'97年8月


「スクリーム」- Scream -

 すばらしく面白かった。極端にホラーが嫌いじゃなければ、ホントにおすすめ。
 ウェス・クレイヴン監督、ケビン・ウイリアムソン脚本、ネーヴ・キャンベル、スキート・ウーリッチ、デビッド・アークエット、コートニー・コックス、ドリュー・バリモア。

 まず、純粋なホラー・ファンには絶対にお勧め。なにしろ犯人、被害者ともにホラー、スプラッタ映画のマニアばかりで、殺しにもその知識を駆使してクイズとかしちゃうところが恐い(^^;)。それも問題がかなりマニアックだったりして楽しめる。(最初の殺しのクイズの最後の問いに正解出来るのはかなりのマニア(^^;))

 ホラー映画の常套手段を列挙して、それでいながら巧みにそのセオリーを外してきたりして、監督の駆け引きも面白い(^^)。絶対殺される登場人物のパターンが、ホントに殺されるのか、ちょっとワクワクしてしまいます。

 こういう映画に珍しく、犯人捜しの部分も面白い。この辺は、ミステリーとしてもよく出来ている。犯人を考えるのでも随分と楽しめると思います。私は結構、早く犯人判ったけど。

 そんな事はどうでもいいと言う人にも、このスピード感あふれる展開は絶対に楽しめると思う。かなり、過激な印象を受ける映画だけど、意外な事に惨殺シーンは少ない。米国のレーティングのせいかもしれないけど、

 つまり、あまりスプラッタしなくても、十分に恐いのは、この映画が非常によく出来ている事の証明だと思います。
 監督は「エルム街の悪魔」のウェス・クレイヴン。クレイヴンが手がけたのは、シリーズの第1作だけですが、やはり一作目だけは、特別な味がありました。
 お勧めです。


「ポストマン・ブルース」

 俳優のサブの監督作品。前作、「弾丸ランナー」はイマイチのれなかったのですが、今回は面白かった。前回の不満が全部解消されている。

 平凡な郵便屋の巻き込まれ型のドラマ、そこにヤクザになった旧友、癌にむしばれる殺し屋、不治の病の少女、誤解が誤解を呼ぶ刑事たち、これらが交錯して疾走するストーリ。

 ラストの決め方が難しいと思ったけど、なかなかよかった。それも遠山景織子の使い方がうまかったからかな。遠山景織子には、やっぱり不幸がよく似合う(^^;)。


「食神」

 面白かった。久しぶりに香港映画のパワーを実感(^^)。最高です。

 同じ食モノとしても、去年のツイ・ハーク監督の「金玉満堂」は詰まらなかった。1980年代後半の香港映画黄金期の立て役者、ツイ・ハークの力不足を感じました。「食神」はツイ・ハークへのアンチテーゼであるかもしれません。

 監督、主演はチャウ・シンチー、「ゴッド・ギャンブラー」2、3以来の大人気ですが、相変わらずこんなバカな役をやってるのが素晴らしい(^^)。

 かたや、ヒロインのカレン・モクは、ウォン・カーウァイの「天使の涙」の金髪の女ですが、もう手だしからいきなり姉御丸だしの役で、これ、ホントにカレン・モクと思わせてしまう。ホント信じられないです(^^;)。何しろ元モデルですからねえ。

 まあ、ともかくこの映画のキレ方は並みじゃないです。もし、1980年代後半の黄金期、香港映画が好きなら、是非とも観るべきでしょう。

 ちなみに、「食神」は1996年の興行成績2位、香港オタクの「秘伝 香港街歩き術」の著者、藤木弘子も絶賛してました。


「スピード2」- Speed 2:Cruise Control -

 「スピード」のキアヌ・リーブスが抜けて、サンドラ・ブロックだけ引き続いて続編を作るってが、どだい無理な気がするけど。監督は前作と同じヤン・デポン。

 ま、かなり粗い面もあるんですが、もうほとんどスピードのノリだけで楽しめます。あんまり細かい事考えてはいけないでしょう(^^;)。

 豪華クルーズの乗っ取り、この乗っ取りの仕方がちょっと雑だし、犯人のウィレム・デフォーが結構間抜けだし、手話の少女なんか上手く活かされてないし、船という特性は活きてないし、もう文句は幾らでもつけられるんだけど、やっぱりスピードで観てしまうって事ですかね。

 最後の海岸の町は実物大セットを作って、実際に船をつっこませたそうですが、そういう実写主義な所は迫力があって好感が持てます。スタントの使い方も、かなり荒っぽくて、CGなどでごまかしてないのが凄いです。


「ラリー・フリント」 - The People vs. Larry Flynt -

 後から知ったけど、監督はアマデウスのミロシュ・フォアマン。オリバー・ストーンが制作をやっているのが不安だけど(^^;)、ま、面白かったです。
 詳しくは知らないのですが、ラリー・フリントは実在の人物、「ハスラー」の創刊者。「ハスラー」の創刊から、ポルノ関係の裁判、結婚、狙撃、ドラッグ中毒、エイズなどなど、その疾走ぶりをいいテンポで描いてます。その行動がハチャメチャで、まあ、近くにいて欲しくはない人物像だけど、ウディ・ハレルソンがいい雰囲気で演技してます。

 ところで、「ハスラー」の始まりってストリップのパンフレットだったんですね。結構、最近の裁判の割には、非常に保守的なので驚きました。


「ティコ・ムーン」- Tykho Moon -

 エンキ・ビラル監督、脚本。

 うーむ、評価がムズカシイ。ストーリとしては、月の世界での伝説の男ティコ・ムーンをめぐる殺し屋、権力者、ジャーナリストなどの争い。
 アヴァンギャルドな映像、退廃的都市風景、ファッショナブルな登場人物たち、そこの所はいい雰囲気出しているんだけど、テンポが悪くてちょっと退屈。
 女スナイパーのジュリー・デルビーの冷たい雰囲気はなかなかいい。


