ブレイズ、ホームズ、ニーニと、まるでお約束のように幼少時代においてフードで悩まされた日々を経験してきたわけだが、ワトスンに関しては例外で、何でも食べてくれる良い子であった。

が、やっぱりお約束はお約束だったらしい (^ ^;

齢15歳にして、15年分のタメを一気に放出するかのようにやらかしてくれた。

そもそもの事の起こりは、フィラリア予防薬の血液検査だった。
その時ついでに健康チェックもしてもらうのだが、腎臓の調子だいぶ悪化しているとのこと。
てなわけで、それまでは腎臓サポート+ヒルズのシニア+風味付けにお湯でふやかしたジャーキー少々だったワトスンの食事は、今後、腎臓サポート単品ということになってしまった。
しかも、追い打ちを掛けるかのように病院の先生の口から衝撃の事実が。
「ワトスン、栄養失調なんだけど・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(^ ^B 滝汗

そういえば最近、背中の骨がゴツゴツしてきたな〜とは感じていたが、それは老齢によるものばかりと思っていたのだ。
ワトスンはアンダーコートがものすごく密なので(要するに毛深い)、あまり痩せたという印象がなかったのが発見を遅らせることとなった原因でもある。たぶん・・・。
しかもそれなりの量を毎日きちんと食べていたわけで、そもそも栄養失調などという単語自体、想像だに及ばないところだろう。
原因はたぶん、腎臓サポートやシニアのようなタンパク質やカロリーを抑えたフードと、身体の代謝機能を活発化させる甲状腺の薬とのギャップ(←そう原因を聞いたような気もするが、記憶が曖昧なので仮定形)

だが、ここで問題なのはワトスンの腎臓機能が悪化していること。
栄養失調を改善するだけなら高カロリーのものを食べさせれば良いわけで、たいした手間ではないだろう。
しかし腎臓病においてタンパク質、カリウム、リン酸などの成分は御法度。なるべく値を低く抑えなければならない。
とりあえず、この日からワトスンの食事は少し量を増やして腎臓サポート オンリーを決行する。
が、この時点で私が最初の過ちを犯す。
腎臓サポート単品の食事に切り替えるにしても、他のものを徐々に減らして移行させていけば良いものを、腎機能悪化にビビるあまり、いきなり単品に切り替えてしまったのだ。
結果、「おいしくな〜い。食べたくな〜い ‐ ‐ #)」と食の進まぬワトスン。

そこへ、さらに追い打ちを掛けた人物がいた。
誰あろう父である。
飲み物を取りに階下へ降りていき、ふと見れば空になったヨーグルトのカップ。
余計なものは与えちゃいかんと病院で言い渡された日にこのザマだよ〜
まあ、そのことをまだ父に伝えてはいなかったとの譲歩はできる。
が、そもそもワトスンは最近ヨーグルトを食べると下痢をするから与えるなと、前に言い渡してあるだろうが! (‐△‐#
案の定、11時過ぎになって腹具合の悪くなるワトスン (‐ ‐;
以前は下痢など滅多にしたことのないワトスンだったが、この頃ではこういったことがけっこう多くなってきてしまった。

明けて翌日。
下痢止めが功を奏し、便は少々緩いものの、ひとまずお腹ピーは止まっている。
しかしその夜、またしてもピー (T▽T)
ワトスンにビッグウエーブが襲ってくるのは決まって夜の11時以降なので、この日も深夜1時頃になって外に連れ出す。
家のトイレ(←ワトスン専用のがある)でしてくれたらすんごく楽なのに、ワトスンは外じゃないと大を足せないから困りものである(小はかろうじて足せる)。
しかも今日は用心して、食後に下痢止め飲ませておいたというのに〜(しくしく)

