は好きじゃないなぁ。善良?な小心者としては。
乱暴者のヒロインに情け深い魔族。部品としてはおもしろいのかもしんない。とりあえず趣味じゃないンだけど。ノリはいいかなぁ。次回作期待。

機動戦士ガンダム 兵器モビルスーツ 円道祥之 宝島社
D モビルスーツを実在の兵器としてみたらどうだろうかという趣旨。現実の歴史・兵器はどうであったかという引用が半分以上という構成。
どのような読者を対象にしたものかよくわからない本だ。兵器マニアに対して語りかけるのには物足りなく、ガンダムマニアに対しては本来の歴史からの引用が多くてつまらなく感じてしまいそう。そして、様々なメディアで増殖しつづけるガンダム世界を考察するのではなく、講談社の「機動戦士ガンダム 公式百科事典」だけをお話しの中心に据えて、現実兵器は現在までに存在したものを比較の対象として論じているので.....ちょっと視野が狭いかも。宇宙世紀が今年から始まったって80年からの技術格差があるのだ。単純比較しすぎではないだろうか。まあ、そういうことを言い出すとこの本が企画段階で成立しなくなっちゃうンだけど.....書き方がちょっと気になるのですな。
昔から良く言われている議論がある。MSというものは戦車的だろうか?航空機的だろうか?という分類だ。この著者は「兵器モビルスーツ」を語るにあたって戦車を引用する。MS=戦車というスタンスだ。例えば。ドムは重MSとはいえ機動力があるから性格は重戦車らしくない。とある。MSを航空機として扱えば、重MSドムは重戦闘機の性格を持っていると言えるはずなのに。ほかにもイロイロ。イロイロ。
ガンダム世界からの引用を一冊の本に求め、兵器MS=戦車として語る。考察本であるからにはこういった基本原則は大事だ。非常によくわかる。手を広げすぎると文章にまとまりがなくなるから。でも。タイトルは「戦車モビルスーツ」にすると妥当かも。(笑)
あとは。
この本、著者の覚えている兵器知識を元に作られているンじゃないかな。だから。間違って覚えていると思われるものも堂々と現実のこととして定義しているのだ。あ、いやいや、著者の知識が違っているのではなく、私自身が間違った知識でこの本を捉えているのかもしれないのだけれども。簡単なところで現実兵器の固有名詞や形式番号がおかしいあたりはダメです。たくさんありすぎ。ただの誤植だと思われるところもないではないのだが......出来の悪い架空戦記を読んでいる気分になる。
ちなみに間違いかどうか判断に苦しんでいるのが、作中で何の説明もなく何気に使っているMTBって略称だな、これは主力戦車のことをいいたいンだよなぁ? 私は、主力戦車=MBT(Main Battle Tank)と覚えていたのだけれども、タイミングがいいことに9月に発行されたA3変形くらいの大型本である「世界の陸戦兵器2001」光人社?刊 のイスラエル戦車メルカバMk1の紹介記事にもMTBという表記が使われているのだな。専門誌までマウンテンバイクみたいな表記を使うからには、MTBで間違いではないのかもしれない。どうだろう? 自分に対する宿題。ちょっと調べてみようと思う。

