実技、本日のお題は『坂道発進』
右左折項目をやっとのことで脱し、新たなる項目に入る。それだけでもビビっているというのに、ベンチで始業を待つ間に、なんと雨が降ってきたじゃあ〜りませんか。
雨が降ったらワイパー動かさなきゃならないじゃん! と心臓がきゅ〜っと縮まる。
実際問題の作業としてはウインカーを出すのと大差ないと言えるかも知れない。
しかしワイパーは左、ウインカーは右に付いている。その左右の違いだけでも、私にとってはどんなに大差なことか。。。
「ウインカー出して」と言われてワイパーを動かしかねないのがこの私である。
だから雨の日の教習は絶対に嫌だったのに。。。神様のいぢわる(しくしく)

今回の指導に当ったくれたのは、またしても新しい教官。
「なんか緊張してるね」みたいなことを言われ、「はい、ワイパーが…」と。
教官ちょっと呆れ顔で「そんなの全然気にならないでしょうが〜。ほら、ほら、どう?」と実際にワイパーを動かしてみせる。
いえ動かしてくれたんなら結構です、と内心では安堵の溜息。
エンジンをかけて車を発進するものの、後方確認は忘れるは、停止線は見逃すは、優先道路から車が来ているのに気づかないわ、ポカの連続。
教官いわく「ダメ、もう信用しないから」
信用されても困る…っていうか、信用してないくせにぃ〜 とは私の内なる心の声である。
しかしながらなぜ前回まで出来ていたものが今回できないのか?
それはまず雨が降ったことにビビり、さらに走行コースが変わったからである。
なぜなら私はこういったことに対してびた一文応用がきかないタイプ。したがって頭の中は新項目&ワイパー効果で運転する前から混乱状態。

とにもかくにも坂道に到着。まずは坂の途中で停車しないでのアップダウンの走行。
坂の頂上までゆっくり上ったら、ギアチェンジしてゆっくり下る。
だがひとくちに坂の頂上と言っても、運転席からその頂点が見えるわけではない。
この辺かな〜と思うと、「いちいち停車しなくてもいい、しかもここまだ頂上じゃないし」と教官。何度も同じことを繰り返し、何度も同じ注意を受け、ひとまずはようやく頂上あたりの予測がついてくる。
しかし。。。
(教官)「だから止まんなくていいんだって」と、相変わらず停車してしまう私。
だがここでアクセルを踏むのは恐い。重力の法則で何とかならないものか、と思わず重心を前に移動してみたりする。しかし所詮は無理な話。半立ちにでもなって完全に体重を前方にかければ目論みは成功したかも知れないが、教官にバレない程度にやってみたところで車はビクともしない。仕方が無いので結局は恐る恐るアクセルを少しだけ踏む。

お次は坂道での途中停車、発進。
停車時、必ず車体が斜めになっている(ドライバー用語で言えばおケツが流れている状態?)
その坂道は直線から右折したところにあるのだが、どうも原因はうまく右折できていないところにあるらしい。
見かねた教官「どうせ曲がりきれないんだから、直線でスピード出さなくていいよ」と。
その言葉に従い40キロ走行のところを20キロほどでノロノロ走る。しかし20キロで走っているものを右折時に減速しようとしてブレーキを踏むものだから、曲がりかけたところでスピードメータ―が実質『0』になってしまう。一時停止状態。
だが教官は無言。もう何か言う気にもなれないらしい。

