三島由紀夫の主演+彼の作詞・歌唱による主題歌と言う異色の愚連隊映画。
組長の息子として生まれ、暴力の世界に生きることを余儀なくさせられた男朝比奈武夫(三島)と、その組長の寵愛を受けて法学士にまでさせてもらった彼の親友愛川(船越)、そして、武夫が生まれて初めて心底愛した女芳江(若尾)が繰り広げる、未来のない青春の軌跡。
敵方の組長を刺傷させて罪での刑期を終えた武夫は、否応なく組間抗争の只中へと投げ出される。彼を堅気にしようとする愛川の努力も空しく、臆病さを押し隠すように荒ぶる武夫は、ただひとり敵に戦いを挑んで行く。その中で出会った堅気の女芳江は、何の見かえりもなく彼を愛し、武夫はその愛の深さと強さの前にひれ伏す。そして、武夫が裏社会を捨て、彼女と生きる未来を思い描いたそのとき、悲しい運命が彼を葬ってしまう・・・。
まあ、ストーリーはよくあるチンピラ純愛ものと言ってしまえばそれまでだが、自身体を鍛え、右翼活動に強く傾倒しつつあった三島が、門外漢とはつゆ思えない迫真の演技でこの悲しい主人公を生き生きと演じぬいているのには驚かされる。魔性の女優若尾やベテラン船越ら並み居る主役級の助演陣に一歩も引けを取っていないのだ。そう言う意味で、鑑賞して見て意外な収穫のあった作品だ。
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