皇国の守護者7 佐藤大輔 C・NOVELSファンタジア



2001年09月09日
でたまか アウトニア王国奮戦記3 鷹見一幸 スニーカー文庫
A おもしろかったンです。私が読んだ最近のライトノベルズ作品群の中ではピカ一でした。
1、2巻を読んだのは6月。この掲示板に感想を書かずにサボっていた作品のひとつです。今、思えばなんと勿体無いことをしたことか。後悔の念に駆られながらキーボードをたたいておる次第です。物語が始まってすぐの頃はワイルドカードであるヴァルが強すぎてどうにもナニだったという記憶がありますので、評価は高かったものの、ここにはたいした事を書かなかったンじゃないかなぁ? むしろつまらないとか書いていたかも。ああ。悔しい。どう思っていたのだろうか。おれ。
作者あとがきにもありますが、全体的に「明るい」「あ、軽い」であり「ラブコメ」で「ギャグ」で「お約束」なお話しです。3冊のシリーズはミリオン傭兵隊GN艦隊との戦闘がメインで、その戦闘全体が「でたまか」な戦い方であり、上記の「あ、軽い」に集約される作りになっております。物理法則を含めた様々な考証なんかはどうでもよくって、とにかく軽妙な文体で語られる戦いと、「可愛く健気」な象徴のメイ王女の嫌味にならない程度の表現がたまらない魅力です。アウトニア国民のひとりになったかのような感覚で身近なメイ王女を捉えられる感じでした。
でもな。GN艦隊を倒したあとの4章分、約70ページの後日談。
やられたって感じです。
言葉がみつかりません。
何回、「物語の終わり方」が変わったでしょうか? 数ページごとに主人公達の運命が変わっていく様は驚きでした。大団円で終われるページもありました。最悪の未来を予想させる所もありました。どの段階で終わっても、物語としては完成していたはずです。好悪の差はあったにしても。
結局、鷹見一幸先生の選択したとりあえずの結末は私の予想を遥かに上回るところに落ち着きました。後日談の後日談......第三者というか歴史的観点からというか、そういった方向からの視点での結び方をしました。
綺麗すぎです。
大団円好きの私としてはアレですけれども、とにかく「記憶に残る作品」となりました。是非とも続きを読みたく思います。今後ともがんばってください。

余談ですが。
1巻の表紙が主人公マイド君では売れません。少なくとも私は、2巻のメイ王女の絵があってはじめて、1巻を手に取ったのですから。3巻がコットン准将なのは不思議ですけど。(笑) まあ可愛いから許す。そんなものです。
あくまで私の主観でしかありませんが、売上というものはデザインを含む表紙絵だけで、ある程度左右されてしまうでしょう。鷹見一幸先生は「バカ売れしないけど、忘れられないようなお話しを書きたい」と言っておられますが、商業的に売れない素敵な作品が打ち切りにされてきた現実を、読者である私でさえ、たくさん見てきております。お話しを書きつづけるために、作品が「バカうれ」してくれれば。と切に思う次第です。

ZEONIC FRONT 機動戦士ガンダム0079 1巻 林 譲治 スニーカー文庫
B 林譲治先生のガンダム物語の2作目です。大分、よろしくなってきました。素晴らしい。
ガンダム世界を小説化するのって難しいンだよね。世界がイイカゲンだから。架空戦記あがりの(SFあがりというべきか)林譲治先生が構築するガンダム世界は、現実世界を土台にした「可能性のある」世界にしようとした点が各所に見うけられる。
今までガンダム世界を構築していた多くの人が眼を逸らしてきた、当然あるはずのMS以外の兵器を沢山だしてみたり、ミノフスキー粒子についてやれること、やれないことを述べたり。光学系にすら影響があるとしたのは初めて読んだな。私も、主にビーム兵器の命中率が低い理由として使おうと思っていたネタですが。
おかげでレーザー測距、ポイントしての誘導や、熱源探知、音源探知などの技術、超長波での通信、レーザーを使った回線の設置など、普通のガンダム世界の感覚とは違った戦いが演出される。その上、補給、修理などが絡むとまたヘンな感じがしてくるし、全体的にギクシャクとした雰囲気があるのは否めない。でも、そういったガンダム世界もよいのではないかと思う。
ううう。何、書いてんだ。わし。全然まとまらん。
そういえば。
林譲治先生が宇宙戦をどうやって描くかも見てみたいな。地上でも苦しさが見え隠れするから、宇宙ではもっと大変なことだろう。(笑)

不沈戦艦紀伊15 子竜 螢 学研・歴史群像新書

鉄槌4 橋本 純 学研・歴史群像新書
C 総力戦ですな。主戦場である九州から、後方ではあるものの舞台は北海道にまで広がってきました。正に一億火の玉って感じ? 今回は弄られまくりの大和回航が物語の中心に据えられたおかげで、橋本節な「楽しい戦い」がありませんでした。逆に悲惨一辺倒なエピソードもなかったけれども.....大変です。話が進めば進むほどジリ貧になっていくしかないンだもんな。今のままで本当に休戦にまで持っていけるンですかね? このお話しのアメリカは普通に頭がいいからなぁ。キビシイぞう。がんばれ。日本!

