- FSTAGE MES( 4):ストレートプレイ :『かべすの幕間(マクアイ)』 - 01251/01251 PXF00472 手塚 優 R/T.P.T.『テレーズ・ラカン』(3/7夜) ( 4) 98/03/14 02:06 01243へのコメント (一部省略) 今年のT.P.T.フレンズ会員の案内が今日届きました。サポートメンバーのシーズン 会費は4万5千円(観劇料込)。メールメンバーは優先予約だけなのに会費1万円は少し 高い? 活動を応援する組織だからということでしょうか。今シーズンの予定は、 5月 T.ベイブ作『娘に祈りを』(R.A.アッカーマン演出) 出演・堤真一 9月 フューチャーズ・プログラム第三弾 (現代日本人作家作品) 11月 ヴェデキント作『春のめざめ』(串田和美演出) 12月 ヴェデキント作『ルル』(ルヴォー台本・演出) 出演・大竹しのぶ 99年1〜2月 マルヴォー作『愛の勝利』(ルヴォー演出) 出演・吉田日出子 オンシアター自由劇場の串田さんの演出が気になります。僕はいまいち苦手なので。 さて、5周年記念公演の『テレーズ・ラカン』。同じベニサンでの 93年4/30〜5/23 の 初演については、長谷部浩氏の劇評『傷ついた性』(紀伊國屋書店)が詳しいです。 僕も5年前に観ました。日時ははっきりしないのですが、まだ公演が始まってそれほど 経ってなかったような気がする。まだ公演パンフも刷り上がってないようでした。 ルヴォー演出は、3月に『危険な関係』の再演で初めて観て、戯曲の面白さをとても 明快にわからせてくれる演出だったので、これも足を運ぶ気になったのでした。でも ルヴォーさんがこんなにすごい演出家だったなんて、全然わかってなくて、今思うと T.P.T.以前はほとんど観れなかったけど、少なくともT.P.T.を最初からずっと観続け られたのは、とても幸運だったと感じてます。 初演は、自分にはとてもショッキングでした。決して好きにはなれない類の作品では ありましたが、すごいセンセーショナルな舞台だと感じました。その強烈な印象の為 今回の再演は、逆にかなり冷静に観てしまいました。内容はともかく、ショッキング な場面は強く記憶に残ってるから、それに対して無意識に身構えてたのかもしれない。 あるいは、もう慣れてしまってたのかな。そういうのは、あまりよいことではない ですね。観る前から自分で殻をつくっちゃってるようで。 初演から変わったキャストの中で、殺される夫カミーユ役の今井さんが面白かった です。ちなみに今井朋彦さんです。明彦ではありません。#1224など間違われてる 方が多いようなので、「マイチルドレン・マイアフリカ」以来、好きな役者さんの 一人といことで、細かいですが、注意させてもらいます。彼のカミーユは、初演の 三浦賢二さんに比べると、神経質さがかなり増してるように感じられました。三浦 さんは、結構いい人っぽくて甘えてる感じでしたが、今井さんのカミーユはもう少し 嫌な面が出てます。その分、今回のがテレーズたちには同情できるかな。でもそれ だからこそ、逆に、初演の藤真利子さんからは、より彼女自身の内から湧いて来る 暗い激情みたいなものが大きく感じられたのかもしれないし、どちらが良いとか悪い とか、そういうことではもちろんありません。若村さんの演技は、今回、実は初日 前日の1/28にゲネプロを見せて頂く機会があって、その時に比べると、ひと月経って 演技のテンションが随分コントロールできるようになったなという感じです。 けど初演もすごかったけど、やはり今回も怖かったのは佐藤オリエさん。ただ、 初演は怖かったという印象しかなかったのだけれど、比較的冷静に観れた今回は このオリエさんの演ずるラカン夫人の女性的魅力とラカン家の経済状態に、少し 関心が行きました。このラカン家って結構裕福なんですよね? なんだかすごく 狭く、暗い、じめじめした感じな上に、それほど家具の多くないセットの印象の 所為で、あまりそうは感じませんけど。そこの未亡人の女主人のいる家にグリヴェ とミショーという二人の男性が毎週遊びに訪れるというのは、やはり彼女に魅力を 感じて通っているということなのではないでしょうか。