19. オフ 

2000.7.9

オフ

    電話でもない
    手紙でもない
    Eメールでもない
    
    きっかけはそうだった
    そういうものを交わし合っていた
    文字で語り
    写真を見せ
    声を聞かせ

    そこに現実感はあった
    しかし実際に会う事での現実感はまた違う

    だから会う約束をする

    駅を降り、通りを抜け、大きな建物に入り、
    約束の場所へ

    約束の場所は小さな部屋だった
    相手はそこでせっせとメールを書いていた

    相手は小さな箱だった
    小さなコンピュータの箱
    低くモータが唸るような音のわきで
    ディスプレイが文字を吐き出していく

    「やあ、はじめまして」
    ぼくが相手に挨拶をした
    相手はピッと赤いランプを光らせ、挨拶を返した
    
    
    
    

      


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