
ワトスンが天に召されて早半年が過ぎた頃、我が家に新しい家族が
増える事となった。
その名は『アッシュ』。
我が家の犬たちはワトスン以降、シャーロック・ホームズに関連した名前が
代々ついているが、アッシュに関してはデビット・ボウイの曲から拝借して
いる。
では、ここで問題です。
LITTLE WONDER & YAG'E一門の中で、無類のデビット・ボウイ好き
といったら、さて誰でしょう?
ヒントは『ジギー』。
ブレイズの母である彼女の名前も、デビット・ボウイの曲からきている。
さらに最大のヒントは『ボウイ』。
ホームズと同じ釜の飯(同じ食器の離乳食ともいう)を食った異母兄
であり、ニーニの異父兄でもあるこの御仁の名前の由来は
「♪鏡の中のマリオネ〜ット♪」と歌っていたボウイにあらず。
「♪レッツ ダンス♪」と歌っていた、あのボウイである。
そうした名前の由来から推察できるように、実はアッシュは
次代の母犬候補として本家を継ぐ予定だった子である。
だが当時、諸事情でそれが難しい状況になっていた。
そして悪魔が揉み手をしながら、私の耳元で囁いた。
「うちで預かるってのはどうですかね〜」
アッシュはバッジオ父の子なので、かかってしまうと困る。
で、もともとヒートの最中は我が家で預かる的な話は出ていた。
つまり、その在籍比率が変わるだけのこと。
本籍がY家で住民票が我が家、みたいな?
そんなまどろっこしいことをしているくらいなら、いっそ素直にうちの子に
してしまえばいいじゃんという話ではあるが、実家にパラサイトの私は
「これ以上は増やすな」と父から釘を刺されていたりする。
「飼っていい?」と「預かっていい?」では実質は同じもののニュアンス的に
差があろう。
てなわけで舌先三寸でうまくオヤジを丸め込み、晴れてアッシュを迎える
こととなった。
そして某月某日。
初めてご対面したアッシュはデカかった…。
ニーニがミニマムサイズだったので尚更という感じではあるが
それにしても感動するぐらい脚がぶっとい。
ニーニをゴボウに例えると、アッシュはニンジンくらいの太さか?
生後2ヶ月にして、ホームズと同じ太さ…
いや、下手をするとホームズよりも若干太い。
イタグレを飼う上で、常に付きまとう「骨折」という恐怖の二文字。
そんな心配を笑い飛ばすかのような、惚れ惚れするほどの太さ。
イタグレの仔犬は華奢という概念すら、一瞬にして吹き飛ばす。
そして太いのは、四肢だけではなかった。
神経も輪をかけて太かった……。
犬たちの寝床&たむろする場と化している私のベッドは(もはや六畳の
犬小屋に飼い主が同居しているようなもの)、床から20cmほどの高さ。
我が家に到着して数日後、そこを仔犬が自由に乗り降りするようになると
初の「う〜ん、ちょっと成長したな〜」気分を味わう。
でもアッシュは到着したその日から乗り降りしてるしー。
なんか初日からイケイケだしー。
ニーニの時はブレ&ホーコンビがタッグを組んで敬遠してしまい、
なんとか受け入れてもらえるまでには一週間ほどかかった。
その間ニーニはブレ&ホーたちにものすごく気を遣い、遠慮していたものだ。
さすがのワトスンが、見かねてニーニとのツーショットを許したくらい。
特にホームズはオフ会などでの外面は良いものの、家では女王様。
飼い主に対してはものすごくいい子に振る舞うのに、犬同士では容赦がない。
だが……
強いぞアッシュ!
いけいけアッシュ!
頭もデガいが面の皮も厚いぞアッシュ!
女王様の逆鱗をものともせず、「お邪魔しま〜す」てなもんで、
ガンガン敵の懐に切り込んでいく。
Yさんいわく「アッシュはちゃんとお腹見せることを知ってるから」
たしかに、でんぐり返って腹は見せる。
でも、とても降参してるようには見えないんですけど…。
「まあまあ、そうケチくさいこと言わずに〜。いいじゃん
いいじゃ〜ん」
みたいな感じ?
