第14話 世界の狭間で見れるもの(その3)
<さやかの心>
明るい世界にいて、晴れない何か
雲一つ無い空から差し込む日差し
昼休みのひととき。
明るい教室?気のしれた友人?
私はそこにいる。
友達との会話。
期末テストの状況。穏やかな駆け引き。
点数によるお互いの優劣。偏差値による上下関係の確認。
何のために?何のために駆け引きをするの?
偏差値70以上。それって頭良い?友達はみなそう。
みんなはそんなこと、どってことないよねって言う。
でも私はどう頑張っても70なんて行かない。
私は気付いている。友だちと共に進めない何かを。
行かなきゃいけない?私は友達より劣る存在?
誰かが誰かに負けた理由。敗者の弁。
勉強していないから、、、
勝者の弁も同じ。
あなたが彼女に負けた理由は勉強しなかったから?勉強してたら必ず勝った?
私は絶えず負けている。友達は私に負けるのは屈辱に思う。彼女達の支えは私より上にいること。
確かにここは進学校で、私も含め彼女たちも成績というものが生きている証。存在意義。
人としての優劣は数字で決まる。成績が出来る子が優れていて、出来ない子が優れていない。
馬鹿…
進学塾。ここよりレベルの低い学校の人達。大勢いる。
知識について明らかにレベルの低い会話。
芸能界、テレビドラマ、、、
そんなの全部見てたら成績あがんないよ。
でも彼ら達の言い訳。勉強してないから、、、
私は一人部屋にいる。カードで未来を占う。
私の占いは当たる。将来へのインスピレーションは優れている。
そこでの私は他者よりも優れている、、、はず。
偏差値70以上の彼女たちに無い優越感。
彼女たちの言い訳は通用しない能力。
なぜ私は教室にいないの?
学校の裏で見る私の死体。葬り去った私の一部。
なぜ彼女は蘇る?
私の中に戻りたがっているもう一人の私。
彼女は私に必要?
私は友達と同じ世界で争い続けなくてはいけない?
争って優劣を決めなくてはいけない?
私にとって占いは不必要なもの?
成績が優れていても孤独は無くならない。
成績が劣っていても孤独は無くならない。
どこかで幼い私の声が聞こえる。
私はいつから孤独なのかしら?
友だちは孤独ではないのかしら?
どんな時でも一緒にいるから?
一緒にいないと、付き合い悪いって言われちゃうしね。
孤独は辛いよ。
みずきはさやかに近づくと、そっとさやかの手に触れた。
さやかはとても悲しい顔をしていた。とても真剣な顔をしていた。
みずきはさやかに話し掛けようとしたが声が出なかった。
(学校に行こうよ)
誰かがそう言った。
それは、みずきの声なのか、さやかの声なのか分からない。
さやかはみずきの方を向いて微笑んだ。
さやかの顔を見たみずきは無意識に微笑み返した。
みずきの体は自然と温かくなり、鼓動が高まった。
さやかはみずき手をすっと外すと、何も言わずに消えてしまった。