翔竜!政宗戦記6 坂上天陽 学研・歴史群像新書
C 急転直下。完結しました。
尻切れトンボもいいとこではありますが、日本統一までダラダラとやられるよりは良かったのかもしれません。全6巻。これくらいで終わると助かるよなぁ。実際。
後半、前田慶次が一騎打ちで討たれるとか。本多忠勝が返り忠とはいえ討ち取られるとか、なかなか普通は見られない光景が展開されました。おもしろかったです。でも如水はちょっと馬鹿っぽくて嫌だったな。もうちょっと格好良いとよかったンだけどな。
伊達家の天下統一まで見られると思っていたので、ちょっと物足りない気がしないではないですが、弱小大名からの国盗り物語、楽しかったです。ただ、お話しのイニシアチブを握っていたはずの芦名伝十郎。彼はアレで満足して逝ったのでしょうか。そこのところだけ、ちょっと疑問が残っちゃいました。坂上天陽先生は、こういった作品を書かれている先生の中ではかなり若い部類に入っていると思われます。今後の活躍に期待しております。

魔法戦士リウイ1から5 水野 良 富士見ファンタジア文庫

ザ・サード0 星野 亮 富士見ファンタジア文庫
C 本編が完結していない状態での0巻とか外伝とかいうシステムはあんまり好きじゃないので、購入から読み始めるまで時間がかかりました。結局、楽しく読ませていただいたのですが。はい。
今回の主人公、パイフウはドラゴンボールにおけるクリリンみたいな存在なので活躍してほしいですな。人間様もがんばらなきゃあダメですよ。うん。
で。パイフウってばやっぱし女の子好きな人だったンですねー。本編でも火乃香にちょっかいを出してはいるけれど派手には表現されていなかったので、ポーズであるとか、火乃香にだけとか思っていたのですが。真性だったとは。やるなっ?
そういえば、後藤なおの絵柄のバリエーションがちょっと広がってきましたな。いい感じです。

微細回路少女師団(マイクロサーキットガールズ) 山下 卓 電撃文庫
C タイトルがカッコイイと思いましたので、発売前から眼をつけておりました。でもこの巻を読んでもタイトルらしさが伝わってきませんな。(笑) 
読んで感じたのは「よくわからない」ということ。主人公、琴美ちゃんと一緒に謎に迫ろうということなんでしょうが、ちょっと展開が遅い気がする。前作、メイド・イン・ドリームが明るくて主題がわかりやすく一直線であったことと比べると対照的。むしろ妙に暗い雰囲気が強かったメルティランサーのシリーズに近いような? 今後の展開に期待するものである。

2001年08月28日
真田大戦記8 竹中 亮 学研・歴史群像新書

最強戦艦魔龍の弾道2 林 譲治 学研・歴史群像新書
C 知る限りにおいて一番、大和らしくない大和級の物語2巻。
こんなに独創的な大和を作り出しているわりにはイマイチな艦隊司令部が林譲治先生らしからぬと思わなくもない。まぁ大和の初陣は最高の戦果をもって終わった。合衆国の太平洋艦隊は壊滅。これから3隻も完成する大和級の敵として、どんな艦隊を用意するかが楽しみだ。とりあえずイギリス海軍。次が35000トンクラスの新型戦艦群とエセックス級空母というのが順当なンだろうが。その次にどのような艦を用意するかな。それこそ、太平洋戦争は終わらせて、次の戦争に舞台を移すかもしれないが......林譲治先生が描く大艦巨砲物語? 次巻に期待。

