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2001年01月〜06月まで。
こちらのページには2001年01〜06月までの「小説を読んでみました」を移しました。半年で90冊分くらい。タイトルだけで文章書いていない本が結構、あるなぁ。埋めたいとは思っているンですけどね。半年もたっちゃうと自分の感じた感想なのか、外部から言われて後から思っちゃった感想なのかわからなくなっている作品もあるだろうからなぁ。この時点から書いていくことに意味があるかどうか。うん。
それと。
一応、読了した作品だけ、ここに書いてあります。ある程度読んで投げちゃった本も幾分かあるンだよね。どうにも自分の感性と合い入れない作品。
そういった作品についても本当はイロイロ書きたいンだけど、文章がどんどん乱暴になるから、とりあえずやめておこうと思っております。
そういえば。
先日、私のお気に入りの作品について知人と語ったところ、彼にはどうにも全く受け入れられなかったらしく、兎に角意見が食い違う始末でした。
個々人において、ある作品から感じた印象が違うのは当たり前であり、つまらない大人になってしまった私には、私の感性と全く相反する感想を聞いたとしても、それを理解できるだけの度量があるつもりです。ちゃんと「ここがイヤ」っていうのなら。
でもなー。それにしても限度ってものがあるからねー。
全面否定しかされないとちょっとね。困っちゃうんだ。そも、会話が成り立たない。困ったね。困った困った。
このHpもなー。どうするかなー。って感じではあります。


2001年06月23日
双頭鷲の紋章3 高貫布士 学研・歴史群像新書
C アレクサンドラ王女、参戦。高貫布士先生の作品で「美少女」という単語を見ることになろうとは。(笑)  
今回は多砲塔戦車が活躍するという珍しいお話でした。もっともこのシリーズは今までに、飛行船とか飛行船搭載戦闘機とか砕氷戦艦とか大陸間爆撃機とか、近代戦では赤点をもらってしまった不思議な兵器が大活躍でしたから......特別にヘンというわけではないのですが。
さて。第二次世界大戦勃発。太平洋ではどう動きますでしょうか。期待しましょう。

デュアル・パシフィック・ウォー2 荒川佳夫 学研・歴史群像新書
C 1巻では南北に分かれた飛行機の体系がおもしろかった本作ですが。今回冒頭でちょこっとふれられている戦車については、アメリカ・イギリス系列とドイツ系列に分かれているようなのでーー。ちょっと期待ハズレかな。
で、またまた世界中で戦艦同士の殴り合い。派手ですなー。派手ですな。1945年という時代背景もあって架空の大型戦艦目白押し。古いところでちょっと気になったのはネルソン級のドレイク。新しい方では南部連合のジョゼフ・E・ジョンストン級とロバート・E・リー級の性能差。合衆国のアイオワはそのままなわけで今回のお話しの目玉のひとつなわけだけど、こうやってスペックならべると確かに弱そうに見えちゃうから可愛そうだね。
しかし戦艦がよく沈むね。新造艦なしであと2冊も続けば本当に足りなくなってしまうがな。(笑)
海戦はキライじゃないけど、せっかくだから1巻でやったように南北アメリカの兵器体系とかの違いをもうちょっと前面にだしてほしいな。

翔竜!正宗戦記5 坂上天陽 歴史群像新書
C なんか知らんけど関ケ原合戦って感じ? お話しが思いっきり展開しましたな。まさかこんなに早い段階で家康が決戦を挑むとは。まぁ南光坊天海の策略ということなんですが。やっぱり見届けるべきじゃないかなー?
で。盛り上がってまいりましたがー。真田昌幸の真意は? 伊達成実くん帰参だが...もういいのん? 信雄くん、いい子だねー。慶次郎が眼をかけたというのがまたいい。って感じ? 服部政重あわれ。マイナーな割に結構、いい役を貰うことが多いのにね。
あと一冊くらいでしょうか。対秀吉を仕切りなおすとなるともう何冊かかかりそうだけど.....秀吉陣営には秀吉しかいねーからなー。どうだろう。

超潜空戦艦「信長」1 山崎晴哉 コスミックインターナショナル COSMO NOVELS

DADDYFACE冬海の人魚 伊達将範 電撃文庫
C 発売から半年くらいたっているなぁ。食指が動かなかった上に本が行方不明になっていましてな? 最近発掘しました。
最近良く見るオビの煽り文句に「年の差9歳の父娘のビミョーな関係」とありますが。ビミョーな関係なのかなぁ。ちゃんと父親やってるじゃん。母親が絡んでくるとビミョーと言えなくもないが....文面からくるイメージとはちょっと違うじゃん。って感じ。
で、ゲストな冬海ちゃんの過去関係はなぁ。なんともいえず悲惨ですなぁ。ライトファンタジー系列の悲惨っていうのは本当に悲惨な設定が多いけど、ある程度、現実にありそうっつーあたりがヘンな感じ。その悲惨さに引きずられるような感性は失われている私ですが、読んでいて気持ちの良いお話しでないのは確かです。随所で「私は大変な過去を負っているんだよ」って主張している登場人物達もちょっとイヤかな。いや、彼等の過去を事実として話しているだけで、別に「大変な過去自慢」をしているわけじゃないのはわかるんですけどね。
閑話さておき。(c)ラバ空  ツヅキデネェナァ....モウドウデモイイケド
パパってば強いンだけどいつも役に立ってないよね。いや、良い役回りだとはおもうよ。がんばってほしいね。

武官弁護士エル・ウィン2 ハタ迷惑な代理人 鏡 貴也 富士見ファンタジア文庫
C 続編出ましたねー。よかったですねー。もうちょっと笑った可愛いイラストが多いとうれしいンだけどな。
で、主人公なのだけれども。弁護士ってーのは、このような些細な証拠で因縁つけて訴訟起こして勝とうって人達ばっかりなのですかね? 文章で見るとたいしたことのないように見える誘導尋問に引っかかった相手の言葉尻を捉えて証拠のひとつとしたり。 まぁいいけど。
そういえばヒロインのミア・ラルガイルを皆はミアと呼ぶ。エル・ウインをウインと呼ぶ。ルイ・ミュートはルイ。国の違いのせい? どうしてだろうね。ガンダムみたい。
今回も大団円。ちょっと都合良すぎか? 大団円大好きな私ですが、この本を読んでいると悲劇が欲しくなってしまいそう。ココロ失調症だ。
「暴発寸前、乙女のエモーション」「新世代センセーショナルファンタジー」「ロマンチック・ハリケーン・ファンタジー」とかの煽り文句も凄いよね。

真・連合艦隊大海戦 和泉祐司 RYU・NOVELS
C 比較的古いタイプの架空戦記と見ましたが如何に。
飛龍、ホーネットが沈まなかったという架空のミッドウェー海戦後から物語りは始まる。侍従長、鈴木貫太郎か、その裏にいるかもしれない黒幕の意図によって、海軍人事の一新を図り、戦争に勝とうというお話しである。連合艦隊まわりだけでなく軍令部に力を入れたところがめずらしい。
集めた人材は強力だ。例えば、砲術の権威である松田千秋。大艦巨砲の権化のような人なのだが、なかなかどうして造詣が深いらしい。機上無線機の不備を訴え、新型航空機の必要性を力説する。未だ開発中の海軍の彗星、陸軍の飛燕に「空冷発動機をつけろ」などという、先日、私がここで別な小説について書いてみたようなことを言い出す。戦闘正面にいるような軍人が考える発想ではない。新連合艦隊の機動部隊首脳部はみんなライトスタッフだ。
さて。小説だと割り切るのは簡単だ。ただ、カバー折り返しに「「日本必勝への途」をシミュレートした結果がこの物語」と記されているので、それなりの説得力はいただきたいと思うのだがどうであろうか。
とりあえず新連合艦隊は発足した。壮大な建艦、生産計画も順調に推移していくことだろう。あとは戦うだけ だ。大活躍に期待するものである。

※この文章を書いたとき、頭の中で松田千秋と黛治夫を取り違えていたらしい。松田千秋は砲術屋ではあるが大鑑巨砲の権化とまでは表現されないよなぁ。むしろレーダーや無線機などには造詣が深かったはずだ。失敗。(2001.10.12)


2001年06月01日
楽園の魔女たち まちがいだらけの一週間 樹川さとみ コバルト文庫
B 新章スタート。楽園の魔女たちはどこにいってもパワフルだ。やはり素晴らしい。が。樹川さとみ先生はお気楽だけでは物足りないようだ。今回は殿下の結婚相手とか、サラの重たあぁぁぁい過去とか、ナハトールのイロイロとかが盛り込んである。マリアの旦那についても今後、語られる日がくるだろうが、ファリス同様、有耶無耶にしてしまうか、幸せになる展開を期待するものだ。ま、とりあえず、なんだ。
ナハトールなら許す。だから。うう。近いうちに私を安心させてくれ。(笑)

バトルシップガール5 橋本 紡 電撃文庫
D 次巻で終わり? よかった。最後まで付き合うくらいはできそうだ。
で、登場人物どもが気にいらないのは最初からだけど、個人的に気に食わない「設定」がまた出てきましたよ? どうしたものか。ううん。
なぁ。王女様よ。それでいいのかよ。てめーはよ。ナツミかアキと大団円ってとこでリセットかませないか? 斬新でおもしろいと思うぜ。
...................すみません。文章が暴力的です。申し訳ない。