ちなみにこの時間内の教習項目には『坂道発進』と『後退』がワンセットで含まれていたのだが、『後退』項目までたどりつけなかったのは言うまでもない。

原簿を見るなり教官が「あれ、前回バックやらなかったの?」と。
「はい、どうやらそこまでたどりつけなかったらしくて」ぼそぼそと言い訳する私。
かくして本日は『後退』項目からの教習となったのだが、窓から身を乗り出して後方を確認しながらハンドルを操作する?!
そんな神経を2箇所に分散するなんて離れ技、できるわけがないって。
とりあえず教官が遥か後方のポールを目印にとアドバイスをくれる。
ポール、ポール、ポール……そう念じながらまるで親の仇のように必死でポールを凝視するあまり、目が痛くなってくる。ついでに首も痛い。今にもどこかの血管がプチプチッと切れて救急車のお世話になりそうだ。
ああ、こんなことを日常的にしていたら絶対に長生きできないぞ、と思いながらひたすら後退を続ける。
直線で後退をするのだから、理屈的にはハンドルは固定したままで良いはずである。しかしポールと白線をひたすら睨み続けていると、なんだか車体が曲がっているような気分になる。
そこでよせばいいのにハンドルを切って微調整をしようなどと考えるものだから、結果的に停止した時に車体が曲がってしまう。しかも後ろを見ながらハンドルを切るものだから、右と左がまた分からなくなる。
ふと気がつけば、バックしているのにウィンカーまで出ていたりする。
窓からの確認がだいたいできるようになると、今度は車内から後部を見ての後退。
もちろん一発OKのはずが無い。何度もやり直す。
ただ唯一の救いは、めちゃめちゃ遅い速度でこの作業を行うことか。

これまではただ前方目指して走っていれば良かった。
コースアウトしようが車体がブレようが、ひとまず逆走しなければOKみたいな。
しかしそんな甘い考えも今日を限り、これからは許されないことなのだと教官に釘を刺される矢先から蛇行運転。
ひと通りの基本動作を指導された(出来ているわけではない)ので、今度はそれをミラーや目視で後方、左右の確認をしながら行わなければならない。
進路変更や幅寄せをする場合、まずバックミラーで確認⇒ウインカーを出す⇒サイドミラーで確認⇒目視で確認。これを瞬時に、適切に行わなければならない。
が、そんな器用な真似できるわけがない。
右左折の場合は曲がる場所の30メートル手前までに一連の動作を終えて車体をどちらかに寄せなければならないのだが、一連の作業を始めてから目視までを終えた時点で交差点はすぐ目の前、みたいな。。。
もちろんカーブなど曲がりきれるはずもなく。ていうか、ただでさえ未だにうまく曲がれてないし。
この華麗な私のドライビングテクに対し、今回の教官からも前回の教官と同じ言葉が口をついて出てきた。
すなわち最初のうちは「直線ではもっとスピード出して、加速と減速にも慣れなきゃならないから」が、途中から「スピード出さないでもいいよ」と。

さらに今回、自分自身ではっきり気づいたこと。それは交差点で曲がってくる車が右折車なのか左折車なのか、瞬時に判断できないということ。
実はいい歳をして右と左を判断するのに、自分の手を見てお箸を持つほうかどうか確認しないと判断できない。そんな人間が、なおかつ逆方向やら垂直やらで進んでくる他車のウインカーを見て右折しようとしているのか左折しようとしているのか瞬時に判断できるはずもない(ウインカーが点滅しているので曲がろうとしているくらいは分かるけど)。

その時限の教習を終えて教官いわく「ちゃんとできている時とめちゃくちゃな時の波が激しいんだよね」と。
そうよ、そうよ、そうなのよ。私の人生いつだってジェットコースター。
が、このあと教官の口から驚くべき爆弾発言が飛び出した「でも運転下手ではないよ」
えっ、まぢですか!!!
つまりは私よりも、もっとスゴイ人が存在するということ?!
世界は広い、そして怖い。。。
さらに教官「普段家でもカーブを曲がる時とかのイメージトレーニングをしておいて」と。
やはりマジギレした時のイメージトレーニングだけではダメらしい。

教官いわく「順調にいけば、あと2〜3時間で無線教習にはいるから」
無線教習というのは、教習生が一人で車に乗り、それを教官が司令塔で見ていて無線で指示を飛ばすらしい。
順調に行かないことには賭けてもいいほど絶対的な自信があるが、お願いだから私を一人にしないで〜っ!!
ちなみに前回までで10時間を費やし、最短5時間で終えられるところをまだやっている。

遠い未来には恐怖の路上教習も待っているし。。。
そこで私は声を大にして言いたい!!
これだけ毎日、交通事故が頻発しているのであるから、ここらで道交法の見直しをするべきである。
法定速度は20キロにしてそれを厳守すべし!
交差点での右折、左折時には信号の色にかかわらず必ず一時停止すべし!
追い抜き追い越しは全面禁止!
と、このように法が改正されれば、免許を取ったあかつきには父の望み通り公道を運転してもいいと思う。
『狭い日本そんなに急いでどこへ行く』とは言え、そうなったらきっと社会は大混乱。。。