マリちゃんベビーは最強との噂は聞いていたが、まさに無敵。
そういえば「アッシュ」は「灰色」の意味だけど、
「灰色の脳細胞」といったらエルキュール・ポアロ。
シャーロック・ホームズと並び賞される名探偵である。
ちなみに「エルキュール」とは「ヘラクレス」のフランス語読みらしい。
それって、まさにアッシュのことじゃん! みたいな?
ホームズとポアロ(アッシュ)……うーん、相性悪そう (^
^;
当初、アッシュは我が家と本家を定期的に行き来させ
どちらの家にも馴染むようにしておくつもりだった。
てなわけで、我が家に来てから1週間ほどが経った頃
アッシュ第1回目のお里帰り。
チビっこ怪獣がいなくなった我が家に平穏な空気が漂う。
でも、まったりと平和を謳歌している犬たちに反して
私的には、なんかちょっと寂しいような…。
1週間も寝起きを共にすれば、情も移るってもので。
居たら居たで気が休まらないんだけど (^
^;
それから何日かが過ぎ、アッシュの我が家への再合宿はいつ頃に
なりそうかとYさんに尋ねてみると、実家で妹(のちのアリちゃん)と
楽しそうにしているので、当分はこのままにしておこうかと思うとの
お返事。
ちょっとガッカリ…。
でもまあ、おヒートの時には我が家に合宿しに来ることになるはず
だから、その時を楽しみにしよーっと。
と思った翌日。
「アッシュ明日連れてくから」とYさん。
なんでも妹のアリちゃんをどつき倒し、Y家総取締役の逆鱗に
触れたらしい (^ ^;
我が家で野放し状態の日々を送ってパワーアップしたアッシュが、
体格の劣るアリちゃん(名前の由来も小さいという意味で
蟻んこのアリちゃんだし)にどう接したかは想像に難くない。
アッシュ自身は楽しく遊んでいるつもりでも、人間から見れば
苛めているようにも見えてしまう。
実際、苛めてたかも知れないし…(^ ^;
てなわけで、あっけなくアッシュ返品(笑)
この時点では、アリちゃんはまだ外に出す予定の子だったので、
アリちゃんの新しい飼い主さんが決まるまで、こりゃ里帰りは無理
だなと思っていた矢先ーー。
アリちゃん無茶なダイブが祟って両足を負傷……。
結局アリちゃんは正式に本家の子となり、その後アッシュは
二度と本家の敷居をまたぐことはなかったという(笑)
ブレイズ、ホームズ、ニーニと、仔犬時代はフード食いが悪く
食べさせることに苦労した。
しかしアッシュに関しては、そんな苦労は微塵もなかった。
仔犬に「メシはまだかい?」と、ご飯の催促をされたのは初めてである。
もう「ブラボ〜〜〜〜!!」のひとことに尽きる。
むしろ『オーバーサイズ&デブ 要注意』のお達しをYさんから賜るほど
がっついている。
適量的にも、またふやかした仔犬フード的にも、当然食べ終わるのは
他の犬たちよりも早い。
おいおい、フード吸い込んじゃってるよ…てな速さである。
そして恐れ多くも、あわよくばお姉さまがたのご相伴に預かろうとする。
ここで第一のターゲットにされるのは、食べるのがトロいニーニ。
おいおい、ニーニのご飯ぶん取っちゃってるよ…てなもんである。
ニーニのほうがアッシュの気迫に押されて持ち場を放棄。
なにゆえ私は、成犬のご飯を奪われないように仔犬を牽制せねば
ならないのか?
フツー逆だろう…。
私的には、食べたいだけ食べさせてウイペットサイズにまで育て
あげるのも非常に興味があったのだが、そうなるとチビ助ニーニが
怪我をさせられる危険性大なのでやめておいた。
お散歩デビュー前の仔犬にとって、いちばん嫌な時間は
姉ちゃんたちのお散歩タイムだろう。
自分だけが寂しく置いてきぼりにされるのだから。
嫌がらせも兼ねているかどうかは分からないものの、
散歩から帰ってくると部屋の中はたいてい惨状と化している。
とりわけ恐ろしかったのは、やはり幼少時ホームズの
「ウンチでプラネタリウムを作ってみよう!」だろう。
ウンチを部屋中に星座のごとくばら撒き、なすりつけ……。
それが連日続いた(しくしく)。
当然今回も覚悟はしていたのだが、アッシュに関しては
部屋のドアを開けると同時に私の泣きが入ることは1度もなかった。
アッシュ、えらい!おりこうさん!
