見事にくだり腹となったホームズはトイレに駆け込んで用を足すものの、残尿感ならぬ残糞感に見舞われているらしく、最後のひと絞りをトイレ以外の場所に落とそうとする。
そうはさせじとトイレットペーパー片手にホームズのお尻を追いかけ、必死でキャッチ。すでにペースト状になっているので、絨毯に落とされでもしたら後始末が大変だ。
ついでにお尻も拭いておかないと、尻尾やら布団やらにウンチを塗りたくられてしまう。
おかげで夜中もホームズがベッドからおりる気配がするやこちらもガバと布団から跳ね起き、ペーパー片手に現場へと急行する(この努力も空しく翌日には絨毯に被弾していた)。

もちろんホームズは翌日のご飯抜きである。自業自得。
ちなみにお腹をこわすか否かはコインの裏表みたいなもので、その時の運。どうやら今回のホームズは運命の神に見放されていたらしい。
ところが、待望のご飯タイムまであと数時間という時になって今度はブレイズが吐いた。
これはオフ会とは何ら因果関係のない嘔吐で、その後もピンシャンしていたものの、吐いたタイミングがタイミングだったため、ホームズの右に同じくご飯抜きとなる。つくづく要領の悪い奴。

かくして我が家のオフ会は延長戦にもつれ込んだ末、ブレ&ホー仲良く晩飯抜きというエピローグにて、ようやく終わりを告げたのである。
ノートかボールペンでもGETしているところ。
とはいえ、いちおうは飼い主の動向が気にならなくもないらしい。
ササミの配給が終わるといったん様子を見にやってくる。そして第二弾、第三弾の配給をもらいに、足どりも軽く再びお兄さんの許へと戻っていく。
ブレイズの場合はホームズほど要領が良くない(どちらかといえば悪い)ので、どうやら配給が繰り返されている事実に気づかなかったらしい。一度戻ってきたあとは、そのまま私の傍に居着いていた。
そしてこれが後々の明暗を分ける結果となったわけだ。
調子に乗って食べ続けるホームズを冷めた目で見つめつつ「あ〜、こりゃホームズはお腹こわすぞ」の予想どおり、その日の夜、悲劇がホームズを襲った。飼い主である私を道連れにして。。。
さん(←お母さんと一緒と言わないところがミソ)のごとき人気を博して犬たちに囲まれていた。
たとえハメルーンの笛吹きですら、瞬時にしてここまでの機動力は持ち合わせていなかったことだろう。
そしてその傍らには常にホームズの姿があった。これが夏休みのラジオ体操なら皆勤賞もの。景品の
ならずともだが、香辛料等々やはり犬にとっては良くないものなので食べさせるわけにはいかない。
そんな犬たちに救世主が現れた。犬たち用に鳥のササミを持参してくれた参加者がいたのだ。
ところでホームズはこの日、もらい歩きをしまくっていた。
最初は名誉&遊姫ちゃんのところでご相伴あずかり、その次には孔明&キリンちゃんのところ。
まったく恥かしい奴というか、タイミングのいい奴というか。。。
そして極めつけが鳥のササミ。
これまで、オフ会というと常に飼い主の傍をウロウロくっついて歩いていた腰抜け姉妹のブレ&ホーであったが、本日のホームズはひと味違っていた。
ササミあるところにホームズあり。
ササミをくれるお兄さんは、あたかもピ○ポンパンの体操のお兄
ちなみに余談ではあるが、ブレイズが一番好きなのはサナっちさんで二番目がYOKOさん、飼い主は三番目あたりらしい。

そうこうしているうちにラムが焼きあがり、参加者の皆さんがそれぞれ持ち寄ってくださった差し入れと相まって宴もたけなわとなる。
そして人々の舌鼓を合図として始まったのが犬たちとの攻防戦。
日頃はめいっぱい可愛がられているお坊ちゃま、お嬢ちゃまがたも、この時ばかりはハエと同等の扱い。あっちでもこっちでも「シッ、シッ」と追い払われまくる。
しかしイタグレチームも負けてはいない。機敏さをパワーアップさせた身のこなしで監視の目をかいくぐり、まるでモグラ叩きのモグラのごとくテーブルの上にひょこひょこと顔を出す。
まあ、これだけ美味しそうな匂いがしてれば食欲をそそるのは人間
「ぎょえ〜〜! ササミだよ〜!!」
「くれくれ、早くおくれ〜〜」
「おっ、なんやなんや」
「ニイちゃん、なんかくれんのんか?」
は事無きを得た。だがホームズにのみ気をとられていた私は、迂闊にも隙間を見つめるホームズをさらに見つめている双眸に気づきもしなかったのだ。
そして次のお出迎えの時に事件は起こった。ぬるりと隙間を抜けて脱走したのは、要監視のホームズではなく、ブレイズのほうだった。べつにホームズに対抗意識を燃やしているわけではない。外にYOKOさんがいたので嬉しくて出て行ってしまったわけだが、結果的にオフ会場となったドッグランを姉妹で制覇。
ブレイズを捕獲しながらYOKOさんも「こんなことするの、あんたのとこだけだよ〜」
まったくロクでもない姉妹である。
幹事のくせして誠にもってはた迷惑な人間であるが、たとえ口にだして言わずとも内心そう思った人は一人や二人ではないはず。
それでも次第にラムが焼けてきて香ばしい匂いが周囲に漂いだすと、皆これ一様に恵比須顔と化す。
焼けたことによって生々しさも消え、もうただただ美味そう♪♪

ところでイタグレ界の引田天功を目指している(かどうかは知らないが)ホームズだったが、周囲を完璧
そんな恐ろしい未知との遭遇をするくらいなら、大人しく会費集めで恥かいていたほうがなんぼもマシ。