ヴァージンブラッディ 妖しの女教師 霜越かほる スーパーダッシュ文庫
C 新シリーズです。何故にイラストが「たつねこ」ですか? キライじゃないけど....私にはこのイラストってば可愛く見えないンですけど。(苦笑)
この本のオビに、「エロチック・ミステリー」なるあおり文句がある。どこがエロティックじゃあっ?(笑) 何をもってエロティックとするかはよくわからないが、血の付いた服を着替えるとか、疲労している女性を背中に背負ったり、エロ雑誌を本屋で販売することを指すものではないと思うのだけれど。まぁ、「囲い蛟」とか、それを想像させるアイテムがあることにはあるけれど。
お話しは目新しいものではなく、あえて書いてしまえば、どっかで読んだことがあるような物語なんだ。でも楽しく読ませてはいただきました。美雪ちゃんがアレだったのはナニでしたけど。
次回作、期待しております。

太平洋、燃ゆ! 空母「幻龍」戦記 中岡潤一郎 学研・歴史群像新書
C 関東大震災をうまく切りぬけたおかげで歴史のポイントが切り替えられるってゆーのは斬新でしたな。手法としては他の作家もやっていることではありますが、こういった政治・軍事・技術関係でないアプローチはめずらしいンではないですかな? 古川美和はいなくても良かったような気もしますが....今後、どう関わってくるかは不透明。期待していいですか?
連合艦隊のはみだし者部隊って言うのは好きな設定。でも装備は一流ですな。最近はイロイロと難癖つけて最新兵器が配備されていることが多い。流石に戦争はスペックと物量であるという定説を捻じ曲げるのには限界がありますからな。もっとも、大分、捻じ曲げているけど。(苦笑)
ここンとこ流行っている個艦に焦点を合わせた物語。昭和14年竣工の艦としては驚異的なスペックを有している。歴史の流れが違うとはいえ、アメリカは史実どうりなわけだからちょっと不公平かも。まぁ、日本が勝つにはこれくらいのハンデはあってもよいか。魚雷が艦底を潜り抜けたり、不発だったりしまくるのはハンデどころではないが。まぁこの物語の主題のひとつということで。(笑)
で、中岡潤一郎先生も架空戦記作家としてはベテランなのだが、大砲の数え方がいつまでも統一されないのはどういうわけだろう? 例えば大和の主砲なら3連装主砲3基で9門というのが一般的な数え方だと思われるが、3連装主砲3門といった記述が混在しているのには首を傾げる。なんでだろうね?
この大砲の数え方って古くはヤマトからガンダムまで、散々に間違えて記述されているンだよな。知らなければ間違いもするだろうが、こういった文章を作っている人の近くには、詳しい人が山ほどいると思うのだけれど。なんで?
余談だが、子供向けのくせにメカ生態ZOIDSの大砲の数え方は10年以上前から間違っていない。よっぽど好きモノが揃っていると思われる。口径とかもばっちりだからね。やるやる。


2001年05月30日
アンジュ・ガルディアン 〜復讐のパリ 年見 悟 富士見ファンタジア文庫
C よかったです。主人公マリーってば可愛いっすよ。歌を歌っているところの描写とかも良いね。ほんの2ページくらいなンだけど。
守護天使アンジュについてはなんと言おうか。たとえば。アンジュが相棒であるかぎり、アニメ化はされない。マリーはヒロインには成れない。恐らく.....成れない。だからこその魅力ともいえるだろうが。難しいやね。そういうふうに思ってしまう自分の狭量さに、ちょっとナーバスになっちゃうわし。この偽善者め。でも。楽しく読ませていただきました。

将軍はやってこない 進め!双角小隊2 川崎康宏 富士見ファンタジア文庫
C 無能指揮官、眼鏡っ娘キティの驀進は続く。基本的に無能指揮官というのは生理的に受け付けないのだが。この二巻においてちょっと感じ方が変わってきている。だって。みーーーーんな無能指揮官っぽいンだもの。(笑)  というか、もしかしたらそれなりに標準的な士官様たちではないかと思えてくる。多少ディティールが際立っているものの。
主人公の部隊である双角小隊だけではなく、レディバード砦にある全ての部隊がからんできてはじめて、この物語の楽しさがわかってきた気がする。結果的に戦死者が出ていないせいか? まぁ、キティの指揮で戦死者が出てくると別の物語になってしまう気がするけど。


2001年05月27日
黄昏の月 暁の空 上・下 十二国記 小野不由美 講談社X文庫ホワイトハート
C 待望の。5年ぶりの新刊です。楽しかった。素晴らしい。雌麒麟ばかりで。(笑)
ちなみにこの「十二国記」というシリーズは日本のライトノベル作品の最高峰と多くの場所で言われている作品です。万人向けではないと私は思っておりますので、個人的には誰にでもお勧めしている作品ではないのですが.....おもしろいですよ? うちの本棚でも一等地に並んでおります。
慶東国慶王陽子の時間軸の物語。5年間の間に同人誌の世界で語り尽くされた泰麒の物語。なんだかなー。当に同人世界の具現化とでもいいましょうか。(苦笑)  前々作「風の万里、黎明の空」で活躍した面々が陽子の周りで良い役を演じている。出てきていないのは楽俊くらいなものか。そして今まで登場しなかった国々から麒麟がぞろぞろ。みんな可愛らしくてよいですな。これで失道系の国と舜国以外は出揃ったわけです。
とりあえず発刊ペースをあげてくれるとうれしいな。間が開くと読者が減るし。私の年でも5年っつったらちょっとした時間だけど、中学生だった読者が成人式を迎えたりしちゃうンですぜ? 中・高生だった頃に読んだ、このようにイイ作品。読んでくれるといいなぁ。社会人になっていたりしても。

彼女が猫になる日 召還教師リアルバウトハイスクールEX4 雑賀礼史 富士見ファンタジア文庫
B 短編集。どれも出色の出来だと思いまふ。
一番のお気に入りは「痛快!地獄の三匹がゆく!!」です。いいね。元気なジジイ達。私は退治されるほど悪いコトをやってないつもりだけど.....彼らの倫理次第では斬られるほうなのかもしんない。(苦笑)
で、タイトルにある「彼女が猫になる日」は.....やられた。って感じですかね? 美雪ちゃんの猫姿にではないですよ? いや、それも皆無とは言えないかもしンないけど、猫になった理由っつーか、そういったコトにです。当然、外的要因によるものだと思っていたのですが.....ふむ。そうきましたか。なるほど。奥が深い。
で、今月のDRAGON MAGAZINに、リアルバウトとフルメタルパニックのアニメ化情報が載っている。現在の富士見ファンタジア作品の中では順当な選択だとは思うけど.....今までの作品とは毛色が違うと思うだけにうまくやってほしいものだ。それに。リアルバウトのキャラクターデザインが後藤圭二なのはイヤ。なんで、いのうえ空じゃいけないのん? ヴァンドレッドもGONZO製作でいのうえ空がキャラデザやってたじゃん? 謎だ。

天国に涙はいらない2 佐藤ケイ 電撃文庫
C おもしろかったです。1巻の評価を変えなければ。
気に入らなかったのは律子だったのかもしれない。今回も一人で浮いているし。ま、大切な狂言回しではあろうが。
そんで新キャラクターの猫娘、真央は可愛くてよいね。でもこれから三角関係というか優柔不断主人公物語になるのはイヤだな。
そういえば、あれで主人公は生き返ったっつーか人間になれたってことなンだよね? 大丈夫なモノですか? あぶらあげでしょ? まぁいいけど。

飛行戦艦「大和」出撃!2 青山智樹 経済界RYU・NOVELS
C 戦艦大和と零戦が編隊を組んでますぜ? やっぱし絵的に凄いよな。うん。
他の作品でも何度か占領されているパナマ運河だが、このお話しを読むと改めて彼の地を占領することの難しさってぇのを感じるよなぁ。ここまでやっても未だ完全占領には至っていないもんな。大変じゃよ。うん。
で、あとがきに書いてありますが、前巻のロケット装備では大和は浮かないらしい。(苦笑) 今回、改造によって推力的には飛ぶらしいが....燃料の重量を考えていないとある。 「正論は嫌われます」と言われてもなぁ。ダメじゃん。そんなの。(大苦笑) 
まぁ、ここまで付き合ってしまったからねぇ。気にしないでいきましょう。今度は大西洋討ち入りだ!!

