2003年4月


「魔界転生」

 平山秀幸監督、山田風太郎原作、窪塚洋介、麻生久美子、杉本哲太、黒谷友香、吹石一恵、高橋和也、加藤雅也、古田新太、佐藤浩市。

 島原の乱で無念のうちに殺された天草四郎(窪塚洋介)は、従者クララお品(麻生久美子)とともに秘術により現世に転生する。そして荒木又右衛門、宝蔵院胤舜、宮本武蔵、柳生但馬に不死を与え仲間とともに徳川家の滅亡を企てる…。
 深作版も面白いとは思わないが、同じような詰まらなさ。リメイクの意味がどこにあるのか判らない。俳優の魅力が減って、CGで派手にしただけで全体には退屈。柳生十兵衛の佐藤浩市だけは良い感じだったが他の俳優はつまらない。窪塚洋介の天草四郎は面白いと思ったが、実際の映像では期待外れ。

「魔界転生」Official Website


「スピリット」- Spirit : Stallion of the Cimarron -

リー・アズベリー&ローナ・クック監督、マット・デイモン、ジェームズ・クロムウェル、ダニエル・スタディ。

 西部開拓時代、西部の草原で生まれた小馬のスピリットはやがて群のリーダとなる。ある日、仲間を守るため人間に捕らえられたスピリットは、奇兵隊に売られ、そこでラコタ族のリトル・クリークと出会う…。

 地味な展開、子供向きと思っていたが、実はなかなか捨てがたい映画。飽きさせないストーリ展開で一気に引き込まれるし、ラストのスペクタクルシーンは想像できない派手さでお見事。ほとんど評判にならなかったみたいで残念。
 どーでもいいんだが、アメリカ大陸の馬はヨーロッパから人間が持ち込んだものだから、開拓時代に野生の馬はそんなに居たの?
原題の"Cimarron"はニューメキシコ州のシマロン川の事。

「スピリット」Official Website


「ネメシス STX」

 スチュアート・ベアード監督、パトリック・スチュワート、ブレント・スパイナー、トム・ハーディー、ジョナサン・フレイクス、ウーピー・ゴールドバーグ 。
 エンタープライズ号のピカード艦長(パトリック・スチュワート)は 、ある惑星からの信号を受信し、データ少佐にそっくりのアンドロイドを発見する。そしてピカードは外交任務でロミュラス星へ向かい、指導者シンゾン(トム・ハーディー)と会う…。

細かい所では文句は無いが、全体ではなんとも平凡な映画になってしまっている。スタートレック・ファンとしては細部を楽しめるものの、映画としての価値は低い。善悪の二面性の葛藤も、なんか上っ面。

「ネメシス STX」Official Website


「デアデビル」- Daredevil -

 マーク・スティーヴン・ジョンソン監督、ベン・アフレック、ジェニファー・ガーナー、マイケル・クラーク・ダンカン、コリン・ファレル。

 NYマンハッタン、ヘルズキッチン。元ボクサーの落ちぶれた父ジャックを持つマット・マードックは事故から視力を失うが、残りの感覚が超人的に鋭くなるレーダーセンスを体得する。成長したマット(ベン・アフレック)は親友フランクリン・"フォギー"ネルソン(ジョン・ファヴォロー)と共に弁護士事務所を開くが、夜は無実となった犯人に自ら罰を与えるデアデビルとなる…。

 映像的には面白いが、レーダーセンスってのが説得性が無くて、なんか無理ばかり感じてしまう。敵役のウィルソン・フィスク(マイケル・クラーク・ダンカン)は味があっても悪役としての魅力は無いし、殺し屋ブルズアイ(コリン・ファレル)はちょっと漫画っぽ過ぎる。全体に無理じゃないのー、ってのばかり。

「デアデビル」Official Website


「猟奇的な彼女」

 クァク・ジェヨン監督、チョン・ジヒョン、チャ・テヒョン 。

 大学生のキョヌは、電車で泥酔する美人の彼女に出会う。生意気、正義感溢れて、極めて暴力的な彼女に振り回されるキョヌだが、彼女にはある秘密の過去があった…。

 ヒロインのキャラクタ設定が最大の魅力。キュートでいながら、暴力的、そして正義感が強い。バラバラな気がするけど、このキャラクタにすっぽりはまっている。考えてみると、「白鳥麗子でございます!」みたいな、ラブコメ、少女漫画的ではあるのかもしれない。最期のまとめ方も、奇麗過ぎるがなかなか上手い。やられたって感じ。

