お気に入りの一枚
ニーニ、あんたそれじゃ通行人おちょくってる千鳥足の酔っ払いオヤジだよ
「うおぉぉぉぉぉぉ〜っ!
このガキなんとかしてくで〜!!」
「へっへ〜ん、まだまだ元気だじょ〜♪」
部屋の中が無法地帯と化しております
「あたしはホームズ育ててもうノルマ果たしたんだから
関係ないわよ〜ん」
「遊んで遊んで〜♪」
ブレ&ホーから離れた場所に1頭ぽつんと丸くなって眠っている姿はなんとも可哀相でやりきれない。
ニーニのような甘えん坊で泣き虫の子は、我が家のような多頭飼いではなくて、1頭だけで可愛がってくれる家に行ったほうが幸せだったのかも知れない。
などと初日から育児ノイローゼが発動しそうな私の慰め&心の支えは、サナちゃんもすぐにはウニカちゃんに馴染めなかったということ。
やはり持つべきものは遠くの親戚よりも近くの犬親戚。
ニーニが大人しくて泣き虫だったのは、最初の二日間だけである。
三日もたつと我が家の環境にもだいぶ慣れ、4日、5日とたつうちに「誰が大人しくて泣き虫だって?」というように風向きが変わってきた。
私があんたのために流した同情の涙を返せ!てなもんだ(泣いてないけど)。
そしてこの頃からホームズがニーニの遊び相手をしてやるようになった。
ブレイズは相変わらずほとんど無視を決め込んでいるけれど、それでもごくたま〜〜〜に気が向くと舐めてやったりしている。
ブレイズよりも先にホームズのほうが仲良くしてくれる気になったので二度びっくりだが、ニーニがひとりぼっちではなくなったのは本当に嬉しい。
とはいえ、日増しにパワーアップしていき、いまだ天井知らずのニーニのヤンチャぶりは『極悪』通り越してもはや『超・極悪』の域に達しており、ビミョ〜にホームズの顔に育児疲れの色が見えなくもない。
ブレイズの仔犬時代に比べてホームズの仔犬時代はかなりのヤンチャ坊主だったと思っていたが、ニーニに至っては桁が違う。ニーニに比べればホームズだって大人しいお嬢ちゃんだったし、ブレイズなどは深窓の令嬢といえよう。
鳴き声からして、ホームズが「ゥニャン!」と可愛らしい声をあげていたのに対し、ニーニは「ヴヂャン!」とドスがきいている。
サナっちさんにお話を聞いてみると、ウニカちゃんもだいたい似たようなものらしい。
バッジオパパの血筋おそるべし。。。。。。
もちろん、『底なし沼道連れ作戦』の成果であるニーニを見るために。
大好きなサナちゃんに会えたおかげで、ホームズのご機嫌もだいぶ直ったようだ。
ウニカちゃんとニーニも久しぶりの再会を喜んでいるかのように、すぐに仲良く遊びだす。
そんな2頭を眺めつつ、こうなった経緯を思い出すにつけ
「越後屋、お主もなかなかの策士よのう」
「いえいえ、お代官さまのほうこそ」
「「どぉわっはっはっはっはっ」」
みたいなノリで盛り上がる。
お互いがお互いに、おそらく少し前までは想像だにしていなかった光景の、お互いがお互いを策謀で陥れ合った成果に大満足しつつ。
お披露目会が終了してサナっちさんたちが帰ってしまうと、私の部屋には再び冷たい空気が流れ始めた。
ブレイズとホームズがタッグを組んでニーニを寄せ付けない。
2頭が寝ているところへニーニが近寄っていくと、サッと場所を移動してしまうか、唸り声をあげて威嚇する。
さっきまでの和やかムードはどこいったんだ? お前ら仮面家族か?? てなもんである。
これまで末っ子の立場にいたホームズはまだ分かるが、世話好きのはずのブレイズがなぜニーニに対してはこれほど冷淡なのだろう。それが分からない。
身体の大きさもほほ同じくらいのホームズに、いまだに敷布団代わりにされているにもかかわらず、それを怒こるどころか好き放題させているというのに。
ニーニの何が気に食わないのだろう。
理由がさっぱり分からないままに、先住犬2頭と新参者1頭の冷え冷えとした距離を、なす術もないままにただただ呆然と見つめる。
この日、ニーニは一日中「くんくん」と鼻を鳴らして泣きっぱなしだった。
いきなり親兄弟のいない見知らぬ場所に連れてこられ、先住犬たちが仲良くしてくれればまだ寂しさも紛れるものの、こんなに冷たい仕打ちでは心細いのも無理はない。
ワトスンはあっけないくらいあっさりと、ニーニのことを受け入れた。歳のせいでボケたとか、老眼なので黒豆のようなこの小さな物体を見落としたとかではないようだ。さすがに。。。
3頭目ともなって慣れが生じたのか、可もなく不可もなく(←ワトスン的にはものすごく寛大)的態度。
ホームズの場合、大筋においては当たらずとも遠からずだったものの、考えていた以上の過剰な反応を示した。強張った表情でニーニを遠巻きに見つめ、近寄ってこない。しかも、いつもなら私の呼び声に応えて尻尾を振るのに、いくら猫なで声で「ホームズ〜♪」と呼んでも、不信げな目で見返すばかりでハタリとも尻尾が動かない。こりゃ完全にスネている。我が家において自分が一番アイドルだとの自負を持つ甘ったれなだけに危惧はしていたものの、まさかここまでショックを受けるとは。。。
そして最も意外な態度をとり、大穴万馬券となったのがブレイズだった。いつも自分より歳若い犬(小型限定)に対して、飼い主の私が内心ちょっと自慢に思うくらい可愛がりたがるブレイズが、ニーニを可愛がるどころか受け入れを拒否したのである。ブレイズに世話係を押し付けようと思っていた私には、まさに晴天の霹靂。
結局、いちばんすんなりとニーニを受け入れたのが、いちばんの心配のタネと目していたワトスンだったのだから、世の中何が起こるか分からないもの。
午後になってサナっちさんが、サナちゃんとウニカちゃんを連れて遊びに来てくださった。
足をきれいに洗って、いよいよ先住犬たちとのご対面。
犬たちの反応、当初の予想では
ワトスン・・・ひとまずこの新参者を検品したのち、鼻に皺を寄せて「があっ!」と一発かまし、レフリー(私)に制止されて「ったく、しゃあないな〜」としぶしぶ諦める。
ブレイズ・・・大喜びでニーニの身体中をなめ回して世話を焼きたがる。
ホームズ・・・「何これ何これ〜??」と興味を示しつつも、かなりおっかなびっくり。
ところがどっこい、それは競馬の予想と同じくらい的中しなかった。
8月15日、待ちに待ったこの日、ついにニーニが我が家にやってきた(^▽^
ウンチにまみれて。。。。(‐‐B
YOKOさんが出勤前に立ち寄ってニーニを届けてくれたのだが、車中ケージの中でウンチをして、それを散々こねくり回してくれたらしい。
てなわけで風呂場へ直行。ニーニの我が家での記念すべき第一歩は、風呂場から始まった。