進撃!戦略航空軍2 青山智樹 学研・歴史群像新書
C 主人公が爆撃機のパイロットになっちゃいました。珍しい展開だよなぁ。うん。
開戦時期からして違うので比較するのは難しいのですが、日本もアメリカも大分、新型機の登場時期が早いようです。完全オリジナルな航空機も出てまいりましたな。今後の展開が楽しみです。
さて。この物語は大日本帝国における正規の女性兵士の戦いという、数多く出版されている架空戦記の中でも、私の知る限り唯一の題材を扱っているお語です。青木智樹先生の筆の力によって、非常に魅力的な女性兵士達は腐れた戦争を戦い抜いてます。歴史が語るようにあの悲惨な戦争ではたくさんの兵士達が戦死しております。彼女たちが無事、終戦を迎えるのは難しいのでしょうが.....生き残ることを願うものです。
これが戦勝国側かフィンランドあたりだったらなぁ。大活躍して大エースでも夢ではないのでしょうが。

不沈戦艦紀伊14 子竜 蛍 学研・歴史群像新書
C 無能指揮官ぽこぽこ。ここまでマヌケな本間雅晴大将は他にみたことがありませんな。大真面目らしいから始末に負えない。今更、なんで突貫するかなー? もしかしたらすっごく史実に近いことをやっているのかもしれないけれど、余りに馬鹿なのでちょっぴり寂しかったです。辻政信あたりが叫びまわっているのよりも性質が悪い気がするンだけど.....どうだろう?
ついに不沈戦艦尾張も壊れちゃいました。また凄い手で。ディヨー中将って凄いなぁ。おれ、あんな手、思いつかないよ。とても成功するとは思えないもの。流石だ。素晴らしい。やるなっ?

GUNNER てつまよしとう ファミ通文庫
R.O.D4 倉田英之 スーパーダッシュ文庫
奴隷王国トリアート 黄支 亮 フランス書院
桐原家の人々4 茅田砂胡 C・NOVELSファンタジア
爆裂!マインレイヤー2 機械仕掛けの妖精姫 富士見ファンタジア文庫
ドラゴンパーティ2 中里融司 電撃文庫
メイド・イン・トリーム2 山下 卓 電撃文庫
メイド・イン・トリーム3 山下 卓 電撃文庫

ナポレオンの勇者たち 囚人部隊誕生 リチャード・ハワード 佐和 誠 訳  ハヤカワ文庫NV
B ああ。久々にライトノベルじゃない作品だ。架空戦記といえなくもないが。(苦笑)
イギリス人、リチャード・ハワード先生によるフランスの物語。すごく新鮮というか不思議というか....な物語でした。私がハヤカワ文庫で今まで読んできたのは、女王陛下のイギリス軍艦がフランスのカエル食いどもをやっつける帆船物語ばかりでしたから。
とにかく強烈な印象をうけたのは、「臭い」であり「体液」でした。ナポレオン配下の軍隊が「乞食」の集団だったというのは、ちょっと歴史書を読めばわかることなのですが、その「乞食」ぶりが力強い筆致で描写される様は圧巻です。どこの世界の軍隊が敵国の戦死者から剥ぎ取った制服で身をかためるでしょうか? 当然、その服には銃創が残り穴だらけ。血液や脳漿やらナニやらで汚れているのです。戦場を駆け巡る彼らは、敵を倒す度に自分が着ているよりもマシな服を奪い身につけていく。集団RPGみたいな状態です。いやいや。凄いですよ? 昨今の日本の架空戦記を読めば、素敵な武将達が華麗な鎧に身を纏わせ、一騎打ちに花が咲く。優秀な指揮官が強行軍をすれば、彼の軍隊は期待に応えて敵をなぎ倒す。でも。このお話しでは兵隊達が四肢をとばされ、腹を裂かれ、糞尿を撒き散らしながら必死に戦う。戦場は眼をあけるのもつらい程の砲煙で塞がれ、涙と鼻水と汗で顔中をぐちゃぐちゃにしながら命のやりとりをする。血臭。腐臭。もう無茶苦茶汚いのです。
汚い戦場の物語。これ以上の作品は知りうる限り他にありません。単純にスプラッタであるとかいう作品は勿論、たくさんありますが。
この作品を読むと他の架空戦記の戦場風景がいかに綺麗なものかと思います。日本の作品は戦争の悲惨さというものを、個人ではどうすることもできない非力さ、無念さとか、勝利するために個を捨てるとか、そういった心理面を中心に構築している作品が多いような気がします。
囚人部隊の個性的な面々は非常にラッキーな方々でもあるようなので、暫くは元気に戦い続けてくれることでしょう。ワーテルローまで行き付いた時に何人、生き残っているかはわかりませんが。


