96年12月


「スクリーマーズ」96/12/1

 中盤まではテンポが悪い気がしました。ラストの方はよかったけど。

 企業社会の戦争、惑星の植民地、自己進化する兵器、人工生命と、SF的な道
具立てがいかにもディック。
 中盤までの展開と、テンポをもっと活かせれば化けた映画かもしれないのに
残念。


「ザ・クラフト」96/12/14

 神秘的なものに興味ある4人の女子高校生が、黒魔術を身につける。魔法自
体の恐ろしさを体験する事になるオカルトもの。
 4人のそれぞれが、何らかの悩みを抱えた異端児。学園における4人の立場
と、黒魔術の合わせ方なんか、なかなか面白かったのだけど、脚本自体はちょ
っと単純過ぎる。もっと面白くなったと思うのだけど。

 主人公4人がそれぞれ魅力的でいいです。


「マチルダ」96/12/14

 監督はダニー・デビート。主演もしてます。コメディアンでもある彼は、監
督としても頑張っているけど、今一つ、これだという作品は撮れてない。で
も、この映画は今までの中では一番好きです。

 天才少女マチルダは、まるで堕落した一家の中で育ち、図書館の本で一人勉
強する。やがて、念願の小学校に入れて貰えるようになったが、そこは校長の
恐怖政治(^^;)が支配する…。
 原作は読んだことないのですが、「ジャイアント・ピーチ」と同じロアル
ド・ダール。全編、ブラックな部分も多いけど、ファンタジックな感じで、好
きです。何よりも主演がかわいくて素晴らしい。


「ファイナル・プロジェクト」96/12/16

 ジャッキー・チェンの新作ですが、これは好きです。ジャッキー・チェ
ンはまるで衰えてません。実に面白い。最初、ちょっとノリが悪いかなと
思ったけど、走り出すともうのめり込めました。

 全編、007のパロディっぽくて、最初はロシアのスキー・チェイス。この
迫力が凄い。ここは「女王陛下の007」を遥かにしのいでます。ロシアのシ
ーンでは、寒さとの戦いがギャグっぽくて、これは寒さ嫌いのジャッキー
を逆手に取った笑いですね。
 後半のオーストラリアは一転、水中格闘が面白くてこれも007のパロデ
ィ。でも、これが凄い事に完全に水中でカンフーするんですよ。これはバ
ーチャファイター2のボーナス・ステージに影響を受けたとしか思えない
んだけど(^^)、素晴らしくうまい。

 ジャッキーの映画が好きなら、年末年始のお勧めです。


「ジングル・オール・ザ・ウェイ」 - Jingle All The Way - 96/12/20

 クリスマス時期、ファミリー向けの可もなく不可も無い映画。とは言っても、
まるで期待してなかっただけに思ったより良かった。
 ストーリは単純で、シュワルツェネガー演じる仕事一途な父親が、
日頃の罪滅ぼしの
ために息子のクリスマス・プレゼントに大人気のオモチャを手に入れる話。こんな
単純なストーリで長時間引っ張れるものかと心配しましたが、ホント、思ったより
よかった。ラストは予想出来たけど、かなりハデハデにまとめてくれて面白かった。
 まあ、お気楽ファミリー映画ですけど(^^;)。


「ジャイアント・ピーチ」 - James And The Giant Peach - 96/12/21

 「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」ほどの感動は無かったけど、
面白かった。技術的には「ナイトメア…」よりも、よりうまくなっている
感じがします。CG処理も多くなっている気がするけど。
 ダール原作のストーリのブラックさと、(製作だけど)ティム・バートンのブラックな
ノリがうまく組合わさって、それでいながら人間味のあるドラマになっている
のがいい。
 それぞれのキャラクタが妙にリアリティがあってよかった。特に
色っぽい蜘蛛が好き(^^)。



「グース」 96/12/22

 美しい映像に美しい音楽、それに感動的なストーリを組み合わせれば
いい映画になるに決まっている。単なる動物感動モノとしてこの映画を
見るのは間違っています。感動を生むストーリの上に、美しい映像と、美しい音楽を
丁寧に重ねる事によって、どれだけ完成度の高い映画が出来るかを
教えてくれます。実に丁寧で、うまい映画。

 主演、アンナ・パキンは「ピアノ・レッスン」の時よりずっといい。
実話では男の子らしいけど、女の子にしたのは正解です(^^)。


「デイライト」96/12/23

 N.Y.の海底トンネル事故からの生還を描く。主演はシルベスター・スタローン。
 パニック映画の分野だけに、「ポセイドン・アドベンチャー」を意識
し過ぎているような気がする。生存者の人間ドラマを描きたかったのだろうけど
、人間のポイントが不明確だった。バラバラだった意識が、あるエピソードで
団結する所なんか、もうちょっとうまくやってもよかったのに。
 「ポセイドン…」が船尾という方向性を
もって進んでいたのに対して、生還への行動も場当たり的なのが気になる。
 ラストの助かり方に至っては、あれじゃ「ルパン三世」じゃないかと思った(^^;)。
 事故のシーンは実に迫力がありました。ID4よりもよかった。

 今でも、パニック映画で「ポセイドン…」の素潜りおばさんを上回るエピソードは
無いなあ。

 ところで、トンネルの入口の上にあった像って何の神様?海底トンネルだから
ポセイドンかと思った
けど、顔もちょっと違うような気がする…。


「金田一少年の事件簿」 96/12/29

 「オペラ座館殺人事件」。まあ、それなりですが、映画にするならTVシリーズのメンバーで作った方がずっと面白いと思う。


「月とキャベツ」 96/12/29

 この篠原哲雄監督の「草の上の仕事」というのが気になっていて、観ていないのを
残念に思ってました。で、「月とキャベツ」は楽しみにしてました。
 で、結果的に実に気に入ってます。傾向的には「この窓は君のもの」みたいな
今時少ない純愛ストーリ。曲が作れなくなったミュージシャン、火花は山奥で
キャベツを作り一人暮らしている。そこに謎の少女ヒバナが現れ、奇妙な共同
生活を始める。荒削りだけど、実にいい雰囲気があります。


「ピノキオ」 - Pinocchio - 96/12/28

 すなおに「ピノキオ」そのままのストーリ。あまりにそのままで、
それほどの感動はないのだけど、やはり「ピノキオ」には「星に願い
を」が無いと淋しいなあ、というのが感想(^^;)。

 見所としては、やはりCGを使ったピノキオですが、もう違和感もな
くすんなりと受け入れられるほど自然。技術の進歩は大したもんで
す。でも、遠景のピノキオとか、時々手抜きしているのが判る(^^;)。


 多分、原作には無いのが、ゼペットじいさんの隠れた恋のエピソー
ドはあったりします(^^)。


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