ちょっと『ピアノ』での オリエさんの女主人役からの連想が入ってますけど。でも、一見、専ら抑圧する側 の立場であるラカン夫人の役と、友人の男性二人の間の隠された関係とか、想像 してみるのも面白いかなァなんて、少し思いました。もちろん「ブルジョアの良識」 を代表する彼らの関係は、完全に圧殺されてはいるんでしょうが。結婚式の夜の 場面での狂騒的な二人の振る舞いとかも、その押し殺されてる部分のあらわれでは ないでしょうか。それに対するテレーズの白い裸身の後ろ姿は、この芝居の中で、 唯一、彼女が抑圧されない解放された彼女自身の姿でいられた瞬間だったようにも 思います。違うかな。(^^;) 01257/01257 PXF00472 手塚 優 RE^2:R/T.P.T.『テレーズ・ラカン』(3/7 ( 4) 98/03/15 07:12 01255へのコメント ごろうやっこさん、どうも。今井朋彦さんは文学座の人で、そのアトリエ公演以外 では、去年は、T.P.T.の『イサドラ』のピアニストと、アートスフィアでやった 『太陽が死んだ日』の馬係で見ました。あと、そのパンフのプロフィールに書いて あって、これは僕は観てないけど、『火の鳥』(栗山民也演出)にも出てたそうです。 それから一度、アゴラ劇場の青年団若手公演の時に、列に並んでるとこ見掛けました。 その後の、平田オリザさんの文学座アトリエへの書下ろし『月がとっても蒼いから』 に出てたからみたいです。黒のハイネック着た、あの役はなかなか面白かったな。 ------------------------------------------------------------------------------- 01446/01446 PXF00472 手塚 優 R/T.P.T. Vol.22『娘に祈りを』(5/16夜) ( 4) 98/05/17 02:01 01435へのコメント コメント数:1 パンフによると、この戯曲の初演は1978年。もう20年も前です。アッカーマンは その初演の立ち上げから関わっていて、この演出で、本格的に演出の仕事を始めた らしいので、結構思い入れのある作品なのではないかと推測します。 男優4人だけの芝居。それもアメリカの現代戯曲らしい、ゲイの話で、なかなか 理解し難い。魅力的な男優が揃った配役ということもあって、客席は、圧倒的に 女性が多いけど、実はかなり硬派な作品。もっと男性に観てもらいたい気がする。 登場人物の4人の内、二人は犯罪者で、二人は暴力警官。三人が麻薬やってて、あと 一人はアル中。ということで、あまり同情できるような者たちではありません。 しかし、彼らが「男」として求められるものに応えようと闘う姿には、なにか普遍的 な哀れさを感じます。演出家が「男達はそれぞれの中の女性的な部分を暴力的に破壊 しようとし、そうすることによって自らの人生、また愛する者の人生を歪めて しまいます」と書いてますが、アメリカという社会の求める「強い父親」像が、 その底にあるということなのかなと思いました。けれども、ここで言われている 「女性的な部分」が、果たして本当に「女性」に属するものなのかという疑問も あります。単に「男らしさ」あっての「女らしさ」みたいなものかもしれません。 だから、この「女性性」を肯定してみても、それは、これまでのT.P.T.の舞台が 描いてきたような抑圧された女性性の裏返しにしかならないのかもしれない。 アッカーマンの演出がそうなのか、アメリカの戯曲がそういうものなのかは、 わかりませんが、台詞に重みを感じる舞台でした。 中央通路脇の補助席(当日券の人たちかな?)は釣り椅子+座布団だったようです。 01448/01448 PXF00472 手塚 優 You Are My Sunshine (RE:R/T.P.T. Vol. ( 4) 98/05/17 12:32 01446へのコメント 劇中で度々、歌われていた You Are My Sunshine の歌詞が気になって、ちょっと AltaVistaで検索してみたところ、 http://www.stairway.org/kidsongs/y001.htm に見つけました。