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光害(ひかりがい) |
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★ネオンなどの都市の明かりで星が見えない事を「光害(ひかりがい)」と言います。 「公害」との区別のために、このように「ひかりがい」と読むことに致します。光害は街明かりさることながら、光が大気の汚れにより拡散してしまうことでもありますので、 大気汚染のバロメーターにもなります。
「夜の照明」は治安上絶対に必要なものですけれども、 上空まで照らす必要は無ですし、ある試算では40%以上が上空に拡散しており、エネルギーの 無駄遣いともなっております。このため照明の殆どは壁を照らすだけで足元は意外に暗いものです。
上に傘が深く付いたフル・カットオフ型の野外照明を使用すれば、 地上に反射する光量が10%程度になり、光害も1/4にまで減少する事になりますので、 自治体の取り組みに期待したいと思います。夜空に星を取り戻したいですものね。
今年の3月に環境庁が「光害対策ガイドライン」を策定しました。 光害の定義は「光害(ひかりがい)は照明の目的範囲外に漏れた光による悪影響」とされております。 市町村で進めるべき「照明のあり方」「照明器具」「照明方法」など 内容が具体的になってきております。
照明環境類型 環境 上方光束率 短期推奨目標 行政整備目標 照明環境I
あんぜんの照明環境自然公園・里地・田園 0% - - 照明環境II
あんしんの照明環境道路灯・街灯 0〜5% - - 照明環境III
やすらぎの照明環境地方都市・大都市圏 0〜5% 0〜15% 0〜15% 照明環境IV
たのしみの照明環境都市中心部 0〜5% 0〜20% 0〜15%
1997年の4月1日に近日点を通過するヘール・ボップ彗星を見ようと、 商店街などにライト・ダウンをお願いするキャンペーンがありました。 20世紀最大の彗星と言われておりましたからね。こうした取り組みが今後も続いて欲しいとおもいます。
岡山県の美星町では光害防止条例があります。美星町・美星天文台へ
光害の酷い地域で天体写真を撮りますと、空が青くなってしまうのです。20mmの広角レンズで 20分露出しますと夜の12時とは思えない青空が写っています。千葉県船橋市が世界一悪い環境である測定された時期に試しに撮影したものです。
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左の「ヒアデス星団とプレアデス星団」の写真は紫色になっていますが、これはネオンの 影響でもあろうと思われます。そこで写真を撮ろうと思うと都市からかなり離れた場所まで 遠征しなければなりません。