「二十世紀ノスタルジア」

 広末涼子の初主演映画。末広は'95年にこの映画のオーディションで選ばれたのだけど、その後映画制作に二年もかかり、CMなどで先に有名になってしまった。
 監督は原将人。

 主人公は高校生の二人。チュンセとポウセ(宮沢憲賢治(^^))という宇宙人の視点でビデオを撮り続ける。ま、簡単に言えば、そんな変わった二人の恋愛ものなんだけど、なんというか他人の恋愛を覗いているような気恥ずかしさというか、映画全編にただよってます。何か、そういう恥ずかしさに馴染めない映画でした。


「サボタージュ」- Sabotage -

 監督はホラー系の人で「ザ・ゲート」(未見)の監督。
 元、海軍特殊部隊でボディーガードの主人公が、クライアントを射殺される。その事件をFBIと追う内に真相が次々と暴かれていく。
 まあ、退屈はしないけど、それほどうまくも無い映画かな。


「スター・ウォーズ ジェダイの復讐<特別篇>」
- Return Of The Jedi:Special Edition -

 三作目ともなると、CGを駆使した新たなシーンが加えられてもそれほど驚かないし、新鮮さも無い。でも、映画の出来としてはやはり面白い。特に、エンドアでのチェイスなんかは、現在だったらもっと凄いのになるんではないかと思った。

 まあ、'98年の新「スター・ウォーズ」、ナタリー・ポートマンやユアン・マクレガーに期待します。


「バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲」

 監督もティムバートンからジュエル・シューマッカーに、バットマンも「ER」のジョージ・クルーニーに交代。

 全体の雰囲気は変わらないものの、アクション色が強くなり、バットマンたちのボンデージ度も上がった感じ(^^;)。ゴッサム・シティのデザインも、一段とかっこよくなってます。

 どちらかというと、敵であるシュワルツェネッガーのMr.フリーズ、ユマ・サーマンのポイズン・アイビーの方が出番が多いかもしれない。全体のストーリ展開は大雑把だけど、まあ、キャラクタと勢いだけで楽しめるでしょう。

 新たな登場人物として、アリシア・シルバーストーン演ずるバットガールが出てきます。「クルーレス」で主演した彼女は久しぶりの美少女女優と期待されてましたが、意外な所で意外な役にはまりましたね。

 執事のアルフレッドが部屋で使っているパソコンがMacintoshの20th anniversary Model。彼に似合ってかっこよかった(^^)。

 ロビンも馴染んで、バットマンとロビンの掛け合いがTVシリーズっぽいです。

 「ER」のジョージ・クルーニーと言えば、ミシェル・ファイファーとの共演「素晴らしき日」も公開される予定。これって機内上映で見たんですが、結構気に入ってます。


「17セブンティーン」 - Telling Lies In America -

 「スリーパーズ」のブラッド・レンフロが主演。さえない高校生の彼が、ケビン・ベーコン演ずるDJに憧れ、やがて助手として彼の右腕になる。そこに恋物語やリベート事件などが絡む。結末のつけ方が、なんとも納得出来ないけど、こんなもんなのか(^^;)。

 考えてみるとケビン・ベーコンって、「フットルース」で人気が出たんだった。時代は変わったもんだ(^^;)。

 原題は、「Once Upon A Time In America」の洒落??


「ヘラクレス」- Heracules -

 ディズニー長編アニメの第35作。ご存じギリシャ神話のヘラクレスの物語。ギリシャ神話の中身もよく覚えてないので、どの程に忠実なエピソードがあるか自信ないのだけど。ヘラクレスは、英語の台詞ではハーキュリーと呼ばれているので違和感がある(^^;)。

 冥府の神ハデス(ゼウスの兄だから、ヘラクレスの叔父?)の呪いで人間界に住むヘラクレスがヒーローになり、神の世界へ戻る活躍を描く。ギリシャ神話に出てくるライオン、黄金の林檎、冥界の番犬ケルベロスなどは出てきません。ヒュドラ退治らしいのは出てくるけど。

 スタッフは、「アラジン」と同じメンバーだそうですが、CGの使い方がよりよくなりました。まだ、どこに使っているか判ってしまうけど。ディズニーで研究されている、いかにもアニメ的表現の3D CGも出てきますが、やはりCGだと判ってしまいます(^^;)。

 音楽は凄くいいです。特に、ミューズたちのブラックっぽい音楽が凄くかっこいい。


「ときめきメモリアル」

 私がやった事がある数少ないギャルゲーで一時かなりはまってた「ときメモ」ですが、ほとんどゲームとは関係ないです。その辺、期待していってはいけません。藤崎詩織がほんのちょっと出てくるだけ。

 まあ、内容はどうでもいい映画で、若手アイドルを楽しむだけですかね(^^;)。


「デボラがライバル」

 多田かおるのコミックが原作。少しは読んだことあるんだけど、こんなストーリだったかなあ(^^;)。後で読んでみなければ。ちなみに、デボラとは、ブロンディのボーカルから名前を取ったオカマの名前。

 主演は吉川ひなの。「瀬戸内ムーライト・セレナーデ」に続いて映画は二本目。「瀬戸内…」は台詞も少なくていい味が出ていたけど、今度は出番が多すぎてアラが目立ちます。まあ、それ以前にストーリ展開がむちゃくちゃつまらなくて、飽き飽きしてしまいましたが。

 個人的には、篠原ともえの出番が少なくて残念(;_;)。


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