すでにニーニ幼少時のタスマニアデビル仕様をも軽く凌駕し
立派なグリズリーとして成長しつつあったアッシュだが、この点では
賞賛に値する。
そんなアッシュにも、いよいよお散歩デビューの日がやってきた。
どうせビビって歩かないだろうからと、単品で外に連れ出してみる。
案の定、玄関を出た瞬間に狛犬と化した。
まさに、井の中のアッシュ大海を知る、の図である。
近場をぐるっと1周してきたが、その間にアッシュが歩いたのは
5歩くらい(笑)
あとはずっとブルブル震えながら抱っこされていた。
翌日は10歩くらい。
お〜エライねアッシュ、5歩も増えたよ〜、みたいな。
それでも、4日もすると次第に本領を発揮してくる。
散歩がどんどん楽しくなり、
今度は家に入らねーよ、てなもんである。
まあ、お約束のパターンですね。
ご近所に、メイちゃんという、とっても可愛い
ウエスティがいる。
ブレイズはメイちゃんが大好きで、会うとペロチュー攻撃の嵐。
ホームズやニーニも、メイちゃんとは大の仲良し。
この麗しくも和やかな関係に、よもやヒビが入ろうとは…。
原因は、もちろんアッシュ。
メイちゃんとのご対面に感極まったアッシュは、
挨拶代わりに前脚でメイちゃんの顔面を殴打…。
一人っ子で犬同士のサバイバル生活を知らない
メイちゃんは、以後、散歩で会ってもアッシュから視線を
逸らし、さりげなくママの後ろに行ってしまう。
他のイタチームとは遊びたい気持ちはあるものの
アッシュが怖くて行かれませんの、はないちもんめ状態。
メイちゃん、アッシュが大人になるまで、もうちょっと
待っててね (^ ^;
年齢的にも落ち着いてしまった上層部(ブレ&ホー
ともいう)は、アッシュの面倒を見ようとしない。
必然的に、まだイケイケ年齢で中間管理職のニーニが
アッシュの世話係となる。
最初のうちはアッシュもそれなりに小さかったので良かった。
だが、次第に同等の大きさになり、挙げ句には自分よりデカくなっても
まだ仔犬という理不尽さ。
その昔、小学校の国語の教科書に載っていた、上野動物園で
寅の子を育てたという犬の話を思い出す。
アッシュが来るまでは「極悪」の名を欲しいままにしていたニーニが
借りてきた猫のようにすっかり大人しくなってしまった。
というより、なんかオドオドした犬になりさがっちまったんですけど…。
これがほんとの負け犬 (^ ^;
で、Y家に続き、我が家でも母から「ニーニいい子、アッシュはワル」
のレッテルを貼られることに。
ニーニのあとをくっついて歩くアッシュの様子に、「アッシュはニーニを
保護者に定めたんだね」と称したYさん。
その微笑ましいセリフを「アッシュはニーニをオモチャに定めたんだね」
に変更することにした。
ガタイが良く、オッさん顔のアッシュ。
4頭を並べて「この中に仔犬が1頭います。さてどの子
でしょう?」と問えば、誰もがニーニを指差すだろう。
「今度うちに仔犬が増えたんです〜」と前宣伝しておいた
顔見知りの人たちにも、「どの子が仔犬?」と聞かれる始末。
ブレイズ、ホームズ、ニーニを知っているにもかかわらず、
一瞬迷うらしい。
LITTLE WONDER & YAG'Eオフ会デビューの時にも、
最後の最後で「えーっ!アッシュって女の子だったの!?」と
どよめきがあがったし(笑)
そんなアッシュに、父親詐称疑惑が発覚。
ご近所に、タイ・リッジバック・ドッグのシュワちゃんという
