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楽器のお話 Part3

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*私のマンドリン歴 Part3


念願のカラーチェ製マンドリンを手に入れたわけですが、このあたりから楽器への興味がかなり強くなってきました。
購入する予定もないのにあちこちの楽器店へ行っては、いろいろな楽器を試奏しまくっていました。楽器店側としては
歓迎できない、というか邪魔な存在だったでしょうねぇ(笑)。

そして、そのうちの1軒で出会ってしまったのです(爆)。落合忠男製のマンドリン。非常に弾きやすく、綺麗で明るい音色、
しかし線が細く音量もイマイチというのがそれまでの印象でした。しかしそれは違っていました、音色の特徴はそのままに
やや太めの音、音量というか響きがとてもよかったのです。

なんでも、来日した外国の演奏家のために、ラインナップにない特注品を5本作成したうちの残り3本だったそうです。
落合といえばツノ型のヘッド(現在のS-2〜S−4のような)が定番でしたが、それは渦巻型(現在のS−Sのような、
当時は黒の芯はなし)でした。ちなみに型番はS−5と言ってましたね。

すっかり気に入ってしまったのですが、3本から1本を選ぶのにかなり迷って、結局5時間くらい試奏してたでしょうか(笑)。
どうにか1本を選んで、しかし支払いは・・・、なにせ当時500、000円でしたから。ここで当然のことながら寿命1年あまりの
クラシコBは高校の後輩に「1年くらいしか使ってないから190,000でどう?」と売りつけてしまいました。あこぎな先輩で
ごめんなさいね、一人くん(笑)。残りは親から借りて、一生懸命バイトして返済しました。



かなり気に入って落合S−5を弾いていた頃、中学時代のコーチに誘われて東京MEのオーディションを受けることに
なりました。自由曲を1曲とその場で譜面を渡されて初見演奏。広い練習場の真ん中に自分、真っ正面に竹内郁子先生と
指揮者のたかしまあきひこ先生。客席からしか拝見したことがなかったので、それだけでかなりあがってしまいます。

どうにか無事演奏が終わって、研修生として参加させていただくことになったんですが、その際竹内先生から「男性で力
あるからか、楽器が負けてるわね」というお言葉。その時点では、実感がなかったのですが・・・。

いざ、練習に参加すると、まわりの先輩がたはほとんどがカラーチェ製クラシコAをお持ちで、ガンガン大音量で
弾いてらっしゃいます。自分では目一杯弾いてるんですが、自分の音が聞こえづらいくらい。正に圧倒されました。

ここで、やっぱりクラシコAが欲しくなっちゃうわけですよ(笑)。病気ですね、これはもう(汗)。

2年弱は我慢したんですけど、もう限界!(笑)。落合S−5は中学・高校時代の同級生のつてで某大学マンドリンクラ
の次期コンサートマスターの方にお売りすることになりました。ここまでくると土地転がしならぬ「楽器ころがし」でさぁね(爆)。
しかし、やはりこの楽器も惜しい気がしますね。渡辺精次製同様数年後には代替わりしてしまったからです。



当時クラシコAは定価720,000円!値引きは1割程度と聞いていたんですが、某楽器店が別ルートで仕入れるため
とかで500,000円という噂を耳にして早速電話。その楽器店は京都で(わかる人にはわかっちゃいますね)貧乏学生
千葉から行けるはずもなく、イタリアからの入荷を待って宅配便で届くことに。

配達当日、宅配便やさんは朝一番でやってきました。「箱に50万円っていくつも書いてあるんで気が気じゃなくて」と(笑)。
やっと念願のクラシコAにたどりつきました!!!



つづく 
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