進撃!戦略航空軍1 青山智樹 学研・歴史群像新書
C 空地分離で空軍独立へ一歩進んだというところですが、今のところ戦術面において効率的な航空機運用を目的とする統一司令組織を、「戦略航空軍」と呼んでいるだけらしい。マレー戦限定だからな。こんなもンでしょう。で、このお話しの目玉は日本の女性兵士達です。中でも海軍の零式艦上戦闘機で編成される女性パイロット部隊、鬼子母神隊は大活躍しております。輜重隊にいる、名スナイパーにしておいしいご飯が作れるおばさん伍長もいい味を出しております。未だに戦死する方がいないせいもありますが、なかなかに楽しい物語となっております。
まぁ、隼はキビシイよなぁ。次は零式艦戦ですか? 陸海軍共同ならば、飛燕が早めに実用化しそうなものですが。彗星の例はあるものの、液冷の艦載機というのは一般的に避けられるとされているから....海軍側が要望すれば空冷案ゴリ押しで一足飛びに艦戦仕様5式戦とはいかないですかね? 航続距離も32型とあまり変わらないし。不時着水した時に浮かばないとか説得問題はあるけど。

上杉軍神伝3 副田 誠 学研・歴史群像新書

フルメタル・パニック! 終わるデイ・バイ・デイ(下) 賀東招二 富士見ファンタジア文庫

僕にお月様を見せないで3 阿智太郎 電撃文庫
C ゲストのあずさちゃん、可愛いンだけどな。今後は絡んでこれないかなぁ。残念。
で、唐子は今回、めっきり普通の女の子。私がただ、慣れてきているだけの気もするけど。
つまらないわけじゃないけどちょおっと食傷気味かも。来月も4巻の発売予定がたっているなぁ。連続ですか。どうしたものかな。

ドラゴンパーティ1 中里融司 電撃文庫
C 男子出生率が20%以下ということなのだが.....生身の女の子がでてきません。(苦笑)  みーんな機械ッ娘ばっかし。可愛いンだけどね。その出生率の設定って意味が出てくるのかしらん?
で、主人公が後ろ向きだなー。その腐った主人公が奮起する物語なンですが、なんでアンタ腐ってるのん? って感じ? どうにも不思議な気分。イラストが可愛いからなぁ。今のところそれだけなんだけどなぁ。困った困った。いや、困った。
敵なんか見なくても戦える気がするのは気のせい? 現場にいる人類ががんばって考えてダメだって結論なんだから私の考える程度ではどうしようもないのだろうけど。中里融司先生っぽくないなぁ。この辺。


2001年05月14日
ふわふわの泉 野尻抱介 ファミ通文庫
A いやあ。野尻抱介先生ってば最高っすわ。快心の一撃でした。それに「ファミ通文庫」侮り難し。その響きからくるイメージと違って良い作品をたくさん、出版してくれます。今後もがんばって欲しいですな。
第一章の終わりに「百年に一度のサクセスストーリー」という文章がある。この物語の全てを語る一言ではないだろうか。偶然に出来た産物である「ふわふわ」なる物質ひとつでここまで世界が変わっていくなんて! 最後の方で「霧子さん」を出演させた野尻抱介先生の意図はいろいろと邪推(笑)してみたくなるが、そのような事をおいても単純に「ふわふわ」の可能性・発展性を考えていく泉や的山教授を見ていると非常に楽しくなる。野尻抱介先生や先生とアイデアを検討し合ったであろう化学、物理学、宇宙技術が大好きな人々が想像できよう。情熱が伝わってくる。いいね。最高だ。
で、だ。この本、私が行く千葉の郊外型店舗には売ってませんでな? どうやらファミ通文庫の中でもあまりお薦め度が高くないらしい。非常に残念である。おもしろいのになぁ。みんなに読んでもらいたい本なんだけどな。

機巧天使サンダルフォン 富永浩史 ファミ通文庫
D この本、読み終わるまでに2週間以上、かかりました。何冊の本に追いぬかれた事か。でも読み終えただけ、快挙だよな。
イラストがあかやま壽文だったから買ったのさ。そう。それだけの理由だったのさ。もう10年以上前からのファンなのではないか?わし。
で、買ってから気づいたのさ。作者ってば富永浩史先生だったのかぁ。たしか、一冊も読み終わったことなかったンだ。最初に読むのを放棄したのは10年以上前ではなかったのか?
やはりキビシイ作品でした。個人的になんとなく。ふっきれないというかなんというか。これ、続くンですねぇ。わし、ダメ人間だから、ちょっと気にはなるのですよ.....でも、文章を読むのが苦痛なンだよね。相性が合わない。どうしたものか。

賢者なんて大キライ! サウザンド・メイジ 佐々原史緒 ファミ通文庫
C 新米魔道士と千年賢者の物語。可愛いンだけどね。そういう観点から見ると困った作品なんだなー。
千年賢者のアダマス様。可愛いお嬢ちゃん風だが1000歳くらいで男好き、たくさんの子持ち孫持ち。文中に曰く、「淫乱エルフ」。
私なんか人妻おっけーな歳になってしまったからいいけれども、一般的な男っつーかオタクっつーかそういう連中には受けが悪そうだなー。で、天才美少女魔道士の方は乱暴な言動が目立つから、途中でフォロー的な「良い娘」が表現されてもちょっと「可愛い」っていうのとは違うかも。
競争の多いジャンルだからがんばってほしいところですな。イラストのまりお金田は最近、よく見る方だからうまくいけばヒットするかもね。

旭日の戦旗3 安芸一穂 学研・歴史群像新書
C ドイツの中枢スタッフの一部が改変されています。ゲーリングがいなくなったのは素晴らしい。ヒトラーが違う人物になるお話はよくあるけど、ルフトヴァッフェの最大の敵とまで形容されるヘルマン叔父さんが入れ替わるお話って思ったより少ないンですよね。っつーか記憶にない。
日本の航空機の開発は少し前倒しっぽいけど、戦車はそれほど進んでいないのもおもしろい。いや、史実の97式から見れば格段の進歩なんだけど、ドイツ、ソビエトの主力と渡り合えるほどには見えない。まぁ、同盟国がイギリスでありアメリカだからねぇ。一足飛びで4式あたりと互角の戦車を出されも困っちゃうよな。99式と呼ばれるこの戦車は妥当なのかも。緒原は砲戦車タイプしかのってないけど。

太平洋の嵐4 田中崇博 学研・歴史群像新書
戦国群雄伝3.4 神宮寺 元 学研・歴史群像新書

鉄槌3 橋本 純 学研・歴史群像新書
C どうしましょう? 楽しいンですわ。本州決戦、日本本土を戦場とした、民間人、軍人を問わない殺し合いのお話しが。
プロローグでは戦場の悲惨さが語られている。実際の記録は勿論だが、創作であっても私はこういう文章を読むと声を出して泣いてしまう人間なのだが....本編に入るとなにやら橋本節全開で活劇っぽくなってしまうからナニですな。涙なんて出やしねぇ。(苦笑) 花火職人がお手製ロケットでSBDを撃墜する。ああ。なんて痛快なんだ。
行間で万単位の人間が戦死している筈なのだが、なにやら不思議なお気楽ムード。困った作品である。続き、早く出ないかな。

大軍師伝5 大河原龍二 学研・歴史群像新書
C まさに主人公は大軍師諸葛亮でした。この5巻のために、このエンディングを迎えるために今までの4冊があったと感じることができる作品でした。当たり前のことのようではありますが、このような作品が非常に少ない気がするのは気のせいでしょうか。今まで読んだ数々の三国志系架空戦記の中では一番の出来だと思います。
ただ。張遼とカクが合戦でプチッと死んじゃうんですよ。私にとって三国志世界において神聖にして不可侵の猛将と最高の謀臣が。すっげーショックでした。もっとも、この本を読んだ翌日にPS2と真・三国無双を買ってきて二人をビシバシしばき倒している私がいるのですが。(笑)
どの武将も演義に比べて損な役回り、性格なのですが、ある意味斬新で良いシリーズでした。この完結を読めて良かったです。


2001年04月23日
スカーレット・ウィザード5 茅田砂胡 中央公論新社C・NOVELSファンタジア
C シリーズ完結。速かったですな。
あとがきを読ませていただくと、「SF」という言葉とそれを分類しようとする方々との間にイロイロあったようです。そういう概念からは程遠い感覚をしております私から見てもこのお話しは凄い宇宙と物理に支配されていたわけですが....このような文章を読んでしまうとなにやら物悲しくなってしまいますな。はい。
前作、デルフィニア物語からくらべるとあまり好みな作品ではなかったのですが、ひとつの物語としてはそれなりにおもしろかったのではないかと思います。最初から終わり方を決めて書かれた物語。多少、消化不良なエピソードを残したまま完結してしまった物語。不満はありますが綺麗な完結ってことで。少なくとも、主人公が諦めないで終わってくれたことがせめてもの救いです。いつか。ハッピーエンドなロマンスがあらんことを。

帝国艦隊・南太平洋強襲作戦 橋本 純 実業之日本社JOY NOVLES
C この作品は、私には打ち切られたようにしか思えない終わり方をした「帝国艦隊猛烈戦記」の外伝だと思われる。「思われる」と書いた理由は、どこにもそれが明記されていないからだ。物語最終ページの本当の終わりに、「外伝1・了」と唐突にあるため、まず間違いはあるまいが....無茶苦茶、感じ悪い。
二式大艇による近接航空雷撃などは無理があるにしても題材的に最高だ。橋本純先生らしさが伺える良い作品である。おもしろかった。でもな。個人的には「帝国艦隊猛烈戦記」という作品はあまりよろしくない形で完結したシリーズであるという風に私は捉えている。であるから、このシリーズの外伝だと知っていれば、私はこの作品を読まなかった。買わなかった。
「打ち切りっぽい終わり方をした作品」の「シリーズの外伝であることが明記されない」という納得のいかない事態が、故意であるか事故であるかで私の感じ方も変わってくるとは思うが、このような形態は兎に角いただけないと思う次第である。
話変わって。
この物語では、P38ライトニングの太平洋における初陣が語られている。この機体の特性を生かした新しい空戦法を考案、練習し、
「重戦闘機という観念を体得できたのである。」
とある。高貫布士先生の本の所で触れた「重戦闘機」という単語についてのお話なわけだが....そう。この本で語られている通り、「重戦闘機」とは重たい戦闘機ではなく、空戦法からくる概念的な言葉なのだ。元来、英語からきている筈だから....英単語で併記すれば誤解がなくなるのかも知れない。

