飼い主が敗北を認め、ブレイズともどもホームズが外に連れ出された頃、ドッグランでの1次会はお開きとなり、2次会の会場への大移動が始まった。
(後編へと続く)
うららかな日和の中、ドッグランで元気に走り回る(逃げ回っているのもいる。ホームズとか…)犬たちを眺めながらサナっちさん支給の肉まんをパクつき、これまたサナっちさん支給のコーヒーを飲む。幸せってこんな身近にあるのね、などと悦に浸りながらもふとおもしろいことに気がついた。
いくらやんちゃ坊主とはいえLittle wonder一門の中では小柄な部類に入るホームズ、男の子たちの迫力にはどうしたって負けてしまう。そこで男性陣の「遊ぼ〜♪」攻撃をかわしつつ、自分より小柄なペロナちゃんやコラッタちゃんを相手にしようと画策している。う〜ん、なんて卒がない奴。ホームズは実にこういうところだけは良く知恵が働く。
ドッグランの囲いの横には備え付けの長テーブルと椅子がある(かわいいログハウスもある)。そこでコーヒーを飲んでいるとお呼びがかかった。どうやらブレイズがランの外に出たがってフェンスの下に顔を突っ込んでいるらしい。
行ってみるとフェンスと地面の僅かな隙間から逃げ出そうと、顔を無理矢理ねじこんでいる(無理だっちゅ〜に)。
実は遡ること少し前にも、ホームズが隣のテニスコートへ行こうとネットの網目に顔を突っ込んでいるのを注意したばかりだった。こういうくだらない発想は、自宅の2階に転落防止用に張ったフェンス&ネットをくぐろうと日々精進してきた我が家の犬たちしか考えつかないんだろうな〜などと思いつつブレイズを外へ出してやろうとする。
が、そういうことになると「私も私も〜」と主張するホームズのド根性を忘れていた。ブレイズが出るなら自分もとばかりに、ブレイズを押しのけて外に出ようとする。それを押し戻してブレイズだけを出してやる。別に贔屓しているわけではない。私がドッグランの中にいた時すでにブレイズは抱っこして欲しそうな顔でこちらを見上げていたから、もう完全に電池切れだなと判断しただけである。ホームズはブレイズよりも体力があるので、もう少し中で遊ばせておこうと考えたまで。
だが置いてきぼりに焦ったホームズは、ブレイズの真似をしてフェンスの隙間に顔を思い切り突っ込んだ。そして挟まった。
なんとも上手い具合にスッポリ隙間に頭が入ってしまい、フェンスの扉を手前に引くと手前に、後ろに押すと後ろに身体が移動する。これを一般的には抜けなくなっちゃった状態というのでは…?!と、今度はこちらに焦る番だった。
結局しばし奮闘ののち、どうにか抜け出すことができたホームズだったが、頭がもげたらどうしようとマジメに心配してしまった(←くだらないことをよく悩むタイプ)
「ここだ〜♪」が「こ、ここ??」にトーンダウンしかけた頃、ようやくその奥に本物のドッグランを発見。緑のネットに囲まれたそこは、かなりの広さがあった。サナっちさんと「おお〜っ」と歓声をあげるも、ちょっと待て、さらに中に見たことのあるネットが地面に伏せるように置かれていた。確かテニスコートが併設されているって書いてあったっけ…
テニスコートのせいで見落とされていた正真正銘のドッグランは、その手前にこじんまりとあった。
確かに想像していたよりは小さいといえば小さい。が、ここはあくまでも企業ものではなく私設(もともとオーナーさんがご自分の愛犬のために作られたらしい)である。それにイタグレが12頭走り回れるだけの広さは十二分にあった(ゴールデン12頭じゃなくて良かったというのが、おおかたの見解だが)。
バテて休憩中のマンガン電池姉妹。
「わ〜い♪女の子や〜♪」と到着したばかりのシェリーちゃん(中央に埋もれてる)に群がる男軍団。
VOC兄ちゃんに脳天空手チョップ。
「きゃ〜、何?何なの?!」と、まだ慣れていないビビり気味のサナちゃん。
最初の打撃から立ち直ると、今度は見れば見るほど憧憬の念がこみ上げてくる。年末ジャンボが当たったら土地を買って我が家もこんなの作りたい!などと白昼夢を見たのはきっと私だけではないはず…
やがて開始時間とともにイタグレたちが集合してきた。
再会の喜びに興奮する子、初顔合わせにちょっとビビる子と、ご対面の反応はまちまち。我が家の犬たちは…ブレイズは喜びのあまり降参ポーズ、ホームズはビビって降参ポーズ。
身体の大きさもあるだろうが、総体的には男の子たちのほうが活発で度胸も良い。わけてもエースパパは堂々としていて、他の男の子たちも一目置いている感じだ。一番立派な体格もさることながら、本日参加のイタグレたち、エースくんを除く11頭中、じつに9頭のパパなのだからさもありなん。
で門外不出となった)。
そこで今回はLittle Wonder家の子たちはもとより、東の元締めYOKOさんとは犬親戚でもある我らが西の元締めYAG'E家の、千葉近郊在住の子たちにも招待状を出して盛大に楽しもうということになった。
そして企画段階で心配だった参加人数も、年末の忙しい時期にもかかわらず多くのかたがたより快いお返事をいただき、人間17名、イタグレ12頭と実に有り難い数字となった。
会場となったドッグランは私設のもので、場所がちょっと分かりづらい。ナビで探しながら行くと、ついに看板発見!
「ここだ〜♪」とばかりに未舗装の小さな横道に入っていくと、やがて車のフロントガラス越しに開けた土地…と停車中の数台の重機。なんか工事現場っぽい気が…。
大阪出身の孔明くん。ブレイズやホームズとはいとこの間柄。
エースパパに普段の強気はどこへやら、速攻降参ポーズのホームズ。
12月23日。とうとう待ちに待ったその日がやってきた!
この日はブレイズ、金太郎丸くん、シェリーちゃん、トレちゃん4兄妹の誕生日であり、恒例でクリスマス会を兼ねたお誕生会が催される。
当日、日頃の行いの良さ(誰の?)を証明するかのように前日までの悪天候が一転、穏やかな小春日和と相成った。寒さの嫌いなイタグレ軍団。ましてや今回はドッグランでの第一部が企画されていたので天候には最後まで気を揉まされた。
出かける仕度をしていると、早々に気配を嗅ぎつけたブレイズとホームズが浮かれ出す。
いつもはとっくに毛布に潜りこんで冬眠中の時間帯にもかかわらず、ハイテンションで人の行く先々にまでぴったりマークでついてくる。出発までにはまだまだ時間があるし、いざ本番で電池切れを起こしかねないと少々心配になるほど。
そして迎えに来てくださったサナっちさんの車の中は例によって無法地帯と化し、今回はわざわざサナっちさんが用意してくださったコーヒー入りポットをひっくり返す(ヒクヒク…)
親元であるLittle Wonder家2度目の出産で産まれたB胎のブレイズも今年で3歳になる。
最初はブレイズ四兄妹の飼い主だけだった犬親戚の交流も、今ではF胎まで兄妹が増えたおかげで幅が広がった(ちなみにA胎はホームズ&サナちゃんの母であるアリアママだけだったの