ノンセクション

★★★★は私の「満足度」です。

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ノンセクション 現在7冊
書名 著作者
墜ちない飛行機 杉浦一機
図解「階級」のカラクリ インタービジョン21
ラーメンの誕生 岡田哲
株は「逆張り」がおもしろい 小林正和
もしも宮中晩餐会に招かれたら 渡辺誠
海外駐在員のための健康ハンドブック 市瀬晴夫
首都高はなぜ渋滞するのか 清水草一

 


墜ちない飛行機」 杉浦一機・著 光文社新書 ★★★

私の知人に航空工学を専攻した人がいるのだが、彼はよく「飛行機は飛んでいるのではなく、重い空気の固まりの上に乗り上がっているのだから、そんなに簡単には墜ちない」と周囲の人間に語る。じゃあ翼が折れたらどうするんだ?と素人の私はつい反問したくもなるのだが、確かに、最近の飛行機はなかなか墜ちない。誰もが飛行機に乗るようになった今日、空港待合室の隅に設置されている「航空傷害保険自動契約機」に向かう人の姿を目にする事も、ほとんど無くなった。「飛行機は墜ちるかも知れない」と誰もが心のどこかでは思いながらも、事故機に乗り合わせる確率を新幹線や自動車で事故に遭う確率と比較したり、航空機事故で落命した人が身近にいない事を引き合いに出す事で、それぞれが「飛行機は墜ちない」と自分を納得させているのであろう。まさしく私もそんな一人であり、だからこそ、以前乗っていたジャンボ機に落雷を受けた時も、それほどの恐怖心は抱かなかった。

しかし本書を読めば、飛行機が墜ちない訳ではない事を再認識する事が出来るだろう。要は「墜ちるエアラインと墜ちないエアライン」「墜ちる機種と墜ちない機種」があり、私たち日本人が身近に接しているのが単に「墜ちない」方であるだけなのだ。安全軽視の社風があったり、業務の標準化が徹底されていないエアラインには事故が多いし、また設計上の理由から特定の機種に事故が集中していたりする。本書では主要エアラインごと、および主要機種ごとの事故率を全て実名で公表し、墜ちやすいエアライン・墜ちやすい機種を詳らかにしている。各キャリアに対する分析も技術面・経営面などから幅広く行われており、主要機材の安全面での分析、事故発生状況の解説など、多岐にわたる解説は分かりやすく、様々な飛行機を利用する私にとって大変有用な情報となった。

結局のところ、先進国の主要キャリアは安全性が総じて高く、途上国に近づくほど事故率は増加している。激安航空券が良く出回るアジア系キャリアは、シンガポール航空など一部を除いて概ね事故率が高い。無論、事故率が高いといっても、数百万フライトのうちに発生する死亡事故回数が「0〜1回」のレベルなのか「5〜6回」なのか程度の違いであり、たまに旅行するくらいであれば、確率的には無視出来る程度の違いとも言えよう。ただ「事故率」はある意味でそのキャリアの全体的品質の指標とも取れるので、キャリアを選択する際にはやはり重視すべきだろう。なかなか面白い一冊だったが、飛行機の上で読んだのは少々失策だった(実話)。▲2004.6.5/RT

 

図解「階級」のカラクリ」 インタービジョン21・編 三笠書房 ★★★

現代社会には、ありとあらゆる階級が存在する。そう書くと共産主義のキナ臭い宣伝文書みたいだが、ここでいう「階級」はもっと広い意味で「ランキング」とでも捉えられるべきものである。本書は、官庁や会社、自衛隊などでの階級(資格)制度や、食肉・コーヒー・ダイアモンドといった各種商品の品質格付、さらには戒名や爵位間の上下関係など、100を超える多種多様な「階級制度」を図表を交えて分かりやすく紹介している。

「人間みな平等」とか「天は人の上に人を造らず」とは言うが、原始農耕社会でもない限り、社会の運営には「指揮系統」という名の階級制度が不可欠である。また貨幣経済の下ではモノにも階級(品質ランク)を設けないと、公正な価格形成は実現不可能であろう。そういう現実に晒される私たちは、いつしか「階級」というものに秘めたる好奇心を抱き、他人(とその所有物)の「階級」を横目でそっと眺める習癖を無意識のうちに身に付けた。この「おおっぴらにしにくい」好奇心を本書は満たしてくれる。

