うお座・簡易版
★星座のお話へ▲天文民俗学目次へ ■ホームページへ


うお座
学名Pisces
略号Psc
20時の南中月日11月下旬
星座設定者プトレマイオス


ギリシア神話
●うお座
 オリュムポスの神々はその昔、大地の女神ガイアが生んだ巨神族を10年かけて滅ぼして ギリシアに神として君臨する事となりました。
 女神ガイアはオリュムポスの神々を怒り、人と獣の混合の巨大な怪物 テューポーンを生み出しました。

 テューポーンは力は誰よりも強く、背は星にまで届き、両の手を伸ばすと 西の端と東の端につき、百の竜の頭が肩についていました。 腱までは人間で、その下は毒蛇がとぐろを巻いている形で、 そのとくろを伸ばすと頭にまで達し、眼から火を放ちました。

 さてその頃、オリュムポスの神々は川のほとりで宴会をしておりましたが、 突然テュフォンが現れ、火の付いた岩を投げながら神々に突進してきたのですその頃。

 神々は驚き慌てふためいて、自分を動物の姿に変えて逃げました。 この時、美の女神アプロディーテーとその子エロースは魚になり 河に飛び込み、お互いに別れ別れにならないように二人の体を 紐でしばりました。この姿がうお座の形になっております。

●ゼウスの敗北
 最高神のゼウスは遠くからはカミナリを使い、近くでは金剛の鎌で攻撃し、逃げる テューポーンをシリアのカシオス山まで追い詰め、痛手を負っているテューポーンと 取っ組み合いましたが、テューポーンはゼウスをとぐろで巻きついて、 ゼウスの鎌を奪い、その鎌でゼウスの手足の腱を切り取り、ゼウスを担いで海を渡たり、 洞窟に押し込めました。ゼウスから切り取った腱は熊の袋にしまい、番人を置きました。

 ゼウスは神であるので死にません。そこで腱を切り取り動けなくしてしまったのですね。

●反撃
 さて伝令神であるヘルメスは足が速いことからドロボウの神でもあります。 ヘルメスは息子のパンと一緒に、熊の袋に入ったゼウスの腱を盗み出して、 密かにゼウスにつけました。

 これでゼウスは本来の力を取り戻しました。ゼウスは天馬のひく戦車にのり、 カミナリを放ちながら怪物テューポーンをニューサの山まで追い詰めました。

 ニューサの山には運命の女神たちがテューポーンをだまして「無常の果実」を食べさせました。 これでテューポーンの運命が決まりました。

 なお逃げるテューポーンはハイモス山を持ち上げゼウスに投げつけようとしましたが、 そこをゼウスがカミナリで攻撃し、ハイモス(ハイマ「血」)山はテューポーンの上に落ちたので 大量の血が出ました。

 テューポーンはさらに逃げシシリアの海を越えているとき、ゼウスはエトナ山を投げつけ テューポーンは下敷きになりつぶされてしまいました。 これ以来エトナ山から火が噴出していると言われております。

●テューポーンの子供たち
 怪物テューポーンには子供がいてうみへび座の「ヒュドラー」・しし座の「レルネーの獅子」・ 地獄のケルベロス犬など怪物たちの父となっております。


参考引用文献
A1★21世紀星座早見ガイド・林完次著・講談社・B1069
A2★星座ガイドブック秋冬編・藤井旭著・誠文堂新光社
A3★星座神話クラブ・脇屋奈々代著・誠文堂新光社
A4★ギリシア・ローマ神話辞典・高津春繁著・角川書店
A5★『星座の神話』・原恵著・恒星社


▲トップへ ★星座のお話へ▲天文民俗学目次へ ■ホームページへ