中盤まではテンポが悪い気がしました。ラストの方はよかったけど。
企業社会の戦争、惑星の植民地、自己進化する兵器、人工生命と、SF的な道
具立てがいかにもディック。
中盤までの展開と、テンポをもっと活かせれば化けた映画かもしれないのに
残念。
神秘的なものに興味ある4人の女子高校生が、黒魔術を身につける。魔法自 体の恐ろしさを体験する事になるオカルトもの。 4人のそれぞれが、何らかの悩みを抱えた異端児。学園における4人の立場 と、黒魔術の合わせ方なんか、なかなか面白かったのだけど、脚本自体はちょ っと単純過ぎる。もっと面白くなったと思うのだけど。 主人公4人がそれぞれ魅力的でいいです。
監督はダニー・デビート。主演もしてます。コメディアンでもある彼は、監 督としても頑張っているけど、今一つ、これだという作品は撮れてない。で も、この映画は今までの中では一番好きです。 天才少女マチルダは、まるで堕落した一家の中で育ち、図書館の本で一人勉 強する。やがて、念願の小学校に入れて貰えるようになったが、そこは校長の 恐怖政治(^^;)が支配する…。 原作は読んだことないのですが、「ジャイアント・ピーチ」と同じロアル ド・ダール。全編、ブラックな部分も多いけど、ファンタジックな感じで、好 きです。何よりも主演がかわいくて素晴らしい。
ジャッキー・チェンの新作ですが、これは好きです。ジャッキー・チェ ンはまるで衰えてません。実に面白い。最初、ちょっとノリが悪いかなと 思ったけど、走り出すともうのめり込めました。 全編、007のパロディっぽくて、最初はロシアのスキー・チェイス。この 迫力が凄い。ここは「女王陛下の007」を遥かにしのいでます。ロシアのシ ーンでは、寒さとの戦いがギャグっぽくて、これは寒さ嫌いのジャッキー を逆手に取った笑いですね。 後半のオーストラリアは一転、水中格闘が面白くてこれも007のパロデ ィ。でも、これが凄い事に完全に水中でカンフーするんですよ。これはバ ーチャファイター2のボーナス・ステージに影響を受けたとしか思えない んだけど(^^)、素晴らしくうまい。 ジャッキーの映画が好きなら、年末年始のお勧めです。
クリスマス時期、ファミリー向けの可もなく不可も無い映画。とは言っても、 まるで期待してなかっただけに思ったより良かった。 ストーリは単純で、シュワルツェネガー演じる仕事一途な父親が、 日頃の罪滅ぼしの ために息子のクリスマス・プレゼントに大人気のオモチャを手に入れる話。こんな 単純なストーリで長時間引っ張れるものかと心配しましたが、ホント、思ったより よかった。ラストは予想出来たけど、かなりハデハデにまとめてくれて面白かった。 まあ、お気楽ファミリー映画ですけど(^^;)。
「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」ほどの感動は無かったけど、 面白かった。技術的には「ナイトメア…」よりも、よりうまくなっている 感じがします。CG処理も多くなっている気がするけど。 ダール原作のストーリのブラックさと、(製作だけど)ティム・バートンのブラックな ノリがうまく組合わさって、それでいながら人間味のあるドラマになっている のがいい。 それぞれのキャラクタが妙にリアリティがあってよかった。特に 色っぽい蜘蛛が好き(^^)。
美しい映像に美しい音楽、それに感動的なストーリを組み合わせれば いい映画になるに決まっている。単なる動物感動モノとしてこの映画を 見るのは間違っています。感動を生むストーリの上に、美しい映像と、美しい音楽を 丁寧に重ねる事によって、どれだけ完成度の高い映画が出来るかを 教えてくれます。実に丁寧で、うまい映画。 主演、アンナ・パキンは「ピアノ・レッスン」の時よりずっといい。 実話では男の子らしいけど、女の子にしたのは正解です(^^)。
N.Y.の海底トンネル事故からの生還を描く。主演はシルベスター・スタローン。 パニック映画の分野だけに、「ポセイドン・アドベンチャー」を意識 し過ぎているような気がする。生存者の人間ドラマを描きたかったのだろうけど 、人間のポイントが不明確だった。バラバラだった意識が、あるエピソードで 団結する所なんか、もうちょっとうまくやってもよかったのに。 「ポセイドン…」が船尾という方向性を もって進んでいたのに対して、生還への行動も場当たり的なのが気になる。 ラストの助かり方に至っては、あれじゃ「ルパン三世」じゃないかと思った(^^;)。 事故のシーンは実に迫力がありました。ID4よりもよかった。 今でも、パニック映画で「ポセイドン…」の素潜りおばさんを上回るエピソードは 無いなあ。 ところで、トンネルの入口の上にあった像って何の神様?海底トンネルだから ポセイドンかと思った けど、顔もちょっと違うような気がする…。
「オペラ座館殺人事件」。まあ、それなりですが、映画にするならTVシリーズのメンバーで作った方がずっと面白いと思う。
この篠原哲雄監督の「草の上の仕事」というのが気になっていて、観ていないのを 残念に思ってました。で、「月とキャベツ」は楽しみにしてました。 で、結果的に実に気に入ってます。傾向的には「この窓は君のもの」みたいな 今時少ない純愛ストーリ。曲が作れなくなったミュージシャン、火花は山奥で キャベツを作り一人暮らしている。そこに謎の少女ヒバナが現れ、奇妙な共同 生活を始める。荒削りだけど、実にいい雰囲気があります。
すなおに「ピノキオ」そのままのストーリ。あまりにそのままで、 それほどの感動はないのだけど、やはり「ピノキオ」には「星に願い を」が無いと淋しいなあ、というのが感想(^^;)。 見所としては、やはりCGを使ったピノキオですが、もう違和感もな くすんなりと受け入れられるほど自然。技術の進歩は大したもんで す。でも、遠景のピノキオとか、時々手抜きしているのが判る(^^;)。 多分、原作には無いのが、ゼペットじいさんの隠れた恋のエピソー ドはあったりします(^^)。