尾張旭市監査委員 殿

(:谷口市長)

 

 

住民監査請求事例集の作成・市ホームページでの公開について

 

市政の監査に付きまして、日頃ご精励のこと住民として感謝いたします。

さて、時は流れて21世紀に入り、私たちにとって益々情報の受け手・情報の発信者としての立場が重要視され、且つ其の認識も深化して来ております。

このような時代、特に自治体にあっては情報を持つ者と持たざる者との格差の解消に努めることは、住民福祉の観点からも大切なことです。

また説明責任を果たすために、或は住民の理解を得るために、積極的に情報を開示することは当然視されてきます。

例えば、行政にとっても、個人情報に配慮することは言うに及ばずですが、事前に行政の持つ資料の進んでの開示は、今次当市の情報公開条例改正の素因でもある事務作業の過重な負担から免れることもできます。

しかし上述のような態様に迅速且つ正確に応じるには、常日頃から手持資料が統一的基準の下に整理されている必要があります。

今はまだ、監査委員事務局に膨大な住民監査請求の事例が山積しているとは考えておりせんが、それゆえ、事例の少ないうちに、住民監査請求事例集の作成に着手していただきたく、要望する次第です。

事例集の体裁は、各年度別・請求日・件名・受理別・住民訴訟の有無等の索引をした上で、請求趣旨・請求内容・監査実施内容・監査結果等の詳細への参照が、市のホームページからアクセス可能なようにデータベース化して頂きたいのです。
 私たちが何らかの問題に対応する場合、調査・資料収集・分析・総合と経て解決策を見出す方法を採ります。

特に資料収集は豊富な解決代替案を得るのに肝心なものです。大量に纏められ・整理され・いつでも必要な時に取り出せる資料としての、文字通りのデータベースの公的機関からの公開は、問題解決・課題発見の前進的論証には不可欠の条件ともいえます。

情報公開は、私たちが同一化された判断資料を持つことで当為となる認識の共有化も計れ、取り組みへの参画も容易になり、同じ目的達成への歩みが可能になると考えます。

逆に意図的に隠された資料が在る場合や作為的資料で在る場合には、私たちの生存環境を不可逆的な誤った方向に誘導することにもなります。これは運命共同体に在る総てのものにとって不幸な事です。

情報は万人に用いられてこそ生きす。
 今私たちの置かれた状況(環境等)に視点を向けたとき、知恵を絞らなければならない焦眉の解決を要するものが多大です。

情報公開は知の宝庫を開放することです。そして問題解決等の鍵を与えてくれるものです。

是非ご住民監査請求事例集の作成・ホームページでの公開の検討を願います。

                      

                             平成21年1月26日

                             足立 巖

                                住所略