一つの階級制度を見開き2ページで紹介しているので、それぞれの解説は大まかなものである。ただ、階級ごとの平均給与を詳しく紹介するなど、あくまでも私たちの下世話な好奇心のツボを押さえて書かれてあるので、なかなか面白く、私のワイドショー的好奇心も十分に満たされた。トリビア満載で気軽に読める、お薦めの一冊である。▲2004.2.29/RT

 

ラーメンの誕生  岡田哲・著 ちくま新書 ★★

考えてみると、ラーメンってのは不思議な食べ物だ。しょうゆ・味噌・とんこつ・塩など、様々な味付けがあり、また麺の太さやトッピングもバラエティーに富んでいる。あっさりした札幌の塩ラーメンと、ニンニクが利いた熊本のとんこつラーメンなんて、同じ料理とは思えないほど風味が異なっている。なのにどれも「ラーメン」と称される。人にはそれぞれ好きな味・嫌いな味があるが、こんなに種類が多ければ必ず一つは好きな味わいのラーメンがあるはずで、日本人にラーメン好きが多いというのも、実はこの多種多様性の賜物のような気もする。

さまざまな史料をもとに、麺の原料や打ち方、食べ方などの歴史を振り返り、現代の「ラーメン」が生まれるまでの流れを分かりやすく解説している。本書によると、うどんや蕎麦、素麺など日本的な麺料理が江戸期までに完成したのち、明治の文明開化を迎え、肉や脂に対するタブーが人々の間から失われたことで、今日のラーメンが誕生する環境がついに整ったという。その後各地に生まれた御当地ラーメンや、戦後生まれのインスタントラーメンなどについても詳しく記されており、ラーメン好きにとって知っておいて損はない知識でいっぱいだ。▲2002.3.18/RT

 

株は「逆張り」がおもしろい小林正和・著 ラジオたんぱ ★★★

40年にわたり実戦株式投資を続けてきた著者が、その経験と研究を基に記した中・上級者向け株式投資術。逆張りだけでなく、実戦株式投資一般に関して「勝つ技術・負けない知恵」を紹介する。

第一章では「実戦に勝つための知恵」として、実戦株式投資における数々の極意が総論的に紹介される。そのなかで氏は、信用取引や仕手株へ没頭する事に警鐘を鳴らし、損勘定株の早期損切りを勧め、また証券会社の推奨株への過信を戒めている。第二章では各論的に、順張り・逆張り・長期保有の各戦略の長所・短所をまとめ、株価転換点などの見極め方等を、チャートや各種株式指標を用いて伝授する。そして第三章では、「上手に儲け、上手に損を出す」と題して、各戦略共通に使える具体的戦術を横断的に紹介している。底割れ銘柄の売り抜け方や天井型の見極め方、チャートの「ダマシ」に引っかからない底値の見抜き方など、勉強になるワザが数多く紹介される。信用取引におけるカラ売り・カラ買い・つなぎ売りの極意は第四章で紹介される。

株式取引における基本は既知のものとして話が進むので、初心者には難しいだろう。最低でも週線やローソク足などといったチャート上での基本事項はマスターしておく必要がある。ただ、それだけに内容は濃く、非常に勉強になる。

株に対する氏のスタンスも良い。「株式は資産運用のために最適な商品であるとはいえない。メリットはあるがリスクが大き過ぎる」「(株をやることに)気が進まなければやらなくて何の支障もない。むしろ心が平らかでありつづけられる分、やらないほうがいいともいえる」という言葉は、長年実戦で鍛えられるなかで、数多くの人々が財産をなくし、時に自殺に至る姿を見続けてきた氏から出ただけに重い。身の丈に合った、楽しい投資を心がけたいものだ。▲2001.12.8/RT


もしも宮中晩餐会に招かれたら
渡辺誠・著 角川ONEテーマ21 ★★★

内堀通りをクルマで走っていると、その内側に広がる未知の世界・皇居に思いをはせてしまう。内側に広がる森の奥では一体どういう生活が繰り広げられているのか。一般市民にはおよそ縁のないその世界に憧れを感じたりもするが、実施にその世界から「お呼ばれ」されても戸惑うことだらけだろう。本書は、読者が「宮中晩餐会」に招待されたと仮定して、返事の出し方から服装、テーブルマナー、そして当日の晩餐会の様子に至るまでを「実用的」に解説する。

いわゆる「非日常本」と言えなくもないが、本書はその次元を超え、日本人が犯しやすいテーブルマナー上の誤りや、いわゆる国際儀礼(プロトコール)に関しても解説しており、タイトルが与える印象よりもずっと奥が深い内容だ。

