日待・月待・庚申待と言った信仰は江戸時代までは盛んなようでありましたが、 それ以後はすっかりすたれてしまい。現在では実態がハッキリしないものになっております。そこで民俗学の学者さんは、ああだこうだと調べ・考えておられるようですが、 皆言ってる事があまりにもバラバラなので、今回は概略に留めます。
と言ってもそれも違うと言うか方が圧倒的でしょう。なにせ見解がバラバラなんですもの(^^;
日待信仰は日待塔などがある太陽信仰の一種であると考えてよさそうです。 日を待つと言うのですから朝日を待つと考えてしまいそうですが、そうでもないようです。昔から「待」は「祭」の事だと言う説が強いらしいのですが、異論もあるようです。 ね〜ね〜これではさっぱり分からないでしょ(^^;
例えば正月に富士山などの霊峰とされる山頂で初日の出を拝むなどでしたら、 何らかの信仰と想像できますが、日待信仰の場合は一晩中起きているのがわけわからんのです(^^;現存している所ではただのカラオケ大会になっているそうです(^^;
これは私の想像ですが、多分本来は民間信仰では無い気がします。 多分陰陽道の系統でしょう。なので民間には分かりにくいので、メチャクチャになってしまったのと 明治時代初期の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)運動で石仏などが破壊されてしまった事で、 肝心なところが抜け落ちてしまったのでしょう。
延喜式に書かれているお日待ちの八方拝が、日待信仰の最初の記述らしく、 源氏物語などにも書かれており、起源は道教・真言密教・陰陽道の何れかに由来しそうです。正月年頭に天皇が行うお日待ちは、天皇自身が執り行うのは恐れ多いので、御衣を拝借し、 その身代わりの御衣で業障消滅を計ったと言います。
その詳細は今回は省略しまして、天皇が行うお日待ちは、 一説では嵯峨天皇の時に日神の神託により 始められ応仁の乱などの戦火により、社家(ま〜神社の家^^;)がバラバラになってしまい、 それに乗じて偽者がアチコチの神社に入って日待・月待を持ちこんだため、 民間に、それも誤って伝わったものであると言う話しも伝わっているようです。
天皇の日待にかかわっていたのが吉田神社で、その系統を継ぐ神社として五流尊瀧院が あるそうで、その道では有名らしいです(テレビで見た事しかない^^;)旧暦正月23日の夜8時ごろから、翌24日の早朝まで神事が行われるそうで、古くは 「贖罪」つまり犯した罪をあがなう事にあったようです。
最近では神事の後、カラオケ大会になり、朝になるとお開き。 朝日を拝むなどの神事はないそうです。そのかわり儀式の中心は護摩供養であるそうです。 やはり起源は道教・真言密教・陰陽道の何れかに由来しそうな気がしないでもないですけれど・・・(^^;
- めっけたリンク
- お日待ち祭
- 修験道総本山「五流尊瀧院」旅行記
住吉大社の日待の行事が行われるのは正月・五月・九月で、月待の代表と言われる 二十三日に行われるそうであります。九月二十三日には「日待法楽」とあることから すると同社の法会であっったようです。住吉大社にいた陰陽師は毎月祓えの儀式のほか、同社の造営・修復・遷宮の吉日を選ぶ事と、 日待を執行してたようです。
なんだかよくわかりません(^^;)
日待・月待はセットと言うか、混ざってグチャグチャみたいです(^^;
細かな話しは別に「月待信仰」を設ける事に致しまして、ここでは概略をお話しましょう。
新月や二日月は見えないので、待信仰は無いようです。 有名どころは十三夜待。十五夜待。二十三待。と言ったところらしいです。
8月15日に十五夜で客を招いた場合、9月13日の十三夜にも客を招かないことは、 片見月と言って忌み嫌われたようです。十三夜が特別視されたのは13日が月輪を背負う虚空蔵菩薩の縁日であるからのようです。 どうもこの信仰を進めたのは真言密教と修験道のようです。
観音信仰から来ているようで、女性信者が多いとの事。
正月・五月・九月の二十三日に行われ、勢至菩薩が本尊だそうです。 知恵の光であまねく一切を照らし・・・との説明が月光と結び付けられたようです。 月待信仰といえば二十三待と言われ、全国規模での信仰があったようです。
30日まであるようです。・・・それ新月やがな(^^;)
中には40日を越えるのもあるようです。お〜い。そんな月は無いぞ(^^;)
庚申待は陰陽道から来ていると断言してよろしいでしょう。干支の1つ庚申(かのえさる)の日の 夜に祭事を行ったあと、飲み食いして一晩過ごした習俗です。平安時代に日本に入り、江戸時代に全盛でしたが、明治時代に排撃され今日では姿を消しました。
人間には体内に「三戸(さんし)の虫」がいて、その三戸の虫が庚申の日の夜になると、 人間が寝ている間に、その人間の行いを天上界に全て報告します。悪行が多いと寿命が縮むと言われたため、三戸の虫が人間の体から抜け出ないように、 一晩中起きているというセコイ習俗です(^^;
であります。
参考文献日待・月待・庚申待/飯田道夫著/人文書院
民俗学事典
陰陽道の本/学研