以下は、NIFTY-Serve シアターフォーラム FSTAGE 93年演劇ベストテンで 手塚(PXF00472)が行った投票です。 ---------------------------------------------------------------------- 投票/舞台美術部門 初めての投票は美術部門になりました。各々1点ずつ、順番は観た順です。 ★劇団新感線一座興行 1/17(日) 下北沢・本多劇場 「枯暮さんの桜の木のかぶりものに1点。」 ★劇団離風霊船『ゴジラ』 観劇日 2/8(月) 下北沢・本多劇場 「健気に機を織るビオランテに1点。」 ★万有引力+日本ろう者劇団『チャイルド・イン・タイム』 2/19〜23 吉祥寺・前進座劇場 美術:米内山明宏 「その書割美術の量と質に圧倒されました。視覚的に非常に楽しめた舞台でした。」 ★新宿梁山泊『少女都市からの呼び声』 3/7(日) HARUMIドーム21 「小竹信節の美術はドームの広い空間にも映えてました。」 ★万有引力『大疫病流行記』 5/1〜7 新宿・スペースゼロ 「小竹さんはこちらの寺山芝居の美術もさすがでした。」 ★T.P.T『テレーズ・ラカン』 4/30〜5/23 隅田川左岸劇場 ベニサン・ピット 美術:ヴィッキー・モーティマー 「客席までもが暗い壁と天井に囲まれた閉塞感のある舞台装置は、その後の、 何もない空間をカーテンで仕切っただけの『あわれ彼女は娼婦』、 そして『背信』での端正な部屋の空間と非常に対照的でかつ印象的でした。」 ★劇書房&メジャーリーグ『メアリー・ステュアート』 5/1〜23 下北沢・本多劇場 美術:和田平介 「額に入った奥行きのある絵を見ているような美術でした。」 ★飴屋法水『ドナ ドナ』 6/26(土) 吉祥寺バウスシアター 「特にたくさんの木箱の蓋が勝手に開閉してリズムを刻む場面は圧巻でした。」 ★フィリップ・ジャンティ・カンパニー『忘れな草』 7/2〜11 渋谷・パルコ劇場 「布の使い方がとても素晴らしかった。」 ★ぐるーぷえいと『塩祝申そう』 9/17(金) 新宿紀伊國屋ホール 美術:松野潤 「鰹漁の港町の船主一家の家庭のセットがとてもリアルでした。」 ---------------------------------------------------------------------- sub:投票/演出部門 演出部門が2つ目の投票になりました。☆の数が得点です。 ☆☆『テレーズ・ラカン』 T.P.T 4/30〜5/23 ベニサン・ピット 演出:デヴィド・ルヴォー David Leveaux 「T.P.Tの3公演と『危険な関係』の4作品の中で、これが一番印象的でした。」 ☆☆『メアリー・ステュアート』劇書房&メジャーリーグ 6/16 光が丘IMAホール 演出:宮本亜門 「本多劇場でも観たのですが、ここで観たときにも背中がぞくぞくしました。」 ☆☆『SLAPSTICKS』 ナイロン100 ℃ 12/23 新宿・THEATER/TOPS 作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ 「センスのよさと無声映画へ込められた愛情の感じられる芝居でした。」 ☆『神々の国の首都』燐光群 9/26下北沢・ザ・スズナリ/11/13横浜・相鉄本多劇場 作・演出:坂手洋二 「とてもドラマチックな演出でした。」 ☆『きみのともだち』MODE 10/22 下北沢・ザ・スズナリ 演出:松本修 「『ガラスの動物園』をこれだけ自由に料理できる力はすごいです。」 ☆『少女都市からの呼び声』(Bヴァージョン)新宿梁山泊 11/16〜23 下北沢・ザ・スズナリ 演出:金盾進 「HARUMIドームの広い空間とは打って変わって、スズナリの狭い空間を生かした 演出に、同じ作品とは思えないぐらいに印象が変わりました。」 ☆『血の婚礼』 12/18 銀座セゾン劇場 演出:蜷川幸雄 「芝居を見るときに、それが初めての劇団/人かどうかはとても重要な要因ですね。」 ---------------------------------------------------------------------- sub:投票/戯曲部門 93年ではなくて、オールタイムベストみたいになってしまいました(^^; こういう投票で、いわゆる名作や再演を上げるのは少し場違いだとは思いますが、 自分が初めて観たものなら、みんな同じ気もしますし、再演で改めて戯曲のよさを 再確認することもあります。ここでは自分の思い入れを含めて投票して構わないと いうことで、あえて名作・再演を含めてここに投票させて頂きます。御勘弁下さい。 それから、洋物ばかりなのは、日本の作品を自分なりに選ぶ基準を見つけるのが 難しかったということです。細切れの投票で集計をなさって頂いている方には ご面倒をおかけします。☆の数が点数です。 ☆☆☆『ガラスの動物園』 劇書房 9/10 渋谷・シアターコクーン 作:T.ウィリアムズ 訳:松岡和子 「恥ずかしながら、初めてこの戯曲のよさが少しわかったような気がします。  随分後々まで、余韻が残りました。」 ☆☆『メアリー・ステュアート』 劇書房 5/1〜23 下北沢・本多劇場 作:ダーチャ・マライーニ 訳:望月紀子 「劇書房の企画する芝居はどれも目が離せません。」 ☆☆『彦馬がゆく』 東京サンシャインボーイズ 12/03 新宿紀伊國屋ホール 作・演出:三谷幸喜 「幕末の人物像がほんとに巧みに書き分けられていて、  三谷さんのあて書きが非常に成功しているとおもいました。」 ☆『ホロー荘の殺人』 フジテレビジョン 2/16〜28 サンシャイン劇場 作:アガサ・クリスティ 訳:小田島雄志・恒志 「アガサ・クリスティ劇場の4作品はどれもなかなか楽しめましたが、  この作品の人物像が一番よく書き込まれていたと思います。」 ☆『危険な関係』 パルコ 3/27 近鉄アート館 脚本:クリストファー・ハンプトン 訳:吉田美枝 「昨年のルヴォー演出作品では、この戯曲が一番気に入りました。」 ☆『ジェイクス・ウィメン』 パルコ 8/5〜25 パルコ劇場 作:ニール・サイモン 訳・演出:青井陽治 「これが自分にとって初めてのN.サイモン劇でした。」 ---------------------------------------------------------------------- sub:投票/男・女優部門 男優部門 ◆ 田子裕史(たご・ひろふみ) 6点 PIECE ON PIECES 旗揚げ公演 『テルツェット』10/16 神楽坂・セッションハウス RAORAO PICNIC『ワルツ』 12/13 高円寺・明石スタジオ 今年、初めて観た役者さんで、今一番印象に残っている人です。どういう人か、実は 自分もよく知らないのですが、『テルツェット』公演パンフのプロフィールには、 「青年座、シノザキスタジオを経て、現在、愛企画に所属。 スキップモーション、スローモーションなど特異な肉体表現を得意とする。 また、脚本創作にも評価を得ている。」とあります。 『テルツェット』では脚本にも参加しています。器用な役者さんです。 ◆ 久保酎吉 4点 MODE『魚の祭』 8/4〜8 青山円形劇場     『きみのともだち』 10/22 下北沢・ザ・スズナリ 『きみのともだち』のトムの役は、その前にコクーンで観た筧利夫のトムと比べて、 台詞に力が感じられました。姉のローラに、東京でやってるわけのわからない 前衛芝居を一生懸命説明する場面とか印象に残ってます。 女優部門 ● 麻実れい 4点 『危険な関係』パルコ 3/27 近鉄アート館 『メアリー・ステュアート』劇書房&メジャーリーグ 5/1〜23 下北沢・本多劇場 宝塚でのことはほとんど知らないのですが、本当の女優の魅力みたいなものを感じ ます。『メアリー...』を最初に観たときは、この人から目が離せませんでした。 ● 白石加代子 4点 『メアリー・ステュアート』劇書房&メジャーリーグ 6/16 光が丘IMAホール 『百物語』第六夜 7/6 グリーンホール相模大野 『百物語』特別公演 10/17 岩波ホール 『メアリー...』を二度目にIMAホールで観たときには、白石さんの演技の方に ずっと心を奪われてしまいました。『百物語』でも言葉の力を感じさせてくれます。 ● 床嶋佳子 2点 『ジェイクス・ウィメン』パルコ 8/5〜25 渋谷・パルコ劇場 『ある日どこかで』 ジェントルアーツ 9/16〜23 Bunkamura シアターコクーン 『ラ・カージュ・オ・フォール』東宝ミュージカル 12/29 青山劇場 名前は知ってましたが、TVではあまり観たことなかったので、『ジェイクス...』での、 死んだ理想の妻の役で初めて、素敵な人だなあと思いました。綺麗なだけではなくて、 台詞に一生懸命さが感じられるところとかも気に入りました。 ---------------------------------------------------------------------- sub:投票/作品部門 やっとこれで全部門の投票終わりました。選ぶのは楽しいですが、結構疲れました^^) 一つ投票するたびに、いろいろ目移りがして、結局、各部門で支離滅裂になってしまっ たようです。またコメントが少々長くなって、読んで頂いた方には恐縮です^^;) ★の数が点数です。 ★★★★ 劇書房&メジャーリーグ 『メアリー・ステュアート』 作:ダーチャ・マライーニ 訳:望月紀子 演出:宮本亜門 出演:麻実れい,白石加代子 5/1〜23 下北沢・本多劇場、6/16 練馬区・光が丘IMAホール たまたま、昨日(1/24)の毎日新聞の書評欄で作家の大岡玲氏が、芝居における 「戯曲・役者・演出の三つの要素」の「正三角形の力学」に少し触れてました。 「三者の力関係のバランスが平等に思える時、  きっちりした正三角形がイメージの中に浮かび上がる。」 まさにこの芝居はそう思えました。文句なしに自分にとって、今年のベスト1です。 ★★ ぐるーぷえいと 創立20周年記念&さよなら公演 『塩祝申そう』3部作 作:川崎照代 演出:藤原新平 9/17(金) 新宿紀伊國屋ホール 第一部/塩祝申そう(しおえもそう) 第二部/鰹群(なぐら) 第三部/港の風 通しで8時間45分、休憩を除いても約6時間もかけて、三部作を一挙上演したものです。 実は自分は再演である一部と二部しか見てません。それでも昼の12時すぎから 夕方5時半近くまでかかりました。でも、その間に感じたことは、 「こんな芝居を一日中、観ていられるなんて、なんて贅沢なんだろう」 ってことでした。その日が楽日で、しかもこれが解散公演だったということで、 個人的な都合で最後の新作の第三部を観なかったことが、つくづく悔やまれます。 ★ 飴屋法水 Dutch life vo.3『ドナ ドナ』 6/26(土) 吉祥寺バウスシアター 音楽:コシ・ミハル パフォーマー:嶋田久作、他 ★ フィリップ・ジャンティ・カンパニー 『Forget me not・忘れな草』 作・演出・美術:フィリップ・ジャンティ 音楽:ルネ・オーブリ 振付:メアリー・アンダーウッド    7/2〜11 渋谷・パルコ劇場 上の二つは芝居というよりは、ショウですが、音楽と美術、小道具、パフォーマンスが 一体となった素晴らしいステージでした。短い間に続けて観た所為か、この二つには、 共通する点があるように感じられました。 ★燐光群 『神々の国の首都』9/26 下北沢・ザ・スズナリ/ 11/13 横浜・相鉄本多劇場 燐光群の昨年の公演の数は尋常ではありませんでした。自分も全部観たわけではないの ですが、この作品はこれまでは抑えられていたロマンチシズムが前面に出ていて、 自分としては、今までで一番心動かされるものがありました。 ★惑星ピスタチオ 『破壊ランナー』  9/23〜26 タイニイアリス 昨年は、関西の劇団では、立身出世劇場の『夢見る力』も遊気舎の『じゃばら』も どれもとても楽しめたのですが、どれか一つを選ぶとすればこれです。