ときをみるひと

1987年ー1989年
乾漆

日芸を卒業したあと、研究生で2年残った。
昼間は主に石彫。夜は首などの塑造をつくっていた。研究2年の初め、塑造でつくった首を乾漆にした。友人が、芸大の保存修復に行っていて、そこにいって教えてもらった。別段特別に乾漆にこだわっていたわけではなく、塑造で作った作品を石膏でない実材にしてみたかったのだ。
乾漆におこした直後は、別段どうこうなかったのだが、手直ししたり研いたりしているとなんかとても自分にとっていい材質感に感じられるようになってきた。石を彫っていて、いいのだけれどなんか自分のいいたいことより強くなりすぎる。乾漆はなんかちょうどいい強さに思えた。付けたり取ったり出来る、とことん自分の思った形に出来る塑造というものも、もっとやりたかった。
大学を出たら、乾漆を続けてやろうと思い始めた。


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