→「猟奇的な彼女」 Official Website


「アナライズ・ユー」- Analyze you -

 ハロルド・ラミス監督、ビリー・クリスタル、ロバート・デニーロ、リサ・クードロー、ジョー・ビテレッリ。

 「アナライズ・ミー」の続編。刑期終了間近のマフィアのボスのポール・ヴィッティ(ロバート・デ・ニーロ)が刑務所で、突然「ウェストサイド・ストーリ」の唄を唄ったり、無気力無反応になったりと奇行が始まる。かつての彼の精神分析医のベン・ソボル(ビリー・クリスタル)の保護観察付きでヴィッティは釈放となるが…。

 前作の設定の使い回し、乱雑な展開でまったく印象薄い。今回はデ・ニーロの歌のシーンだけが貴重か。前作が面白かっただけに、もうちょっと丁寧に作って欲しかった。

「アナライズ・ユー」Official Website


「タキシード <日本語吹き替え版>」- Tuxedo -

 ケヴィン・ドノヴァン監督、ジャッキー・チェン 、ジェニファー・ラヴ・ヒューイット、ジェイソン・アイザックス。

 タクシー運転手のジミー・トン(ジャッキー・チェン)は、億万長者デブリン(ジェイソン・アイザックス)に気に入られ専属運転手となる。実はデブリンはCSAの伝説的エージェントであり、爆弾により命を狙われる。ジミーはデブリンの秘密兵器タキシードを着て事件を調べ始める…。

 極めて軽いノリの映画。素直に楽しめばいいのだろうけど、丁寧さに欠けるし、深みも。無い。アクションはあるが、ワイヤーも多くちょっとジャッキー・チェンらしくは無い。動きは確かにいいが、敵に魅力が無いので余計に魅力半減。ヒロインのデル・ブレイン役ジェニファー・ラヴ・ヒューイットは、オタク丸出しの出だしからゴージャスな変化を見せてくれてなかなかいい。
 吹き替え版を見たが、吹き替えのレベルはかなり低い。字幕版を観るべきだった。

→ 「タキシード 」Official Website


「ブラック・ダイヤモンド」- Cradle 2 the Grave -

 アンジェイ・バートコウィアク監督、ジェット・リー、DMX、アンソニー・アンダーソン、ケリー・フー、トム・アーノルド、マーク・ダカスコス、ゲイブリエル・ユニオン。

 トニー・フェイト(DMX)は強盗グループのリーダ、その動きを秘かに監視するダンカン・スー(ジェット・リー)。さらに犯罪組織のボス、リン(マーク・ダカスコス)もブラック・ダイヤモンドを狙い、入り乱れた戦いが始まる…。

 いい加減な核やプロトニウムの知識、国家的な大犯罪に派遣される捜査官がたった一人とか、かなりメチャクチャ。しかし、細かい所を無視すればアクションは充分楽しめる。やはりジェット・リーの生身のカンフーは凄い迫力。DMXもいい味だが敵役がちょいと面白みが無い。

「ブラック・ダイヤモンド」Official Website


「ダイ・アナザー・デイ」- 007/Die Another Day -

 リー・タマホリ監督、ピアース・ブロスナン、ハル・ベリー、トビー・スティーブンス、ロザムンド・パイク、リック・ユーン、ジョン・クリース、ジュディ・デンチ。

 英国秘密諜報部員ジェームズ・ボンド(ピアース・ブロスナン)は、北朝鮮で大佐の暗殺を実行するが捉えられ、14ヶ月にわたり拷問が続く。大佐の部下ザオ(リック・ユーン)との捕虜交換で自由の身になったボンドは、諜報部員の資格を剥奪されるが、単身、ザオを追いキューバのDNA治療を行う病院へ潜入する…。

 捉えられ拷問に苦しむ姿は007らしくない感じもするが、全体にはスピード感がいい。最期の戦いは派手で良いが、ちょっと能天気過ぎて粗っぽい。ジンクス(ハル・ベリー)は007を越えてカッコよすぎ。全体では、リー・タマホリの良さはあまり出てない、というかタマホリは007向きじゃないでしょ。

「007/ダイ・アナザー・デイ」Official Website


「クローサー」

 スー・チー、ヴィッキー・チャオ、カレン・モク、マイケル・ワイ、ソン・スンホン、倉田保昭 。

 リン(スー・チー)とクワン(ヴィッキー・チャオ)の姉妹は、コンピュータを駆使する殺し屋。それを執拗に捜査する刑事コン(カレン・モク)とそのアシスタントのシウマ(マイケル・ワイ)。4人が対決する中、新たな敵からの襲撃を受ける…。

 美人姉妹のお色気アクションって所が北条司の「キャッツアイ」みたいだが、派手なアクションと新鮮なアイデアには驚かされる。日本では実現出来ない規模。おまけにスー・チー、ヴィッキー・チャオ、カレン・モクと大スターを集めた贅沢。
 ヴィッキー・チャオは「少林サッカー」とは違った明るいアイドル的役柄。こっちの方が素かな。

「クローサー」Official Website


Movie Top


to Top Page