プリンス・オヴ・ウェールズ強奪大作戦 林 譲治 実業之日本社JOY NOVLES
B 頭悪そうなタイトルだなぁ。(苦笑) もうちょっとどうにかならなかったものか。「大作戦」はいいンだけどね。いいぞお。「大作戦」は。
稼動中の戦艦を乗っ取ろうという他の戦艦強奪系架空戦記とは違って、史実同様に撃沈されたPOWをサルベージして使おうという物語である。普通、強奪とは言わないだろう。その響きからくるイメージとは違って、むしろ技術者達の地道なお話しが続くのだ。だが、これが非常におもしろい。いかにも林譲治先生らしい手法から架空の歴史を構築しようとしている。あるひとつのアクションからドミノ式に展開していくやつ。
私も詳しくは知らないが、マレー沖に沈没したPOWは戦時中に実際に調査されているはずだ。これを題材に物語が膨らんでいくのだ。いいアイデアだ。素晴らしい。グレイと。
トンデモ系のお話も作る林譲治先生だから、POWをサルベージするって文字を初めて読んだとき、帝国海軍は画期的な軍艦復活手法を手に入れて、破棄されて沈んだ軍艦をゾンビの如く復活させまくって戦争に勝つってお話しになるのかとも思ったのですが。良い方向に予想が外れました。
これはかなり本格的なお話として期待してもよさそうですな。巻数表示がないけれど、是非、続きを出してもらいたいものです。

若草野球部狂想曲3 一色銀河 電撃文庫
C シリーズ完結。彼女達は結局、様々な他の女性野球選手物語のヒロインたちとは違って、無難な世界に落ち着くことになった。ものたりないと思わないでもない。しかし、この現実感こそ、彼女達が実在しうるプレイヤー達であると言えなくはないか?
第1巻のパロディの塊に眼を奪われてしまったおかげで、そのイメージを引きずって読みつづけたわけだが、物語を改めて思い起こしてみれば、それほど荒唐無稽なお話しではなかったのではないかと思う。個性的で漫画的なキャラクターが多いのは当然ではあるが、野球というものは何があるかわからないスポーツであり、何かが起こりつづけた歴史を持つスポーツである。4年前の夏の甲子園。松坂大輔と彼のチームが起こした奇跡は、いかなるフィクションよりも劇的であった。事実は小説よりも奇なり。そういう観点からいけば、日本のどこかにあった若草野球部の物語としてこの作品を読むことも可能であろう。彼女達は実在した。FFボールも、そして野茂のトルネードから山田久志ばりのアンダーで投げるAFボールも。
今までに女性が活躍する野球漫画を数多く読んできた。数多くのゲームをやってきた。そして。小説として初めて、この作品を読んだ。ある意味、金字塔である。素晴らしい作品を読ませていただいた一色銀河先生に感謝を。

星くず英雄伝9 新木 伸 電撃文庫
C あう。登場人物を忘れておる。(苦笑) 前巻から登場の数人のキャラクターの名前が私の記憶と一致しない。ちょっと悔しい。がんばって思い出さねば。そも登場人物が多いよなぁ。この話は。そういえば今回も主人公ジーク絡みではなさそうな非常に珍しい、不思議な新人が一人、増えておりますな。活躍に期待。で、ここんとこずっとだけれど、今回のお話しも「閑話休題」って感じ? 本筋と全然関係ないもんね。この学生達が「力」となりうるのでしょうか? それこそ、「ヒーロー」に。 お話しの展開スピードが落ちているようです。次回、一応の決着ってつくかな? ええと....5ケ月後? 大分、先だなァ。

凱歌の契約 新太平洋戦史 大村芳弘 WANI NOVELS
C あとがきを見ると。H出版が印税が入ってくる前に潰れて怒っている云々ということが書かれております。怒られるのは当然のことだとは思いますが。なんだかな。うん。作家さんって大変なんですね。漫画家とかも同じなんだろうねー。勉強になりました。
さて。連合艦隊司令長官に民間会社の社長を据えて戦おうというお話しです。戦争はビジネスだ!がキーワード? 連合艦隊司令長官という一部門の責任者を代えただけで突然にここまで変えられるかどうかは疑問ですが、わかりやすくておもしろいですな。実際に最後の方で別部門.....東条首相との不協和音も発生しておりますから、今後、どういう方向に行くか楽しみです。
で、巻数表示がないけど続くよね? どう考えたってこれでお話し終わりって感じじゃないのですが。出版社としては売れたら続けるとかって方針なんだろうけど、これも読者を馬鹿にしたお話しだとは思いませんか? 少なくとも、大村芳弘先生は続きを書くつもりなんだろうけど、先日煮え湯をのまされた出版社というものに続巻が出るかどうかの権限を持たせたままでこういった作りをしているのだとしたら、それは不思議なことだと思います。

星界の戦旗3 森岡浩之 ハヤカワ文庫


2001年04月09日
新ロードス島戦記2 水野 良 スニーカー文庫
B 最初のロードス島戦記は実際にRPGとしてプレイした物語のリプレイを小説に仕立て直したものだったが、これもそうなのだろうか? スタイルを統一しているだけなのかもしれないが、諸王国歴訪の旅などが簡単に紹介されているあたりは前作を思い起こさせる作りだ。この部分だけでも一作品、できちゃうと思うけど、語りたいのはこのあたりではないのだろう。潔い割り切り方だと思う。
ほんで、小ニース。可愛いよねー。若いよねー。もともと無茶苦茶若かったからなー。今が食べごろって感じ? スパークくん、君の意思は立派だとは思うけど、おじさんはね。おじさんはね。期待しているンじゃよー。がんばるのじゃよー。次回作に期待。>チョットチガウ

ちょー先生のお気に入り 野梨原花南 コバルト文庫
C ヴィアってば凄い人を旦那に選んだねぇ。お似合いだけど。
で。ああ。わたしのオパールがどんどんダイヤモンドになっていくぅ。(苦笑)  でで。宝珠も可愛くなりました。オニキスとのコンビも良い感じ。随所に出てくる宝珠の未来は...大団円への布石だとよいのだけれど。悲劇で終わらないことを祈る。
そそ。表紙が男です。たぶんオニキス。次回はオパールと宝珠のツーショットを希望。お願いします。

サマーキャンプは突然に 時空のクロスロード2 鷹見一幸 電撃文庫
C これ、一作目と同じ世界に飛ンじゃう話だったんだね。おもしろかったです。登場人物が一部、一作品目とダブっていて、随分と世界に厚みがでてきているパラレルワールドがよろしいですな。自分と直接関わりのない世界を救うため、一作目ではいろいろいろいろと動機をみつけるためにページを割いていたけど、今回は妙にサッパリとしています。主人公の性格だろうけどサクサクとお話しが進んでよいです。悪の教祖が滅ンでないから....続き出そうですな。楽しみな作品になりました。

いつか時が流れても ザ・サード6だか外伝 星野 亮 富士見ファンタジア文庫
C ザ・サードの短編集。5つのエピソード。長編のお話しはやたら重たいテーマをもっているらしいお話しだから、この短編集の火乃香の日常というのはなかなかに楽しい物語です。脇役も各々味があってよいですな。お気に入りは3話目の「ホンキイ・トンク・マシーン」。
で、文句ではないのですが、この砂漠行というのは時間がかかりすぎますな。1度の作戦において数日から数週間。ベテランになる頃には普通、えらい歳になってますぜ? ルパン三世で各話で語られる時間を足してみると100年を軽く越してしまうのですが、似たような感覚です。このいらぬ心配は野尻抱介先生のクレギオンなどにも当てはまりますが。(苦笑)

最強戦艦魔龍の弾道1 林 譲治 歴史群像新書
C どの架空戦記よりも小型にまとめられた大和型戦艦たちの物語。物語の大筋が先月刊行された中里融司先生の「軍艦越後の生涯」とダブっちゃっているなぁ。あちらの「越後」とこの作品の「大和」の建造前の運用構想は非常に良く似た位置にあるのだが、できあがった艦は速力を除けばまったく違った性格のスペックを持つに至っている。この点だけを見ても非常におもしろい。今後も読み比べができそうだ。
戦艦とは、一人や二人の人間の思惑で作られるものではないということが鼻につくほど語られている。これは今回の作品のキーワードであるが、これがパロディのようで史実に対する皮肉のようで微妙なところだ。
ところで、砲力比較のページで長門の16インチ主砲を40.6cmとしてあり、史実の大和の18インチ主砲を46cmとしてあるが、実際のところどうなのであろうか。普通はあまり気にしないのだけれども、ばっちり数字で威力を証明しようという図解だから気になってしまって。
私も永らく軍艦マニアを自任しているが、恥ずかしながらあんまり真面目に確認をとったことってないンですよ。日本の戦艦については、インチで作られていると思っていたのです。一般に36cm砲と呼ばれる14インチ砲は35.5cm、40cm砲と呼ばれる16インチ砲は40.6cm、46cm砲と呼ばれる18インチ砲は45.6cmくらい。
さて。
日本海軍の大砲の大半はイギリス式であるからインチ換算するのが基本だ。しかしややこしいことに例外が存在する。古鷹型重巡の建艦直後の単装砲や最初の連装砲は20cm砲であり、改造して青葉型に準ずるようになってからの連装砲は8インチ20.3cm砲だ。また、金剛型や扶桑型のケースメイト式副砲は6インチ15.2cm砲だが、日本人の体格で砲弾を動かすのが困難とされたので後に作られた長門の副砲は14cm砲だ。これは5500トン級軽巡にも使われている日本独自の規格。阿賀野型の15cm砲と呼ばれるものは金剛型戦艦と伊勢型戦艦のケースメイト副砲の流用である旧式砲だから15.2cmだ。でも最上や大淀の主砲、大和の副砲である15.5cm砲と呼ばれているものはナニだろう? アメリカのブルックリン型、イギリスのサザンプトン型と最上型は非常に良く似た外見をもつ艦だ。であれば6インチ15.2cm砲っぽいが....どの資料見ても15.5cm砲としか書いていないンだよな。難しい。旧式駆逐艦の砲は12cm。特型以降は5インチ12.7cm砲。されば長10cm砲とはナニ? いや、10cmだと思っていたンだけどね。まさか4インチ砲じゃないよな......
閑話休題。
弾ぁ当てる新工夫が必要だよなぁ。ほっておいても日本海軍のほうが命中率は高いことになっているけど....レーダー射撃が出てきた後の限定視界戦でどうなるかだな。先に当てれば大金星なわけだから巧いストーリーを期待するものである。