男の子がいて、顔といい色といい、笑えるほどウリ似。
犬に詳しくない人に「親子で〜す」と言ったら、まぢに
信じてしまいそうなほど。
アッシュワに改名しようかな(笑)
生意気盛りのアッシュがブレイズを挑発して吠え合いに
なると、決まってニーニが間に割って入る。
チビで非力な己を知っているニーニは実際に2頭の間に入る
わけではなく「やめてやめてー!」と言わんばかりに、
実にもの悲しい声で「キュオーンキュオーン!」と必死に
鳴くのである。
その声があまりにも可愛くて、すぐには仲裁に入らず、
つい聞き入ってしまう血も涙もない飼い主だったりする。
そんな様子を、最初は高みの見物していたホームズだったが
近頃ではニーニが鳴き出すと、遠吠えで輪唱している。
すると、つられてブレイズまでもが遠吠え。
なかなかおもしろい光景だが、けっこう近所迷惑かも。
女王様ホームズは、自分が他の犬の上に乗ったり
添い寝をするのはノープロブレムだが、他の犬にそれを
されると怒り狂う。
かろうじてブレイズが添い寝をしてくるのを許すくらい。
少しくらい怒られてもアッシュが平気のへーでしつこいため、
輪をかけて神経質になった。
自分が寝ている横をアッシュが通り過ぎた気配にすら
怒っている。
そんなわけで一時は寝ているホームズに誰も近寄れなくなり
2個並べた犬用ベッドの大にホームズがのうのうと寝て
小に3頭がぎちぎちに詰まって寝ていたりする。
狭いながらも楽しい我が部屋は、ワトスンの遺品をすべて
保管しておくほどスペースに余裕がない。
てなわけで胴輪とリードを処分しようと思ったのだが、
やはり思いきりよくは捨てられない。
で、なんとなく棚の上に置きっぱなしになっていたのを、
アッシュが見つけて引っ張りおろした。
最初は叱って棚に戻していたのだが、ボロボロになってしまえば
潔く捨てられると思いたった。
そこでアッシュのオモチャとして進呈する。
革でできた胴輪のほうは、噛めば噛むほど味がある…かどうかは
分からないが、すぐにボロボロにされてしまった。
だがリードのほうは中型犬用のけっこうしっかりしたものなので
今でもアッシュお気に入りのカミカミグッズとして愛用されている。
余談ではあるが、ワトスンが死んだあと、狂犬病の予防接種の
ハガキが送られてくるのが嫌だったので、登録抹消の手続をした。
この手続は実際に役所に出向いていかないとできない(他人の
嫌がらせ行為を避けるためとか色々あるらしい)ので、はるばる
二駅先の区役所まで出向いて行った。
この時に登録の鑑札を返却するのだが、受付に提出した鑑札の
登録年月日が2年前になっていた。
へ??? てなもんである。
15年半生きたワトスンの登録が2年前であるはずがない。
対応してくれた職員さんが親切で、念のためにと調べてくれたが
やはり2年前のもの。
おいおい、こりゃニーニの鑑札だよ。
危うくニーニの死亡届を出してしまうところだった……。
この鑑札だけ別の封筒に入れて保管してあり、なおかつ表面に
細かい傷が付いていたので、てっきりワトスンのだと思い込んで
しまったのだ。
だって毎年発行される、例の色付き鑑札はきれいなまま封筒に
入っているのに、同じ条件でしまってあった未使用の登録鑑札に
傷が幾つも付いているなんて思わなかったんだもん (^
^;
これって材質の違いとかあるのだろうか??
