
窃盗で荒稼ぎをし、家まで建てていたという犯人が捕まった。
地上2階、地下1階の5千万円の家を現金で支払ったらしい。しかもセキュリティーが万全だったとか。
ある意味すごい話だが、テレビに映されたその家、玄関脇に『STUDIO BLAZE』と銘打ってあった。
しかも綴りまで同じ。
ビミョ〜にムカつく。。。
ワトスンの顔がまた腫れた。折りしも、私の歯医者詣での当日の朝。
いくら3頭中ピカイチの忠犬だからといって、そこまで飼い主に忠義を尽くさなくとも。。。
などと思いつつ、こちらの歯医者詣での時間もあるので、速攻ワトスンを抱えて病院へ。
院長先生いわく「ここの歯が抜けちゃえばいいんだけどね〜。でもまだグラグラもしてないし。いっそのこと抜いちゃおうか」
だが抜歯ともなると人間でさえ一大イベント。ましてやワトスンの年齢のやら麻酔のことを考えると、つい二の足を踏んでしまう。
結局、その時も薬を処方していただいて今後の様子をみることにした。
それからしばらくたち、そうも言っていられない事態が発生した。
とうとうワトスンの歯茎に穴があいてしまったのだ。しかも、折りしも母の歯が腫れている時。。。
歯茎に穴があいてしまうことに関しては、ワトスンの歯肉炎が発覚した当初に先々そうなるであろう可能性も説明いただいていたので、「ついに来たか」という感じだった。
しかしながら、どうしてこう家人の歯の状態とワトスンの歯肉炎がマッチしてしまうのだろう。
偶然とか迷信深いと言われてしまえばそれまでだが、なんだかワトスンが家人の厄を半分背負ってくれているような気がしてならない。
その日はいつものパターンと違い、ワトスンの顔は腫れておらず、触っても痛がる様子を示さなかった。
だから気づいたのは、今にして思えば虫(歯)の知らせだったのかもしれない。ただ何の気無しに歯茎を見ようと思い立ったのだ。
ワトスンがいつも歯肉炎を起こす箇所は、歯茎が慢性的に赤くただれたような状態になっている。
口をめくってみると、その赤くなった歯茎に一箇所ぽつんと膿んだように白くなっているところがあった。
膿なら出さねばなるまいが、すでに病院の診療時間はとうに過ぎていた。となれば自力でやるしかない。
なに、ちょっと潰して膿を出すだけ。そんな軽い気持ちと、このまま放っておいて翌日の診療時間までに膿が脳に回ったらどうしよう…という根拠の乏しい切実さが複雑に交差しつつ、ちり紙片手に白くなった箇所を押してみる。
たいした力を込めなくとも皮膚はすぐに破れ、白いものが出てきた。
と、ここまではひとまず順調に事が進んでいたのだが。。。
ところが押しても押しても白いものがどんどん出てくるではないか!
しかも膿のように水っぽいものではなく、もう少し固形に近い。さらにはムキになって白い物体を出すごとに、歯茎の穴が広がっていく。
今見えているのは腐りかかって崩壊した歯の根っこか? それとも以前に注入していただいた薬が漏れ出しているのか?? まさにジーパン刑事の「なんじゃこりゃ〜!!」状態。
もちろん恐くなって途中で止めたともさ。
そして頭の中では年末に観た特番の『虫歯で死んだ人』の話がグルグル、グ〜ルグルと。。。
翌朝、病院に駆け込んだのは言うまでもない。
結論から言えば、あの白い物体は単なる食べカスであった。しかも歯茎内の患部に注入する薬は吸収されてしまうので残留することはない。そういえば「持続効果は一週間」と以前に説明を受けたような。。。
『小心民パニクるの巻き』PART幾つかである。
しかるに『虫歯で死んだ人』の話も、「何万人に一人のケースでしょ」と某先生に豪快に笑い飛ばされる。
しかしながら茶色いドッグフードを食べさせているのに、白い食べカスとは反則技ではないだろうか。
茶色いものを食べているのだから茶色い食べカスが出てくれれば、別に焦りもしなかったわけだし。
などと内心では自己の正当化を図るものの、口に出すとツッコミを入れられそうだったので黙秘。
そしてついに現状では抜歯が最善ということに先生がたの意見が一致した。
それでもしつこく麻酔のことが気にかかっていたため、つい「局所麻酔ですか?」などと寝ぼけたことを訊いてしまう私。
もちろん全身麻酔に決まっている。犬が局所麻酔で愛想良く歯を抜かせてくれるかっつーの。
ましてやワトスン、爪を切るだけでも大騒ぎの犬である。
決行当日、朝ワトスンを連れて病院に行き、診察台の上から救いを求める目でこちらを見るワトスンを「ごめんね〜、あとで迎えにくるから〜」と置き去りにする。百万年先まで恨まれるのを覚悟しつつ。
抜歯することに対して、ワトスンを病院に預けるまでは正直ウキウキした気分のほうが大きかった。
なぜならここ数年、いつ顔が腫れるかとビクビクし、腫れたら腫れたで無理矢理に口を開かせて薬の錠剤を押し込まねばならない。無理に押し込むのだから爪や錠剤で口の中の粘膜を傷つけたりしたこともあるだろう。それら悶々とした気分が、原因を取り除くことで当面は解消されるのである。
だが、いざ病院に預けてしまうと、どうにもソワソワして仕方がない。
無論、病院の先生がたを信頼していないわけではない。信頼しているからこそ、お願いできるのだ。
けれども、そういう気持ちは理屈ではない。
そんな重箱の隅をつつくような気の揉みかたをする私の性格をとうに心得ているYOKOさん、わざわざ無事終了のメールをくださった。おかげさまでホッとひと安心。