帝国欧州戦記3 原田 治 歴史群像新書

マリア様がみてる いとしき歳月(後編) 今野緒雪 コバルト文庫


2001年03月28日
R.O.D 3巻 倉田英之 スーパーダッシュ文庫
B 最強の読書マニアの本、3巻。いいなぁ。読子さん。遭難して死にそうになりながらもそのアイデンテテイを失わない気力。脱帽です。私もその高みに上れたらなぁとか思います。(嘘) そんで新キャラクター、ウエンディってば漫画版では活躍しているのん? どうしよう。1巻売っちゃったンだけどな。買いなおすか。(苦笑) なんつーかこの短編集、お気に入りになりました。たまに描かれるザ・ペーパーの重たいお話しは嫌なンだけど、登場キャラクターがどうにも愛らしくてよいです。
そういえばTPOによって、各キャラクターが喋り方を変えていますが、別人になっちゃうのはナニかな。これは活字の弱点かなぁ。でも他で同じことをやってもこの本ほど、気にならないから....何か問題があるのかもしれない。

足のない獅子 駒崎 優 ホワイトハート文庫
裏切りの聖女 足のない獅子2 駒崎 優 ホワイトハート文庫

海底火山とラッコ温泉 気象精霊記4 清水文化 富士見ファンタジア文庫
C こちとら気象関係は全くわからんからなー。気持ち良く騙されているですよ。
ほんでこれ、お酒飲んでばかりだよねー。本当に宴会だけやっているようなんだけどー。なんかおもしろいんだよねー。不思議だよなー。
ネタ考えるの、大変なんだろうね。ストーリーがどうこうではなくて、気象関係の方。続編期待しています。がんばってほしいですな。

武官弁護士エル・ウィン 鏡 貴也 富士見ファンタジア文庫
C 長編小説大賞準入選作。イラストも可愛らしく第一印象も悪くない。結構、売れるのではないですか?
ヒロインのミアの一人称。富士見ファンタジアではめずらしい?女性一人称だから、とりあえずポスト「スレイヤーズ」といいますかそんな感じ。元気があってよろしい。ただ、一人称の悲しさ。ミアの苦悩? が理解できずに苦しむことはある。エル・ウインにラブラブなところもちょっとナニですか? 俺、男だからなぁ。男ラブな女の子一人称はキビシイ。
ハッピーエンドなところは好きです。今後に期待してもよい作品ですな。

ウィザーズ・ブレイン 三枝零一 電撃文庫
白魔のささやき ホルス・マスター10 嬉野秋彦 ファミ通文庫
真田大戦記5.6.7 竹中 亮 歴史群像新書

スターシップ・オペレーターズ1 水野 良 電撃文庫
C 美少女と宇宙戦艦な物語。よく出来ています。若い年齢の女性キャラクター達が戦う動機が適当に考えられていて良いです。まぁ、平均年齢が20歳弱だから、こういうメディアにおいては美少女というにはキビシイ歳ですが。(苦笑)
彼女等が戦う姿を放送で見ている地球の男共は同じ時代と世界に生きているにもかかわらず、読者である我々と同じスタンスにいるというのがおもしろいですな。親近感?があってよいと思う。
戦艦の設定も気に入っております。宇宙戦闘艦と称されるこの世界の艦も万能に強いわけではないところがよいですな。ピカッと光って勝つわけじゃないところが大変そうです。作者が。
我々読者が接するところの水野良先生の新しい世界....SFなわけですが、やっぱり巧いなぁと思うわけですわ。今回、絵も可愛いのでお気に入りの作品になりそうな予感。

軍艦越後の生涯 中里融司 歴史群像新書
C 新シリーズです。タイトルは古典である「軍艦長門の生涯」からですな。
八八艦隊が作られている世界における物語。が、史実において空母改造予定の天城が関東大震災によって廃艦になっているところを巧くついている。天城の代替艦として越後が作られたわけですな。そうなのですよ。同じタイムスケールで天城が作られている以上、戦艦天城が失われるのは常道だよね。この本を読むまで不覚にも気づかなかったっす。それと。八八艦隊各艦の艦名がちょっと独特ですかな? ジェネラルサポートのゲーム「太平洋戦記」の架空シナリオにおける艦名に準ずる作品が多い中にあっては。あ、他作品の元ネタがこの「太平洋戦記」かどうかはわからないですけどね。
51cm砲装備の巨大戦艦を1930年頃に作るというのは大胆な発想である。前作、「東の太陽西の鷲」における砕氷戦艦樺太?にも通ずるところがあるか。読み始めた直後には英国巡戦フッドのような位置にあるかとも思っていたのだが、後に建造される大和級を全てのスペックにおいて上回っているこの艦はちょっと凄すぎかも。
史実通りの大和級が完成し、強すぎる旧式艦という位置になる今後の越後の活躍に期待するものである。

布哇大戦記2 高貫布士 経済界RYUNOVELS
C ハワイという土地は非常に大事な位置を占めているのだけれど、布哇王国そのものの影は薄くなっちゃったなぁ。で、英国の立場は不思議ですな。実際のところ、このような外交関係は成立するのでしょうかね? あまり当てはまる事実が思い浮かばないので、なんとも言えないのですが。ああ。東西冷戦時代の米ソと、その代理戦争とかって近い感じかな。いや、違うかもしんないけど。
1巻冒頭では史実と大分違ったアメリカ戦力があった筈なのですが、どんどん、史実と同じ方向に矯正されているのはちょっとナニです。逆に日本は史実と違った新鋭機を製作しているわけですから割に合わない気はしますな。日本が勝つには仕方がありませんか? ううむうむ。あとこのお話しのルーズベルトってちょっと珍しいタイプかな。間抜けで。(苦笑) 
で。
物語中に「鈍重な重戦闘機には、その重量級の巨体を生かした一撃離脱戦法が適していた」とある。
私の記憶が正しければ。
重戦闘機とは重量級の戦闘機を指すのではなく、加速力と上昇力に優れた戦闘機、即ち一撃離脱戦法を中心として戦う戦闘機、よって迎撃戦闘機を指すことが多い......を指し、軽戦闘機とは旋回能力に優れた戦闘機で、制空戦闘機を指すことが多い。故に旧日本軍の軽戦闘機の代表は零式戦闘機であり隼であり、あえて分類するのであれば疾風。重戦闘機としては鐘馗であり飛燕であり雷電となる。あのデカイ飛行機であるムスタングも無理に分類するなら軽戦なわけだ。隼2型に対して全長で1割小さく、全幅、重量とも同じ程度の鐘馗1型などを「その重量級の巨体を生かした」で表わされる重戦闘機と紹介しているのはちょっと遺憾だ。鐘馗と言えば全金属単翼引込脚の戦闘機としては小型の代名詞みたいな飛行機だから。
いや、普通だったらこういう指摘はしない。だって重MSっつーたら重たいモビルスーツだし。普通は重量級だわな。ただ、高貫布士先生の作品だからこそ、ちょっと書いてみた。
全体的に見て、この本は「いつもの高貫布士先生らしからぬ」作品に思える。調子悪い? 執筆時間、短い? 次回巻に期待するものである。

アクア・ステップ・アップ1 川上忠明 ソニー・マガジンズ
D 我と我等の世界! がここにある。私の人生の半生がここにある。
日本においては兎にも角にも知名度の低いボードゲームをお話しの中心に扱った作品。恐ろしいことにメディアミックス展開をしており、同名の漫画も出版されている。結構好き。それなりにボードゲーム振興に貢献しているらしい。
正直なところ、小説としての出来は如何なものか。現代劇でありながら登場人物があまりに特異だし、ゲームの内容も作品そのものから捉えることが難しい。小説においてゲームのルールをうだうだと解説しても仕様がないし、全くふれないとなると、この小説のが作られた意義を失いかねない。難しいよね。よくがんばっているとは思うけど。
漫画版もそうだが、そんなにプレーヤーが見つかりませんか? 小っちゃな中学生が街頭でゲームに誘っていたら、少なくとも私はホイホイとついていっちゃうよ? ああ。仕事中だろうがなんだろうがついていっちゃうね。(笑)
人生におけるイロイロな問題をゲーム世界に置き換えてお話しを展開するというのは無茶だ。が、私の会社の会長は、どんなこともゴルフに当てはめてお話しをする人だから、そのことを考えると特におかしなことではないのかもしれない。(苦笑)
個人的にがんばってほしい作品である。