てなわけで胃薬を服用しつつ迎えた当日。
だが神は私を見捨てはしなかった。私を連行…もとい迎えに来てくれたYOKOさんの車に燦然と後光をまといながらお乗りあそばす人影ひとつ。誰あろうアウトドア経験もばっちりのHさん。
はは〜っ、救世主さま〜、よくおいでくださいました〜〜
なにしろテキパキと手際よく作業をこなしていくHさんのおかげで、私はニンニク剥き係という至って初歩的な役職に回してもらえたのだから(←にもかかわらず薄皮を剥くのに苦戦、とことん不器用)。
やっぱり。。。(^▽^;
今回も夜逃げしようかと思ったのは言わずもがな。
そうでなくとも当日は、(私的には)大変な任務が待っているというのに。
それすなわち会費集め。
前回のオフ会にて大失態をやらかしたのは記憶に新しいところで、考えるだに胃がキリキリとしてくる。
「自信ありません。お願い、解任して〜」の懇願に、「羊焼いてくれるんなら代わってもいいよ」とYOKOさん。
私が誠心誠意を込めて会費徴収させていただきましょう!!
的にはYOKOさんにサヨナラ逆転満塁ホームランを打たれてマウンドに沈められてしまう。所詮はリトルリーグがキヨハラに立ち向かっていくようなもの、ハナから勝負になりませんて。
だがちょっと待て、火熾し? 火熾しって誰がやるの?? 今回は松之郷じゃないからあのオーナーさんいないし、参加者たちの正式な集合時間は10時で火熾しは9時から。。。
「もちろん、アナタ」とYOKOさん、にべもなく。
妙に馴染みのある形状に参加者たちビビリまくり
は「そうなんだ〜」などと今までが今までであるがゆえに、己の無知さ加減を納得していたりした。
ところが、である。あにはからんや、何人かの参加者のかたから質問を受けるにつれ、アヤシゲな想像にとりつかれていたのは自分ひとりではなかったことを知る。
ありていに言えばYOKOさん以外の人は殆どが私の同類。
そこで急遽「こういうもので〜す」的な参考画像のURLを記したメールを参加者全員に送る。
そしてこの一件に関しては、珍しく多大なる支持者を得てしまった某人が妙な自信を持ってしまい、YOKOさんに対して意味のない得意がりようを見せていたとの目撃情報も。
しかし火熾し=竹筒で吹く、というさらなる勘違いにより、結果
が登場するとすればそれは某局の探検隊番組くらいなものだろうし、実際アメリカあたりのカウボーイが夕日をバックにという光景のほうがよほど理に叶っているのだろう。だが、たとえそれがお尻の割れ目で器用に狩猟用の槍を挟んで移動する原住民(←ホントにいる)だろうが、アマゾン謎の巨大水生生物だろうが、そんな光景が頭に浮かんできてしまったのだから仕方あるまい。
「そんなこと想像しているの、あんたくらいのものだよ〜」とは言い出しっぺのYOKOさん談で、私も最初
今回のLITTLE WONDER & YAG'Eオフ会のテーマはまさにそれ。
かねてよりのYOKOさんの希望であったラムパーティーが現実となった時、見ぬ者たちの集団である現場は混乱を極めた。
上記において『羊の丸焼き』と『ラムパーティー』というふたつの言葉を使用してみたが、同義語であるにもかかわらず、言い方によっても受ける印象というのは違ってくるのではないだろうか。
当初、主催者側の発表は『羊の丸焼き大会』であった。
その言葉から私の頭に浮かんできたのは、ネイチャードキュメンタリー番組などで見かける、カラフルな民族衣装を最小限の部位にのみ身につけたご当地の“部族”が巨大な羊を丸焼きにしているところである。
おそらく南米のそのような場所で真一文字に棒を突き刺されてぐるぐる回し焼きされるのは野生の鹿とか猪で、もしメリノウール
やがて他の参加者のかたがたも続々と登場、ドッグランは賑やかになり、その人ごみに紛れて私の役立たずぶりも目立たなくなる(幹事としての職権を乱用してお出迎え、ご挨拶担当のフリしてその場を誤魔化していたという話も)。
そしていよいよ主役のラム登場。
「どう?すごいでしょ〜」的に喜色満面のYOKOさんに反し、それを見に集った参加者たちは引き気味。
いささか生々しいということもあるが、それよりも何よりも形が妙に見覚えあるんだよね〜、何かに似てるんだよね〜
時を違わずしてその『何か』はドッグランの中をちょろちょろと…
YOKOさんから事前に「参加者の前では言わないように」と口止めされていたにもかかわらず、「サイズ的にはウィペットだね〜」と禁断の言葉をさらりと口にしてのける私。
なまでにネットで囲ったここ吉岡ドッグランは、たとえホームズとて脱走はかなわぬ難攻不落の牙城だと思っていた。
ところが、どこぞの岩窟王もどきの仕業か、はたまた雨などの自然による侵食のせいか、出入り口の下に隙間ができており、そこを柔らかいネットで補強してあるではないか。
ナイロン製(?)ネットだから扉を開閉する際によれたりすると、再びそこに僅かな隙間が生じる。
到着した参加者を扉まで出迎えに行った時のこと。一緒についてきたホームズが下を向いていたので、その視線の先を追ってみると……
おいおい、隙間に魅入られてるよ。
これはマズイと間髪入れずにネットを元通りに直して隙間を塞ぎ、その時

羊の丸焼きというと、まだ見ぬ者にとってそれはいかなる想像の産物として思い浮かぶだろうか。