英国Platt Brothers & Co Ltd 製の綿紡式梳綿機(Carding Engin、Card)

上の写真は繊維工学科の実習工場にあった英国Platt Brothers & Co Ltd 製の綿紡式梳綿機(Carding Engin、Card)で、1924年(大正13年)に製造されたものである。 下図に綿紡式梳綿機(他の羊毛式等の梳綿機では構造が若干相違する)の断面の略図を示す。
この写真ではシリンダーとトップ部分が写されている。


Platt Brothers & Co Ltdは1770年(明和7年)、EnglandのOldhamに設立された繊維関連の機械のメーカーで最盛期には15,000人を雇用し日本にも多くの繊維機械を輸出した。 しかし、ランカシアの綿工場の衰退で国内市場は徐々に消え、輸出市場でも外国の織物機械会社からの厳しい競争に直面し、そのオールダム工場は、1982年(昭和57年)に操業を終えた。

梳綿機(りゅうめんき)の機能

圧縮された原料の綿花を打綿機でLAPにするが、それを、梳綿機で針にて梳り、繊維を一本づつにするととともに不純物を除去し、繊維の配列方向に整ったSliberにする機械である。カーディング、カード処理(Carding) ともいう。

参考 綿糸紡績の標準的主要工程


本解説は村上忠弘氏によるものです。
村上さんは、S28年に繊維工学科を卒業され、卒業後は倉敷紡績株式会社に入社。綿紡績を主体に綿紡績・合繊紡績・麻紡績・加工糸・ニット等繊維関係の業務に勤務し、その後、施設部門・エンジアリング部門を担当されました。続いて繊維関連関係会社に平成9年まで勤務され、現在は、岡山でボランティア的にパソコン操作面で、ITの普及活動や企業への応援されています。
村上さんの連絡先をお知りになりたい方は優材会事務局までお問い合せ下さい。