たった1枚の鑑札のために、また往復するのか〜とげんなりして
いると、『遺品として保管』でも大丈夫だと教えてもらった。
そのとき職員さんに「もう1頭飼っているんですか?」と尋ねられ
小さな声で「いえ…あと3頭ほど……」と答えると、職員さんに笑顔で
「また間違えるといけませんからね、裏にマジックで名前書いておいた
ほうがいいですよ」とアドバイスされ、ただもう愛想笑いを浮かべて
「はい」と答えるしかなかった。
ちゃんと確認しなかったがために、とんだ赤っ恥である。
ふと見れば、アッシュの首のホワイト部分がドット柄。
おいおい、マリちゃんはお前をダルメシアンに生んだ覚えはないぞ〜。
最初、そのドット柄が紫色に見えたので、母が愛飲しているブルーベリー
ジュースでも飛んだのだと思った。
だが母はブルーベリージュースを飲んでいないという。
じゃあ何これ? と目を近づけてよく見てみれば……。
血しぶきだよ……(^ ^;
けっこう焦って4頭を検品した結果、アッシュの耳がちょびっと欠けていた。
どこかに引っ掛けて切ったらしい。
ああ〜他所様のお嬢様をキズものにしてしまった〜
などと思いつつも、さりげに動物病院の診察券はうちの名字になって
いたりする(笑)
ニーニに引き続き、アッシュがフン食犬になってしまった(ちなみにニーニの
フン食は今はおさまっている…たぶん)。
しかも食べ方が汚い。
そもそもが汚いものを食しているのだから、きれいな食べ方もへったくれも
ないが、ばらんばらんに食い散らかしたものが蟻の行列のようになっている。
怒られるのは分かっているので見ている時はやらなくなったが、人の目がない
ところでは今現在も続いていて悩みのタネである。
他の犬がウンチをしようとすると、おシリの前で口を開けて待って
いたりもする。
ただ、なぜか自分のウンチだけは食べない。
同じくフン食犬のソルちゃんは自分のも食べてしまうので、自分のを
食べないアッシュのほうが頭がいいのでは?とサナっちさんから
お褒めの言葉をいただいたものの、こういうのを目くそ鼻くそって
言うんだろうなー。
ニーニがグレた。
アッシュが来てから、すっかり悪さがナリを潜め(生気を吸い取られ
たともいう)、「お利口さんになった」と母から好評価を賜っていた
ニーニだったが、大人しくストーブにあたっているアッシュを挑発
するのである。
そのさまは、まさにピンポンダッシュ。
いまや体格も馬力も勝っているアッシュに挑んでも、どうせ負けるのがオチ。
寝た子を起こすような真似はやめればいいのにと思うのだが。
ここのところ、ようやく少し落ち着きを見せ始めたアッシュに対して、
今がチャンスとばかり上位を誇示したいのか、それとも単に遊びに誘っている
だけなのか。
どうでもいいけど、日付も変わろうという夜中の大運動会はやめて欲しい。
ニーニよ、己を知れ!
アッシュは耳掃除も歯磨きも嫌がらない。
それは偉いと思うのだが、綿棒やら歯ブラシを欲しがってじっとしていない
ので、結局は嫌がる子と何ら変わらず、まともにできなかったりする (^
^;
生後8ヵ月になろうかという今日この頃、ようやく乳歯が上の犬歯1本
だけになった。
二枚歯になっていると永久歯の歯並びもさることながら、食べカスが
隙間に詰まってしまうのが気になる。
楊枝でチッチッとこそぎたいところだが、そんなことを大人しく
やらせるようなアッシュではない。
そこで「アッちゃんのこの歯は、いつ抜けてくれるのかね〜」などと
しみじみ口調で話し掛けながら、何げなく最後に残った乳歯を
指で軽く押した(つもりだった)。
するとベシッと音がして、次の瞬間には乳歯が取れていた。
口の中に血の味が広がったことで驚いたのか、ハトが豆鉄砲
くらったような顔したアッシュだったが、「キャン」とも鳴かなかった
ところを見ると、べつにそれほど痛い思いはしなかったらしい。
そろそろ抜け頃って感じ?
でもたぶん、この瞬間、私も同じくらい豆鉄砲くらったような顔に
なっていたことだろう。
とりあえずアッシュの頭を撫でくり回しながら
「アッシュ〜歯が抜けたよ〜。良かったぢゃ〜ん。すっきりしたね〜」
などとその場をごまかす。
これってやっぱり、第2の『歯をへし折った人』という異名を頂戴
することになるのだろうか……。
18禁画像?
アッシュズ ブート キャンプ
マッチョベビー アッシュ↑とミニマムベビー ニーニ↓
ちなみに、同じ月齢の頃のニーニ