2001年07月23日
華胥の幽夢 十二国記 小野不由美 講談社文庫
A いい。最高。泣きました。いろいろな意味で。わし、涙もろいからな。
前作発表まで5年。前作から2ケ月。なんでしょうね? 出版社問題かと思うのだが.....まあいいや。今後も発表期間、短縮されるといいな。
シリーズ初の短編集。5作品。どれも出色でした。もともと十二国記というシリーズは、お話し毎に国は変わるわ時間軸は前後するわで世界を共有しているという以外接点の少ない物語だったのですが、巻を重ねるごとに少しずーーーつ別なお話しの登場人物がダブってくるのがとても楽しかったのですな。この短編集はそういう関わり合い盛沢山なサービス満点物語なのです。

なるべくネタバレを避けたつもりだけど。各話について一言。
 冬栄 前作にあった泰麒が漣へ行った時のお話。初登場の廉王ってばいい王様。人気が出そうだなぁ。
 乗月 祥ケイ関係の話。よかったなぁ。どうなったかと思ってただよ。私の愛する恭王にも、その人となりがわかるようなエピソードがあって良いですな。
 書簡 楽俊、久々の登場。らしいって言葉がぴったりくるお話。しかし、慶の元号のヒミツについては気づかなかった。種明かしって所だけど。素晴らしい。
 華胥 陽子時間軸より大分、昔の才の話。至上最年長の女子高生、文姫の嬉しい登場は予想の内でしたが、基本的には誰とも接点のないお話だと思っていたのだけれど。最後の2ページ、やられました。「図南の翼」で犬狼真君にやられた時と同様の感動でした。頭を使いながら読んでいればその「仕掛け」に気づく筈なんだけどね。わし、本を読んでるときは特に馬鹿になっているからなぁ。本当に良かったです。
 帰山 同人で結構語られている二人の物語。でもちょっと二人の関係が違うか。こっちの方が格好は良いですな。でも、2.3日しか滞在しない二人が出会うかぁ? いくら目的が同じでも、タイムスケール的にも年単位のタイミングだと思うのだけれど。でも、ま、それも天帝の思し召しってとこで。

後半は失道関係のお話があってつらいです。十二国における歴史の1ページに過ぎないとはいえ。
陽子時間軸がお話しの本道で、様々な魅力的な王様が顔をそろえておりますが、陽子を含めた素敵な王様の数々もいずれ、失道していくということになりますと。諸行無常ではありますな。死んで逃げることが出来ねェからなぁ。大変だ。

各々のお話しを繋ぐ本作品。久々に良い読書時間を与えてくれました。



ダブルブリッド6 中村恵里加 電撃文庫
メイド・イン・トリーム 山下 卓 電撃文庫

異・三国志1 仲路さとる 学研・歴史群像新書
C うーーむ。微妙に演義と違う架空世界。演義片手でもないと違いを指摘するのが難しいくらい。登場人物達は結構、枠の内側ぽいが。魏志倭人伝に通ずるか?という倭人たちも楽しみ。三国志系の新シリーズです。
ちょっと曹操が馬鹿っぽいかな? 典韋死ぬのが早すぎるし。で、呂布は良い土地を手に入れましたな。今後、期待。
そそ。新真田十勇士みたいな終わり方はしないで欲しいなー。あれはヒドかったですよ。うん。