2001年03月13日
白銀のエルフリード ヴェルダ・サーガ 夏 緑 ファミ通文庫

オートマチックインターセプター 中里融司 ファミ通文庫
C 実を申しますと中里融司先生の架空戦記以外の作品を読むのはこれが初めてです。イラストから入る私には前作、前々作に食指が動かなかったのですな。今回は昔々「タムリん」で萌えさせていただきました木村明弘のイラストでしたので手にした次第です。で、オートマチックインターセプターって何でしょうね? オビにある「銀河発、仇討ち少女見参!」の美剣清花さんのコトではないですよね? どうだろお。ま、それはおくとして。これって続くのかしらん。難しいところではありますな。私としては女の子キャラクターがイマイチ、可愛く感じないのが問題なのですよ。ロボットのネヴィンが一番と思っちゃうようじゃあダメダメです。私。

炎の妖精使い 爆裂!マインレイヤー 北沢 慶 富士見ファンタジア文庫

不沈戦艦紀伊13 子竜 蛍 歴史群像新書
D お話、進まンなぁ。いや、進んだのかな? 久しぶりに日本の艦、沈んだもんな。何を今更って感じの発案で。何を今更といえば、ここにいたって海軍の憂愁の美を飾ろうとか、参謀長の職責を犯すがどうとかでページが減っていくのはナニですな。いやいやいやいや。何を今更と言ったら、この文章自体を指しますな。作品そのものが何を今更と感じちゃうもので作られているわけだし。

翔竜!正宗戦記4 坂上天陽 歴史群像新書

ヒミツの転校生 プライマルストライカー2 嬉野秋彦 スニーカー文庫
C やっぱり巧いなァ。嬉野秋彦先生。現代劇?は珍しいと思うンだけどちゃんと世界ができているもんな。で、この作品に出てくる怪しげな苗字の数々は実在しているモノですよね? だいたい聞き覚えがあるので....「戦国」さんも日本のどこかにはいらっしゃるのでしょう。
関係無いけど、最近の密かなマイブーム?は悪の女幹部サロメの口癖である「じゃん」である。恒常的に使っているわけではないが、たまにでちゃうんだよな。早く続きが読みたいじゃん。稚瑠璃の活躍に期待してるじゃんって感じじゃん。


2001年02月25日
マリア様がみてる いとしき歳月(前編) 今野緒雪 コバルト文庫
A やっぱりよい。よいですよ? このシリーズ。
薔薇ファミリー8人の中で今まで一番良くわからなかったキャラクター、黄薔薇さまが主役である。可愛いんだ。黄薔薇さまったら。物語中は勿論、イラストもパワーアップ。ああ。最高です。
いつも祐巳ちゃんの一人称で語られるから、黄薔薇さまこと鳥居江利子さんってばお姉さまなんだよな。読者である三十路男の私から見ても。でも最終章で初めての江利子ちゃん一人称。江利子ちゃんは私の中で18歳になっているわけですよ。ああ。小説って素晴らしい。
このシリーズ、キャラクターがたくさんの呼称を持っているのは凄いと思う。一応の主人公、祐巳ちゃんの姉である小笠原祥子さまを例にあげれば。紅薔薇のつぼみ、紅薔薇のつぼみさま、祥子、祥子さん、祥子さま。各々のキャラクターがちゃんと呼び分けているンだよね。自分の立場によって。で、今野緒雪先生がこれを間違わないンだな。ややこしいにもかかわらず。あ、でも今回、紅薔薇さまがおまけの章で「志摩子」って呼んでいるンだよね。これ、間違い? それとも間違いじゃない? つぼみともなると1年生でも扱いが変わるのでしょうか? ちょっと気になるところ。そそ。志摩子さん、今回は不幸せっぽくなくてよかったです。薔薇さまたちが次巻で卒業してしまうのは残念ですが、その後の展開も非常に楽しみです。

闘鬼風雲録1 秋津 透 ファミ通文庫
C 新シリーズ開幕。「放課後宇宙戦争」に引き続き、むっちりむうにいとのタッグ。中国の奇書っぽいお話しですが、何やら日本ていすとな中国で読みやすい感じ。ただ....みんな正直ですな。主人公サイドも悪役側も。たぶん、物語の中で思っている以上のことは考えていないンだろうなぁ。各キャラクターとも。今後、転換するところって訪れるだろうか。秋津透先生の作品ってば大団円って意味では安心して読んでられるンだけれどもなぁ。次巻に期待。

嵐を呼ぶやつら フリッカーエンジェルズ 南房秀久 富士見ファンタジア文庫
C 南房秀久先生の新シリーズ。今までの各作品は同じファンタジー世界を舞台とした物語でしたが、今回は初めて、別世界となっております。旧き良き時代のアメリカ。ハリウッド映画が夢と希望に満ち満ちていたころのお話。お約束のお涙頂戴・南房節があまり前面に出ていないところは好感が持てます。ただ、ラファエルが謎の多重人格なのは読者から見たら最初からわかっているのだけれど、ヒロインであるオフィーリアにはそれが理解できないのですな。いや、実際に簡単に理解されちゃっても怪しいキャラクターに映っちゃうンだろうけど、このオフィーリアと読者の温度差が、読んでいて苛立ちを誘っちゃいます。難しいとは思うンだけれども巧く処理してほしかったな。そうだ。ラファエロの愛称ってばラフィーになるかな? いや、別にいいンだけど。うん。

リアルバウト・ハイスクール8 雑賀礼史 富士見ファンタジア文庫
C 表紙、口絵3枚ともカラーイラストに主人公不在。外伝ではなく本編なんだけどな。(笑)
どうにも枝葉の物語の関連性がつかみにくいのだが。南雲慶一郎とゲイツの確執、異世界関係の怪獣退治。ここまではいい。この全く次元の違う二つの物語を噛み合わせるためにイロイロと枝葉があるのだろうが、どうにも厚みが感じられない。幻弥くん関係なんかはどうしたものか。学生連中はまぁ最初からあんなモンだからいいとして。ううむ。
終わらせる、または終わる方向に持っていこうという意思が感じられないンだよなぁ。あと何作続くのん? 作品としてキライなわけじゃないンだけど。

双頭鷲の紋章2 高貫布士 歴史群像新書
C 海軍はとりあえずお休みして空軍のお話しが中心。幻の巨大爆撃機、イリヤ・ムウロメッツの発展型が主役。あまり有名じゃないよね? 私も名前だけは知っているってレベルなんだな。それと寄生戦闘機が活躍するという珍しいエピソードも入っている。まあ飛行船と寄生戦闘機というのは架空な産物ではないが、この時代設定においては大変に珍しいとりあわせだろう。
お話しは好きなのですが...今後、どうなりますかね? やっぱりアメリカとの戦争かなぁ。だってソ連の侵攻能力はなくなっちゃったわけでしょう? 海軍も空軍も。 それとも復活する? どうなりますでしょう。次巻が待ち遠しい。


2001年02月18日
天国に涙はいらない 佐藤ケイ 電撃文庫
C 結構短絡的な物語なのだが、その展開の速さは小気味良い。あっという間に読み終わってしまいました。あらかじめレンジで暖めるところまで作っておきましたぁ。って感じ? でも一応、暖めるプロセスはあるわけなんですよ。うう。わけわからんか。一旦切る。
守護者としてはもっとも強力な守護天使アブドルの性格が破綻していてよいですな。わたしも神の僕になってしまいそうです。私の守護天使がアブドルだったらさぞや気があったことでしょう。一旦置く。
電撃ゲーム小説大賞金賞受賞作品。いきなり連載。次巻発行がほぼ決まっているらしい。ハッピーエンドになるンかいな。まぁ展開自体がどうなろうとも文句はないけど。ハッピーエンドになるンかいな。いろいろと。
よくわからないけど、私は何かが言いたいらしい。
本当に続きが楽しみです。どうなろうとも。続きを読んだ感想を、私自身が得たい。

ダブルブリッド5 中村恵里加 電撃文庫

トラブルシューターシェリフスターズMS2 神坂 一 スニーカー文庫

ネコ耳戦車隊、西へ 伊吹秀明 ファミ通文庫
C ネコ耳の2巻目である。タイトルとファミ通文庫ってところからは想像もできないほど真面目でハードな戦記である。前巻比では大分、ハード比率が下がっているけど。(笑)
同じ体積の兵器であっても、搭乗員が小柄な少女であれば搭乗員スペースを削って余ったスペースに強力な装甲や大型のエンジンを積むことによって高性能なモノが仕上がるというのがコンセプトだ。これは野尻抱介先生のロケットガールのロケットと通づるところがある。そういえば野尻抱介先生のホームページではネコ耳少女付戦車の模型が掲載されています。で、小柄な少女には野生の生存能力とか優れた視力、聴力が備わっていたりする。強い。強いぞネコ耳戦車隊!
前巻でちりばめられた秘密の数々のほとんどは持ち越されました。おあずけって感じ。今回のお話しは始終、爆乳隊長でしたね。いや、好きだけどさ。(笑)