さらに翌日。
さすがに二日も下痢が続いたので、ひとまず絶食させる。

そして翌日、腎臓サポート単品にしてから半分くらいご飯を残していたワトスンだったが、この日はひと口も食べなくなってしまった。
YOKOさんに相談すると、「食べないよりは食べた方がいいから、このさい肉でもなんでも食べさせて」とのアドバイスを賜り、ジャーキー少々をお湯に浸して(煮干のダシ状態)フードの上からかける。
匂いを嗅ぎ、上のジャーキーだけを食べるワトスン。
それではと、今度はお湯浸しジャーキーをフードと混ぜ混ぜする。
するとフードは選り分けて器の外に出し、ジャーキーだけを食べるワトスン (^ ^# ちょっとこめかみピクピク
かくなる上はと、ジャーキーをめちゃめちゃ細かくちぎって、再度混ぜ混ぜ。
が、匂いを嗅いだだけでそっぽを向かれてしまった・・・・。
そしてこの日以来、ワトスンと私の二人三脚(?)による迷走が始まったのだった。

翌日、2日間ほとんど食べていないので、脱水症状対策と栄養補給のため、病院にて点滴を打ってもらう。
食事タイム、相変わらずジャーキーだけを選り分けて食するワトスン。
ならばと、ご飯(白米)を混ぜ混ぜしてみる。
匂いを嗅いで少しだけ口をつけるが、すぐにそっぽを向く。
しかし食欲がないわけではないらしく、目から「お腹空いた」光線を発している (^ ^;

これもYOKOさんにアドバイスされたことだが、無塩バターはタンパク質が極端に少ないうえにカロリーと脂質が高い(もともと油脂だから)ので、ワトスンのように腎臓に問題があって、かつカロリーを摂らなければならない場合には適役。
そこで早速買いに行ったものの、相変わらず応用の利かない私はバターの陳列コーナーを前にしてふと悩む。
棚には「無塩バター」と「食塩不使用」のバターとが並んでいる。
なんじゃこりゃ? 食塩不使用=無塩てこと?? みたいな・・・・(^ ^;
そして某メーカーの「無塩バター」が600円弱で、某メーカーの「食塩不使用バター」が300円弱。値段が倍ほど違う。
私的には300円弱のほうに手を伸ばしたいわけだが・・・・。
だがしかし万が一にもこれでワトスンが昇天してしまった場合に「ああ、あの時300円ケチらなければ良かった」などと、そんなみみっちい後悔をお前はしたいのか? と自分に問うてみる。
そりゃしたくないだろ〜 (^ ^;
なわけで、わずかばかり逡巡の末、結局は600円弱の「無塩バター」を買い物籠に入れたのであった。

こうして断腸の思いで手を伸ばした高級(?)バターを今こそ使う時ではないか!
でもバター=脂なわけで、いきなり与え過ぎるとお腹ピーになりそうなイメージがある。
で、ほんのちょこっとだけ・・・・。
量的には耳掻き3杯ぶんほどと、あまり意味を為さない気もするが、なにしろ二日連続でお腹ピーの夜中ウンチツアーに行かされているため、私的にはかなりビビり状態なわけである。

匂いを嗅ぎ、わずかばかり上澄みを舐めたのち、そっぽを向くワトスン。
むううう〜〜 (‐ ‐;
さらに少しジャーキーを追加。
またしてもジャーキーだけを選り分けて食べ、そっぽを向くワトスン。
下痢が続いたあとでまたお腹ピーがぶり返しても困るし、少しは食べたことだし・・・・。
そう自分を納得させ、まあ、とどのつまりは玉砕。

翌日、再び点滴を打ちに動物病院へ(しくしく)
ここで院長先生から、ワトスンと同じくやはり腎臓病の犬で治療食を食べないため、飼いさんがサツマイモを主食にしているという金言を賜った。
早速、近所の農協にサツマイモを買いにいく。
そしてヤキイモが一番甘味がでそうな気がしたので、ホイルで包んで網で焼く。
ちなみに実際そんな気がしただけで、本当は茹でるのが正解。カリウムが水溶性なので。
焼きあがったサツマイモをほぐし、ふやかした腎臓サポートと混ぜ混ぜして出すと、ワトスンお見事完食。

よっしゃ〜〜〜〜〜〜!! \(^▽^)/

だが、さらなる試練が待ち構えていたことに、この時は気づく由もない・・・・。

                                                 (中編へ続く)