大化の改新(645年)の中大兄皇子(天智天皇)の、 後継者争いの壬申の乱(672)の後、天武天皇が即位します。 その後の日本書紀の記述からです。
日本書紀には夏に日照りが続き五穀が実らなくて、秋7月に東方に長さ7〜8尺の星が現れ、 9月に至って天の一方に達した。8月の辛亥に四方に大祓を行うよう詔(みことのり)を出し、 壬子に大恩赦と放生を行うよう詔を出した。(概略)と書いてあります。
この記述は天武12年の記述ですから684年と言うことになります。
月 現行暦 7月 8/19〜9/17 8月 9/18〜10/16 9月 10/17〜 8月の辛亥は・・・表が見つからない・・・あった。16日のことですから。 10月3日のことですね。これで探してみましょう。
7月に東の空に星が現れたと言うことですから、日本書紀の天武12年7月1日つまり684年8月19日の 星空を見てみることにしましょう。
いたいた(^^) ハレー彗星だ!
うむ。聞いていたとおりだ(^^; 4.0等で1.093天文単位の所にいますね。 これならば天文官じゃなくとも見つかります。
場所はふたご座で薄明が始まる前3時30分にすでに50度と高い高度を持っています。 これでも最高高度ではないですものね。こいつは超ど級だ(^^;
ふたご座の足元にハレー彗星と木星が並んでいる形で、尾がぎょしゃ座とおうし座の間にのび 約15度ぐらいあります。そうですね15度とは前に手を突き出した時の 「にぎりこぶしぐらい」の大きさです。
えっと次にハレー彗星の出現の仕方を調べてみましょう。
初めハレー彗星は東の空に現れ、段段と高度を上げて行きます。 次第に光度が増すにつれ急速に高度を下げ、一時太陽に重なって見えるので、 彗星は消えたかに思われますが、直ぐに西の空に出現し、急激に光度を上げます。
西の空に見えた時には大彗星となっていることでしょう。
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下の太陽系図で説明いたしますと、地球が回っている反対側からハレー彗星が来ます。 その際東の空に木星と一緒に見えるわけですね。すれ違うとき太陽と彗星と地球が直線上に 並ぶので見えなくなります。
そうしてすれ違った後にハレー彗星は、金星軌道のさらに内側に入るので、とても長い尾を引き 大彗星となるでしょう。彗星の尾は太陽の反対側に伸びます。 ただし、彗星は太陽に近くなるので、見えるのは薄明が終わった直後でしょう
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