トラブルシューター・シェリフスターズSS02 神坂 一 スニーカー文庫

壬生狼伝 秋月こお パレット文庫
B ホモ本。生まれて初めて読みました。新鮮でした。タイトルからわかる通り新撰組関係のお話しです。
物語は主人公が見習い隊士として新撰組に入隊するところから始まる。別冊少女コミックで渡辺多恵子が現在連載している漫画、「風光る」に良く似たお話し。でもあちらの主人公は女の子だからなぁ。
いきなり不良浪士にカマをホラれそうになる主人公。だが、そこに沖田総司が助けにあらわれる。沖田付の見習い隊士として主人公は新撰組に入隊し、正式な隊士になるために日々、努力する。
かなり良いお話しですよ? 単純に新撰組物語として楽しめます。他の有名な作品と違って、見習い隊士としての視点から随分と日常的な展開が続きますが、それがかなりおもしろいのです。おもしろいのだが。普通に新撰組やってて最終章で池田屋襲撃前夜になるのですが、突然、ホモ本になっちゃうのはナニです。(苦笑)  なんか突然、やりはじめちゃってー。びっくり。
もともとさー。ホモ小説なんだから当然なんだけどー。物語がよく出来ていたから、最後に落とし穴にはまった感じ?
女の子を辱める、いわゆる官能小説だと物語全編を通してHしまくりじゃん? これ、そういうのとは違うンだよね。もっとも、新撰組の連中みんながホモだったらイヤだけどさ。勇×歳三とか平助×新八とか。(苦笑)  日々、殺し合いをやっているようなギリギリのヘンな日常の中で芽生えるホモロマンス。これがたぶん楽しいンだろうねー。歴史に残っている女の子って、ほとんどいないし、たまたま名前が残っている女の子はレズだったりしてもおもしろくないもんなー。ある意味、素晴らしいジャンルではないですか? 沖田が20歳、土方、近藤が30歳くらいだからなー。ひとつの武闘集団として無茶苦茶若いもんなー。いい題材だよねー。
普通?のホモ小説はやっぱり読めそうにもないと思った次第ですが。このようにオブラートに包まれたホモならば読めるかなーとか思いました。


2001年07月05日
皇国の守護者6 佐藤大輔 C・NOVELSファンタジア

波動大戦1 橋本 純 コスミックインターナショナル
C タイムスリップもの。増強第一護衛艦群まるごとって感じで。
戦力としては最大級だなぁ。羅門祐人先生の波涛シリーズの次くらいか。でもこっちの方が生々しくっていいかも。タイムスリップ先の過去が最初から歴史からズレた世界っていうのも良い。元の世界に戻れないって割り切りは早過ぎるかもしれないが、物語のスピードはあがっていいやね。
他のタイムスリップ系作品ではほとんど例外無く、優秀な自衛官が、というか優秀な倫理を持っている日本人の理想が手綱を握ってうまく世界を渡っていくという感じだが、このお話しの司令は鷹派のおばさんだからなぁ。女性は感情で判断するってよくいうけど、そんな感じ。物語最後に大々的に太平洋戦争モドキに参戦したわけだけど.....これが政治的成功になるといいけどね。現地の日本軍は40機のB29撃墜を確認できるのかな? 眼に見えない戦果っていうのにどれほどの説得力があるのか。
あとは継戦能力の維持って方向にお話しを持っていくかどうかは気になりますな。40発のスタンダードミサイルの補充をどうするのかっていうのが目の前の課題ですが。弾薬を中心に航空燃料とかをどう調達するのかが非常に楽しみです。

TOKYOゼロ・ハンター 丘野ゆうじ スーパーダッシュ文庫
C イラストがねー。木場智士なんですよ。買っちゃいました。
丘野ゆうじ先生だー。十年以上前に読んだ作品そのまま。(笑) ある意味、松本零士に通づるところがあるような。なかなかに凄いです。
ヒロインの年齢がちょっと高いのは丘野ゆうじ先生自身の年齢があがったことに関係があるのですかね? 少なくとも私の女性の守備範囲はここ十年で10歳ほど、あがりましたよ。下は変わってないンだけどね。まぁ、これ以上は下がりようがないと思うけど。(苦笑)

