近ごろでは『豪快先生』とふたつ名がついてしまったYOKOさんだったが、どうやらご本人的には心外らしい。
そんな折も折りに、YOKOさんとレオンくんの話題になった。
私にもホームズの骨折経験があるので、レオンママさんの心労やご苦労は心中察して余りあると、闘病記や日記を拝見するにつけ、当時のことを思い出しては「そうなのよね〜」と頷いていた。
ところがYOKOさんは「そんなに心配してないで、ガッツンガッツン散歩させちゃえばいいんだよ〜。うちなんか散歩させてたよ」と。
骨折をした犬を? ギブスをしたまま? ガッツンガッツン散歩させる??
たしかに適度に刺激することで骨の付きが早くなるとは聞くが、そんな恐ろしい発想ができるのは長年の実績と腕前のあるYOKOさんだからこそで、ギブスがすっぽ抜けただけで大パニックに陥る(←縁談骨折編参照)一般小心民にはとてもとても。
愛犬が骨折をした場合、二次災害が起きませんようにとひたすら祈り、その一挙手一投足にまでビクビクと白髪を増やし、1日も早くギブスが取れますようにと願い続ける。
それがごく一般的な反応ではないだろうか。
「そんなこと言ってるから、豪快先生って言われちゃうんですよ〜」と、すかさずツッコミを入れたのは言うまでもない。
やっぱり豪快先生だった。

犬たちを散歩させていると、いつもお世話になっている動物病院の車が私たちを追い越していった。
日曜は午前中診療なので、急患の呼び出しがあって往診に向かうのだろうと夜闇に消えていく車を見送りながら、病院の先生も大変だなぁとしみじみ思った。
人医者に限らず、命を預かる職業というのは休みもへったくれも無くて本当に頭が下がる。
などと我らが救世主に感謝しつつテクテク歩いていると、パン屋の明かりに照らされながら駐車してある一台の車。
もうオチはお分かりのことと思う。
そう、その車とは先ほど我々を追い抜いていった病院カー。そして店内には私服の、見慣れた御仁の後ろ姿が。
院長先生、ナイス!!


 サンフランシスコで同性愛者の婚姻を認めたというニュースをやっていた。
だがそれに反対する者たちの横槍が入り、どうやら3日間の期間限定になってしまうらしい。
反対者のインタビューが流れ、「婚姻は男と女の間でのみするものだ!」と息巻いていたが、すでにこれだけハチャメチャな世の中で今さら男同士、女同士の婚姻が認められたからといって色めきたつこともあるまいと思うのだが。
仮に同性愛者の婚姻を認めなかったとしても、それで彼らが反対論者の唱えるところの『正常な婚姻』に至ることは無いわけだし、したがって世界人口の増加に貢献することもない。
ならば認めたとして何が困るのだろうか。
べつに同性愛推進運動をしているわけではないが、私的にはそういうふうに生まれついてしまったのだから仕方の無いことだと思うし、人権を認めてあげても良いのではないかと思う。
だって絶対に我々よりもずっと苦労して生きてきたと思うもん。
たとえ『正常な婚姻』をしている男女でも、人の道に外れたことをしている人だって大勢いるわけだし。
今の世の中、何が正しくて何が正常なのかなんて誰にも言えないのではないだろうか。

ちなみに私はといえば。。。
遠出買い物のためにピザの夕飯で手を打って車と労力を提供してくれた男友達の前でうっかり「もうこの歳になっちゃうとさ〜、白馬に乗った王子様より車持ってる下僕が欲しいよ」などとのたまい、運転中の友人を凍りつかせた。
だがもし王子様の乗っている馬が単なる白馬ではなく、賞金を稼ぎまくっているダービー馬だったとしたら?
そんな夢の欠けらもない、実にくだらないことを考えている今日この頃だったりする。

冬、イタグレは骨と皮だけに成り果てる。
もともとが他犬種よりも体脂肪率の少ない犬種ゆえに、この季節を乗り切るためにはかなりのエネルギーを消耗するらしい。
食事の量を増やすのだが、食べさせても食べさせても身にならず、非常に燃費が悪い。そして通りすがりのギャラリーに「満足に食べさせてもらえてないかしら?」との誤解を与える。
朝の散歩はワトスンの第一回とブレ&ホーコンビの第二回とを分けているのだが、ワトスンを連れて出かけた気配で階下におりてきては食卓の周囲をウロウロし、帰宅の気配で猛ダッシュで2階へ逃げて行く(←散歩に行く気はさらさらナイ)。
最初は無理無理にでも連れ出していたが、どうせまともに歩かないし、こちらもだんだん面倒臭くなって近ごろでは放ってある。むしろ寒がりの私には「これ幸い」といったところか。
それでも夕方の散歩は3頭揃って連れ出すのだが、ホームズはちゃんと歩くものの、ブレイズがゴネまくるのでリードがダンベル一個分追加のごとく重い。
しかも日がな一日、飼い主の布団の中で冬眠しているので、おかげで干しても干しても布団は2頭の寝息ですぐ湿る。
この時期、ブレ&ホーコンビはイリオモテヤマネコと化し、家人でも活動しているその姿を見るのは稀である(でも食べ物で釣るとすぐ出てくる)。

啓蟄の頃、カエルとともに我が家の干物犬たちも冬眠から醒めてくるであろう。
それにしても寒いというだけで痩せられるなんてと、日増しに蓄積されていく皮下脂肪の重みを感じながら、ある意味羨ましいと思う私と母であった。