'96年9月


「ティン・カップ」96/9/17

 ケビン・コスナー主演でプロ・ゴルファーものに恋愛がらみ。全体には「ボ
ディ・ガード」コスナー風は、ちゃんちゃらオカシイところもあるけど(^^;)、
ラストの方はなかなかいいです。いかにヒーロー像を作るかという脚本、監督
の技量を楽しみました。

 監督は「さよならゲーム」のロン・シェルトンですね。コスナーの中では
「さよならゲーム」は一番いい映画と思う。「ティン・カップ」も、ラスト
はさすがにシェルトンと言えるかもしれない。


「ナッティ・プロフェッサー」クランプ教授の場合 96/9/10

 エディ・マーフェー演ずる180cm180Kgの超デブのクランプ教授。一時的
にスマートになる新薬の発明によるスラップスティック・コメディ。とい
うと、やはり70年代のディズニーなどのマッド・サイエンティストものの
コメディを思い出します。しかし、あんまり面白くなかった。なんか、笑
えないんだよなあ。これが、「イレイザー」より人気があったなんて信じ
られない。マーフィーのトークはいい所もあるんだけど、状況的笑いがイ
マイチ。脚本が悪い。

 ところで、数年来マーフェーは映画の中で一人数役をやって、その特殊
メイクが話題になってますが、これがまるっきり映画にとけ込んでなく
て、まるっきり笑えない。いい加減に止めて欲しいもんだ…。ヒッチコッ
クが映画の中に出るような、遊びのつもりなんだろうか…、理解出来無い
なあ。


「ザ・ロック」 96/9/15

 面白かったです。
 アクションものとしては、それほどの派手さは無いです。でも、そのス
ピード感は素晴らしい。そもそも、カメラが凄いんですよね。アウトフォ
ーカスやブレなんかまったく気にしない様な大胆なカットを、さらに短く
短くつないでいく迫力の出し方がめちゃくちゃうまいです。ちょっと疲れ
るけど(^^;)。特に中盤のカーチェイスは圧巻です。あの追跡劇で死者は
出なかったのだろうか…(^^;)。

 キャラクタも、それぞれいいです。ニコラス・ケイジ、ショーン・コネ
リー、エド・ハリスそれぞれいいですね。三人のバランスもいい。コネリ
ー相手にケイジはちょっと役不足かと思ったけど、頑張ってました。アク
ションを主体とした部分もいいんだけど、美術館のシーンなんか泣かせて
くれて好きなところです。
 コネリーの役どころは面白いですね。

 ホントにハデハデなアクションを求めるなら、「イレイザー」なんかの
方が楽しめるかもしれないけど、私はこっちの方が好き。


「ジキル&ハイド」96/9/8

 何度も映画化されてますが、考えてみると映画は何度も観ましたが、
原作は読んでないです。だからどの程度、忠実に映画化されているかは
判りません。でも、以前の映画化よりもずっとシンプルに、地味に作ら
れています。それで重厚さを出そうとしている気がしますが、何か盛り
上がりに欠けて退屈でした。
 ジュリア・ロバーツも退屈な演技。

 忘れぬうちに原作を読まねば。


「ドラゴン・ハート」96/9/7

 ドラゴンがILMのCGで、「ジュラシック・パーク」よりリアル。ドラゴンの
声をショーン・コネリーがやっている…という点ばかりが宣伝されてます。
1000年前のドラゴンが生きていた時代という背景も、いかにも子供向けという
雰囲気ですが。
 実際に観てみると、なかなかストーリも凝っています。騎士道精神の生き残
り、ドラゴンとナイトとの友情、アーサー王伝説の時代を彷彿とさせる王国の
跡継ぎ物語などなど。でも、ちょっと消化不足、設定を生かし切れていないと
いう気はします。まるで無視するにはちょっともったいない映画でした。


「ACRI」96/9/1

 石井監督、米米のカールスモーキ石井です。前作の「河童」が荒削りながら
なかなか期待出来るものを感じていたので、今回も期待いっぱい。さらに原作
が岩井俊二となると、期待120%。
 河童に続いて、今回は人魚の話。
 しかし…、どうも期待外れでした。どこが悪いって難しいのだけどちょっと
詰め込みすぎ。時々見せる、岩井っぽい風景や画作りはいいのだけど、ストー
リ的には、盛りだくさんの割には完全に予測出来るところが陳腐。
 ちょっとホラーっぽいし、恋愛物語でもあり、さらに人類進化論までに及ぶ
ハードさも持っているんだけど、それだけに内容は消化不良。何よりも、感情
移入出来る対象がいないのが残念です。
 あと、人魚が可愛くないのが問題かな。かなり恐い(^^;)。


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