軍艦越後の生涯2 中里融司 学研・歴史群像新書
戦国覇王伝7 中里融司 学研・歴史群像新書

ちょー秋の祭典 野梨原花南 コバルト文庫
C 魔族って卑怯だよなぁ。なんでもアリなんだもの。宝珠ってば何回攫われた? ううん。いろいろ想像してしまうではないか。(笑)
で、表紙がサファイアです。なーーーーんにも活躍しないけど。(笑) まぁ小憎ったらしく成長しやがって。イイ感じです。雇った魔法使いは当然、この物語のワイルドカードな人ですな? ある意味、マジックマスターよりも卑怯なキャラクターだからなぁ。キライじゃないけどさ。
ほんでウイリアム・テルはやりすぎではないですかな? 可愛けりゃーなんだっていいンですけどね。私としては。次、早くでないかなぁ。今度こそオパールで行きましょう。表紙。

ダイスは5 松井千尋 コバルト文庫
C 購入してから3ケ月。ちょっと間が開きました。
よかったです。おもしろいなぁ。これ。私が読む本の中では異色ですな。なんかこーどうしようもねーって感じの流されるだけの人生で、うまい具合に落ち着き場所を見つけたって感じ? でも私を含めた大多数の人間は5番ちゃんみたいな場所は見つけられない。その場所を見つけるためにはそれなりの代償が必要なのかもしれないと思わないでもない。5番ちゃんは代償を支払った。
私は1番のプロフィールの男ほどのクサレではないが、そのクサレを止めることもできない、物語中でもわざわざ語られることもない人間達の内のひとりでしかない。私もいつかは5番ちゃんに、できれば4番君になれないものだろうか。少し腐り野郎としてはここで語ったところで、わざわざ動くことはないのだろうが。心に留め置いてもよいのではないかと思う。いつか。いつか。いつか。

どかどかどかん に 瀧川武司 富士見ファンタジア文庫
C やっぱり続編でましたー。一巻でのもやもやも解決されてめでたしめでたし。よかったよかった。コミネちゃんは帰ってこないけど。
ミチルちゃんの丁寧語と場に流されるボケっぷりがたまりませんな。良いキャラクターです。よっぽどのことがないかぎり殺されないだろうし。ほんで、ただのゲストっぽい松竹梅一族ですが、このようなキドウモンに屈していない人々と出会いながら都に行くのでしょうな。シリーズ最後の方が垣間見えてよいです。

桐原家の人々3 茅田砂胡 C・NOVELSファンタジア
C 購入してから半年寝かせました。もともとこのシリーズは別の出版社から昔、出されていたもので、3巻まで出たが完結しなかったお話しという風に認知していたため、なにやら読書意欲が沸かなかったのですな。理由になっていない気がするけど。(笑)  で、どこかで第4巻の近日発売の噂を聞きましたので、読んでやろーと思ったわけですわ。
おもしろかったです。茅田砂胡先生らしさ爆発って感じでよいですな。女性陣が私好みではないってーのは個人的に減点なんですがね。

アルシア・ハード 鈴羽らふみ ファミ通文庫
C 針玉ヒロキのイラストで買いました。この世界独特な魔法がちょっとわかりづらい時がありますな。旋律云々というのはロマンチックで素敵なので、効果的に使っている所は非常に良い感じなんですけど。
しかしこのお話、悪人がいないなぁ。国家っつーかそういったものの漠然とした悪意に踊らされている登場人物達が哀れだし、眼に見える完全なる悪がいないってゆーのがこれほどツライものだとは思いませんでした。逆にいえば私の読む小説って善とか悪とか主人公とライバルとかわかりやすい物語が多いのかもしれない。ナニやらあたふたしているうちに終わっちゃった感じですが、イッキに読めたっていうのは悪いことじゃないですよな。

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