私は仕事柄欧米人とのフォーマルな会食に参加する事が多く、その席に取引先の日本人も同席する事がしばしばある。テーブルマナーに関しては本も多く出版されている事から、皆さんナイフやフォークの使い方はお見事である。しかし、ナイフを変に使ったからといって相手に嫌な思いをさせる事はない。むしろ気をつけるべき事は、テーブルを囲む相手だけでなく周囲の雰囲気をも悪くする「音」に関するマナーだと思う。「スープを音を立てて飲まない」「パスタを焼きソバの様にすすって食べない」「噛む時にクチャクチャ音を立てない」等というマナーは、ナイフとフォークを優雅に使う人でさえ結構守られていない。

ナイフやフォークのマナーは「自分が恥をかかないためのマナー」であり、音を立てないというのは「相手に不快な思いをさせないためのマナー」である。日本人は前者のマナーにばかり重きを置いてきたような気がしてならない。「日本人は音を立てて食べるんだ。文句あるか」という人は、そもそも相手の気持ちを考える心に欠けている。相手への思いやりこそ、最高のテーブルマナーではないだろうか。その観点でのテーブルマナーがもっと広まってよい。▲2001.8.6/RT

 

「改訂 海外駐在員のための健康ハンドブック 市瀬晴夫・著 日経連出版部 ★★★

日経連が海外赴任を控えたビジネスマンのために発行している本。370ページの分量で、海外で気をつけなければならない病気や、生活・衛生上の注意事項を非常に詳しく解説している。

海外、特に熱帯地域に赴任する場合に注意すべき事、持参すべき医薬品などを読んでいると、かの地で奮闘されている多くの日本人ビジネスマンとその家族のご苦労が目にありありと浮かんでくる。

最近「自己責任」という言葉があちこちで用いられているが、ここには命をかけた本当の自己責任の世界がある。若者達の間では熱帯の未開地域を軽装で旅行するのがかなり流行っているが、ここまでの覚悟を抱いて旅立っているのだろうか。いざという時は親がなんとかしてくれるだろう、と考えている人も多いだろうし、実際になにか起きたら親は対応してくれるだろう。でも、肝炎で長期入院して苦しむのは自分である。コレラに罹りトイレで夜を明かすのを両親は代わってくれない。結構専門的で手応えのある本だが、そんな悲惨な状況を避けるために読んでおくのも悪く無い。▲2000.8.6/RT

 

首都高はなぜ渋滞するのか!?」 清水草一・著 三推社/講談社 ★★★

私は首都高速が好きだ。「首都高のない東京なんて宇都宮のでかいのだ」という著者の言葉にも共感してしまう(宇都宮の方ごめんなさい)。渋滞がなければもっともっと好きになるのだが、路上に設置された渋滞表示板を見ながら「うーむ、この様子ならレインボーブリッジを避けて箱崎から回った方がマシみたいだな」とか「おっ、今日は芝公園辺りスゴイな。ここからだとかなり遠回りだけど(環状線)逆周りから行こう」等と推理しながら走るのも結構好きだったりする。

本書はまず、首都高がなぜいつも渋滞するのかを豊富な図・写真を用いて解説している。C1の浜崎橋やC2の堀切、また放射線の環状線への合流部など、恒常的に渋滞している個所の問題点をよく抽出している。それらを踏まえて本書は種々の解決策を提示するのだが、これが「車線拡幅」などの堅実な案から、「C1(都心環状線)一方通行化」というスケールの大きい案までバラエティーに富んでおり楽しい。本書のメインの提言であろう「C1一方通行化」に関しては、具体的に必要となる工事内容にまで踏み込んでおり、著者の意気込みが伝わってくる。

著者の「C1一方通行化案」に対し、首都高速公団は一定の評価を見せながらも、「都心環状線を少なくとも一年間は全面通行止めにする必要がある」とし、現実的ではないとの態度を表している。私としても、やはり一方通行化には不便さを感じてしまう。しかし、現在の首都高の渋滞は小手先の工事でどうにかなるレベルではない。一方通行化などの大胆な案をもっと多く募り、21世紀の首都交通のあり方を考えるべきだろう。

首都高速に限らず、都市の構造物の多くはそろそろ耐用年数を迎えようとしている。どうせ改修にカネはかかるのだから、市民の手で都市基盤を再設計したいものだ。 ▲00.9.16/RT

 


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