Answer to You Are My Sunshine って曲もあるんですね。 "I'm still your sunshine, your only sunshine …" て感じの歌詞です。 劇中、堤のジャックが、"You'll never know dear, how much I miss you"と歌う のを、ショーン(サイモン)が、気に障るように、 それは"I love you" だと、 さかんに訂正してたのはどういう意味なんでしょうか。上記サイトの歌詞では、 "I miss you" となっていますが、どちらの歌詞もあるみたいで、例えば、 http://www.volcano.net/~jackmearl/folk/youaremysunshine.html などは、"I love you" になってます。もし詳しい人いたら教えて下さい。 ちなみに歌詞の日本語訳も、http://www02c.so-net.or.jp/~jamtoast/sunshine.html で見つけました。 ------------------------------------------------------------------------------- 01785/01785 PXF00472 手塚 優 PR/T.P.T.vol.24『春のめざめ』 ( 4) 98/10/27 00:46 01273へのコメント 11/1からベニサン・ピットでの公演が始まる、T.P.T.のヴェデキント・プロジェクト 第一弾、元・オンシアター自由劇場の串田和美・演出『春のめざめ』の公開通し稽古 を見学させて頂く機会があったので、その印象を少し書きます。(10/25) ベニサンの第二スタジオでの稽古はスタジオの半分を舞台の大きさに仕切っただけで いちおう照明・小道具なども少し仕込んではありますが、ほとんど素舞台での稽古。 スタジオに向かう途中、下の劇場では装置の搬入の真っ最中で、どんな舞台になるか まだ全然わかりませんが、稽古を観た限りでは、とってもシンプルな舞台になりそう。 ヴェデキントの作品は僕は全く知らないけど、稽古の印象だけから、敢えて書くと、 なんだかテアトル・ド・コンプリシテの演出に少し似てるかななんて思いました。 ワークショップで集まった役者たちが、チームワークで、音作りから、場面転換、 そして複数の異なる役柄をスムーズに流れるように演じていく演出。野田さんの こととかちょっと思い出して、ロンドンで研修して帰ってくると、こういう舞台を 自分でも試してみたくなるものなのだろうか。 役者は『幽霊はここにいる』の馬渕英里何さんが14歳の娘役。そして、たぶん オーディションで選ばれた、若い大森南朋さんと北村有起哉さんが、それぞれ 彼女の同級生二人で、早熟な秀才と落第しかかってる劣等生、けれど仲のよい 幼なじみの役です。14歳という微妙な年齢を演じるのは難しいと思いますが、 そこは周りのベテラン(山本亘、花王おさむ、松本きょうじ、春海四方、石橋祐) が盛り立てます(^^;)。それから、少しネタをばらしてしまいますが、女優陣も 久世星佳さんの宝塚退団以来(?)の男役をはじめ、武石一恵さん、山下裕子さんが 達者なところを見せてくれます。また及森玲子さんは息子に理解のある美人の母親役。 思春期の少年・少女たちが社会道徳の壁にぶつかる様を描いてるらしい、この作品の 内容が、今の我々にどういう意味があるのか、まだよくわかりませんでしたが、 ワイルダーの『わが町』とか、萩尾望都の『トーマの心臓』とか、先日の 遊園地再生事業団『14歳の国』とか、そんなのが頭に浮かびました。 01786/01786 PXF00472 手塚 優 RE:PR/T.P.T.vol.24『春のめざめ』 ( 4) 98/10/27 00:58 01785へのコメント >> スタジオに向かう途中、下の劇場では装置の搬入の真っ最中で、 これは搬出の間違いでした。おそらく、この日(10/25昼)が楽日だった二兎社の公演 の装置の搬出だったのだと思う。