デュアル・パシフィック・ウォー1 荒川佳夫 歴史群像新書
C 昨今の第二次世界大戦モノの架空戦記においては、史実における連合国、枢軸国の組み合わせを変更するのはひとつの基本となっている。しかしながら軍事大国として数えられるのはアメリカ、イギリス、フランス、イタリア、ドイツ、ソビエト、日本くらいしかないのが実情だ。組み合わせといっても既に語り尽くされている感もないではない。
今回、荒川佳夫先生はアメリカを二つに分けてしまうという手段に出ている。私が読んだ本の中でも初めての試みではないものの、珍しい設定であるのは確かだ。南北に分けられてしまったアメリカの兵器体系の構築は非常におもしろい。各企業があった場所が重要になってくるからで、本来なら競作になって敗れ去った試作兵器の群れが戦う様は見ていて非常に楽しい。その上、飛行機に使われるエンジンは独自に別メーカーが作っているものだ。史実で実戦に参加した飛行機であっても、本来のエンジンメーカーと南北の別合衆国に分かれてしまうと違うエンジンを積んで性格が変わった飛行機として出来ているのもよい。
基本的に私は海軍が好きなのですが、このお話しに限れば航空機のほうが興味深いですな。その上、航空機会社は山ほどあるからどうにでもなるとして、今後、戦車をどうやって出してくるかが楽しみです。アメリカの戦車ってば種類が少ないからなぁ。試作車両とかも非常にマイナーだし。
そそ。全く話が変わりますが、開戦前に矢矧型が作られたなら矢矧の兵装は大分、変わっていた気がするのですがどうでしょうか。

皇国の守護者5 佐藤大輔 C-NOVELSファンタジア
A 佐藤大輔先生作品の「男」像の究極体ともいえる新城直衛の物語5巻。いや、私がそう思っているだけで、彼は究極でもなんでもないのかも知れない。しかし。新城直衛という男の様は最高に格好良いと思うし、この作品の一般的な評価の高さを考えれば、それは私の思い込みと一概には言えないはずだ。
この作品の1巻が刊行されたときには「皇国」という文字の入ったタイトルと、ページを開いてすぐのオリジナル世界の地図を見て、思いっきり引いてしまったのを覚えている。「太平洋戦争でやりゃあいいじゃん」くらいに思ったものだ。しかし。そのファンタジー色が混ざったナポレオン戦争プラスくらいの時代色の「協定」世界に魅入られるまでにはそれ程の時間はかからなかった。今では新刊を心待ちにしているシリーズとなっている。
さて。新城直衛はいったいどこまでいくのだろうか。他に類を見ないキャラクターだから想像もつかない。今回物語の後半での行動は余計に夢を膨らませる。
そういえば今巻は作品のポイントのひとつである剣牙虎が活躍できませんでしたな。まぁ、次巻は冒頭から大活躍が予想されますが。あ、現場には千早がいないか。どうだろう?


2001年02月02日
不沈戦艦紀伊 0巻 子竜 蛍 歴史群像新書
C 同名のシリーズへと繋がる序章。不沈戦艦紀伊が設計、建造されるまでの物語。なんだけど。実際に紀伊を設計した牧野茂って、おまけみたいな登場しかしないンだよね。世界的に有名な造船官、平賀譲が延々と主役を張る。既にうろ覚えだが、若かりし頃に読み漁った造艦物語に綴られていた情報と非常に良く似たお話しなのだ。そういった目でみればこの本を架空戦記に分類するのは気がひける。実際に歴史として表面に現れている事象は、史実として認識されているモノとなんら変わらないのだから。
極論ではあるが。吉川英治先生の「太閤記」と映画「戦国自衛隊」って、どちらが架空の物語か類別できるものでしょうか。そりゃあ一般的には武田信玄と自衛隊が戦うのはフィクションじゃろ? でも、歴史に記されていないだけで、本当にタイムスリップした64式戦車と武田騎馬隊は戦ったのかもしれない。逆に、「太閤記」で木下藤吉郎が清洲城の油を節約したとか単身美濃に潜入して美濃三人衆を降ろしたというのは嘘かもしれない。少なくとも、藤吉郎が清洲で会計を監督した時に喋った言葉とか、潜入先での密談とかは記録に残っていない。と思われる。登場人物が喋ってしまう小説仕立ての本であれば、作者の想像が入り込む余地は格段に大きい。二つの作品の架空の物語としての位置はそれほど違わないと強弁できなくもない。
閑話さておき。上記の論法で言えばこの本は「太閤記」とかと同じ程度にはノンフィクションである。小説としておもしろかったと思わないでもないが、少なくとも架空戦記である「不沈戦艦紀伊」の0巻として位置する物語ではないのではないか? どうせならばもうちょっと大風呂敷をひろげていただきたかった。紀伊を建造するという動機付けとしては弱い気がした。逆にいえばこの作品の通りの動機付けで紀伊が作られたのだとしたら。史実において紀伊が作られなかった責任?は牧野茂、平賀譲、田路坦、豊田副武にあると言えはしないだろうか? 彼らが最後の数ページでの提案を実行に移さなかったことが原因ということにならないだろうか?

火焔に仇なす異能者 ライトセイバーズ2 築地俊彦 富士見ファンタジア文庫
C 購入してから読破まで随分、暖めました。食指が動かなかったのです。でも。これおもしろかったなぁ。勿体ないことをした。
親父への口癖は相変わらず鬱陶しいけど、コレ系統の様々な作品の様々なキャラクターの中では好きな方です。シルナも随分とサッパリしましたね。こんなキャラクターだったでしょうか。いや、1巻、良く覚えていないだけだけど。すみません。
お話し終了後に軍法会議で裁かれるコトを決心したアリエちゃん。良い子だねぇ。でも、極刑じゃないのん? 極刑だよなぁ。私なら極刑にするね。でなければあんな刑やこんな刑やそんな刑を!  嘘です。

飛行戦艦「大和」出撃! 青山智樹 経済界RYU NOVELS
B 戦艦大和が飛ぶ話。(笑)
あとがきに、「シミュレーション戦記にはスーパー系とリアル系にわけられる。」とあり、この作品は青山智樹先生の「初めてのスーパー系作品となる。」と書かれている。戦艦大和が飛ぶのだ。そりゃあ一般的にはスーパー系ではあろう。だがしかし。
ずっとリアル系で書かれてきた先生だ。大和を飛ばすことにおいてもそれなりの技術的考証を書かれている。いや、私はアレでも飛ばないとは思うが、現実に本当に実際にやってみたら飛んじゃうかもしんない。そう。一読者としては「もしかしたら」と思わせていただければいいのだ。素敵に騙されてみたいのだ。スーパーかもしんないけど、リアルっぽければ、説得力があれば、どんなに突拍子がなくても、それはリアル系と言えなくはないか?
おもしろかったです。最終章ハワイ殴り込みはわくわくしてしまいました。そう。この「わくわく」は一般にリアル系と呼ばれる作品では滅多に味わえないものなので最高でした。
「これからは飛行機の時代だ。空母をたくさん作ろう。ミッドウェー海戦で壊れちゃった大和も、修理は無理っぽいから改造して飛ばせば戦力になる」って発想が出てくるとこが凄いですな。許可した上層部も凄いけど。いやいや。よかった。かなり手放しで誉めてますな。うん。

大いなる墓標 覇壊の宴2 日昌 晶 富士見ファンタジア文庫
C オーラロードのようなものが開きっぱなしの地球が舞台の物語。で、珍しいことに立場が強いのは現代地球側。ファンタジー世界にたいして新たな地下資源などなどなどなどの利権を求めて各国は侵攻する。世界観的に特に可愛そうなのはエルフ。人間様への臓器移殖の元となる彼女等は厚生省の管轄化にあり薬品扱いである。人権などなく、TTRPG「ルーンクエスト」のサラダ扱いと大差ない。
まー、あいも変わらず血みどろだこと。無理矢理「臓器移殖」ってところがなんとも血生臭い。目的のない殺戮、生贄などの屍累々の物語よりもよっぽど猟奇的で残酷に感じる。
主人公は一応、サラリーマン鈴木の筈だが....物語の中心にいるのは血みどろ王女様だよねぇ? 一作目でもそうだったがサラリーマン鈴木っていったい、ナニをやっているのだろうね? 立派な語り部ではあろうが....ちょっと寂しいかも。それこそ、「特別な能力があるわけでもなく、勇者でもない(c)ガンパレ」って感じ? どれどころかあまりにも無力。前巻はヒロイン?が目の前で死ぬという惨事もあった。今回は同僚を守れたわけだから....成長なのだろうか。いずれ、もっと大きな事象を動かすことができるようになるのだろうか。読後の気分のよい作品ではないのだが..続きが出たら是非、読んでみたいと思う。

H.O.P.E2 一条理希 スーパーダッシュ文庫
B 主人公、ほとんど手術しなくなっちゃった。(笑) 
風邪とインフルエンザとかのくだりは、俗説よりも一歩進んでいておもしろかった。ソレを除けば医学的なお話しは激減。でも雰囲気は出ているし、ストーリーはサクサク進むはで、なかなか良かったです。
あとは、次巻以降でヒロイン、森田結花ちゃんが無事であれば文句ないンだけど。無理かな。(苦笑)

