2004年2月


「リクルート」

若手コリン・ファレルと円熟アル・パチーノの共演といいう、いかにもハリウッド的単純な組み合わせ方ではあるが、サスペンスにしているのでなんとか楽しめる。 全体の裏は簡単に判ってしまうが、なぞ解きとスピーディな展開のさせ方はなかなか上手い。
ヒロインのレイラ(ブリジット・モイナハン)は二人に比べて目立たないし、ザック(ガブリエル・マクト)は印象弱すぎで可哀想。

http://www.movies.co.jp/recruit/


「着信アリ」

全体ではつまらない訳では無いのだけど、面白い部分それぞれは、どれもこれもどっかで見た事あるものばかり。そこにケータイとか虐待で新鮮味を入れているけど納得出来ない。観客は子供ばかりだったので素直に怖がっていたが、怖がらせ方が当たり前過ぎる。三池監督の味よりも、秋本康の企画モノという印象が強い。
ちょっとだけの出演だけだが、岸谷五朗のヘンな役だけ面白い。

http://www.chakuari.jp/web/


「赤い月」

降旗康男監督らしい古臭さ。いつもより金はかかっているし、話は壮大だが、やっぱり古臭い。
満州、敗戦、連軍の進行、関東軍、その秘密情報機関…と、それぞれ歴史的重さがあるのに、いかにも物語が軽くて作り物っぽい。テーマの重さに比べて、これでいいのかと思わせる。さらに軽くしているのが常盤貴子の演技か。

http://www.akaitsuki.jp/index2.html


「アース・アンド・ヘブン 天地英雄」

物語の中の、中国的な歴史、国土の広がり感が上手く、それを支えるキャラクタも味があってなかなかよい。今やトップスターとなっているヴィッキー・チャオは、扱いがちょっと奇麗過ぎる。中井貴一は目立ちはしないがいい感じ。

http://www.sonypictures.jp/movies/heavenandearth/


「タイムライン」

基本は同じだが、物語的にはクライトンの原作と随分違うなあ。原作は中だるみも激しかったので、それを上手く刈り込んでスピーディな物語に仕上げているのが上手い。ちょっと粗っぽい感じもあるし、キャラクタの個性が散漫で、どの人に注目していいかが判り難いが。

http://www.timeline-jp.net/


「アイ・ラブ・ピース」

聾唖、アフガニスタンの戦禍、地雷の被害と義足、などなど社会的なテーマが重く、それを真面目に作っている。しかし、余りに真面目過ぎるので、ちょっと重過ぎる。もうちょっと力を抜いた部分が無いと見ていて疲れてしまう。映画としては、「アイ・ラヴ・ユー」などより、ずっと面白くなっているのだけど。

http://www.cinema-indies.co.jp/ilovepeace/


「ミスティック・リバー」

原作の方に思い入れが強いので、どうしても原作と比較してしまう。やはり原作で印象的な、三人それぞれの心の闇の深さがちょっと弱いのが残念。特に、ティム・ロビンス演じるデイブは難しい。
それでも失望はしなかったので上手く出来た方なんだろうか。
映画として、これほど救いの無いラストで観客はいいんだろうか、という印象はある。原作そのままだけど。

http://www.warnerbros.co.jp/mysticriver/


「この世の外へ クラブ進駐軍」

進駐軍とジャズという設定は実に上手いし、歴史的、文化的にも大事だと思う。だからこそ、もうちょっと面白く作って欲しかった。ジョージ川口も死去し、当時の生き証人が少なくなる前に。
ラッセル、ジムとの友情など、ちょっと上っ面な印象がある。もっと直球勝負でも充分に面白くなったと思うんだけど。ややセンチメンタリズムが強くなり過ぎたか。

http://www.konoyo.jp/


「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」

最終章、映像的にもストーリ的にも満足、かなり面白い。灰色港の別れなど説明不足な所も多いかもしれないが、それでもよくまとめたと思う。200分はかなり長いので、途中休憩は欲しいが。

http://www.lotr.jp/


「ニューオリンズ・トライアル」

なかなか面白かった。「12人の怒れる男」の正義は昔の話、現在の陪審員制度の問題の深さも判るし、特に陪審コンサルタントという職業が新鮮で面白い。
ジョン・キューザックとレイチェル・ワイズの若手が、二重三重の演技が必要な非常に難しい役どころに活かされ、ダスティ・ホフマンとジーン・ハックマンと堂々と渡り合っているのが見事。映画全体を盛り上げている。

http://nt.eigafan.com/


「ゼブラーマン」

哀川翔主演100本目。
ハリウッドが「バットマン」や「スパイダーマン」をアメコミとは違った視点から映画化しているが、そんなヒーローものともちょっと違う。パロディ満載、ギャグ映画かと思うと、真面目にカッコよく作っている所もあって、実際、戸惑ってしまう。まあ、その遊び感覚が三池崇史監督らしいのかもしれないが。ある程度は楽しめたが、なかなか難しい作品。
観客は男女中学生ぐらいが多かったが、何故?

http://zebraman.jp/


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