バトルシップ・ガール4 橋本 紡 電撃文庫
C 戦艦ナツミって強かったンだなぁ。いつも、より強大な敵と戦っているから気づかなかった。
どうにもこうにも。なにがなにやら。艦長さん、なんで戦っているのよ? とりあえず動機がわからなすぎ。わしの読み方が悪いのかなぁ? あまりに不可解。で、このシリーズってまだ続くンだよね? あとがきとか読むと終わりっぽく感じるのだが...これで終わったらすごいと思うわけよ。もっとも続いたとしてもすごいと思うけどね。


2001年01月21日
タツモリ家の食卓3 古橋秀之 電撃文庫
C お話の根幹は壮大なのになんて日常的で些末なお話なんだろう。(笑) いやいや。陽子にいわせれば日常では決してないということになるのであろうが....やっぱり緊張感にかけているかも。とりあえず陽子ちゃんのイラスト、初めて可愛いと思いました。ついでにグロウダインの鉄鋼お姫様もどんどん可愛い絵になっていくのが凄いです。というか怖いです。(笑) 

少女と嘘とボストンバック 秋口ぎぐる 富士見ファンタジア文庫
C どうにもついていけないお話です。わし、歳をとったなァ。ちょっとナニだなぁ。困った困った。雑誌とのメディアミックス?を行っているくらいだから富士見ファンタジア側としてはイチオシなんだろうけれども。ううむ。「何を考えているかわからない狂気の男」だ? そんな肩書きで全てを片付けないで欲しいなぁ。お話を無理矢理ひっぱるための免罪符として使えるようには、わたしには見えないのだけれど。
小道具はおもしろいカオリがします。では。DORAGON MAGAZINの連載の方を読んでみることにしましょう。

戦国覇王伝5.6 中里融司 歴史群像新書

マリアさまがみてる ヴァレンティーヌスの贈り物 上・下 今野緒雪 コバルト文庫
A  

2001年01月09日
旭日の戦旗1.2 安芸一穂 歴史群像新書
C 結構お気に入り。前作、「旭日旗、行く!」よりも好きだな。
比較的階級の低い登場人物からの視点から書かれているのは前作と同じで好感が持てる。それと、より「兵器」よりの描写が増えたのも良いですな。前作では40cm砲装備の中国の戦艦「劉備」級を初めとして、魅力的な兵器がゾロゾロゾロゾロと名前、設定だけ出てきたものですが...活躍はしませんでしたから。今回の目玉の「伊勢」などは安芸一穂先生らしからぬ艦で最高っす。ちょっとスーパー系入っているあたり。(笑) 主砲撃つこと、あるかな? 安芸一穂先生だと「結局、役に立ちませんでした」ってオチで終わらせることも十分に考えられるから...ちょっと楽しみです。
今のところ各陣営の構成国はあまり目新しいモノではありませんが、やはり鍵を握るのはアメリカですかな? あとは満州合衆国が対ソ戦においてどう転ぶか。まぁこれもアメリカがらみってところで。
新生Z計画推進中の大ドイツ海軍にも期待大です。もうちょっと空母が欲しいなぁ。

双頭鷲の紋章 高貫布士 歴史群像新書
C ロシア革命においてロシア王家の美少女皇女様がアメリカには売却されなかったアラスカに逃げ込んで東方ロシア帝国を名乗り、ハワイ王国、日本帝国と同盟を結ンでロシアと戦おうってお話。位置と国力からいって、北欧はフィンランドでの史実と同じようなお話しを日本機を交えてやるのかなー? とか思っちょっとったンですが。どうやらちょっと違うらしい。
仮想敵国を無視した強力無比な海軍が主役かな? それとも日米戦を開始させて一翼を担わせるつもりかな? どちらにしても非常に可能性のある架空世界が現出しております。巻数表示がないところを見ると売れたら続きをってコトだろうけど....是非、続きを読ませて欲しいです。高貫布士先生の新作である別作品「布哇大戦記」と世界観がダブっているところがあるのが心配のタネですな。

帝国欧州戦記1 原田 治 歴史群像新書
C 新シリーズである。結構おもしろい。欧州大戦における不思議戦場であるジブラルタルとマルタ島を、独逸機動部隊が占領するところから物語は始まる。米、英の要請によって日本軍が欧州に連合軍として参戦するという感じだ。とりあえず勢いがありよろしいのでは? しかしこのお話、飛行機が落ちないなぁ。彼我の航空機の性能差があまりない場合、空戦による撃墜ってぇものはあまり多くないっていうのは実戦が証明しているけれども、おかしいくらい飛行機が墜ちない。独逸機動部隊も、マルタ島防衛隊も、地中海派遣軍も。かわりに軍艦は簡単に沈む。イラストリアスとヴァリアント、沈んじゃったよ? Ju87の攻撃で。まぁいいけど。(苦笑)

帝国欧州戦記2 原田 治 歴史群像新書
E 連続して2巻目を読破。どうしちゃったンだぁ。このお話。(大苦笑)
小沢艦隊司令長官が旗艦赤城を操るンじゃよー。そりゃあ階級が上なんだから艦長の職責なんざ無視して口を出すことだってできるし、記録がないだけで歴史的にも実際にやった人っていそうだけど。でもよー、艦隊司令部の幕僚がみんなで雁首そろえて赤城の操艦について論議するンじゃよー。おかしいンじゃよー。許せないんじゃよぉ。このあたりで不信感が募りはじめまして、赤城の機関を停止するとか言い出して、停止すると機関音がなくなってスピードが落ちて、で、機関始動!とか叫ぶと機関が動き出すンじゃよー。この間およそ1分くらい。そうなのか?それでいいのか? そいでUボートが1100メートルで魚雷を赤城にぶち込むんだ。でも560メートルでぶち込まないとダメなんだって。爆撃直後のジブラルタルに零戦で降りるとは豪気な。生き残りで動けるのは数名?すっげー。でな、仮装巡洋艦はあくまで仮装した巡洋艦であって、駆逐艦よりも装甲も火力も圧倒的に上なんだって。20センチ砲を搭載しているンだぜ?独逸の科学は世界一ィって感じ? 潜水艦による接舷斬りこみ。初めてみちゃった。ま、そういうこともあるンだろうけどさ。そうだ。シャルンホルストってイギリスの戦艦らしいんだ。大胆な設定だなー。
もうどうとでもしてくれー。通常であれば「架空戦記だし」ってことで収められる俺様の心はヒートしっぱなしだ。1巻がそれなりに読めたからこその反動か。せっかく、スピットファイアをいきなり艦載しても突っ込まなかったのに。夜間雨中低空飛行という奇跡の神業も許したのに。固有名詞がイラストリアルだったりロリヤンだったりしても、私のポリシーに乗っ取って気にしないことにしてたのに。
そもそも自分の知識が正しいと思うのが間違いだっていう事はわかっているつもり。でもね。もう何もかもが怪しいー。1頁読み進むごとに疑心暗鬼。普段、架空戦記を読むときのポリシーも無視したくなっちゃう。1巻が結構まともだったのは準備期間が十分にあったからかなぁ。2巻は勢いで書いてしまったとかでしょうか。兎に角、久々に凄い小説を読んでしまった。スーパー系架空戦記はスーパーだから別に構わないンだけどさ。リアル系架空戦記がぐちゃぐちゃなのは問題だよ。簡便してくれ。拷問だ。それこそ「金返せ」になっちゃうよ。

ちょー魔王 上・下 野梨原花南 コバルト文庫
B 上巻の頭の数ページで止まってしまってから1年と4ケ月、やっと読み終わりました。(笑) だってー。発行ペースは遅いし、お話しはズルズルと伸びて終わらないし。でも今月発売の新刊、「ちょー新世界」の表紙イラストの新主人公が可愛かったので読むことにしました。その上、つまりはこの上下巻で長い話に決着がつくってことじゃん?
おもしろかったです。やっぱしいいですね。ちょーシリーズ。ナニやら思いっきり引っ張りまくったわりには悪役も結果もパッとしない展開になりましたが、軽妙な語り口と魅力あるキャラクターはやはり好感が持てます。で。別に文句じゃないけど、キャラクター大事にしすぎじゃないかな。出てくる人物全てがそれなりの位置を占めていくでしょう? そりゃあページも増えるわ。うん。
しかし完全な悪者っていないお話しだね。今回の首謀者共も更正するのかしらん? 愛すべきダイヤモンドとジオと仲間達がいかに寛大でも、罪は償わなければならんと思うわけよ。でなければ、この本を読んでいる少女少年の教育にも良くないと思うわけよ。って、何いってるんだ。>わたし

ちょー新世界 野梨原花南 コバルト文庫
B 猫耳の中華風美少女が主人公なんじゃよぉ!! はぁはぁ。<落ち着けっ(c)うにゅう
ちょー新シリーズの開幕である。ちょっと小憎たらしいヒロインがどんどん可愛くなっていく話....ではないと思うが。(笑) とりあえずおもしろいっす。でも、「何故、そこで一言が言えない!?」とか悶絶するお話になりそう。今巻も「尻尾の生えた王子様に会いにきた」って言っちゃえば展開が変わったような? せめて、その存在を聞いてみるとか。歯痒い所だけれども、まぁそれが物語というモノなのだろう。野梨原花南先生のことだから、このネタで引っ張ることはないと思われるが。
そだ。パリス君、最高。マイ同志。いかにもすぎておもしろみにはかけるけど。(笑)